治療が怖くて、虫歯でボロボロだけど歯医者に行けない
過去に痛い思いをしたから、治療するのが怖い
信頼して治療を任せられる歯医者が見つからない!
など、さまざまな理由で歯医者から足が遠のいてしまっている方がいると思います。
そして、そういったお気持ちになることはよく理解できますし、過去に嫌な目にあわれた方がもう一度歯医者を信頼するのは難しいですよね。
とはいえ、虫歯は放置していても百害あって一利なし。
いつかは痛みや腫れなどの症状が強くなり、嫌でも歯医者に行くことになりかねません。
その際に、とりあえず近場の歯医者で治療を受けて、
- 信頼関係を構築できず、治療が中断したり
- 納得いく治療が受けられず、さらに歯医者への不信感が高まったり
- 治療後の予後が悪かったり
しては非常にもったいないですし、歯を救える確率がどんどん減ってしまいます。
そこで本記事では、総合歯科診療を行う北戸田COCO歯科・院長の田口が、
- 虫歯で歯がボロボロな方が
- 治療を受ける前に知っておくと役立つ情報を
- 以下3つのポイントを中心に紹介
します!
本記事を読めば、ずっと気になっていたお口の問題を解決できます!
ぜひ、最後までご一読くださいね^^
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
目次
1:虫歯でボロボロな歯を治療するメリット
歯は、死ぬまで使っていく大切な体の一部です。
実際にPRESIDENT Online※が公開している調査によれば、「歯の定期検診を受ければよかった」は老後の後悔第1位になっており、お口の環境を整えるメリットを多くの人が実感しています。
・見た目の印象が大きく変わる(若々しくなる、清潔感が増す)
・口臭を予防できる
・早い段階で治療を受ければ、抜歯をせずに済む
・虫歯以外の健康な歯に感染が広がるのを予防できる
・治療が早ければ早いほど、治療期間を短縮でき治療費も節約できる
・しっかり噛めるので、全身に良い影響を与える(認知症リスク軽減、肥満予防など)
とはいえ、すでにボロボロになっている歯の治療には勇気がいりますよね。
そういった場合には、まずご自身がどんな治療を受けるのかを事前に知っておくことで、過剰な不安感を抑えられるようになります。
詳しくは、この次に説明していきますね!
2:虫歯でボロボロな歯の治療法&注意点
虫歯でボロボロな歯の治療法は、以下のように虫歯がどこまで進行しているかによって異なります。
▼【進行度別】虫歯の治療法
それぞれの注意点などについては、この後に虫歯の進行度別にお話していきますね!
2-1:【C1】軽度の場合
【C1(シーワン)】と呼ばれる、歯の表面のエナメル質まで虫歯が進行している状態の場合、虫歯に侵されている部位や進度によって、
- 虫歯部位の清掃や歯磨き指導などをした後は経過観察
- 虫歯部位を削って、レジン(白いプラスチック素材)を詰める
のように、治療法が2通りにわかれます。
C1の状態であれば、
- ほとんどの場合、通院回数は1本あたり1回で済む
- 治療費は、保険適応内での支払いになるので安く済む
- 削った場合も、白い詰め物になるので見た目が自然になる
ため、患者さまのご負担は少ないでしょう。
【C1】で歯がボロボロに見える場合の注意点
C1の場合、歯の一部分が変色するだけで、痛みや腫れなどの自覚症状はほとんどありません。
そのため、放置されやすく重症化してしまうケースが多いです。
虫歯が進行してからの治療になると、治療時間・治療費ともに患者さまのご負担はどんどん増えてしまいます。
そのため、痛みや腫れなどの症状がなくても、変色等で歯がボロボロに見える場合には、「定期検診で管理する」or「早期に治療を受ける」のがおすすめです。
2-2:【C2】中度の場合
【C2(シーツー)】と呼ばれる、虫歯が象牙質まで進行している状態の場合には、
- 虫歯を削った部位や量に適する
- 詰め物や被せ物をすることで
虫歯の進行を食い止められます。
ただし、虫歯を削った部位や量によっては、保険適応だと銀歯が入るので審美性が損なわれる可能性が高いです。
見た目が気になる場合には、自費診療の治療を選択することで白い歯を入れられます。
治療回数や治療費は状態によって大きく変わるケースが多いので、詳しくは担当医に確認しましょう!
【C2】で歯がボロボロに見える場合の注意点
C2まで虫歯が進行すると、虫歯の進行速度が一気に速くなります。
そのため、C2の段階で虫歯が神経まで到達しないように、しっかり治療をすることが歯の寿命を延ばすうえで非常に重要です!
「歯が黒ずんで見える」「歯に小さな穴が空いてる」などで歯がボロボロに見える場合は、早期に歯医者を受診するようにしましょう!
2-3:【C3】重度の場合
【C3(シースリー)】と呼ばれる、虫歯が神経まで進行している状態の場合には、何もしなくてもズキズキと激しく痛むケースが多いです。
そのため、痛みを取り除き歯の寿命を延ばすために、
- 歯の神経を除去したあとに清掃して
- 上から被せ物をする
根管治療(こんかん治療)を行います。
C3の虫歯が数本あってボロボロに見えている場合、治療が大掛かりになる点に注意が必要です。
治療が終わるまでに、1本あたり1ヶ月以上かかるケースが多くなります。
また、詰め物よりも人工歯の範囲が広く、保険適応で銀歯を入れる場合には見た目が非常に悪目立ちします。
見た目が気になる場合には、自費診療の治療を選択することで白い歯を入れられます。
気になる方は、担当医と相談してみてくださいね^^
【C3】で歯がボロボロに見える場合の注意点
C3まで虫歯が進行すると、虫歯治療に時間がかかるようになります。
なぜなら、根管治療は抜歯になるかどうかの瀬戸際で、歯の根っこの中から確実に虫歯菌を取り除くことがポイントになり、丁寧かつ精密な治療が必要とされるからです。
そのため、虫歯の再発を防ぐためにも、時間をかけて根管治療を行う必要があります。
また、根管治療によって歯の神経を除去すると、歯に必要な水分や栄養が届かなくなる影響で歯がもろくなるので、今まで以上に定期的なメンテナンスが重要となります。
上記の点から、C3まで虫歯が進行し歯がボロボロになっている場合には、早期に歯医者で適切な治療を受けないと、歯を失ってしまう可能性が非常に高くなるでしょう!
2-4:【C4】最重度の場合
【C4(シーフォー)】と呼ばれる、目に見える歯の部分がほとんど虫歯菌によって溶かされている状態まで進むと、
- 虫歯でボロボロな歯は抜歯をして
- 失った歯の代わりになる人工歯等を入れる
治療を行うのが一般的です。
ただし、C4まで進行していても状態によっては、「根管治療+被せ物(C3の治療法と同じ)」で歯を抜かずに済むケースもあります。
仮に抜歯になった場合には、
- ブリッジ(連結した被せ物)
- 入れ歯
- インプラント
- 接着ブリッジ
- 歯牙移植
といったような治療法で、歯を失った部分に代わりになる歯を入れることなります。
抜歯後の治療法については、以下記事でそれぞれ詳しく紹介しています。
参考にしてみてくださいね!
【C4】で歯がボロボロに見える場合の注意点
C4まで虫歯が進行すると、神経が虫歯菌に侵され死んでしまい、痛みを感じなくなることがあります。
ただし、痛みがなくなっても、虫歯菌による感染が止まったわけではありません。
むしろ、歯を残しておくことで
- 歯の根っこの先に膿が溜まり、顎の腫れや発熱などの全身症状を引き起こしたり
- 周囲の健康な歯にも感染が広がり、土台となる顎骨が溶かされたり
など、様々なトラブルが発生するため、そのまま放置するのは危険です。
歯を抜くのは気が進まないかもしれませんが、残りの健康な歯を守るためにも、C4まで進行した虫歯は早めに抜歯をしましょう!
では次に、虫歯でボロボロな歯を治療する際の歯医者の選び方を5つのポイントに絞って紹介していきます^^
3:虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方5選
虫歯でボロボロな歯を治療する際の歯医者選びのポイントは、以下の5つです。
①痛みを和らげる治療に取り組んでいる
②不信感を払拭する説明対応をしてくれる
③精密検査が可能
④幅広い治療法に対応できる歯科医師や設備が整っている
⑤治療後のメンテナンスにも力を入れている
一見すべて同じように見える歯医者でも、歯医者ごとに大きな違いがあります。
そして、虫歯でボロボロな歯の寿命を延ばすためには、
- どこの歯医者で
- どんな歯科医師に
- どんな治療を受けるか
が非常に重要になるのです。
このあとに一つひとつ、歯医者を選ぶポイントを紹介していきます。
ぜひ参考にしてくださいね!
3-1:痛みを和らげる治療に取り組んでいる
虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方1つ目は、「痛みを和らげる治療に取り組んでいる」になります。
虫歯で歯がボロボロになる状態まで我慢していた方の中には、過去に「歯医者で痛い・怖い思いをしたから、なかなか治療をする勇気を持てなかった」という人が多いです。
また、ボロボロな虫歯を治療する際には、通常よりも治療に痛みを伴うケースが多いので、恐怖や痛みで治療を中断することがないように
- 心理的・身体的な
- 患者さまの負担を減らすために
- 痛みを和らげる治療に取り組んでいる歯医者
を選ぶのがおすすめになります。
具体的には、
- 表面麻酔を塗布して、注射(麻酔)の痛みを感じにくくしてくれる
- 極細針&電動麻酔を使用して、麻酔を打つときの痛みを和らげてくれる
- 治療へのご不安が強い場合は、静脈内鎮静法を使用した治療も可能
のように、治療や麻酔時の痛みを抑えるための工夫をしてくれている歯医者を選ぶのがポイントです!
静脈内鎮静法とは、精神安定剤を静脈に点滴する方法です。
局所麻酔と合わせることで、身体面だけではなく、心理面もリラックスした状態で治療が受けられます。
静脈内鎮静法を利用された患者さまからは、「いつの間にか治療が終わってしまった」「寝ている間に手術が終わっていた」という声を聞くことも多いです。
当院でも、静脈内鎮静法をはじめとした、患者さまの痛みを和らげる治療に積極的に取り組んでいます。
極力痛みを取り除いてほしい場合には、初診時にご相談いただければ幸いです!
3-2:不信感を払拭する説明対応をしてくれる
虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方2つ目は、「不信感を払拭する説明対応をしてくれる」です。
虫歯でボロボロな歯を最後までしっかり治すためには、患者さまと歯科医師で治療をスタートする前に、共通の治療ゴールを認識することが非常に重要になります。
そのため、
- 複数の治療の選択肢を示したうえで
- 患者さまが納得のいくまで
- しっかり説明責任を果たしてくれる
インフォームド・コンセント(十分な事前説明と同意)を徹底している歯医者を選ぶのがおすすめです。
双方信頼した状態で治療を進められるので、余計な不信感を抱かず最後まで治療へのモチベーションを維持できます。
具体的には、
- プライバシーに配慮した個室のカウンセリングルームが完備されている
- 言葉だけでなく、画像・動画・書面を用いてわかりやすく説明してくれる
- 患者の質問に答える時間をしっかり取ってくれる
- 治療のメリットだけでなく、デメリットやリスクも説明してくれる
- ホームページ等で歯にまつわる知識を配信している
などの特徴を持った歯医者は、患者さまに寄り添った説明対応をしてくれる可能性が高いです。
当院では患者さまにご納得いただいた状態で治療を進めるために、モニターやタブレットなどを使用して、わかりやすい説明を心がけております。
また、ご希望の方には個別のカウンセリングルームで、周りを気にせずゆっくりご相談いただくことも可能です。
3-3:精密検査が可能
虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方3つ目は、「精密検査が可能」です。
というのも、先程お伝えしたとおり、虫歯は進行度によって治療法が大きく異なります。
そのため、まずはしっかり検査をして正確な状態を把握し、患者さまにとって最適な治療プランを提案してくれる歯医者を選ぶのが重要です。
具体的には、
- 歯科用CTによる立体的な画像診断が可能
- 拡大鏡やマイクロスコープを使用した精密治療ができる
- 一眼レフカメラ等で、治療前後のお口の中や顔の形などの記録を残してくれる
歯医者を選ぶのがおすすめになります。
当院でも、「歯科用CT」「拡大鏡やマイクロスコープ」「一眼レフカメラ」等を使用して検査や治療の精度を高めております。
詳しくは、設備説明をご覧いただければ幸いです^^
3-4:幅広い治療法に対応できる歯科医師や設備が整っている
虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方4つ目は、「幅広い治療法に対応できる歯科医師や設備が整っている」です。
「歯医者であれば、どこでも同じ治療が受けられる」と思っておられる方も多いですが、実はそうではありません。
歯列矯正が得意な歯医者もあれば、口腔外科を専門にしている歯医者もあるように、それぞれの歯医者で受けられる治療には大きな違いがあるのです。
ですので、どんな治療が必要になるかわからない場合には、”総合歯科診療の歯医者”を選ぶのがおすすめになります。
歯を1本1本診るのではなく、患者さまのお口全体のバランスや将来的なリスクを考えた上で最適な治療法を提案する診療方針のことです。
特に歯がボロボロな状態の方は、せっかく治療をしても虫歯が再発してしまうケースが多いので、
・矯正歯科
・口腔外科
・歯周病
・虫歯治療(根管治療)
・インプラント治療
・審美治療
・予防処置
などの1つの治療法に特化した歯医者よりも、すべての治療を総合的に行える環境が整った歯医者を選んだほうが良いでしょう。
当院でも総合歯科診療を提供するために、それぞれの治療に特化した設備やスタッフを完備しております^^
お悩みの際は、お気軽にご相談くださいね!
3-5:治療後のメンテナンスにも力を入れている
虫歯でボロボロな歯を治療する歯医者の選び方5つ目は、「治療後のメンテナンスにも力を入れている」です。
歯医者で虫歯治療がすべて終了しても、それで一生虫歯が再発しないわけではありません。
虫歯の再発リスクを下げて治療した歯の寿命を延ばすためには、定期検診(メンテナンス)を受けるのが非常に重要になるのです。
そのため、治療後のフォローが手厚い歯医者を選んでおくと、治療後の良好なお口の環境を維持しやすくなります。
具体的には、歯科衛生士(お口の健康づくりと口腔ケアを担当する国家資格保持者)が担当制になっている歯医者を選ぶと、治療後の細かな変化にも気づいてもらいやすいです。
また、自費診療を選択する場合には、保証制度が手厚い歯医者を選んでおくと、治療後のトラブルにも対応してもらいやすくなります。
当院でも、歯科衛生士の担当制を採用しております。
また、各種自費診療の保証制度も取り揃えておりますので、最後まで安心して治療を受けていただくことが可能です!
4:結論:虫歯でボロボロな歯は信頼できる歯医者で治療を!
それでは最後に、本記事の重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
虫歯でボロボロな歯を治療するメリットは、
・見た目の印象が大きく変わる(若々しくなる、清潔感が増す)
・口臭を予防できる
・早い段階で治療を受ければ、抜歯をせずに済む
・虫歯以外の健康な歯に感染が広がるのを予防できる
・治療が早ければ早いほど、治療期間を短縮でき治療費も節約できる
・しっかり噛めるので、全身に良い影響を与える(認知症リスク軽減、肥満予防など)
のように多くあります。
そのため、歯医者が苦手な方でも最後まで治療を中断せずに済むように、
①痛みを和らげる治療に取り組んでいる
②不信感を払拭する説明対応をしてくれる
③精密検査が可能
④幅広い治療法に対応できる歯科医師や設備が整っている
⑤治療後のメンテナンスにも力を入れている
の5つのポイントを満たす信頼できる歯医者で、できる限り早く適切な治療を受けるのがおすすめです!
以上、虫歯で歯がボロボロになった方に役立つ情報を紹介しました。
いくらボロボロな歯でも、諦めなければ救える歯が多くあります。
信頼できる歯医者が見つからない場合には、当院に遠慮なくご相談ください!
最後まで責任を持って、患者さまの治療に望ませていただきます^^