・ブリッジの中の歯が虫歯になったから、インプラントに変えたい
・銀色のブリッジは見た目が気になるから、インプラントにしたい
など、最近ではブリッジからインプラントへの変更を希望される患者さまも少なくありません。
そこで本記事では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が「ブリッジからインプラントに変える治療法」について、
● ブリッジからインプラントに変えられるか?
● メリット・デメリットについて
● 注意点について
の順に重要なポイントだけを詳しく解説していきます。
ブリッジからインプラントへの変更を検討されている方は、ぜひご一読ください!
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
1:Q.ブリッジからインプラントにするのは可能?
A.可能です。
①被せていたブリッジを外す
②歯を失っている真ん中の部位にインプラントをいれる
③両隣の支台歯※にはセラミック等を新たに被せる
といった方法でブリッジからインプラントに変えると、耐久性や審美性も高まります。
ただし、以下のパターンは治療が少し複雑になるので注意をしてください。
▼ブリッジ部位の歯周病が進行している
歯周病が進行していると、インプラントを埋める土台のあご骨がやせ衰えってしまっているケースが多いです。
その場合は、あご骨を増やす手術(骨造成)が追加で必要になります。
▼ブリッジの支台歯※の歯の根っこが割れている
ブリッジの支台歯※は歯がない部分を補うために負荷がかかりやすく、歯の根っこの部分が割れてしまっているケースも多いです。
その場合は、支台歯※も抜歯になる可能性が高くなります。
1-1:神経がない支台歯の場合はインプラントの検討がオススメ
ブリッジの支台歯の神経がない場合には、ブリッジをインプラントに変えるタイミングで支台歯もインプラントにするのを検討してみましょう。
なぜなら、神経がない歯は
● 割れたり
● ヒビが入ったり
しやすく、せっかく新たな上モノを被せても、すぐに抜歯になってしまう可能性が高いからです。
どんなに良い上モノをいれても、土台となる歯自体がダメになってしまっては、お金も時間も無駄になってしまいますよね。
長期的にみて、どちらのほうが患者さまにとっての負担が少ないかをよく考え、担当医と相談して治療法を決めてくださいね!
1-2:入れ歯とインプラントの違いを比較
ブリッジがダメになり抜歯するケースでは、
● 歯の本数が少なすぎる
● 奥に支台歯がない
などの理由から、ブリッジができなくなるケースがあります。
具体的には、
→ 入れ歯
→ インプラント
から治療法を選ぶことになるのです。
その場合はそれぞれの違いをよく比較し、自分の希望に近い治療法を選ぶようにしましょう。
▼入れ歯とインプラントの比較表
入れ歯 | インプラント | |
イメージ | ||
治療期間 | 約1ヶ月 ~2ヶ月 |
約4ヶ月 ~5ヶ月※1 |
保険相場※2 |
約5千円 |
- |
自費相場 | 約15万円 ~80万円 |
約20万円 |
※1顎の骨が少ない場合には、治療期間がさらに3~9ヶ月前後のびます。
※2保険は3割負担の場合の料金です。
※3公益社団法人日本口腔インプラント学会で2015年に調査されたデータです。2022年時点では、オプションを含む総額で1本あたり約30万~40万円かかるケースが多いです。
では次に、ブリッジからインプラントにするメリット・デメリットをご紹介していきます。
2:ブリッジからインプラントにするメリット・デメリット
ブリッジからインプラントにするメリット・デメリットは、以下のとおりです。
2-1:メリット
● よく噛めるようになる
● 見た目が自然になる
● 耐久性が高くなる
● 歯磨きしやすくなる
● 他の健康な歯の寿命を縮めずに済む
→見た目や機能性を優先したい方は、ブリッジからインプラントに変えた際にメリットを感じやすいです。
2-2:デメリット
● 保険適応のブリッジに比べると、治療費が高い
● 治療期間が長め
● 手術負担がある
→治療費や治療負担の少なさを優先したい方は、ブリッジからインプラントに変えた際にデメリットを感じやすいでしょう。
ブリッジからインプラントにしたほうが良いか迷った際は、担当医とよく相談したほうが良いでしょう!
では次に、ブリッジからインプラントにする際の注意点をご説明します。
3:ブリッジからインプラントにする際の注意点
ブリッジからインプラントにする際は、歯医者選びを慎重に行う必要があります。
なぜなら、インプラント治療には歯科医師の専門的なスキルや知識が必要になるため、どこでも高水準の治療を受けられるわけではないからです。
具体的には、
● インプラント手術を行う設備が完備されているか
● 歯科医師に実績や経験はあるか
● インプラント学会所属の歯科医師か
などが、インプラント治療が得意な歯医者か否かを判断する目安のポイントになります。
インプラントは1度入れたら、長期間使用する人工歯です。
インプラントを入れた歯医者とも長い付き合いになるので、歯医者選びは慎重に行うようにしましょう!
3-1:インプラントがオススメできない人の特徴とは?
ブリッジからインプラントにするのがオススメできない人は、以下のような特徴を持った方です。
①未成年者(およそ20歳以下)
②妊娠中の方
③喫煙者
ただし、①・②については治療をするタイミングをずらすことで、インプラント治療が可能になります。
また、③の場合も禁煙できる場合には、治療後のインプラントの状態を良好に保ちやすくなるため問題はありません。
患者さまの状態によっては、インプラント治療を断われてしまうケースもあります。
しかし、ほとんどの場合は対処法があるので、1度断られてもインプラントを専門的に行っている歯医者で相談してみると良いでしょう。
詳しくは、以下の記事をご覧ください。
4:ブリッジからインプラントの結論
それでは最後に、ブリッジからインプラントにする際の重要なポイントをおさらいしていきます。
ブリッジからインプラントにするのは、可能です。
ただし、
☑インプラントを埋め込むあご骨
☑ブリッジの支台歯
の状態によっては、治療内容がやや複雑化することがあります。
担当医とよく相談の上、治療法を選択するようにしましょう。
ブリッジからインプラントにするメリットは、
☑よく噛めるようになる
☑見た目が自然になる
☑耐久性が高くなる
☑歯磨きしやすくなる
☑他の健康な歯の寿命を縮めずに済む
の5つです。
機能性や見た目を優先したい方には、メリットが大きいでしょう。
一方で、
☑保険適応のブリッジに比べると、治療費が高い
☑治療期間が長め
☑手術負担がある
といったデメリットもあります。
治療費や通院負担が気になる方は、担当医とよく相談するのがオススメです。
ブリッジからインプラントにする際の注意点は、歯医者の選び方になります。
☑インプラント手術を行う設備が完備されているか
☑歯科医師に実績や経験はあるか
☑インプラント学会所属の歯科医師か
を確認の上、インプラント治療を専門とする歯医者で精度の高い治療を受けましょう!
以上、ブリッジからインプラントにする際に知っておいてほしいお話でした。
今回は一般的な内容でしたが、お話できる内容は患者さまによって大きく異なります。
もっと突っ込んだ話が知りたい方は、ぜひ当院の無料カウンセリングをご利用くださいね