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インプラントの代わりに歯牙移植をする4つの条件!メリット・デメリットは?

公開日:

インプラント以外の治療法

インプラントの代わりに歯牙移植をする4つの条件!メリット・デメリットは?

 

患者さまA

インプラントよりも安い歯牙移植をしたい

患者さまB

インプラントや入れ歯は嫌だから、自分の歯を移植したい


など、歯が抜けたときの第4の選択肢として、歯牙移植を希望される患者様もおられます。

しかし、残念なことに、歯牙移植はすべての方が選択できる治療法ではありません。

そこで本記事では、歯を失って歯牙移植を検討している方に向けて、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口

  • 歯牙移植とインプラントの違い
  • 歯牙移植をするメリット・デメリット
  • 歯牙移植をするための4つの条件
  • どこの歯医者でも歯牙移植を受けられるのか
  • 歯牙移植をするおすすめのタイミング

の順に重要なポイントを簡単に紹介していきます。

ぜひ、ご一読ください!

【執筆・監修者】田口 耕平

日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医

北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】

歯科医師:田口 耕平

1:歯牙移植とは?インプラントとの違い

歯牙移植とは?インプラントとの違い

歯牙移植とは、歯科用語で「自家歯牙移植(じかしがいしょく)」と呼ばれるもので、

  • 噛み合わせと関係ない歯を
  • 歯がない部分に移植する


治療法です。

インプラントと歯牙移植では、以下のような違いがあります。

1-1:インプラントと歯牙移植の違い
歯牙移植
歯牙移植
・埋め込む歯:自分の歯
・歯根膜:あり
・治療費相場:約20万円(自費※2)
・治療難易度:難しい
インプラント
インプラント
・埋め込む歯:人工歯
・歯根膜:なし
・治療費相場:約20万~40万円(自費※3)
・治療難易度:歯牙移植より簡単
 

※1:治療費の相場は、上部構造(被せ物)込の金額です。
※2:歯牙移植は一定の条件を満たせば、保険適応になります。(詳しくは記事後半でご説明します)
※3:公益社団法人日本口腔インプラント学会で2015年に調査されたデータです。2022年時点では、オプションを含む総額で1本あたり約30万~40万円かかるケースが多いです。

 
1-2:歯牙再植(しがさいしょく)との違い

歯牙移植と似た言葉で、「歯牙再植(しがさいしょく)」という治療法もあります。

これは、外傷や事故などの影響で

  • 歯が抜けた
  • 治療が難しい歯をあえて抜いた


場合に、再度元の位置に歯を戻す治療法になっています。

歯牙移植との違いは、以下のように覚えておいてくださいね!

歯牙移植
歯牙移植
抜いた歯を別の部位に埋め込む
歯牙再植
歯牙再植
抜いた歯を元の位置に埋め直す

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では次に、インプラントの代わりに歯牙移植をするメリット・デメリットを紹介します。

 

2:インプラントの代わりに歯牙移植をするメリット・デメリット

インプラントの代わりに歯牙移植をするメリット・デメリット


インプラントの代わりに歯牙移植をするメリット・デメリットは、以下のとおりです。

2-1:メリット

インプラントの代わりに歯牙移植をする主なメリットは、以下の4つです。

歯根膜がある

歯への刺激を伝える「歯根膜」があるので、食事の際に噛みごたえや歯ざわりを感じやすい。


また、歯根膜がクッションの役割を果たすので、噛んだ際に歯にかかる力も軽減しやすい。

手術負担が少ない

インプラント治療よりも大掛かりな手術をせずに治療ができる

矯正治療できる

歯牙移植した歯も矯正治療で動かせる(インプラント治療した歯は矯正治療で動かせません)

治療費が安い

保険適応にならなくても、治療費がインプラントよりも約10万円ほど安くなるケースが多い

 

2-2:デメリット

一方で、インプラントの代わりに歯牙移植をするデメリットは、以下の4つです。

治療の難易度が高い

治療の難易度が高いので、インプラントよりも歯科医師の技術が必要とされる

高齢者は不向き

40歳以上の場合は、成功率が下がる傾向がある

虫歯リスクが残る

歯牙移植した歯は天然歯(自分の歯)なので、通常の歯と同じように虫歯になるリスクは残る

歯牙移植をするには一定条件を満たす必要がある

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では次に、どんな条件を満たせば歯牙移植ができるかについて紹介していきます。

 

3:インプラントの代わりに歯牙移植をするための4つの条件

インプラントの代わりに歯牙移植をするための4つの条件


インプラントの代わりに歯牙移植をするための条件は、

  • できるだけ健康かつ不要な歯があること
  • 歯のサイズが移植する場所に合っていること
  • 歯の根の形が複雑ではないこと
  • 可能であれば40歳以下であること


の4つです。

どういうことか、詳しく説明しますね!

3-1:できるだけ健康かつ不要な歯があること


インプラントの代わりに歯牙移植をするための1つ目の条件が、「できるだけ健康かつ不要な歯があること」です。

不要な歯というのは、

  • 親知らず
  • 噛み合わせに関係のない歯


などを指します。

できるだけ健康というのは、

  • すでに虫歯で脆くなった歯
  • 歯周病で歯根膜が少なくなった歯


以外を移植したほうが成功率が高まるという意味です。

また、移植する部位の歯周病が進行した影響でアゴ骨が少なく、移植が難しくなるケースもあります。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

実際にどの歯が移植可能かは検査をしてみないとわからないので、詳しくは担当医と相談してみましょう!

 

3-2:歯のサイズが移植する場所に合っていること


インプラントの代わりに歯牙移植をするための2つ目の条件が、「歯のサイズが移植する場所に合っていること」です。

具体的には、

  • 移植する歯
  • 移植する歯の根


が移植する部位に適合していないと、歯牙移植は難しくなります。

3-4:歯の根の形が複雑ではないこと


3つ目の条件が、「歯の根の形が複雑ではないこと」です。

 

一般的に歯の根は、1本~5本とそれぞれの歯・人によって本数が異なります。

 

また形もまっすぐ生えているものもあれば、根の先で大きく曲がっているケースもあるのです。

 

歯牙移植をする場合には、

 

  • 歯の根が1~2本
  • まっすぐ生えている

 

など、単純な形をしているほうが歯根膜を傷つけずに済みます。

 

そのため、歯の根が複雑な場合は、歯牙移植ができないケースもあるのです。

 

 

3-5:可能であれば40歳以下であること


一般的に歯牙移植は、「40歳以上になると移植後の歯の喪失率が高まっていく」という報告があります。

 

なぜなら、年齢が上がると移植後の治りが悪くなったり、歯周病にかかる率が上がって長持ちしにくくなったりするからです。

 

ただし、お口の中の状態は個人差があります。

 

「何歳以上はできない」といった決まりはないので、まずは担当医と相談してみたほうが良いでしょう。

 

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では次に、結局インプラントと歯牙移植はどちらを選んだほうが良いかについて解説します。

4:結局インプラントと歯牙移植のどっちを選べばいいの?

結局インプラントと歯牙移植のどっちを選べばいいの?


結論からお伝えすると、「歯牙移植の条件を満たす場合には歯牙移植を選ぶのがおすすめ」になります。

 

なぜなら、歯牙移植には「歯根膜が存在する」という最大のメリットがあるからです。

 

より自分の歯に近い感覚で使用できますし、移植した歯がダメになった後にインプラント治療を選択するという方法も選べます。

 

 

 

▼あわせて読みたい



5:Q.歯牙移植はどこの歯医者でも受けられる?

歯牙移植はどこの歯医者でも受けられる?

A.受けられません。


なぜなら、歯牙移植は歯科治療の中でも難易度が高い治療になるからです。

そのため、口腔外科に積極的に取り組んでいる歯科医師が在籍している歯医者を選んだほうが安心でしょう。

インプラントの手術経験があったり、以下のような日本口腔外科学会に所属している歯科医師を探してみるのがおすすめです。

また、検査や診断の際に必要であれば、歯科用3DCTを使ってくれる歯医者だとより安心でしょう。

 

根の形や大きさを三次元(立体的)に確認できるので、より確実な歯牙移植ができます。

 

チェック

当院には日本口腔外科学会所属の認定医がおります。また3DCTの設備も取り揃えております。

インプラントだけではなく歯牙移植にも対応できますのでご安心ください。

 

5-1:歯牙移植は保険適用になるの?治療費の相場


歯牙移植が保険適用になる条件は、

 

  • 移植する歯が「親知らず」または「埋伏歯※」である
  • 移植する部位に歯が残っている

の2つの条件を満たす場合です。

 

上部構造も含めてすべて保険適応で治療した場合には、3割負担の場合、約9千円前後かかります。

 

保険適応外(自費診療)の場合は、上部構造も含めると約20万円前後になるケースが多いです。

埋伏歯(まいふくし)とは?

アゴ骨や歯茎に埋まっており、目視で確認できない歯のこと。歯の一部が見えている場合は、半埋伏歯(はんまいふくし)と呼ばれます。

 

6:歯牙移植をするおすすめのタイミング

歯牙移植をするおすすめのタイミング


歯牙移植をする場合は、

 

  • 歯を抜くタイミング
  • 移植するタイミング

を同時にするのがおすすめです。

 

なぜなら、

 

  • 移植後の傷の治りが速くなる
  • 歯根膜が残っていたほうが、術後の持ちが良くなる

などのメリットがあるからです。

 

ただし、抜歯や移植のベストタイミングは、お口の環境によって大きく異なります。

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

まずは検査を受けた上で、担当医とよく相談して移植のタイミングを決めるようにしましょう。

6-1:治療の流れ・治療期間

歯牙移植の大まかな治療の流れは、以下の通りです。

検査・診断

約30分~60分(カウンセリング時間によって異なる)

歯の清掃

※細菌感染リスクを下げるため

移植手術

約60分~90分

消毒

手術の翌日

抜糸

手術から約1週間後

歯の根の治療

抜糸から約1週間後

被せ物作成

歯の根の治療終了後

被せ物装着

被せ物作成から、約1~2週間後

 

歯の根の治療がどのくらいかかるかは、お口の状態や通院頻度によって大きく異なりますが、約2週間~1ヶ月かかるケースが多いです。

 

全体の治療期間は、約2ヶ月~6ヶ月と考えておくと良いでしょう。

 

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

歯科医院や患者様によっても大きく差が出る部分なので、詳しくは治療前に担当医に確認をするようにしてくださいね!

7:インプラントと歯牙移植の結論


では最後に、インプラントと歯牙移植の重要なポイントを簡単におさらいしていきます。

 

本記事のまとめ

インプラントと歯牙移植には、「人工の歯を埋め込む」or「天然歯を移植するか」といった違いがあります。

 

歯牙移植のほうが、

より自分の歯に近い感覚で使える
・治療費を抑えられる
・手術負担が少なく済む

 

といったメリットがあります。

 

ただし、

 

できるだけ健康かつ不要な歯があること
・歯のサイズが移植する場所に合っていること
・歯の根の形が複雑ではないこと
・可能であれば40歳以下であること

 

といった4つの条件を満たさないと、歯牙移植をするのが難しくなります。

 

インプラントと歯牙移植のどちらが良いか迷った場合には、まず口腔外科やインプラントに精通している歯科医師のもとで検査・相談をしてみましょう。

 

あなたが歯牙移植をするベストなタイミングについても、教えてくれるはずです。

 

また、歯牙移植の全体の治療期間は約2ヶ月~6ヶ月かかるケースが多いので、そのあたりも治療前に担当医に聞いてみてくださいね!

 

以上、今回はインプラントと歯牙移植についてお話しました。

 

どちらの治療法が患者さまに適しているかは、お口の中を拝見してみないと、正確に伝えることができません。

 

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

当院には、「インプラント」「口腔外科」それぞれの担当医がおりますので、気になる場合にはぜひ一度ご相談ください!

初回の無料カウンセリングは、「インプラント治療」をご希望の場合にのみ適用されます。

「歯牙移植」をご希望の場合には、初診時に審査代が約3,000円前後かかりますのでご注意ください。

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執筆協力:森崎ことり(ライター)