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子供のお口の健康のために考える小児の「食育」について

小児歯科

こんにちは北戸田coco歯科です!

近年、保育園や幼稚園、学校で重視されている食育は、食の大切さを学び、身体を健やかに成長させるための土台となります。

また、食育は子供のお口の健康に関係しているのをご存じですか?今回は食育とは何か、それが子供のお口の健康にどのように関わり、家庭でどう取り入れるべきかなどについて解説します。

◽️食育とは?


食育とは、食事の摂り方や食習慣など学校や家庭で学び、食べる力を通じて生きる力を身につけることです。

食育基本法の施行により、学校や家庭、地域などを通じて食生活に関する知識を身につける食育が推進されており、農林水産省では以下のように定義しています。



食育は、生きる上での基本であって、知育・徳育・体育の基礎となるものであり、さまざまな経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実現することができる人間を育てることです

引用:農林水産省 「食育」とは


また、文部科学省では以下のように定義しています。

子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けることができるよう、学校においても積極的に食育に取り組んでいくことが重要となっています。

引用:文部科学省 食育って何?


子供の頃に身につけた食習慣は、大人になってから変えにくいものです。幼稚園や保育園、学校だけでなく保護者が食育を学び、家庭で実践することが大切になります。


◽️子供のお口の健康のために食育が必要な理由


食育は子供の心身の成長を育むだけでなく、お口の健康にも影響します。

・虫歯予防

子供の歯は大人よりもエナメル質が薄く、虫歯になりやすいです。

そのため、砂糖が多く含まれている飲食物の過剰な摂取を避けるよう心掛ける、摂取する時間帯を決めるなど、工夫することが虫歯予防のポイントとなります。

また唾液には、虫歯菌の活動を抑制する役割があるのをご存知でしょうか。食べ物をしっかりと噛むことで唾液の分泌が促され、虫歯のリスクを軽減できます。

早い段階から正しい食習慣を身につけ、食べ物の選び方や食べ方に注意することが虫歯予防につながるのです。


・あごやお口周りの筋肉の発達

歯並びの乱れは、遺伝だけでなく日常生活の習慣も関係しています。

たとえば、やわらかい食べ物ばかり摂取すると噛む力が弱まり、あごやお口周りの筋肉が十分に発達しない可能性があります。それにより、あごが狭くなり、永久歯が生えるスペースが不足してしまうことが考えられます。

つまり、食べ物をよく噛む習慣は、噛み合わせや歯並びに大きく影響するのです。

また、お口周りの筋肉は表情づくり言語発達にも関係しています。食事の際は、よく噛んで食べることの大切さを子供に教え、習慣を身につけることが大切です。


・味覚の発達

食育を通じて味覚を育むことができます。塩分や砂糖の過剰な摂取を避け、さまざまな食材をバランスよく摂取する習慣を身につけることが大切です。

味覚を発達させることはお口の健康だけでなく、身体の健康維持にもつながります。


◽️子供の食育


食育は子供がお母さんのお腹の中にいる頃から始まります。ここでは、それぞれのライフステージ別の食育について紹介します。

・胎児期(9週~出産まで)

皆さんは歯がいつできるのかご存じですか?実はお母さんのお腹の中にいる頃に、乳歯と永久歯のもととなる歯胚(しはい)が形成されます。

胎生7~10週頃になると乳歯の歯胚が形成され、胎生3ヶ月半頃になると永久歯の歯胚も形成されます。また、胎生4~6ヶ月頃になると石灰化が始まり、少しずつ硬くなります。

つわりの時期と重なりますが、歯の形成に必要なたんぱく質カルシウム、リン、ビタミンA・Dが不足しないようにバランスの取れた食事を摂取するように心がけましょう。

また、体調が良いときに歯科検診でお口の中を清潔に保つことも大切です。


・乳児期(0~1歳)

0歳から授乳を通じて食育を始めてみましょう。子供にとって授乳は、単に栄養を与えるだけでなく、お母さんとのコミュニケーションの時間となります。さらに、離乳期へ移行する基盤を築きます。

授乳から離乳食に進むと、食べ物を口に運ぶ、噛む、飲み込む動作を学びます。この期間は、手づかみで食感に触れ、さまざまな味や食材の特性を知ることができるのです。

ただ、新しい食材を取り入れる際は、アレルギー反応に注意しつつ少しずつメニューを増やしましょう。


・幼児期(1~6歳)

乳児期になると、食材の食感や味を理解し、噛んで味わうことができるようになります。3歳頃には乳歯が生え揃い、さまざまな食事を楽しめます。

実際に料理を体験したり、異文化の食事を試したりすることで、子供の五感を刺激し、食に対する興味や知識を広げましょう。

食事の際は噛むことの大切さを伝えるとともに、お箸やお茶碗の正しい持ち方などの食事マナーを学ぶ機会を与えることも大切です。


・学齢期(6~15歳)

6歳頃には、永久の奥歯が生え始めるため、食べ物を噛む力が向上します。この時期は硬い食べ物を取り入れ、あごの成長を促進させましょう。

ただ、学校生活で友人とのコミュニケーションが増えることから、外食や間食の機会も多くなるので注意が必要です。特に中学生になると、食生活が乱れやすくなります。

そのため、栄養のバランスを考慮するとともに、食習慣や食の大切さを伝えることが重要となります。


◽️食事の際に気をつけてほしいこと


食事の際、ただ食べるだけでなく、どのような姿勢で食べるか、どのように噛むかによって消化吸収や歯並びに影響を与えます。ここでは、食事の際に気をつけるべきポイントを4つ紹介します。

・正しい姿勢で食べる

食事の際、姿勢が悪いとしっかり噛むことができません。その結果、食べ物が細かく砕けず、消化不良を引き起こしたり栄養の吸収効率が低下する原因になります。

背筋をしっかり伸ばし、両足を床につけるのが理想的な姿勢です。

足が届かない場合は、ステップ椅子を使用するなど工夫しましょう。正しい姿勢を維持することで、将来的な姿勢の乱れも予防できます。

関連記事:子供の食べる姿勢は大丈夫ですか?姿勢とお口の健康について


・よく噛んで食べる

食べ物を十分に噛むことで、あごやお口周りの筋肉の発達を促し、食べ物が唾液とよく混ざり合うことで、消化の働きをサポートします。

また、満腹中枢が刺激されるため、肥満の予防にもなります。1口30回を目安によく噛んで食べることを意識しましょう。


・左右均等に噛んで食べる

片側ばかりで食べると、歯並びの乱れや顔の形に歪みが生じることがあります。これは身体のバランスも崩れる原因にもなるため、注意が必要です。

食べる際に、子供に左右均等に噛んで食べることの大切さを伝え、お口の両側に均等に運ぶ習慣を身につけさせましょう。


・栄養バランスを考慮する

食事はただお腹を満たすだけでなく、身体の成長に欠かせない栄養素を摂取する役割があります。

ビタミン、ミネラル、たんぱく質、脂質、炭水化物など、これらの栄養素のバランスを考慮しながら摂取しましょう。


◽️まとめ

食材の選び方や食習慣は、虫歯や歯並び、全身の健康にも深く関わっています。早い段階からの食育の大切さを理解し、正しい食習慣や食事マナーを子供に身につけさせることが必要です。

当院では、赤ちゃんがお腹の中にいる時期から食育に関する知識をわかりやすく伝えています。

子供が健康に成長していくためにはどんな栄養素が必要なのか、どのように食育をしていけばいいのかなど、わからないことがございましたらお気軽にご相談ください。

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