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【50代の入れ歯の割合は?】老後に総入れ歯になるのを防ぐ方法を解説

公開日:

インプラント以外の治療法

【50代の入れ歯の割合は?】老後に総入れ歯になるのを防ぐ方法を解説

歯を失った際に、治療の選択肢の1つとして「入れ歯」を提案されることがありますよね。

とはいえ、

 

50代から、入れ歯は正直恥ずかしい。

 

50代では、大体どのくらいの人が入れ歯なんだろう…?

など、そもそも年齢的に入れ歯を選んでも問題ないのか気になる方も多いと思います。

そこで本記事では、歯科医師・田口が「50代の入れ歯割合や老後に総入れ歯になるのを防ぐ方法」について、一般の方にもわかりやすく解説していきます。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

50代の入れ歯事情について気になっている方は、ぜひ参考にしてくださいね!

【執筆・監修者】田口 耕平

日本接着歯学会
日本口腔インプラント学会
日本補綴歯科学会・専門医
国際口腔インプラント学会・認定医
日本糖尿病協会登録歯科医

北戸田COCO歯科 院長
【詳しい経歴はこちら】

歯科医師:田口 耕平

 

1:【公的データ参照】50代の入れ歯割合

【公的データ参照】50代の入れ歯の割合

厚生労働省の平成28年歯科疾患実態調査によれば、50代の入れ歯割合は以下のようになっています。

▼50代の入れ歯の割合

  部分入れ歯 総入れ歯
50歳~54歳 6.3% 0.9%
55歳~59歳 10.6% 1.6%


上記の表をみてもわかるとおり、50代の時点で入れ歯を選択する人は少数派です。

50代で歯を失ったときは、入れ歯よりもブリッジ(被せ物)の治療法を選ぶ人が約4~5倍多くなっています。

他には入れ歯と同じく少数ですが、インプラント治療を選ぶ人もいるようです。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では次に、歯が抜け始める年齢についてお話していきますね。

 

1-1:日本人の歯が本格的に抜け始めるのは50代以降から

50代で入れ歯を入れる人は少数派ですが、

  • 60代では、約3~4割
  • 70代では、約5~6割


の人が入れ歯になります。

というのも、日本人の歯が本格的に抜け始めるのは50代以降からだからです。

▼1人平均喪失歯数の年次推移(永久歯:5歳以上)

歯が抜ける年齢 抜けた歯の平均本数
20歳~24歳 0.0本
25歳~29歳 0.2本
30歳~34歳 0.2本
35歳~39歳 0.3本
40歳~44歳 0.8本
45歳~49歳 0.9本
50歳~54歳 2.0本
55歳~59歳 3.1本
60歳~64歳 4.6本
65歳~69歳 6.7本
70歳~74歳 8.6本
75歳~79歳 10.3本
80歳~84歳 12.9本
85歳~ 17.5本

出典:厚生労働省|平成28年歯科疾患実態調査

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では、なぜ年齢を重ねると入れ歯を入れる人が増えていくのでしょうか?

1-2:50代以降に入れ歯の割合が増える理由

年齢を重ねると入れ歯になる人が増える理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目は、歯周病が進行して失う歯の本数が増えてしまうことが大きく関係しています。

歯周病は30代以上の3人に2人がかかっていると言われており、「別名:静かなる病気」と呼ばれるほど自覚症状がない病気です。

歯を支えるあご骨を溶かしてしまうため、気づいた頃には連鎖的に歯がダメになってしまい、ブリッジ(被せ物)での治療が難しくなってしまうことがあります。

2つ目は、以前治療した歯の寿命が来てしまうパターンです。

虫歯が進行したり歯を失った際に入れる人工歯は、基本的に一生モノではありません。

歯を治療して治ったように見えても、歯そのものの寿命が短くなってしまっているケースが多いのです。

そういった理由から、50代以降に歯が次々とだめになってしまい、入れ歯に移行する患者さまが多くなっています。

ここまでのまとめ

・50代以降は歯を失う人が増えはじめる

・50代以降に歯を失う人が増える理由は「歯周病」と「以前治療した歯の寿命が来る」の2つ

・60代~70代にかけて、入れ歯の割合も増えはじめる

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

では次に、50代以降に総入れ歯になるのを防ぐにはどうすればいいかについて解説していきます。

 

2:50代以降に総入れ歯になるのを防ぐ3つの方法

50代以降に総入れ歯になるのを防ぐ3つの方法

50代以降に総入れ歯にになるのを防ぎたい場合には、以下の3つの方法を実践するのがおすすめです。

①定期検診に通って、治療またはメンテナンスを受ける
②健康な歯に負担を与えない治療法を選択する
③歯ぎしりや食いしばりが強い人はナイトガードを入れる

 

歯科医師:田口
歯科医師:田口

どういうことか、それぞれ詳しく解説しますね!

 

2-1:定期検診に通って、治療またはメンテナンスを受ける

50代以降に総入れ歯になるのを防ぐための1つ目の方法は、「お口の環境をできるだけ健康な状態にする」ことです。

具体的には、

  • これ以上悪化しないように、虫歯や歯周病治療を受ける
  • 歯医者でプロに歯を清掃してもらう
  • 歯医者で自宅での正しいお手入れ方法を指導してもらう


などが効果的な方法になります。

今まで歯医者に行く習慣がなかった方は、定期的に歯医者の検診に行く習慣を作りましょう。

50代からでも、「遅い」ということはありません。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

今は女性の2人に1人、男性の4人に1人が90歳まで生きる時代です。

健康寿命(元気に自立して過ごせる期間)を延ばすためにも、よく噛める歯を多く残せるように心がけましょう^^

 

2-2:健康な歯に負担を与えない治療法を選択する
健康な歯に負担を与えない治療法を選択する

50代以降に総入れ歯になるのを防ぐための2つ目の方法は、「残っている健康な歯に余計なダメージを与えない治療法を選択する」ことです。

具体的には、周囲の歯に負荷を与えないインプラント治療を検討する方法があります。

歯を失ったときに選べる基本的な治療の選択肢は、

  • ブリッジ
  • 入れ歯
  • インプラント


の3つです。

インプラントは自費診療になるので治療費がかかる分、

  • 周囲の歯にダメージを与えない
  • 他の治療法に比べて長持ちする


といった特徴があるので、これ以上歯を失いたくない方(総入れ歯になりたくない方)にはおすすめの治療法になっています。

一方で、ブリッジや入れ歯は保険適応の治療が選べるため治療費が安く済みますが、周囲の歯の力を借りて歯がない部分にかかる負担を補わなければなりません。

そのため、健康な両隣の歯にもダメージを与え、歯そのものの寿命を縮めてしまうのです。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

それぞれ一長一短があるので、迷った場合は一度担当医によく相談してみてくださいね!

 

▼あわせて読みたい

 

2-3:歯ぎしりや食いしばりが強い人はナイトガードを入れる
歯ぎしりや食いしばりが強い人はナイトガードを入れる

50代以降に総入れ歯になるのを防ぐための3つ目の方法は、「歯ぎしりや食いしばりが強い人はナイトガードを入れる」です。

すべての人に当てはまるわけではないのですが、寝ている間の歯ぎしりや食いしばりによるダメージは想像以上に大きくなっています。

場合によっては、虫歯や歯周病にかかっていない健康な歯が歯ぎしりや食いしばりによって割れてしまい、抜くことになってしまうケースもあるのです。

そのため、以下のチェックリストで当てはまる箇所が多い方は、一度かかりつけ医で歯ぎしりや食いしばりの相談をしてみてください。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

歯医者で相談すれば、歯ぎしりや食いしばりを軽減してくれるナイトガードを作ってもらえますよ!

※ナイトガードは保険適応内の治療になります

 

歯ぎしりや食いしばりの9つのチェックリスト

1.家族や友人から、歯ぎしりを指摘された経験がある。
2.集中しているときに、無意識に噛みしめていることが多い。
3.原因不明の肩こりや頭痛に悩まされている。
4.起床時にあごの疲れやこわばりを感じた経験がある
5.虫歯でもないのに歯がしみる(知覚過敏)症状がある
6.歯のつめ物や被せ物がよく取れる
7.頬の内側に噛んだ痕がついている
8.歯がすり減って、凹凸が無くなっている
9.歯が欠けやすい

 

3:50代の入れ歯割合や総入れ歯を防ぐ方法の結論

それでは最後に、50代の入れ歯割合や総入れ歯を防ぐ方法について重要なポイントだけを簡単におさらいしていきます。

本記事のまとめ

50代の入れ歯割合は、全体で約7.2~12.2%と少数派です。

ただし50代以降は、

①歯周病
②以前治療した歯の寿命が来る

などが理由で60代~70代にかけて、入れ歯の割合が急激に増えていきます。

そのため、50代以降に総入れ歯になるのを防ぐためには、

①定期検診に通って、治療またはメンテナンスを受ける
②健康な歯に負担を与えない治療法を選択する
③歯ぎしりや食いしばりが強い人はナイトガードを入れる

の3つを意識して過ごすのが重要です。


以上、今回は50代の入れ歯割合や老後に総入れ歯になるのを防ぐ方法について紹介しました。

歯を失ったときにどの治療法を選ぶかで、その後のお口全体の歯の寿命も大きく変わってきます。

歯科医師:田口
歯科医師:田口

どの治療法を選べばいいか迷ってしまった場合には、当院に直接相談することも可能ですので遠慮なくお声がけください。

患者さまにとってベストな治療法を提案させていただければ幸いです^^

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執筆協力:森崎ことり(ライター)