オールオン4の治療を検討している際に、費用面が気になることがありますよね。
また、歯医者によって治療費が大きく異なる点が気になる患者さまも少なくないと思います。
そこで本記事では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が以下の内容を中心に「オールオン4の費用」についてまとめて紹介していきます。
・オールオン4の平均相場
・オールオン4の費用が歯医者によって異なる6つの理由
・オールオン4の見積もりを比較する際の注意点
・オールオン4と他の治療法の特徴や費用を比較
一般の方にもわかりやすいように、できる限り専門用語は使わずに解説しています!
ぜひ、最後までご一読くださいね^^
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医
北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】
1:オールオン4の費用!平均相場を歯科医師が解説
オールオン4の平均相場は、約220万円〜330万円です。
当院の費用は目安として、約230万〜270万円になるケースが多いです。
※上記は目安の金額です。お口の中の状態や患者さまのご希望によって、費用が前後する可能性がございます。
※インプラントを埋め込むのに十分な顎の骨の高さがない場合、骨の移植や補強を行うための追加の費用がかかることがございます。
ちなみに、「なぜ、平均相場にここまで差が出るのか」は、この後の『オールオン4の費用が歯医者によって異なる理由6選』で詳しく紹介しています。
あわせて参考にしてくださいね!
1-1:オールオン4とオールオン6で費用が異なるのはなぜ?
オールオンには、
- オールオン4:インプラントを4本埋め込む
- オールオン6:インプラントを6本埋め込む
があり、費用はオールオン4のほうが安くなっています。
それなら、最初から費用が安いオールオン4を選びたい!
と思われる患者さまも多いかと思いますが、実はそれぞれ以下のように適正条件が異なるのです。
- オールオン4:費用が安く、顎骨がしっかりしている方向け
- オールオン6:費用は高くなるが、顎骨が少ない方も長期的な耐久性を期待できる
そのため、オールオン4とオールオン6については、単純な治療費だけではなく患者さまのお口の中の状態に合わせて、担当医と相談した上で治療法を選ぶのがおすすめになります。
オールオン4とオールオン6の違いは、以下の記事でも詳しく説明しています。
ぜひ、あわせてご一読くださいね!
2:オールオン4の費用が歯医者によって異なる理由6選
『1:オールオン4の費用!平均相場を歯科医師が解説』でも紹介したように、オールオン4の平均相場は約220万円〜330万円と大きな開きがあります。
その理由は、自費診療にあたる治療のため、歯医者によって費用が大きく異なるからです。
とはいえ、いくらなんでも同じ治療で最大110万円も治療費に差が出るのは、患者さまからすると強烈な違和感を覚えますよね。
しかし、実は一口にオールオン4の治療を行う歯医者といっても、
①インプラントメーカーの違い
②上部構造の材質の違い
③担当医やスタッフの技術や専門性の違い
④感染対策や設備の差
⑤立地条件
⑥保証やアフターフォローの差
があり、歯医者によってオールオン4の費用が大きく異なる理由が存在するのです。
それぞれどういうことか、詳しくお話していきますね!
2-1:インプラントメーカーの違い
歯医者によってオールオン4の費用が異なる1つ目の理由は、「使用するインプラントメーカーの違い」です。
実は顎骨に埋め込むインプラント体を作っている会社(インプラントメーカー)は、
- 国内外を合わせると100社以上
- 日本だけでも30社以上
あります。
加えて、インプラントメーカー毎に販売しているインプラント体の
- 種類
- 大きさ(直径)
- 規格
- 料金
も大きく異なるのです。
そのため、その歯医者でどのインプラントメーカーを使用しているかで、治療費に大きな差が出ているケースがあります。
また、「どこのインプラントメーカーが一番良い」というのは一概には決まっていませんが、ある程度歴史や実績のある会社のインプラントのほうが安心度が高いです。
ただし、メジャーなインプラントメーカーの商品はそれだけ値段が高くなるので、格安でオールオン4の治療を提供している歯医者では敬遠される傾向があります。
当院では、歴史や実績がある3社のインプラントメーカーの商品を採用しています。
患者さまの大切な体に埋め込むインプラントだからこそ、価格だけで選ぶことはしていません。
2-2:上部構造の材質の違い
歯医者によってオールオン4の費用が異なる2つ目の理由は、「上部構造の材質の違い」です。
インプラントは、
- 先程説明した顎骨に埋め込む下部構造(インプラント体)
- 目視で確認できる上部構造(被せ物)
の2つからできていますが、この上部構造(被せ物)の材質によっても治療費が異なります。
▼インプラントの上部構造の種類
材質 | 費用 | 特徴 |
---|---|---|
ハイブリッドセラミック | 中 | 費用は比較的安いが、耐久性があまりなく変色しやすい |
オールセラミック | 高 | 審美性に優れているが、ジルコニアに比べて耐久性が低い |
ジルコニア | 高 | 審美性が高くセラミックに比べて耐久性も高いが、過度な歯ぎしりがある方は対策しないと歯がすり減る可能性がある |
当院のオールオン4の上部構造(被せ物)は、耐久性が高いジルコニアを採用しております。
なぜなら、オールオン4は寿命が長く、しっかりメンテンスをすれば半永久的に使える人工歯だからです。
単純な初期コストの安さよりも、長期視点でコスパが良い材料を優先して選んでおります。
2-3:担当医やスタッフの技術や専門性の違い
歯医者によってオールオン4の費用が異なる3つ目の理由は、「担当医やスタッフの技術や専門性の違い」です。
オールオン4は、たった4本のインプラントで片顎すべての歯を支えます。
また、顎に埋め込むインプラントの
- 位置
- 角度
- 深さ
などによって、バランスが大きく変化する非常に難易度の高い治療法なのです。
また、担当医が必要に応じて骨造成などの難しい処置に対応できるかも大きなポイントになります。
というのも、患者さまのお口の中の状態によっては、長期的な予後のために
- 骨のラインをそろえたり
- 強い歯肉(付着歯肉)を歯の周りに作ったり
して、骨造成などの治療を行う必要があるからです。
残念なことに格安のオールオン4は、こういった長期的予後を考えず、必要最低限の治療でとりあえず入れるだけの歯医者も多くなります。
さらに、「術後のケア」を担当する歯科衛生士に対しても、オールオン4を適切に管理できるようにするための研修などが行われていないケースもあるのです。
つまり、「どこまで適切な治療を行える人材を揃えているか」=「人件費にコストをかけているか」によっても、歯医者によってオールオン4の費用の差が出るケースがあるのです。
当院では、オールオン4は特に専門性が高い治療のため、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師がすべての診断・オペを担当しています。
2-4:感染対策や設備の差
歯医者によってオールオン4の費用が異なる4つ目の理由は、「適切な治療を行うための感染対策や設備の差」です。
オールオン4は手術中の細菌感染を防ぐために、通常よりも徹底した感染対策が求められます。
ただし、どこまで徹底するかは医院によって差があるため、感染対策にかけるコストの違いが治療費にも反映されるのです。
また、最新設備をどこまで取り揃えるかでも、導入コストに数千万円単位の差が出ます。
具体的には、
- 感染予防のための使い捨て用品の使用
- 高圧蒸気滅菌器による滅菌
- 立体的な画像診断が可能な歯科用CT
- 患者さまの個人情報に配慮したカウンセリングルーム
- 手術時の恐怖感を和らげる静脈内鎮静法が可能な設備
などが準備されている歯医者だと、積極的な感染対策や設備投資を行っていると判断できそうです。
当院では、患者さまの安心・安全に配慮した診療環境を整えるために、上記の感染対策や設備をすべて取り揃えております!
2-5:立地条件
歯医者によってオールオン4の費用が異なる5つ目の理由は、「立地条件」です。
歯医者は実店舗が必要になるため、家賃や土地代がかかることから地域によっても治療費に大きな差が出ます。
ただし、患者さまが治療費の安さを優先して通いにくい歯医者を選ぶのはおすすめしません。
なぜなら、オールオン4は治療後も同じ歯医者で定期検診を受けることで保証適用になるケースが多く、通院期間が一時的ではないからです。
当院は患者さまの通院負担を減らすために、”北戸田駅東口徒歩1分”の立地に開院しました。
詳しい交通情報は、こちらをご覧ください。
2-6:保証やアフターフォローの差
歯医者によってオールオン4の費用が異なる6つ目の理由は、「保証やアフターフォローの差」です。
オールオン4は入れるだけではなく、治療後の保証や管理も重要です。
しかし、
- どんな保証が用意されているか
- どこまでアフターフォローに力を入れているか
は、歯医者によって大きく異なります。
そのため、保証制度の違いやアフターフォローへの取り組みによっても、治療費に差が出ているケースがあるのです。
では次に、オールオン4の見積もり(費用)を比較する際の注意点を紹介していきます。
3:オールオン4の見積もり(費用)を比較する際の注意点
オールオン4の見積もり(費用)を比較する際は、「追加料金の有無」に注意しましょう。
というのも、同じ治療法の見積もりといっても、それぞれ歯医者によって
- 見積もりに含まれている費用
- 見積もりに含まれていない費用
が異なるケースがあるからです。
一見、見積もりの金額が安く見えても、場合によっては契約後に追加料金が発生してしまい、総額が高くなってしまうケースもあります。
そのため、見積もりをもらった際は「見積もり費用以外に追加料金が発生することはあるのか?」をしっかり確認しておくことが重要です。
また、あわせて
- 治療後のオールオン4にトラブルが発生した場合の費用
- 支払い方法
- 契約後の支払金額と支払い予定日
- 治療後のメンテナンス費用
などについても、事前に確認しておくとより安心でしょう。
3-1:後悔を防ぐ歯医者の選び方は?
オールオン4の治療をする歯医者選びで後悔を防ぐためには、治療費以外にも以下9つのポイントをチェックするのがおすすめです。
①CTが完備されているか
②外科手術に適した環境が整っているか
③担当医が骨造成や骨移植などの治療に対応できるか
④事前説明を丁寧に行ってくれるか
⑤保証やアフターフォローが徹底されているか
⑥痛みや腫れに配慮した治療が行われているか
⑦インプラントメーカーや上部構造までこだわっているか
⑧噛み合わせやお口全体の健康まで考えられているか
⑨ご自宅または職場から通いやすいか
具体的にどうやってチェックすれば良いのかは、以下の記事で詳しく解説しています。
あわせて参考にしてみてくださいね!
では次に、そもそもオールオン4は他の治療法と比べた際に費用が高いのかどうかについて解説していきます。
4:オールオン4の費用は高いのか?2つの治療法と比較
多くの歯を失い、オールオン4と他の治療法で迷っている場合には、
①総入れ歯
②従来のインプラントのみで行う治療
の2つの治療法とオールオン4を比較して、考えてみるのがおすすめです。
それぞれ詳しくお話していきますね!
4-1:総入れ歯と比較した場合
オールオン4と総入れ歯を比べた場合、費用だけを考えると総入れ歯のほうが圧倒的に初期費用が安いと言えます。
なぜなら、総入れ歯は保険診療の治療であり、患者さまの収入に応じて1〜3割負担で治療が受けられるからです。
▼総入れ歯とオールオン4・6の費用相場の比較
総入れ歯 | オールオン4 | |
---|---|---|
費用相場 | ・約3,000円(1割負担) ・約9,000円(3割負担) | 約220万~330万円 |
当院の治療費 | 保険適応のため、治療費は全国一律です。 (上記と同一の料金になります) | 約230万円~約270万円 |
※治療費は目安の金額です。お口の状態や患者さまのご希望によって、大きく前後する場合がございます。
※上記は、税込の金額です。
ただし、オールオン4には総入れ歯のデメリットを補える
- 固定式のため、会話や食事への影響がほとんどない
- 入れ歯特有の痛みや違和感がない
- 天然歯に近い自然な見た目になる
- 顎骨が痩せにくくなるから、頻繁な調整や作り直しが必要ない
- 手術後すぐに仮歯が入り、噛めるようになる
といった5つのメリットがあります。
そのため、
- 噛む
- 食べる
- 人前で話す
- 歯を見せて笑う
といった日々の生活において長期間ストレスを抱えたくない方は、総入れ歯よりもオールオン4を選んだほうが満足度が高くなるでしょう。
4-2:従来のインプラントのみで行う治療と比較した場合
オールオン4とインプラントは、両方とも
- 自費診療
- 外科手術が必要
- 顎骨にインプラントを埋め込む
という点においては同じです。
しかし、「オールオン4」と「インプラントのみで行う治療」では、以下のように埋め込むインプラントの本数が異なります。
- オールオン4:片顎4本
- インプラントのみで行う治療:片顎約10本以上
そのため、費用や外科手術の負担を考えると、歯がほとんどないまたはすべてない方の場合はオールオン4のほうがメリットが大きいケースが多いです。
ただし、オールオン4には、
- 残っている歯をすべて抜歯しなければならない
- 治療を行える歯科医師が限られている
といったデメリットもあります。
そのため、残せる歯の本数が多かったり、近くにオールオン4の治療ができる歯医者がなかったりした場合には、別の治療の選択肢を担当医と相談したほうが良いでしょう。
5:オールオン4の費用のまとめ
では最後に、「オールオン4の費用関連」で重要なポイントを簡単におさらいしていきます!
オールオン4の平均相場は、約220万円〜330万円です。
歯医者によって、治療費にここまで差が出る理由には
①インプラントメーカーの違い
②上部構造の材質の違い
③担当医やスタッフの技術や専門性の違い
④感染対策や設備の差
⑤立地条件
⑥保証やアフターフォローの差
の6つが関係している可能性が高いです。
そのため、単純な費用の比較だけではなく、内訳や歯医者の質も同時にチェックするようにしましょう。
また、歯医者毎の見積もりを比較する際には、
①見積もり以外の追加料金の有無
②治療後のオールオン4にトラブルが発生した場合の費用
③支払い方法
④契約後の支払金額と支払い予定日
⑤治療後のメンテナンス費用
も確認しておくと安心です。
オールオン4と他の治療法である
①総入れ歯
②従来のインプラントのみで行う治療
を比較する際は、治療費だけでなく治療後の使用感や通院負担などについても、総合的に比較するのがおすすめです。
どの治療法にも一長一短があるので、ぜひ担当医とよく相談の上、ご自身に1番適した治療法を選んでいただけたらと思います。
以上、今回は「オールオン4の費用」を中心に紹介しました。
自費診療であるオールオン4は患者さまの金銭的負担も大きく、治療の選択に悩まれるケースが多いと思います。
当院ではそういった方のために、オールオン4に限らず
- 口腔外科
- 矯正治療
- 歯周病治療
に精通したそれぞれの歯科医師がお口全体のバランスを考えて、患者さまのご希望を伺いながら最適な治療法をご提案しております。
セカンドオピニオンとして、ご利用いただくことも可能です。
お困りの際には、お気軽にお声がけくださいませ^^