キシリトールの過剰摂取は下痢につながる?摂取目安量を歯科医師が解説|北戸田の歯医者|北戸田COCO歯科

BLOG 医院ブログ

キシリトールの過剰摂取は下痢につながる?摂取目安量を歯科医師が解説

一般歯科

キシリトールの過剰摂取は下痢につながる?摂取目安量を歯科医師が解説

虫歯になりやすいから、キシリトールを摂取してみようかな?

でも、キシリトールを摂ると下痢になりやすいって聞いたことがあるけど大丈夫かな?

といった疑問をお持ちの方。

たしかに、キシリトールは虫歯予防の効果が認められた物質です。

とはいえ、摂取方法を間違えてしまうと、おっしゃるように下痢やお腹が緩くなるなどの症状が出たり、十分な虫歯予防効果を得られないケースがあります。

そこで本記事では、予防処置にも積極的に取り組んでいる北戸田COCO歯科の院長・田口が「キシリトールの効果や下痢を防ぐ方法」について徹底解説していきます。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

ぜひ、本記事を読んで、キシリトール(虫歯予防)の知識をアップデートさせてくださいね!

では、さっそく本文にうつっていきましょう^^

【執筆・監修者】田口 耕平

北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】

歯科医師:田口耕平

1:そもそもキシリトールとは?なぜ下痢をしやすくなる?

そもそもキシリトールとは?なぜ下痢をしやすくなる?

キシリトールとは、国内だけではなく世界的にも虫歯予防効果が認められている天然甘味料です。

厚生労働省のサイトでは、以下のように説明されています。

糖アルコールの一種で砂糖と同程度の甘さがあります。むし歯を予防する天然甘味料として、北欧諸国で多用され、チューイングガムやタブレットなどに使用されています。厚生労働省より食品添加物として認可されているほか、世界保健機関(WHO)や 国連食糧農業機関(FAO)もその効果を認めています。

※一部引用:キシリトール | e-ヘルスネット(厚生労働省)

とはいえ、キシリトールガムなどを食べると下痢をしやすくなるなどの噂もあり、虫歯予防のために摂取しても大丈夫なのか気になりますよね。

そこでここからは、

  • キシリトールで下痢になる原因
  • キシリトールの1日の摂取目安量

の2つのポイントを詳しく解説していきます!

1-1:キシリトールで下痢になる原因

キシリトール(糖アルコール)は小腸で消化吸収されにくい物質のため、

  • 摂取量が多すぎたり
  • 体質に合っていない

場合には、消化のために大腸の水分量が増えて、下痢やお腹が緩くなるなどの症状が出るケースがあります。

そのため、キシリトールが配合されたガムやタブレットを食べる場合には、この後に紹介する摂取目安量を意識することが重要です。

1-2:キシリトールの1日の摂取目安量
キシリトール配合量
※出典:XYLITOL|お口の恋人 ロッテ

キシリトールの1日の摂取目安量(キシリトール配合量)は、

  • 幼児~小児:約1.5g~3g
  • 成人向け:約5〜10g

が推奨されています。


キシリトールの配合量は、ガムやタブレット商品の成分表示に記載されているのでチェックしてみてください。

ただし、キシリトールは摂取量を気にするだけでは、下痢症状を防いで虫歯予防効果を高めることはできません。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

そのため、この後に紹介する方法を実践するのが有効です。

2:下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法4選

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法4選

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法は、大きくわけて以下4つです。

①キシリトール含有率50%以上の商品を選ぶ
②糖類が0グラムの商品を選ぶ
③ガムまたはタブレットを選ぶ
④1日3~5回・3ヶ月以上を目安に継続摂取する

歯科医師:田口
歯科医師:田口

それぞれどういうことか、お話していきますね!

2-1:キシリトール含有率50%以上の商品を選ぶ
キシリトール含有率100%
※出典:Amazon

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法1つ目は、「キシリトール含有率50%以上の商品を選ぶ」です。

というのも、キシリトールの含有率が50~100%以上だと、虫歯予防の効果が期待できることが確認されているから※です。

市販商品のキシリトール含有率は、パッケージ裏などに記載されている成分表を確認したうえで、以下計算式を使うことでわかります。

【キシリトール含有率 = キシリトール(g)÷ 炭水化物(g)× 100】

歯科医師:田口
歯科医師:田口

もしご自身で確認するのが難しい場合は、キシリトール含有率100%の歯科医院専売品等を患者さまのご年齢などにあわせて紹介することも可能です!

お気軽にお声がけくださいね^^

2-2:糖類が0グラムの商品を選ぶ

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法2つ目は、「糖類が0グラムの商品を選ぶ」になります。

というのも、キシリトールが配合されていても、虫歯菌が好む糖類も同時に含まれていると、虫歯予防効果が半減してしまうからです。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

こちらもパッケージ裏の成分表をチェックすることで、確認できますよ!

2-3:ガムまたはタブレットを選ぶ

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法3つ目は、「ガムまたはタブレットを選ぶ」になります。

なぜなら、キシリトール先進国のフィンランドでは、

  • 咀嚼を続けることにより唾液が分泌される
  • 歯間など隅々までキシリトールを行き渡らせられる

といった理由から、キシリトール配合の商品は5分以上噛むことが推奨されているからです。※

ちなみに、歯が少ない乳幼児や残存歯の少ない高齢者は、キシリトール配合タブレットがおすすめになります。

一方で、噛む力をつけたい混合歯列期の小学生〜成人の場合は、キシリトール配合のガムが良いでしょう!

2-4:1日3~5回・3ヶ月以上を目安に継続摂取する

下痢を防いでキシリトールの虫歯予防効果を高める方法4つ目は、「1日3~5回・3ヶ月以上を目安に継続摂取する」になります。

というのも、『1-1:キシリトールで下痢になる原因』でも紹介したとおり、キシリトールは一度に大量摂取してしまうと下痢などの症状が出る可能性があるからです。

また、キシリトールは継続的かつ習慣的に摂取することが重要になります。

なぜなら、

  • 2週間の継続摂取で、ミュータンス菌(虫歯菌)の数が減り始め
  • 虫歯発症リスクを低下させるには、少なくとも約3ヶ月はかかる

ということがわかっているからです。※

ちなみに、摂取を中止すると数ヶ月〜数年で元の状態に戻ってしまうと言われているのでご注意ください!

歯科医師:田口
歯科医師:田口

ぜひ、1日3回の歯磨きの後などに、キシリトールガムやタブレットを摂取する習慣をつけてみてくださいね!

では次に、キシリトールを摂取していれば虫歯にならないのかどうかについてお話していきます。

3:キシリトールを摂取していれば虫歯にならないの?

3:キシリトールを摂取していれば虫歯にならないの?

結論からお伝えすると、答えは「NO」になります。

というのも、キシリトールは摂取しただけで、虫歯ができなくなる魔法の薬ではないからです。

虫歯予防のためには、基本的な

①歯磨きを毎食後に行う(日々のセルフケアの徹底)
②定期的な歯科検診を受ける
③正しい食生活を身につける(ダラダラ食べをしないなど)
④フッ素配合の歯磨き粉を使用する

の4つを実践したうえで、キシリトールを摂取するのが有効になります。※

もろ少し詳しく虫歯予防の方法について知りたい場合には、ぜひ直接ご相談ください。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

しっかりお口の中を検査したうえで、患者さまに最も適した予防法をご提案させていただきます^^

→当院の予防処置の詳細

4:キシリトールの効果や下痢を防ぐ方法の結論

それでは最後に「キシリトールの効果や下痢を防ぐ方法」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます!

本記事のまとめ

キシリトールとは、国内だけではなく世界的にも虫歯予防効果が認められている天然甘味料です。

ただし、1度に大量摂取すると、下痢やお腹が緩くなるなどの症状が出ることがあります。

下痢を防ぐためにも1日あたり、

・幼児~小児:約1.5g~3g
・成人:約5〜10g

のキシリトール配合量を目安に摂取するようにしましょう。

また、

①キシリトール含有率50%以上の商品を選ぶ
②糖類が0グラムの商品を選ぶ
③ガムまたはタブレットを選ぶ
④1日3~5回・3ヶ月以上を目安に継続摂取する

の4つのポイントを意識することで、下痢などを防ぎながらより虫歯予防効果を高めることが可能です。

ただし、キシリトールを摂取しただけで虫歯を予防できるわけではありません。

基本的な虫歯予防となる

①歯磨きを毎食後に行う(日々のセルフケアの徹底)
②定期的な歯科検診を受ける
③正しい食生活を身につける(ダラダラ食べをしないなど)
④フッ素配合の歯磨き粉を使用する

の4つを実践したうえで、補助的にキシリトールを摂取することを意識してみましょう!

以上、今回は「キシリトールの効果や下痢を防ぐ方法」についてお話しました。

当院では、”虫歯になりやすいこと”にお悩みの方をしっかりサポートするために、拡大鏡等を使用した検査を行ったうえで、患者さま毎に最適な虫歯予防の方法をご提案しています。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

お困りの際にはお力になれることも多いかと思いますので、ぜひお気軽にお問い合わせください^^