インプラントを勧める歯医者は、お金儲けを考えているんじゃないかな?
インプラントを勧めない歯医者のほうが、信用できそう。
時折、このように考える患者さまがいらっしゃいます。
結論からお伝えすると、インプラントを勧めるか否かで信頼できるかどうかを判断するのは少し方向性が違います。
なぜなら、同じインプラントを勧める歯医者でも、
- インプラント”だけ”を勧めているのか
- インプラント治療を行う技術や知識が十分にあるのか
- 本当に患者さまの歯のことを考えているのか
によって、全くインプラントを勧める意図が異なってくるからです。
とはいえ、保険診療より治療費が高い自費のインプラントを勧められると、どこまで信用していいか疑心暗鬼になってしまう方も多いと思います。
そこで本記事では、
- 日本補綴歯科学会・専門医(インプラントの上部構造)
- 国際口腔インプラント学会・認定医(難症例にも対応できる)
のダブルライセンスを持つ歯科医師・田口が、
①インプラントを勧めない歯医者のほうが信頼できるわけではない理由
②信頼できる歯科医師を見抜く4つのポイント
③インプラントを勧められたら具体的にどうすればいいか
の順に、本当にあなたの歯を思って治療を提案してくれる歯医者・歯科医師を探す方法を紹介していきます。
ぜひ、参考にしてくださいね!
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医
北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】
1:インプラントを勧めない歯医者のほうが信頼できるわけではない理由
冒頭でもお伝えしましたが、インプラントを勧めるか否かで歯科医師(歯医者)を信頼できるか判断するのは誤った方向性です。
なぜなら、
- インプラント治療を行う技術や知識がない
- インプラント治療を行う設備が整っていない
- 保険治療を中心に診療を行っている
などの理由でインプラント治療を勧めない(勧められない)歯科医師もいるからです。
一口に歯科医師といっても、技術や経験値は千差万別。
それぞれ得意な治療法も異なります。
基本的にはインプラントを勧めるか否かよりも、この次に紹介する4つのポイントで信頼できる歯科医師なのかを判断するようにしましょう。
2:インプラントを勧めないかよりも信頼できるかを見抜く4つのポイント
インプラントを勧めるか否かよりも、歯科医師が信頼できるかを見抜くポイントは、
①検査・診断をしっかり行ってくれる
②残せる歯はできるだけ残す方向性を示してくれる
③インプラント以外の治療の選択肢も丁寧に説明してくれる
④治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる
の4つです。
それぞれ、どういうことか詳しくお話していきますね!
2-1:検査・診断をしっかり行ってくれる
第一に、治療を提案される前に「検査・診断をしっかり行ってくれるか」が歯科医師を信頼できるかの判断ポイントになります。
というのも、そもそも患者さまの歯を第一に考えた治療を提案するためには、正確な検査・診断が必要不可欠です。
例えば、インプラントが患者さまに適しているかを判断する際に、当院では通常のレントゲン以外に3DCT(三次元の画像診断)で検査を行います。
これは、通常のレントゲンだけでは調べられない情報を立体的に捉えて診断に活かすためです。
また、文章や言葉だけでは患者さまに伝わりにくいことも多いので、お口の中の写真を撮ってモニター上でしっかり説明を行い、ご納得いただいた上で治療を選んでいただけるようにしています。
※当院での説明風景
つまり、まずはインプラントを勧めるか否かよりも、
- しっかり検査・診断を行ってくれているか
- 患者さまにわかるように画像等を使った丁寧な説明を心がけているか
などが、歯科医師・歯医者を信頼できるかのポイントになるのです。
2-2:残せる歯はできるだけ残す方向性を示してくれる
第二に、「残せる歯はできるだけ残す方向性を示してくれる」かどうかでも、歯科医師が信頼できるかどうかが分かります。
インプラントは歯を失った際に入れる人工歯としては、優れた治療法です。
しかし、どんなに優れた人工歯でも、天然歯(自分の歯)に敵うものはありません。
歯の寿命を延ばすという意味でも、残せる歯はできるだけ残したほうが良いのです。
例えば、ある歯医者で「もうこの歯はダメだから、早めに抜きましょう」と言われても、別の歯医者では、
- 感染根管治療
- 歯周外科
- 再植
- 部分矯正
など様々な最新の治療法で歯を残せるケースもあります。
どこまで歯を残せるかは、それぞれの歯医者で判断が異なる部分でもあるので、基本的には
- インプラントを勧めない歯医者ではなく
- インプラントを含む総合的な治療ができる歯科医師に
- できるだけ歯を残せる選択肢はないか
を聞いてみるのが1番です。
2-3:インプラント以外の治療の選択肢も丁寧に説明してくれる
第三に、「インプラント以外の治療の選択肢も丁寧に説明してくれる」かどうかでも、歯科医師が信頼できるかを判断できます。
基本的に歯を失ってしまった際には、
- 入れ歯
- ブリッジ(被せ物)
- インプラント
- 歯牙移植(条件による)
の4つの治療法が選べます。
歯科医師として、患者さまにとってのベストな治療法の提案は行いますが、最終的にどの治療法を選ぶかは患者さまの意思が尊重されます。
そういった意味で、インプラントやブリッジだけではなく、複数の治療の選択肢を丁寧に説明してくれる歯医者は信頼できるでしょう。
2-4:治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる
第四に、「治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる」歯科医師も信頼できる可能性が高いです。
インプラントに限らず、どの治療法にも必ず良いところと悪いところがあります。
例えば、保険のブリッジは
- 治療費が安い
- 入れ歯よりも自然な見た目になる
- 外科手術を受けなくて済む
などのメリットがあります。一方で、
- 隣接した歯を大きく削る必要がある
- 土台の歯に負担がかかり、歯が割れやすい
- 土台の歯の状態が悪いと、適応しにくい
- 約7~8年でダメになるケースが多い
のようなデメリットもあります。
どの治療法にも一長一短があるので、インプラントのデメリットばかりを強調したりブリッジや入れ歯のメリットばかりを説明する歯科医師が信頼できるとは限らないのです。
大切なのは、それぞれ公平な情報を患者さまに伝えて選ばせてくれるかどうかになります。
では次に、実際に「あなたがインプラントを勧められたらどうすればいいか」についてお話していきますね。
3:インプラントを勧められたら具体的にどうすればいい?
もしあなたがインプラントを勧められたら、
①歯科サイトやブログで情報収集をする
②担当医に気になる点を納得いくまで質問する
③他の治療法とよく比較検討する
④悩んだときはセカンドオピニオンを利用する
の4つの行動を実践してみましょう。
一つひとつ詳しく紹介していきますね!
3-1:歯科サイトやブログで情報収集をする
インプラントを勧められたけど、よくわからないし不安だという場合には、まず「歯科サイトやブログで情報収集」をしてみてください。
というのも、一般の方で最初からインプラントについて詳しい人はほとんどいません。
納得した状態で治療を選択するためには、患者さまご自身にもインプラントを含む歯科治療について少しでも関心を持っていただくのがおすすめです。
ただし、情報収集するのはどこのサイトからでもOKなわけではないので注意してください。
- 一般の方の体験談やブログ
- 歯科に従事する人以外の意見
はどんなに参考になっても、信憑性があまり高くないことがほとんどです。
大切なポイントは、”誰が”情報発信をしているかになります。
おすすめは、日本口腔インプラント学会が運営する「教えて、インプラント治療ってなに」のサイトです。
非営利の公益社団法人で、日本最大の歯科学会なので精度の高い情報を得られます。
その他にも、日本歯科医師会が運営する「歯とお口のことなら何でもわかる テーマパーク8020」はインプラントに限らず、歯に関する様々な情報を得ることが可能です。
ぜひ、参考にしてみてください!
3-2:担当医に気になる点を納得いくまで質問する
インプラント治療を勧められて悩んだときは、「遠慮なく担当医に気になる点を納得いくまで質問」してみましょう。
- 他の治療法との違い
- 料金について
- 治療法について
- 外科手術について
など、治療を選択する前に、不安な点は潰しておくのがおすすめです。
納得できていない状態で治療を進めてしまうと、それは患者さまの後悔に繋がります。
インプラントであっても他の治療法であっても、治療をやり直すのは難しいことがほとんどです。
これからも何年も使っていく歯だからこそ、治療前から担当医としっかり話し合っておきましょう!
3-3:他の治療法とよく比較検討する
インプラント治療を勧められて悩んだときは、
- ブリッジ
- 入れ歯
- 歯牙移植
など、他の治療法との比較もしっかり行いましょう。
この工程をしっかり行うことで、患者さまにとってのベストな治療法が選べます。
違いがよくわからないという場合には、ぜひ以下の記事もあわせて参考にしてみてくださいね!
3-4:悩んだときはセカンドオピニオンを利用する
インプラントを勧められて悩んだときに、最後におすすめしたいのが「セカンドオピニオンを利用する」です。
セカンドオピニオンとは、担当医以外の歯科医師に第2の意見を求めることです。
同じ歯科医師でも、治療方針や提案される治療法が異なるケースがあります。
特にインプラントは自由診療のため、それぞれの歯医者の個性が出やすいです。
セカンドオピニオンを受けることで、
- 担当医の話が適切か判断できる
- 治療費の適正価格がわかる
- 設備や保証制度の手厚さの違いがわかる
- 治療の理解が深まり、選択肢が広がる
などのメリットを得られるので、ぜひ積極的に活用してみましょう!
4:インプラントを勧めない歯医者のほうが信頼できる?の結論
では最後に、「インプラントを勧めない歯医者のほうが信頼できるのか?」について重要なポイントだけを簡単におさらいしていきます。
インプラントを勧めるか否かだけで、歯科医師(歯医者)が信頼できるかを判断するのは誤った方向性です。
もし本気であなたの歯について考えてくれる歯科医師を探しているのであれば、
①検査・診断をしっかり行ってくれる
②残せる歯はできるだけ残す方向性を示してくれる
③インプラント以外の治療の選択肢も丁寧に説明してくれる
④治療のメリット・デメリットを丁寧に説明してくれる
の4つを満たす、インプラントを含む治療を総合的にできる歯科医師に相談するのがおすすめです。
また、仮にあなたが担当医からインプラントを勧められて悩んでしまった場合には、
①歯科サイトやブログで情報収集をする
②担当医に気になる点を納得いくまで質問する
③他の治療法とよく比較検討する
④悩んだときはセカンドオピニオンを利用する
の4つの行動を実践することで、納得のいく治療法を選びやすくなります。
以上、今回は「インプラント治療を勧めない歯医者のほうが信頼できるのか」をテーマにお話しました。
ぜひ本記事を参考に、一人でも多くの患者さまが信頼できる歯科医師と出会えることを願っています。
信頼できる歯科医師が見つからないといった場合には、遠慮なく当院にお声がけください!
患者さまのご不安な気持ちに寄り添いながら、お話を聞かせていただければと思います^^