「インプラント治療って普通はいくらかかるんだろう…」と気になっている方。
通常のインプラント治療は保険適応外のため、”1本いくら”といった定義が存在しません。
つまり、インプラントは各歯医者で値段がまったく異なる「自費治療」にあたるのです。
とはいえ、いくらかかるのかといった目安がわからないと、そもそも治療を受けるかどうかも判断できませんよね。
そこで本記事では、
▶日本補綴歯科学会・専門医(インプラントの上部構造)
▶国際口腔インプラント学会・認定医(難症例にも対応できる)
のダブルライセンスを持つ歯科医師・田口が、
①インプラント1本あたりの料金相場
②インプラントの値段だけで歯医者を選ぶリスク
③インプラント治療で信頼できる歯医者の条件
④インプラトとお金の基礎知識
⑤まとめ
の順に、知っておくと役立つインプラントと治療費の情報を紹介していきます。
では、さっそく説明にうつっていきましょう!
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
1:インプラントは1本いくら?料金相場のまとめ
インプラント1本あたりの相場は、公益社団法人日本口腔インプラント学会で2015年に調査されたデータによれば「約20万~40万円」かかる歯医者が多いようです。
また、2022年時点では、物価高騰の影響などを受け、総額で1本あたり約30万~40万円に設定している歯医者が増えています。
ただし、これらはあくまでも相場です。
中にはインプラント1本あたり、10万円または50万円以上の価格設定をしている歯医者もあります。
1-1:「内訳」と「総額」の確認は必須
インプラント1本あたりの料金を確認する際は、料金相場との釣り合いを見る以上に重要なポイントがあります。
それは、かかりつけの歯医者から掲示された見積もりの「内訳」と「トータルの治療費」です。
なぜなら、単純なインプラント1本あたりの料金だけを見てしまうと、想定よりも最終的なトータル治療費が増えてしまうケースがあるからです。
具体的には、以下の代表的な6つの費用項目をチェックしてみてください。
②インプラントの手術費用
③骨が足りない方に必要な手術費用
④手術関連のオプション器具や処置料
⑤上部構造(インプラントに取り付ける歯の費用)
⑥メンテナンス費用
また、
・明らかに料金が高いなと感じる項目
・上記の中で見積もりに含まれていない項目
がある場合には、担当医師にその理由を尋ねてみるのがオススメです。
歯科業界に詳しくない方でも、見積内容を細かくチェックできるようになります。
2:「インプラント1本いくら」の基準で格安の歯医者を選ぶリスク
「インプラントがいくらか」といった値段だけを基準に、1本20万円以下の格安インプラント治療をしている歯医者を選ぶのはリスクが非常に高いと言えます。
なぜなら、一般的にインプラント治療が高額になるのは、以下の4つ理由が関係しているからです。
②質が高いインプラント体を使用している
③耐久性や審美性の高い上部構造を使用している
④最新の治療法や技術を習得するための研修費用が必要
もちろん一概に「料金が高い=良いインプラント治療をしている歯医者」というわけではありません。
しかし、格安の歯医者は上記の要素のどれかを削って、インプラント治療を安く提供している可能性が高いのです。
では次に、どんな歯医者であれば安心してインプラント治療を任せられるのかについて説明していきます。
3:インプラント治療で信頼できる歯医者の3つの条件
インプラント治療で信頼できる歯医者の条件は、大きくわけて以下の3つです。
☑ インフォームドコンセントの徹底
☑ 経験豊富な医師が在籍
☑ アフターフォローの充実
どういうことか、詳しく説明していきますね。
3-1:インフォームドコンセントの徹底
インフォームド・コンセントとは、「医師が患者に治療の目的や内容を事前にしっかり説明して、同意を得た上で治療を進めていく」という意味です。
つまり、検査や治療を進める前に、
という内容をあなたが納得いくまで説明してくれて、質問にも丁寧に答えてくれる歯医者は信用できる可能性が高くなります。
ちなみに、
・カウンセリングルーム
・カウンセラー
など、患者と医師が話し合いできる環境を整備している歯医者は、インフォームドコンセントに力を入れているケースが多いようです。
3-2:経験豊富な医師が在籍
インプラントの外科手術は数ミリ単位のズレが出るだけでも、術後の経過が左右されます。
そのため、インプラント治療を担当する歯科医師の実績や臨床経験等は事前に確認をしたほうが良いでしょう。
具体的には、
などの経歴や実績がある歯科医師がいる歯医者を選ぶのがオススメです。
3-3:アフターフォローの充実
インプラントは、入れて終わりではありません。
むしろ、治療後のメンテナンスによって、その後の持ちが大きく異なってきます。
そのため、アフターフォローに力を入れている歯医者を選ぶと、インプラントが長持ちしやすいです。
具体的には、
といった特徴をもつ歯医者を選ぶようにしましょう!
4:インプラントが1本いくらかを調べる際に考慮したい3項目
インプラントが1本いくらになるのかを調べる際は、事前に以下の3つの項目についても理解しておくのがオススメです。
☑ 医療費控除(お金が戻ってくる制度)
☑ 支払い方法や追加料金の有無
☑ インプラントの保険適用について
どういうことか、この次に詳しく説明していきますね。
4-1:医療費控除(お金が戻ってくる制度)
患者さまご自身またはご家族がインプラント治療を受けた場合、一般的には10万円以上の医療費が所得控除の対象になります。
歯医者に通う際の交通費や歯科以外の治療費等も合算して計算できるので、ぜひこのお得な制度をご利用ください。
詳しい内容は、国税庁のホームページからご確認いただけます。
4-2:支払い方法や追加料金の有無
インプラント治療で利用できる支払い方法は、以下の4つが多いです。
ただし、中にはクレジットカード払いやデンタルローンがない歯医者もあります。
見積もり書を掲示された段階で、支払い方法について事前確認しておくと良いでしょう。
また、見積もり掲示額とは別に追加料金がかかる可能性があるのかについても質問しておくとより安心です。
4-3:インプラントの保険適用について
一般的に、インプラントは保険適用にはなりません。
しかし、以下のケースに当てはまる場合は、例外として保険適用が認められます。
ただし、保険適用内でインプラント手術を受けるためには、一定の条件を満たした大きな病院(大学病院など)で治療を受けなければなりません。
保険適用内でのインプラント治療を検討されている方は、注意をしてください。
5:インプラント1本いくらの結論
それでは最後に、インプラントの料金について簡単におさらいしていきます。
インプラント1本あたりの平均相場は、約20万~40万円です。(2022年時点では約30~40万円)
質の高いインプラント治療は、コストがかります。
そのため、1本20万円以下の格安インプラント治療を提供している歯医者を、値段だけで選ぶのはリスクが高いです。
なので、安全面・使用感・審美面などを考えてインプラント治療は、
①インフォームドコンセントの徹底
②経験豊富な医師が在籍
③アフターフォローの充実
の3つ条件を満たした、信頼できる歯医者を選ぶのがおすすめとなります。
インプラントとお金の基礎知識として、
☑医療費控除(お金が戻ってくる制度)
☑支払い方法や追加料金の有無
☑インプラントの保険適用について
についても頭に入れておきましょう!
ぜひ本記事を参考に、インプラントも治療の1つの選択肢として検討してみてください。