「芸能人は歯が命」

そんなCMが一昔前に流れていたことがあるくらい、歯が白くキレイな芸能人の方は多いです。

実際に虫歯や歯周病で歯を失ったとしても、インプラント治療をして天然歯（自分の歯）と同じ見た目を維持している方が多くいます。

とはいえ、

は気になるポイントですよね。

そこで本記事では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が「インプラントと芸能人について」徹底的に深掘りしていきます。

1：どんな芸能人がインプラントを選んでいる？

インプラント治療を受けたことを、メディアやラジオ番組などで公言した事実が確認できた芸能人は以下のとおりです。

この他にも、実際にはインプラント治療を受けている芸能人の方は多いと思います。

ただイメージ的な問題で、俳優・女優・アイドル業の方は、自分の歯がインプラントであることをわざわざ公言することはないようです。

2：【芸能人は歯が命】インプラントを選ぶ5つの理由

人前に出ることが仕事の芸能人がインプラントを選ぶ理由は、大きくわけて以下の5つです。

2-1：見た目が天然歯とほぼ変わらないから

芸能人の方がインプラントを選ぶ理由の1つ目は、「見た目が天然歯とほぼ変わらないから」です。

歯を失ったときに選べる代表的な治療法は、

の3つですが、その中で1番インプラントが天然歯（自分の歯）と見た目が変わりません。

なぜなら、ブリッジや入れ歯は隣接した歯に依存する作りになっているのに対し、インプラントは天然歯と同じように自立した1本の歯だからです。

人工歯の範囲も狭く、金具をかけたりせずに済むので、非常に自然な仕上がりになります。

2-2：年齢を重ねてもあご骨がやせ衰えにくいから

芸能人の方がインプラントを選ぶ理由の2つ目は、「年齢を重ねてもあご骨がやせ衰えにくいから」です。

インプラントは、土台となるあご骨に人工歯根が埋め込まれています。

これは、天然歯とほぼ同じ構造で、噛んだときの刺激をあご骨に伝えてくれるので、あご骨がやせ衰えるのを防いでくれます。

一方で、ブリッジや入れ歯は歯を失った部分に土台を立てません。

隣接した歯を土台代わりにするため、失った歯の部位に刺激がかからなくなり、あご骨がどんどんやせ衰えてしまうのです。

あご骨がやせ衰えると、その上にのっている筋肉や脂肪に凹凸ができます。

結果的に、

して、徐々に老け顔に近づいていってしまうのです。

2-3：天然歯と同じように発声や発音ができるから

芸能人の方がインプラントを選ぶ理由の3つ目は、「天然歯と同じように発声や発音ができるから」です。

人前で話す機会が多い芸能人の方にとって、発生や発音がしっかりできるかどうかは死活問題ですよね。

実際に、お口の中は少しの変化で発声や発音がしにくくなるケースが多く、特に取り外し式の入れ歯の発音のしにくさ、喋りにくさは顕著です。

また、ブリッジであっても失った歯の数が多い場合には、人工歯の範囲が広がり発音のしにくさを感じるケースがあります。

上記の点から、最も天然歯（自分の歯）と構造が近いインプラントは、発音が安定するので会話を楽しみやすいです。

2-4：他の健康な歯に悪影響を及ぼさないから

芸能人の方がインプラントを選ぶ理由の4つ目は、「他の健康な歯に悪影響を及ぼさないから」です。

これまで説明したとおり、ブリッジや入れ歯は隣接した歯に依存する構造になっています。

そのため、ブリッジや入れ歯を入れるときに、

する関係で、通常よりも隣接した健康な歯の寿命が短くなってしまうのです。

一方で、インプラントは天然歯（自分の歯）と同じように自立した構造の歯になります。

噛んだときの負荷もインプラントのみで補えるので、隣接した健康な歯に悪影響が出ません。

結果的に、インプラントをいれたほうがお口全体の健康を維持しやすいのです。

芸能人に限った話ではありませんが、人生の中で治療の回数を減らすことで、

を長い目でみて節約できます。

2-5：他の人工歯よりも長持ちするから

芸能人の方がインプラントを選ぶ理由の5つ目は、「他の人工歯よりも長持ちするから」です。

他の治療法とインプラントを比較すると、それぞれ以下のように寿命が異なります。

▼治療法別の平均寿命の比較

	ブリッジ	入れ歯	インプラント
寿命	約7年～8年	約4年～5年	約10年～15年以上

また、インプラントの場合は、

次第では40年以上長持ちするケースもあります。

3：芸能人はなぜインプラントの失敗談を話している人が多いの？

芸能人でインプラントの失敗談を話している人が一定数いる理由は、忙しくて歯医者をしっかり比較せずに治療を進めた人が多いのが一つの要因だと考えられます。

というのも、インプラントは歯科医師の技術や経験で仕上がりに大きな差が出やすい治療法です。

芸能人の方が御用達というだけで、いつもの歯医者で勧められるがままにインプラント治療を受けてしまうと、

などの問題が起きてしまう確率が高まってしまうのです。

つまり、「審美に優れた費用も高い歯医者＝インプラント治療に適した歯医者」というわけではありません。

そのため、一般人・芸能人関係なく、質の良いインプラント治療を受けるためには、慎重に歯医者を選ぶ必要があります。

また、インプラントやインプラント以外の治療法についても理解を深めておくと、納得の行く治療を受けやすくなるでしょう。

では次に、芸能人以外の一般人にもインプラントはおすすめできるのか？についてお話していきます。

4：芸能人以外の一般人にもインプラントはおすすめできる？

結論からお伝えすると、「一般人の方にもインプラントはおすすめできる治療法」です。

なぜなら、

という点において、インプラントはブリッジや入れ歯よりも優れた治療法だからです。

ただし、もちろん

など、他の治療法と比べたときに、インプラントにもデメリットとなる部分もあります。

4-1：治療費が心配なときは？

インプラント治療を検討する際に、大きな負担になるのが「治療費」ですよね。

特に芸能人のインプラント情報を見ていると、数百万円などという文字が並ぶため、「自分にはインプラントが選べないのではないか？」と不安になる方も多いと思います。

しかし、インプラントは入れる本数や歯医者によって金額が大きく変わります。

公益社団法人日本口腔インプラント学会の2015年のデータによれば、「1本あたり約20万～40万円」で入れられるケースが多いのです。

（※2022年時点では、オプションを含む総額で1本あたり約30万～40万円かかる歯医者が多くなっています。）

また、インプラントには、

といったメリットがあるので、長期視点で見ると、初期費用がかかるかわりにコスパが良いです。

さらに医療費控除の対象にもなるので、実質負担額も減らせます。

5：芸能人がインプラントを選ぶ理由の結論

それでは最後に、芸能人がインプラントを選ぶ理由について重要なポイントを簡単に解説していきます。

以上、今回は芸能人のインプラント治療についてお話しました。

芸能人でも一般人の方でも、お口の健康を考えたときの治療法や歯医者の選び方は同じです。

納得のいく治療を受けるためにも、妥協せずに情報を集めていきましょう！