● 延長ブリッジって何? ● どんなメリット・デメリットがあるの? ● 延長ブリッジが入れられない場合はどうなる?
など、最奥歯を失ったときに「入れ歯」や「インプラント」以外の治療の選択肢がないか、お悩みの方。 本記事では、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師・田口が、“延長ブリッジ”について、要点だけを簡単に紹介していきます。 5分以内で読めますし、1番奥の歯を失ったときにどんな治療を選べば良いのか分かるようになるはずですよ!【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
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1:延長ブリッジとは?メリット・デメリット
延長ブリッジとは、前から数えて7番目の奥歯を失ったときに、5番目と6番目の歯を支えにして被せものにする固定式の人工歯のことです。 通常のブリッジとは、以下のような違いがあります。通常のブリッジ | 延長ブリッジ |
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▶土台の歯は両隣の歯 ▶真ん中の歯がない ▶保険診療も選べる | ▶土台の歯は手前の2本 ▶最奥歯がない ▶ほとんどの場合、自費診療 |
1-1:メリット
延長ブリッジのメリットは、「最奥歯がなくても、ブリッジが入れられる」点です。● 入れ歯は取り外し式 ● インプラントは手術が必要
などをふまえると、“ブリッジ=固定式の人工歯”を入れたいと考える、患者さまのニーズを満たすことができます。1-2:デメリット
一方でデメリットは、● しっかり噛めない ● 土台の歯に大きな負荷を与える ● 耐久性が良くない
の3つになります。 奥歯はもともと、噛み合わせの中で最も強い力がかかる部位です。 奥歯がないのを手前2本の歯で補おうとすると、しっかり噛めないばかりか、土台の歯が→ 割れたり折れたりする → 歯を支えるあご骨が溶ける
危険性が高まるのです。 そのため、長期視点で考えたときに、延長ブリッジは「他の健康な歯にもダメージを与える」「寿命が短い」といった欠点があります。 つまり、お口全体の健康やコスパで考えると、治療の第一選択にはしにくいのです。 では、延長ブリッジを選ばない場合には、どのような治療法を選択すれば良いのでしょうか?2:延長ブリッジ以外の治療の選択肢
延長ブリッジを選ばない場合には、やはり以下の2つが治療の選択肢になります。1.部分入れ歯 | 2.インプラント |
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2-1:部分入れ歯
部分入れ歯は、保険適用内の治療であれば費用を抑えられます。 「早く・安く」治療を終わらせたい方にはオススメでしょう。 また、インプラントよりも簡単に治療できるのもメリットになります。 ただし、● 取り外して清掃する手間がある ● 慣れるまでの違和感が強い ● 寿命が約4年~5年と短い※ ● しっかり噛めない ● バネをかけた歯に負荷がかかる ● 見た目が自然ではない
※保険診療の場合 などデメリットも多いです。 入れ歯を検討される場合は、入れた後の生活もしっかりイメージしたほうが良いでしょう。あわせて読みたい
2-2:インプラント
一方でインプラントは、高品質なものを入れて長く使っていきたい方にオススメの治療法です。● 自分の歯と同じように噛める ● 違和感が少ない ● 自然で美しい口元を維持できる ● 自立しているので他の歯に負担をかけない ● 約10~15年以上は長持ちする可能性が高い
など、「見た目」「機能面」「耐久性」へのメリットが大きいです。 ただし、保険適用にならないことから治療費が高くなります。 また、ブリッジや入れ歯に比べると治療期間も長くかかるため、注意が必要です。あわせて読みたい
3:延長ブリッジとは?の結論
それでは最後に、延長ブリッジの重要なポイントを簡単におさらいしていきます。まとめ
延長ブリッジとは、前から数えて7番目の奥歯を失ったときに、5番目と6番目の歯を支えにして被せものにする固定式の人工歯のことです。
ただし、
☑しっかり噛めない
☑土台の歯に大きな負荷を与える
☑耐久性が良くない
の3つのデメリットがあるため、治療の第一選択にはしにくい側面があります。
7番目の奥歯を失った際に延長ブリッジを選ばない場合は、
☑入れ歯
☑インプラント
の2つが治療の選択肢になります。
7番目のみ歯がない場合には、積極的な治療はせずにそのままにしておくケースも多いです。
それぞれ一長一短があるので、担当医とよく相談した上で選ぶのがオススメでしょう。
以上、今回は「延長ブリッジ」についてお話しました。
歯が抜けた後の治療法選びは、その後のお口の環境を左右する重要なポイントになります。
そして、患者さまのお口の中の状況・考え方によっても、オススメできる治療法は変わるのです。
直接診てみないとアドバイスできない内容も多いので、詳しくはかかりつけ医で相談するようにしましょう