「インプラントは、治療費が高い」
こんなことがよく言われていますし、たしかに他の治療法と比べると高額になるケースが多いです。
とはいえ、
● そもそもなぜインプラント治療は高いのか
● 高いお金を払ってインプラントを選ぶ意味はあるのか
がわからないと、「歯医者がお金儲けのためにインプラント治療をすすめているんじゃないか…」と疑心暗鬼になってしまいますよね。
そこで本記事では、そんなインプラントの治療費への疑問を、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師の視点から解消していきます。
ぜひ、ご一読くださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
1:インプラントはなぜ治療費が高い?4つの理由
インプラントの治療費が高いのは、
☑ 保険適用外の治療(自費診療)
☑ 歯科医師の専門的スキルや知識が必要
☑ 設備や材料代がかかる
☑ 治療に時間がかかる
の4つの理由が関係しています。
どういうことか、それぞれ詳しく説明していきますね。
1-1:保険適用外の治療(自費診療)
インプラントは、「保険適用外(自費治療)の治療」になります。
というのも、保険適用になるのは国で定められている“必要最低限の健康”を維持する治療のみになるからです。
インプラントのように、
● より噛めるようにする
● より美しい
● より耐久性が高い
高品質な治療は、制限がかかり保険適用外(自費診療)になります。
保険適用外(自費診療)の場合、患者さまの負担割合は10割になってしまうので治療費が高額になってしまうのです。
1-2:歯科医師の専門的スキルや知識が必要
インプラント治療には、歯科医師の
● 高度なスキル
● 専門的知識
が必要になります。
なぜなら、歯科医師が
→ インプラントの特性を深く理解する
→ 正確な診断・検査を行う
→ 精密な外科手術を行う
→ インプラントを含めて総合的な治療をする
などができないと、安全かつ長持ちするインプラント治療を行えないからです。
そういった意味で、精度の高いインプラント治療をできる人材は少ないです。
結果的に優秀な人材確保するために、治療費が高くなる傾向があります。
インプラントは、歯科医師であれば誰でも治療をする資格があります。
しかし、そのレベルには差があるのが事実です。
もしよりレベルの高い歯科医師を探している場合には、以下の記事を参考に信頼できる担当医を探してみましょう!
あわせて読みたい
【インプラント専門医の選び方】絶対外せない4つのポイント
1-3:設備や材料代がかかる
インプラント治療を成功させるためには、「高額な設備や材料」を用意する必要があります。
例えば、正確な検査や診断をする際に役立つ歯科用3DCT(検査器具)は、約2千万もかかるのです。
他にも、
● 良質なインプラント体
● 外科手術に必要な最新設備
● 感染症対策の徹底
など一般歯科に比べると、インプラント治療の環境を整えるのに高いコストがかかります。
結果的に歯医者の金銭的負担は増えて、設備や材料代を回収するために治療費が高くなる傾向があるのです。
中には、1本10万円以下の格安インプラント治療を提供している歯医者もあります。
しかし、相場は1本約20~40万円。
格安の歯医者は、上記のようなお金がかかる設備や材料は用意していないケースが多いのです。
もちろん値段が安いのは、患者さまにとって大きなメリットになります。
しかし、安全性の意味ではリスクが高いです。
相場よりも、明らかに安いインプラントには注意をした方が良いでしょう。
あわせて読みたい
インプラント1本いくら?料金相場と信頼できる歯医者の条件
1-4:治療に時間がかかる
通常のインプラントの治療期間は、あご骨とインプラントを結合させるために
● 骨が十分にある場合:約4~5ヶ月
● 骨が少ない場合:約7~13ヶ月
ほどかかります。
▼治療期間の比較
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント |
約2週間 | 約1ヶ月 ~2ヶ月 |
約4ヶ月 ~5ヶ月※ |
※あごの骨が少ない場合には、治療期間がさらに3~9ヶ月前後のびます
そのため、他の治療法に比べて治療の工程が多くなり、治療費がかかってしまうのです。
では次に、他の治療法と比べた場合の治療費について説明していきます。
2:どのくらい高い?インプラントと他の治療法の相場を比較
インプラントと他の治療法の相場は、以下のとおりです。
▼他の治療法との相場比較表
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント | |
イメージ | |||
保険相場※1 | 約1万円 ~2万円 |
約5千円 |
- |
自費相場 | 約5万円 ~15万円 |
約15万円 ~80万円 |
約20万円 |
※1:保険は3割負担の場合の料金です
※2:公益社団法人日本口腔インプラント学会で2015年に調査されたデータです。2022年時点では、オプションを含む総額で1本あたり約30万~40万円かかるケースが多いです。
他の治療法でも、自費診療の場合はやはり治療費が高額になるケースが多くなります。
しかし、保険診療の場合には、治療費に大きな差がつくでしょう。
では、なぜこんなにも費用がかかるインプラント治療を選択する患者さまがいるのでしょうか?
3:なぜ治療費が高いのにインプラントが選ばれているの?
治療費が高額でもインプラント治療が選ばれている理由は、インプラントが他の治療法に比べて、
☑ 長持ちする
☑ 周囲の歯に負担をかけずに済む
☑ 自然で美しい口元になる
☑ 自分の歯のようにしっかり噛める
ことが関係しています。
つまり、歯を失ったときに選択する治療法の中で、「最も自分の歯と遜色ない形で使えるのがインプラント」になるのです。
特に歯の寿命という視点で考えると、インプラントは他の治療法より長持ちするので費用体効果が高くなります。
▼他の治療法と平均寿命を比較
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント |
約7年~8年 | 約4年~5年 |
約10~15年以上 |
周囲の歯にも負担をかけないので、お口全体の歯の寿命を延ばすという意味でも有効でしょう。
「高品質なものを長く大切に使っていきたい」と考える患者さまには、インプラントは満足度の高い治療法になります。
4:インプラントの高い治療費負担を軽減する3つの方法
さて、ここまで紹介した内容を読んで、
「インプラント治療はしてみたいけど、やっぱり治療費の負担が大きいのが気になる…」
と感じた方。
これから説明する
☑ 医療費控除を利用する
☑ クレジットカード払いでポイントを得る
☑ デンタルローンで分割払いにする
の3つの方法を活用して、治療費の負担を軽減できるのはご存知でしょうか?
知らない場合には、この後に一つひとつ解説していくのでチェックしてみてください!
4-1:医療費控除を利用する
医療費控除とは、「1年間に10万円以上の医療費を支払った場合、納めた税金の一部が還付(返金)される国の制度」のことです。
そして、インプラント治療はこの医療費控除の対象になっています。
もちろん他にも対象となる医療費があるので、ご本人および生計をともにする家族が1月1日~12月31日までに支払った医療費をまとめて申請できます。
ただし、医療費控除を受けるためには、ご自身で確定申告をする必要があるので注意しましょう。
詳しい確定申告の方法は、国税庁のサイトを参考にしてください。
医療費を支払ったとき(医療費控除)|国税庁
医療費控除の準備:令和元年分 確定申告特集
4-2:クレジットカード払いでポイントを得る
インプラント治療の支払い方法では、「クレジットカード払いを選ぶ」ことでポイントを得られます。
ただし、クレジットカード払いに対応していない歯医者もあるので注意をしましょう。
当院では、自費診療のお支払いについては各種クレジットカードをご利用いただけます。
▼当院で利用できるクレジットカード
4-3:デンタルローンで分割払いにする
デンタルローンとは、利用目的を「歯科治療」に限定した立替払制度のことです。
無理のない負担額で、分割払いをしたい方にはオススメでしょう。
メリット
● 通常ローンのより手数料が優遇されているケースあり
● 歯医者窓口で簡単に手続きできる
● 分割回数が多い
● 治療内容に応じて、利用額を調整できる
※信販会社により各種条件が異なるケースあり
デメリット
● デンタルローン未対応の歯医者がある
● 手数料発生で総支払額が増える
● ローン審査に通る必要がある
5:なぜインプラントは高いのかの結論
最後に長くなってしまったので、インプラントの治療費が高い理由について重要なポイントだけを簡単におさらいしていきます。
インプラントの治療費が高いのは、
☑保険適用外の治療(自費診療)
☑歯科医師の専門的スキルや知識が必要
☑設備や材料代がかかる
☑治療に時間がかかる
の4つの理由が関係しています。
ただし、「高品質なものを長く大切に使っていきたい」と考える患者さまには、治療費が高くてもインプラント治療が選ばれています。
なぜなら、
☑長持ちする
☑周囲の歯に負担をかけずに済む
☑自然で美しい口元になる
☑自分の歯のようにしっかり噛める
などのメリットがインプラントにはあるからです。
治療費負担を軽減したい場合には、
☑医療費控除を利用する
☑クレジットカード払いでポイントを得る
☑デンタルローンで分割払いにする
3つの方法を検討してみるのがオススメでしょう!
以上、インプラントの治療費が高い理由についてお話しました。
インプラントの治療費は、患者さまの治療内容によって大きく異なります。
具体的な見積もり額を知りたい場合には、ぜひ当院の無料カウンセリングをご活用ください