「失った歯をインプラントにしたら、歯全体もキレイにしたくなった」
「インプラント治療に合わせて、すべての歯を白く美しくしたい」
など、インプラントをキッカケに歯への関心が高まると、治療した歯以外の部分もすべてキレイにしたくなりますよね。
そんなときにまず、「ホワイトニング」を検討される方も多いと思います。
とはいえ、
● インプラント後にホワイトニングはできるのか
● 注意点はないのか
● インプラントの歯が着色しないか
など、インプラント治療後のホワイトニングに疑問や不安を抱く方も多いはずです。
そこで本記事では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が、「インプラント治療後のホワイトニング」について重要なポイントを簡単に紹介していきます。
本記事を読めば、インプラント治療後に美しい口元を保つ方法がわかるようになりますよ。
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
1:Q.インプラント治療後にホワイトニングできる?
A.インプラント治療後でも、ホワイトニングはできます。
ただし、ホワイトニングをする前に、
☑ インプラントの歯はホワイトニングで白くできない
☑ 治療前にホワイトニングすれば、色の違いをなくせる
☑ 治療後に色の違いをなくすには上部構造を再製する必要がある
といった3つの前提条件について知っておくのがオススメです。
どういうことか、詳しく解説しますね!
1-1:インプラントの歯はホワイトニングで白くできない
ホワイトニングの薬剤は、人工の素材には効果を発揮しません。
つまり、インプラントの歯(人工歯)は白くはできないのです。
インプラントを入れた状態でホワイトニングをすると、天然歯(自分の歯)だけが白くなります。
よく考えずにホワイトニングをしてしまうと、インプラントと天然歯で歯の色に違いが出てしまい、不自然な印象になってしまうケースもあるので注意をしましょう。
1-2:治療前にホワイトニングすれば、色の違いをなくせる
先程お伝えしたとおり、インプラントの歯は、ホワイトニングで白くすることができません。
しかし、インプラント治療をする前にホワイトニングをして自分の歯を白くしておけば、その色に合わせてインプラントの歯(人工歯)を作れます。
つまり、治療前にホワイトニングをすることで、人工歯と天然歯(自分の歯)の色の違いをなくせるのです。
1-3:治療後に色の違いをなくすには上部構造を再製する必要がある
インプラント治療後にホワイトニングをして、人工歯と天然歯(自分の歯)の色の違いが気になる場合には、インプラントの上部構造のみを再製する方法があります。
ただし、上部構造の再製には費用がかかるケースが多いです。
材料にもよりますが、 歯一本あたり5万円~20万円前後はかかると考えておいた方が良いでしょう。
では次に、インプラントを入れた後のホワイトニングの注意点についてご紹介します。
2:インプラントを入れた後のホワイトニングの注意点
インプラントを入れた後のホワイトニングの注意点は、効果が一生持続するものではない点です。
つまり、ホワイトニングした天然歯の色に合わせて人工歯をつくっても、定期的にホワイトニングをしないと、天然歯が色戻り(元の歯の色に戻る現象)してしまいます。
すると、せっかく合わせて作った人工歯と天然歯の色に違いが出てしまうのです。
ホワイトニングの効果が持続する期間は、
☑ オフィスホワイトニング(歯医者でするホワイトニング)
☑ ホームホワイトニング(自宅でするホワイトニング)
といった施術方法でも異なります。
それぞれの具体的な期間や特徴は、この後に詳しく紹介しているので参考にしてください。
2-1:オフィスホワイトニングの持続期間
オフィスホワイトニングの効果が持続する期間は、約3ヶ月~6ヶ月です。
オフィスホワイトニングの主な特徴は、
● 短期間で歯を白くできる(1~4回程度)
● ホームホワイトニングよりも早く色戻りする
● 自分で薬剤を使用する必要がない
の3つで、結婚式などのイベントに間に合わせるために、オフィスホワイトニングを選択される方が多くなっています。
例えば、インプラント部位が奥歯で、イベント時に見えやすい歯だけを一時的に白くしたい場合には、オフィスホワイトニングがおすすめでしょう。
2-2:ホームホワイトニングの持続期間
一方でホームホワイトニングの効果が持続する期間は、約6ヶ月~1年です。
オフィスホワイトニングとは違い、
● 歯が白くなるまでに時間がかかる(2週間~4週間程度)
● ホワイトニング効果が持続しやすい
● 自分でホワイトニングする必要がある
といった3つの特徴があり、長期的に歯の白さを維持したい方に選ばれるケースが多くなっています。
インプラント治療後の場合には、ホワイトニングをする前に、人工歯との色の違いが出るとどのくらい目立ちそうかについて担当医とよく相談をしたほうが良いでしょう。
3:インプラントの歯が着色することはある?
オールセラミック・ジルコニアなどの高品質な素材を使用している場合には、インプラントの歯(人工歯)が着色・変色することはほとんどありません。
ただし、プラスチックが混ざっているハイブリッドセラミックの素材が使われている場合には、時間の経過とともに着色・変色することがあります。
どんな素材が選べるかは歯医者によって異なるので、インプラントを入れる際は上部構造(被せもの)の種類について担当医とよく相談をしましょう!
3-1:歯を綺麗に保つには歯医者のクリーニングがおすすめ
インプラントを含む、歯全体を白く美しい状態で保つためには、歯医者での専用機材を使ったクリーニングを受けるのがおすすめです。
歯磨きでは落としきれない
● タバコのヤニ汚れ
● 飲食物による着色(コーヒーや赤ワインなど)
● 細菌を含んだプラーク
などを除去できます。
ただし、歯医者でのクリーニングでは歯の表面の汚れは落とせても、歯の内部の色は変えられません。
歯そのものの色を白くできるのはホワイトニングのみなので、注意をしてくださいね。
4:インプラント治療後にホワイトニングできる?の結論
では最後に、インプラント治療とホワイトニングの重要なポイントをおさらいします。
ホワイトニングは、インプラント治療後でもできます。
ただし、
☑インプラントの歯はホワイトニングで白くできない
☑治療前にホワイトニングすれば、色の違いをなくせる
☑治療後に色の違いをなくすには上部構造を再製する必要がある
といった3つのポイントがあるので、事前によく理解した上でホワイトニングを検討したほうが良いでしょう。
インプラントを入れた後のホワイトニングの注意点は、「効果は一生持続しない」点です。
☑オフィスホワイトニング:約3ヶ月~6ヶ月
☑ホームホワイトニング:約6ヶ月~1年
しか持たないので、インプラントの歯との色の違いを出したくない場合には、継続してホワイトニングをしましょう。
また、インプラントの歯(人工歯)が着色するか否かは、上部構造(被せもの)の素材によって異なります。
日常的な歯の表面の汚れについては、歯医者で落とせるケースが多いので、定期検診で歯をキレイに保つ習慣を作っておくと良いでしょう!
以上、インプラントとホワイトニングについて解説しました。
歯が白くキレイだと、それだけで清潔感や若々しさがアップしますよね。
インプラント治療前後に、ホワイトニングへの興味が出てきた場合には、遠慮なくご相談ください。
タイミングや時期に合わせて、ホワイトニングや人工歯の種類等をご提案いたします