虫歯になりやすいけど、インプラントって入れても平気かな?
といった疑問をお持ちの方。
結論からお伝えすると、インプラントが虫歯になることはありません。
ただし、「インプラントと虫歯」について考える際には、
①なぜインプラントは虫歯にならないのか
②虫歯にならなくてもメンテナンスする理由は何か
③虫歯で歯を失った後にインプラントにするのは可能なのか
の3つのポイントは知っておいたほうが、インプラントへの理解を深められると思います。
日本口腔インプラント学会所属の歯科医師視点で、「インプラントと虫歯」についての役立つ情報をギュッとまとめて、簡単に紹介していきます!
ぜひご一読くださいね^^
1:インプラントが虫歯にならないのはなぜ?
インプラントが虫歯にならない理由は、「人工歯」だからです。
インプラントは、天然歯(自分の歯)とは異なり
- 歯ぐきから顔を出している歯の部分も
- あご骨に埋まっている歯根の部分も
人工の素材で作られています。
そのため、虫歯菌に歯を溶かされる心配がなく、虫歯になることはないのです。
では次に、虫歯にならないインプラントでも、メンテナンスが必要になる理由をお話していきます。
2:虫歯にならないインプラントにメンテンスが必要な理由4選
インプラントが虫歯はならなくても、以下4つの理由からメンテナンス(歯医者の定期検診)は必要です。
①インプラント周囲炎の予防
②インプラントの緩みやぐらつきの予防
③5年~10年のメーカー保証を受けるため
④インプラントや他の歯の寿命を延ばすため
それぞれどういうことか、解説していきますね!
2-1:インプラント周囲炎の予防
虫歯にならないインプラントにメンテナンスが必要な1つ目の理由は、「インプラント周囲炎の予防」です。
インプラント周囲炎とは、埋め込んだインプラント(人工歯根)を支えるあご骨を溶かしてしまう歯周病のような恐ろしい病気のことで、
- お口の中が不衛生で細菌が増殖している
- 過度な喫煙習慣がある
- 過度な歯ぎしりや食いしばりがある
- 歯並びやかみ合わせの影響で負荷が強くかかっている
などの場合に発症します。
しかも、上記のような理由でインプラント周囲炎を発症していても、実際にはかなり症状が進行するまで自覚症状が出ません。
そういった点から、インプラント周囲炎を予防するためにもメンテナンスで、歯科医師がインプラント周囲炎になっていないかどうかを定期的にチェックする必要があるのです。
インプラント周囲炎を放置してしまうと、最悪インプラントを除去しなければならなくなります。
状態が悪化すると治療も大掛かりになってしまうので、定期メンテナンスに通うのを忘れないようにしましょう。
2-2:インプラントの緩みやぐらつきの予防
虫歯にならないインプラントにメンテナンスが必要な2つ目の理由は、「インプラントの緩みやぐらつきの予防」です。
インプラントは構造上、
①目視で確認できる歯の部分(上部構造)
②上部と下部を連結する部分(アバットメント)
③あご骨の中に埋め込む人工歯根(インプラント体)
の3つからできています。
しかし、長期間放置していると、上部と下部を連結しているアバットメントに緩みが生じ、インプラントがぐらついてしまうことがあるのです。
そのため、歯医者のメンテナンスで定期的に歯科医師が、インプラントやアバットメントに緩みやグラつきがないかをチェックする必要性が高くなっています。
こちらも緩みや揺れを放置してしまうと、炎症を起こしてあご骨が溶けてしまうため早期対応が必要になります。
定期メンテナンスでしっかりチェックしてもらいましょう。
2-3:5年~10年のメーカー保証を受けるため
虫歯にならないインプラントにメンテナンスが必要な3つ目の理由は、「5年~10年のメーカー保証を受けるため」です。
インプラントの保証期間は、「約5年~10年」に設定されているケースが多くなります。
ただし、基本的に無条件で保証適用になることはありません。
特に「担当医から指定された定期メンテナンスを受けていない」場合には、保証対象外になることが多いので注意をしましょう。
インプラントの保証内容は、歯医者によって大きく異なります。
さらに詳しい情報が知りたい方は、以下の記事をあわせて参考にしてみてくださいね!
2-4:インプラントや他の歯の寿命を延ばすため
虫歯にならないインプラントにメンテナンスが必要な4つ目の理由は、「インプラントや他の歯の寿命を延ばすため」です。
歯医者のメンテナンス(定期検診)はインプラントに限らず、
- 天然歯(自分の歯)
- インプラント以外の人工歯
の寿命を延ばすのにも、非常に有効です。
なぜなら、歯医者のメンテナンス(定期検診)では、歯や口腔衛生の専門家に
- お口全体の虫歯や歯周病のチェック
- ブラッシング指導
- 専用の機械で歯ブラシでは取り切れない歯垢や歯石の除去
をしてもらうことができるからです。
- 問題が起きたときだけ歯医者に通うよりも
- 定期的に歯医者でメンテナンスを受けたほうが
生涯で歯にかかるトータルコストを、約200万円~300万円も節約できると言われています。
歯を失ってインプラントを入れたからこそ、これ以上歯を失わないためにも、定期メンテナンスでお口全体の健康寿命を伸ばしていきましょう!
3:虫歯で歯を失った場合もインプラントは利用できる?
虫歯で歯を失った場合も、インプラントを入れることは可能です。
むしろ、インプラントは虫歯を失った際に、
- 安さより、見た目や使い心地を重視したい
- できるだけこれ以上は歯を失いたくない
- 老後もしっかり噛んで食事を楽しみたい
など、初期費用よりも長期的コスパを優先したいとお考えの方にピッタリの治療法となっています。
では次に、虫歯で歯を失った際に選べるインプラント以外の治療法についても紹介していきますね。
3-1:ブリッジや入れ歯などと比較
虫歯で歯を失った際には、大きく
- ブリッジ
- 入れ歯
- インプラント
- 歯牙移植
- 接着ブリッジ
の5つの治療法が選べます。
それぞれ以下のような特徴があるので、よく比較検討してみてくださいね!
ご自身に適した治療法が知りたいという場合には、お口の中を直接拝見した上でこちらからベストな治療法をご提案することも可能です。
お気軽にお声がけください!
▼歯を失った際に選べる治療法
保険適用はあるか | どこの歯医者でも治療を受けられるのか | |
---|---|---|
ブリッジ | あり | 受けられる |
入れ歯 | あり | 受けられる |
インプラント | 基本は自費診療 | 受けられるケースが多い |
歯牙移植 | 条件を満たせばあり | 受けられる歯医者は少ない(当院は可) |
接着ブリッジ | 基本は自費診療 | 受けられる歯医者は少ない(当院は可) |
4:インプラントと虫歯についての結論
それでは最後に、「インプラントと虫歯」について重要なポイントを簡単におさらいしていきます。
インプラントが虫歯にならない理由は、「人工歯」だからです。
ただし、人工歯で虫歯にならなくても、インプラントを入れた後は、
①インプラント周囲炎の予防
②インプラントの緩みやぐらつきの予防
③5年~10年のメーカー保証を受けるため
④インプラントや他の歯の寿命を延ばすため
といった4つの理由から、定期的なメンテナンスを受ける必要があります。
また、虫歯が進行して歯を失った場合には、大きく
①ブリッジ
②入れ歯
③インプラント
④歯牙移植
⑤接着ブリッジ
の5つの治療法のいずれかで失った歯を補うことが可能です。
それぞれ一長一短があるので、すべての治療に精通している歯医者で一度相談をしてみるのがおすすめでしょう!
以上、今回は「インプラントと虫歯」についてお話しました。
- どんな理由で歯を失い
- どんな治療法で失った歯を補った
場合でも、定期メンテナンスは必須になります。
ぜひ、長期目線で予防歯科への意識を高め、お口や体全体の健康寿命を延ばしていきましょう!
また当院では、歯を失った際にどんな治療が自分にとってベストかわからない方に、多くの選択肢の中からベストな治療法をご提案することが可能です。
悩んでいる場合には、ぜひお気軽に無料カウンセリングをご利用いただければと思います^^