- インプラントはしたいけど、治療費が高いのが気になっている方
- 少しでも安くする方法を知りたい方
インプラントでも「医療費控除」を利用できるのはご存知でしょうか?
医療費控除とは、
- 支払った医療費が年間10万円を超えたときに
- その年の税金(所得税や住民税)を軽減できる制度
のことです。
この「医療費控除」を利用すれば、通常よりも患者さまの医療費の負担を減らせます。
ただし、利用時にはいくつかの注意点があります。
まずは、この記事を読んでインプラントで医療費控除を利用する際の7つのポイントを知っていきましょう!
【執筆・監修者】田口 耕平
日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医
北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】
1:インプラントで医療費控除を利用する際の7つのポイント
インプラントで医療費控除を利用する際のポイントは、
①年間10万円以上の対象は治療・療養目的の医療費
②生計が同じ家族の医療費も合算可能
③通院時の電車やバスの交通費も合算可能
④一部市販薬も合算可能
⑤デンタルローン・クレジットカードも対象になる
⑥医療費控除を利用するには確定申告が必要
⑦領収書の保管が必要
の7つです。
それぞれどういうことか、解説していきますね。
1-1:年間10万円以上の対象は治療・療養目的の医療費
インプラントの医療費控除の1つ目のポイントは、「年間10万円以上の対象は治療・療養目的の医療費」です。
年間10万円以上が医療費控除の対象になるのは、インプラント治療に限った話ではありません。
インプラントと合算して、1年間の医療費が10万円を超えた場合に医療費控除が利用できます。
ただし、以下は医療費控除の対象外になるので注意してください。
・入院時の持ち物や差額ベッド代
・人間ドックなど健康診断の費用(病気が発見され治療をした場合は対象)
・予防接種の費用
・美容や整形のための治療費
・疲労回復を目的としたマッサージや柔道整復師による施術費 など
医療費控除の対象範囲に迷った場合には、「国税庁のホームページ」を見てみるのがおすすめです。
それでもわからないときは、「国税に関するご相談について」から相談先を探してみてくださいね!
1-2:生計が同じ家族の医療費も合算可能
インプラントの医療費控除の2つ目のポイントは、「生計が同じ家族の医療費も合算可能」です。
先程、年間10万円以上医療費を支払ったら医療費控除が利用できるとお話しましたが、実は生計が同じ家族の医療費を合算して申請できます。
・親の仕送りで子供が大学に通っている
・施設に入所している父母の療養費を子供が負担している
場合はなどは同居親族に限らず、生活費を負担している親族は生計が同じ家族だと認められます。
1-3:通院時の電車やバスの交通費も合算可能
インプラントの医療費控除の3つ目のポイントは、「通院時の電車やバスの交通費も合算可能」です。
通院時に電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合は、交通費が医療費控除の対象となります。
領収書はなくてもOKなので、通院時にいくら支払ったのかをノートやエクセルに記録として残しておきましょう。
ただし、タクシーはやむを得ない場合(突然の陣痛や歩行困難なケースなど)を除いて対象外です。
また、自家用車で通院された場合にはガソリン代や駐車場代も対象外になります。
1-4:一部市販薬も合算可能
インプラントの医療費控除の4つ目のポイントは、「一部市販薬も合算可能」です。
ただし対象になるのは、
- 目薬
- 風邪薬、胃腸薬
- 頭痛、腹痛の痛み止め
- 花粉症などで使用する点鼻薬
- 絆創膏
など「治療を目的とした市販薬」のみになります。
一方で、
- ビタミン剤(治療・療養の場合を除く)
- 漢方薬(治療・療養の場合を除く)
- サプリメント(治療・療養の場合を除く)
- 栄養剤
- 酔い止め
などは対象外になるので注意しましょう。
1-5:デンタルローン・クレジットカードも対象になる
インプラントの医療費控除の5つ目のポイントは、「デンタルローン・クレジットカード(電子マネー払い)も対象になる」です。
デンタルローン払いを利用した場合には、ローン契約をした年が控除の対象になります。
分割払いであっても信販会社が一括で立替を行っているため、分割で医療費控除を計算する必要はありません。
クレジットカードや電子マネー払いをした場合には、歯医者で支払いをした日が医療費控除の対象になります。
引き落とし日は関係ないので、注意しましょう。
また、支払い方法によって発生する手数料や利息は医療費控除の対象外です。
1-6:医療費控除を利用するには確定申告が必要
インプラントの医療費控除の6つ目のポイントは、「医療費控除を利用するには確定申告が必要」です。
医療費控除は、自動では適用されません。
会社員以外の確定申告が必要な方は、確定申告内で医療費控除の申請を行う必要があります。
翌年の2月~3月の確定申告の期限内に申請を行いましょう。
一方で、会社員など本来なら確定申告が不要な方は、医療費控除のみの申請を行える還付申告をすればOKです。
対象となる年の翌年1月1日から申請を行えます。
また、医療費控除の手続きを忘れてしまった場合でも、5年間は過去にさかのぼって申請ができるので安心してくださいね!
1-7:領収書の保管が必要
インプラントの医療費控除の7つ目のポイントは、「領収書の保管が必要」です。
医療費控除は、2017年から領収書の提出が不要になりました。
ただし、
- 領収書の代わりに明細書(集計書)の提出が必要になる
- 領収書は自宅で5年間保管する
といった決まりがあります。
明細書は健康保険組合等から届く医療費通知(「医療費のお知らせ」など)を見れば簡単にが作成できます。
ただし、インプラントなどの自費診療の金額は記載されてないので注意してください。
では次に、インプラントの医療費控除で必要な物や手続方法を紹介します。
2:インプラントの医療費控除で必要な物や手続き方法
インプラントの医療費控除で必要な物や手続き方法は、以下のとおりです。
2-1:申告時に必要な物
医療費控除の申告時に必要な物は、以下の表を参考にしてください。
持ち物 | 入手方法 |
---|---|
マイナンバーカード | 区役所等で申請または手元にある |
医療費通知や領収書 | 健康保険組合等から届くまたは手元にある |
源泉徴収票 | 勤務先から渡される |
医療費控除の明細書 | ・税務署から取り寄せる ・国税庁のWEBサイトからダウンロード ・国税庁のWEBサイトの「確定申告書コーナー」で作成 |
確定申告書A | 医療費控除の明細書と同様 |
2-2:手続きの方法・場所
医療費控除の手続き方法や場所は、以下のとおりです。
- お住まいの管轄の税務署で手続きを行う
- お住まいの管轄の税務署に郵送する
- 国税庁のWEBサイトの「確定申告書コーナー」で作成
ちなみに、国税庁のWEBサイトの「確定申告書コーナー」から、スマホで医療費控除の申請を行うことも可能です。
スマホで申請する際の詳しい手順は、こちらをご覧ください。
3:インプラントで医療費控除を利用する際の計算式
医療費控除額を求める計算式は、以下のとおりです。
支払った医療費の年間合計額-保険金などで補てんされた金額-10万円=医療費控除額
※1:総所得が200万円未満の方は「10万円」の代わりに「総所得×5%」を差し引く
※2:医療費控除額は最高で200万円
計算方法がよくわからない場合には、管轄の税務署に問い合わせてみるのがおすすめですよ!
4:インプラントで医療費控除を利用する際のまとめ
それでは最後に、「インプラントの医療費控除」について重要なポイントをおさらいします。
医療費控除とは、
・支払った医療費が年間10万円を超えたときに
・その年の税金(所得税や住民税)を軽減できる制度
のことです。
インプラントで医療費控除を利用する際のポイントは、
①年間10万円以上の対象は治療・療養目的の医療費
②生計が同じ家族の医療費も合算可能
③通院時の電車やバスの交通費も合算可能
④一部市販薬も合算可能
⑤デンタルローン・クレジットカードも対象になる
⑥医療費控除を利用するには確定申告が必要
⑦領収書の保管が必要
の7つになります。
申請方法は、大きく分けて
①税務署に直接行く
②税務署に必要書類を郵送する
③国税庁のWEBサイトから申告する
3つです。
自分の楽なやり方で、申請を行いましょう!
以上、今回はインプラントの医療費控除について紹介しました。
治療費の支払いについて不安な方には、直接お話をすることも可能です。
気になる場合には、遠慮なくお問い合わせくださいね^^