オールオン4・6といえば、総入れ歯と比べて
- 安定感があり、食事や会話の際の違和感が少ない
- 自然で美しい見た目を維持できる
など、メリットの多い治療法ですよね。
とはいえ、そんなメリットばかり語られることが多いオールオン4・6も、インターネット上で調べてみると「入れたことを後悔している人の体験談」を目にすることも…。
総入れ歯とは異なり、保険適用外で治療費も高くなるので、
入れたことを後悔している人がいるけど、大丈夫かな?
オールオン4・6が自分に合わなかったり失敗されたりしたら、どうしよう?
など、治療の選択肢として考えて良いのか不安に思う人も多いはずです。
そこで本記事では、忖度なしのオールオン4・6の情報を患者さまに知っていただくために、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が、
①そもそもオールオン4・6とは?向き・不向きはあるの?
②なぜオールオン4・6で後悔する人がいるの?
③オールオン4・6の後悔を防ぐ5つのポイント
の順に、オールオン4・6の治療を検討している方に役立つ情報を紹介していきます。
インターネット上の口コミや評判には、不確かな情報が紛れ込んでいるケースも多いです。
本記事では、歯科医師視点でできるだけ正確な情報を心がけておりますので、ぜひ最後までご一読いただければ幸いです。
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医
北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】
1:そもそもオールオン4・6とは?向き・不向きはあるの?
オールオン4・6とは、
- 歯をほとんどまたはすべて失ってしまった方
- 総入れ歯の方
に選ばれているインプラントを4本~6本埋入する治療法のことです。
オールオン4・6の向き・不向きは、
- 希望する使用感や見た目
- 患者さまのお口の中の状態
- お口の中の衛生管理への取り組み
- 治療にかけられる予算
などによって変わってきます。
では次に、どういう特徴を持つ人がオールオン4・6に「向いている」「向いていない」のか詳しくお話していきますね!
1-1:オールオン4・6に向いている人の特徴
オールオン4・6は、
- 総入れ歯の使用感にストレスを抱えている
- 残っている歯を今後残すのが難しい状態になっている
- 天然歯に近い快適な噛み心地や見た目を手に入れたい
- 人前に出て話す機会が多い
- 費用をかけても、長持ちする良質な歯を入れたい
といった特徴を持つ方に向いている治療法です。
というのも、オールオン4・6の最大の魅力は総入れ歯のデメリットを補える点になります。
総入れ歯にありがちな
- 違和感が強い
- 硬いものが噛めない
- 悪目立ちする
- 食事の味が落ちる
- 毎日取り外して清掃するのが面倒
- 長持ちしない
といったデメリットは、ほとんどありません。
歯は失ってしまったけど、自分の歯に近い「使い心地」や「見た目」の人工歯を入れたい方に適している治療法だと言えるでしょう。
1-2:オールオン4・6が不向きな人の特徴
一方で、オールオン4・6は
- 健康な歯が残っている人
- メンテナンス(セルフケアや定期検診)を怠ってしまう人
には不向きな治療法だと言えます。
というのも、オールオン4・6は歯がすべてない方に適応する治療法で、健康な歯が残っている場合も抜歯が必要になるからです。
また、入れ歯のように取り外して洗浄できるわけではないので、自分の歯と同じようにしっかり衛生管理しないと、歯周病が悪化して長持ちしにくくなります。
そういった意味で、オールオン4・6は向き・不向きをよく理解した上で選んだほうが良い治療法だと言えるでしょう。
では次に、インターネット上でオールオン4・6を入れて後悔する人がいる理由について詳しくお話していきます。
2:なぜオールオン4・6を入れて後悔する人がいるの?
オールオン4・6を入れて後悔する人がいる理由は、大きくわけて
①術前・術後の説明が不十分な歯医者で治療を受けた
②経験や技術不足の歯医者で治療を受けた
③術後のセルフケアや定期検診を怠ってしまった
の3つだと考えらます。
それぞれ、どういうことか解説していきますね。
2-1:術前・術後の説明が不十分な歯医者で治療を受けた
オールオン4・6を入れて後悔する人がいる1つ目の理由は、「術前・術後の説明が不十分な歯医者で治療を受けた」です。
というのも、オールオン4・6は
- 1993年にポルトガルで独自開発され
- 2011年から日本に輸入された
比較的新しい治療法になります。
そのため、治療の特性がまだ一般には広く知れ渡っていないことが多く、よく理解しないまま治療を選択すると以下のような後悔に繋がってしまうケースがあるのです。
・人工歯だからメンテナンスは必要ないと思ってたのに、必要だった
・ブリッジみたいな仕上がりになると思ったら、人工歯茎がついていた
→歯科医師と患者さまとの認識の違いで起こる!
こういった後悔を防ぐためには『オールオン4・6の後悔を防ぐ歯医者選びの5つのポイント』で紹介しているような、説明が丁寧な歯医者を探すのが重要になります。
2-2:経験や技術不足の歯医者で治療を受けた
オールオン4・6を入れて後悔する人がいる2つ目の理由は、「経験や技術不足の歯医者で治療を受けた」です。
オールオン4・6は、たった4~6本のインプラントで片顎すべての歯を支えます。
顎に埋め込むインプラントの
- 位置
- 角度
- 深さ
などによって、バランスが大きく変化する非常に難易度の高い治療法なのです。
そのため、経験や技術不足の歯医者でオールオン4・6の治療を受けてしまうと、
- インプラントが抜け落ちる
- インプラントの周囲に痛み・痺れ・腫れなどの症状が出る
- 噛み合わせの不具合で、人工歯が損傷してしまう
- 患者さまの希望していた仕上がり(見た目)にならない
などの問題が起き、治療後の後悔に繋がってしまうケースがあるのです。
治療難易度が高いことから、全国でもオールオン4治療を行える歯医者は少なく数が限られています。
ぜひ、記事後半の『オールオン4・6の後悔を防ぐ歯医者選びの5つのポイント』を読んで、信頼できる歯医者を探す方法をチェックしていきましょう!
2-3:術後のセルフケアや定期検診を怠ってしまった
オールオン4・6を入れて後悔する人がいる3つ目の理由は、「術後のセルフケアや定期検診を怠ってしまった」です。
オールオン4・6は人工歯なので、上部構造の歯自体は虫歯に侵されることはありません。
しかし、人工歯と歯茎との境目には汚れが溜まるため、
- セルフケア(ご自宅での歯磨き)
- 定期検診(歯医者でのプロによるクリーニング)
を怠ってしまうと、天然歯(自分の歯)が歯周病に侵されて抜けてしまうように、インプラントもインプラント周囲炎という症状が出て最悪抜け落ちてしまうケースがあるのです。
そのため、たとえどんなに優れた人工歯であっても術後のセルフケアや定期検診を怠ってしまうと、長持ちしません。
よりオールオン4・6を長く使っていくためにも、術後のセルフケアやメンテナンスは積極的に行っていく意識をもつようにしましょう!
では次に、そんなオールオン4・6の後悔を防ぐ際に重要な歯医者の選び方について、詳しく紹介していきます。
3:オールオン4・6の後悔を防ぐ歯医者選びの5つのポイント
オールオン4・6の後悔を防ぐ歯医者選びのポイントは、
①3DCT検査設備が整った歯医者を選ぶ
②日本口腔インプラント学会所属の歯科医師が担当医
③アフターフォローにも力を入れている歯医者を選ぶ
④格安なオールオン4・6には注意する
⑤セカンドオピニオンを利用する
の5つです。
それぞれどういうことか、説明していきますね!
3-1:3DCT検査設備が整った歯医者を選ぶ
第一に、オールオン4・6を検討する場合には「3DCT検査設備が整った歯医者」を選びましょう。
なぜなら、先述したようにオールオン4・6は、たった4~6本のインプラントで片顎すべての歯を支えます。
顎に埋め込むインプラントの
- 位置
- 角度
- 深さ
などによって、バランスが大きく変化する非常に難易度の高い治療法なので、
- 骨の厚み
- 血管や神経の位置
を立体画像で確認できる3DCT撮影機器が必要になるのです。
ただし、法律的には歯医者であれば3DCT撮影機器による精密検査を行わなくても、オールオン4・6の治療をすることが可能になります。
しかし、患者さまがより適切なオールオン4・6の治療を受けるためには、3DCT撮影機器がある歯医者で治療を受けたほうが安心だと言えるのです。
当院でも治療の精度を高めるために、3DCT撮影機器を完備しています!
3-2:日本口腔インプラント学会所属の歯科医師が担当医
第二に、オールオン4・6を検討する場合には「日本口腔インプラント学会所属の歯科医師が担当医になる」歯医者を選びましょう。
というのも、オールオン4・6は専門的かつ難易度が高い治療法です。
日本口腔インプラント学会の歯科医師であれば絶対に安心できるわけではありませんが、専門知識や技術を学んでいるという点において、歯医者を選ぶ1つの指針になります。
当院では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師がすべての診断・オペを担当します。
難症例にも対応できる知識や経験を持つ担当医が、患者さまに寄り添った治療を行いますので、気になることがある場合には遠慮なくご相談ください。
3-3:アフターフォローにも力を入れている歯医者を選ぶ
第三に、オールオン4・6を検討する場合には「アフターフォローにも力を入れている歯医者」を選びましょう。
というのも、オールオン4・6を入れた後に長持ちするかどうかは、術後のメンテナンスにかかっています。
インプラント周囲炎を含むトラブルから患者さまを守るためには、”入れて終わり”ではなく”入れた後の長期的な予後”も考えてくれる歯医者を選ぶ必要があるのです。
具体的には、
- 専属の歯科衛生士による処置(担当制)
- 保証制度の完備
を提供してくれる歯医者は信頼できる可能性が高いと言えます。
当院の場合もより長くオールオン4・6を使っていただくために、「患者さま専属の歯科衛生士」「最長10年保証」をご用意しております。
ぜひ、長期にわたって患者さまのお口の健康を整えるお手伝いをさせてくださいね^^
3-4:格安なオールオン4・6には注意する
第四に、オールオン4・6を検討する場合には「格安なオールオン4・6には注意」しましょう。
というのも、オールオン4・6の治療費が高いのには、
- インプラントの数が多い(4本~6本)
- 治療の難易度が高く、対応できる歯科医師が少ない
- 長持ちさせるためには良質な素材を使う必要がある
- 治療に必要な設備を整える必要がある
などの理由が関係しているからです。
相場から大きく外れている場合には、
- 3DCTなどの高額な検査設備が未導入
- 感染対策にかかる薬剤や人件費を削っている
- マイナーかつ安いインプラント体を使用している
- 入れた後の保証がつかない
など、費用だけではわからない重要なポイントを削減している可能性があります。
そのため、オールオン4の相場である片あご約220万~330万円と大きくかけ離れている金額の場合には、なぜ安いのかをよく考えた上で治療を受けるか検討したほうが良いでしょう。
当院では、お口の状態にもよりますが目安として約230万円~約270万円(税込)でオールオン4・6の治療が受けられます。
「少しでも多くの患者さまに安心・安全なインプラント治療を提供したい」という想いから、材料費等は一切妥協しておりませんのでご安心ください!
3-5:セカンドオピニオンを利用する
第5に、オールオン4・6を検討する場合には「セカンドオピニオンを利用する」のがおすすめです。
ここまで説明したように、同じオールオン4・6の治療を受けると言っても、歯医者によって
- 設備
- 在籍する歯科医師
- 術前術後の説明
- アフターフォロー
- 治療費
などがそれぞれ異なります。
そこでセカンドオピニオンを利用すれば、歯医者ごとの違いや治療への理解が深まり、
- 1人目の担当医の話が適切か判断できる
- 治療費の適正価格がわかるようになる
- 設備や保証制度の手厚さの違いがわかるようになる
などのメリットが得られるのです。
また、治療説明の際に口頭だけでなく、「アニメーション画像や動画」や「パノラマ・CT撮影した画像」などを使って、視覚的にもわかりやすく説明してくれる歯医者を選ぶと、治療後の「こんなはずじゃなかった」を防ぎやすくなります。
ぜひ、無料カウンセリングなどをうまく活用して、コミュニケーションが取りやすい歯医者を探してみてくださいね!
4:オールオン4・6の後悔を防ぐについての結論
それでは最後に、オールオン4・6の後悔を防ぐために重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
オールオン4・6とは、
・歯をほとんどまたはすべて失ってしまった方
・総入れ歯の方
に選ばれているインプラントを4本~6本埋入する治療法のことです。
総入れ歯に比べて、
・安定感があり、食事や会話の際の違和感が少ない
・自然で美しい見た目を維持できる
などメリットの多い治療法ですが、
・術前・術後の説明が不十分な歯医者で治療を受けた
・技術や経験が不足歯医者で治療を受けた
・術後のセルフケアや定期検診を怠ってしまった
場合には、治療後に後悔を抱えてしまう可能性が高くなります。
そのため、後悔なくオールオン4・6の治療を受けるためには、
①3DCT検査設備が整った歯医者を選ぶ
②日本口腔インプラント学会所属の歯科医師が担当医
③アフターフォローにも力を入れている歯医者を選ぶ
④格安なオールオン4・6には注意する
⑤セカンドオピニオンを利用する
の5つに注意して歯医者選びをするのがおすすめでしょう!
以上、今回は「オールオン4・6の後悔を防ぐ方法」について紹介しました。
当院では、患者さまに納得した状態で治療をスタートしていただくために、ご希望の方には個別のカウンセリングルームでじっくりお話をお伺いしています。
お口の中を拝見しないとお答えできない内容も多いので、まずは一度ご相談いただければ幸いです^^