40代になると、
● 歯の不調を感じる方
● 歯を抜くことになってしまった方
も少しずつではありますが、増えてくると思います。
その中で治療の選択肢になる「インプラント」が気になることがありますよね?
とはいえ、インプラントは
→ 治療費が高そうだな
→ 安全性が気になる
→ 他の治療法より大変な気がする
のようなイメージだけが先行して、「そもそもインプラント治療をするのはどうなんだろう?」という不安な気持ちになる方も多いはずです。
そこで本日は、日本口腔インプラント学会所属の歯科医師である田口が40代の方のインプラント治療について、まるっとお答えしていきます!
他の治療法と比較して、「どんな方にインプラント治療がオススメできるか」または「オススメできないのか」を解説しているので、ぜひご一読ください。
【執筆・監修者】田口 耕平
北戸田COCO歯科 院長
【経歴はこちら】
40代で歯を失ったら?ブリッジ・入れ歯・インプラントの違い
40代で歯を失った・抜いた方の治療の選択肢は、主に以下の3つになります。
☑ブリッジ
☑入れ歯
☑インプラント
共通点は、3つとも人工歯である点です。
大きな違いは、
→ ブリッジは隣接歯を土台にした被せもの
→ 入れ歯は取り外し可能な人工歯
→ インプラントは独立した人工歯
というポイントになります。
【治療法別の比較表】
ブリッジ | 入れ歯 | インプラント | |
イメージ | |||
治療期間 | 約2週間 | 約1ヶ月 ~2ヶ月 |
約4ヶ月 ~5ヶ月※1 |
保険相場※2 | 約1万円 ~2万円 |
約5千円 |
- |
自費相場 | 約5万円 ~15万円 |
約15万円 ~80万円 |
約20万円 |
※1顎の骨が少ない場合には、治療期間がさらに3~9ヶ月前後のびます。
※2保険は3割負担の場合の料金です。
※3公益社団法人日本口腔インプラント学会で2015年に調査されたデータです。2022年時点では、オプションを含む総額で1本あたり約30万~40万円かかるケースが多いです。
それぞれのメリット・デメリットは、「歯がない場合の3つの治療法!料金相場や治療期間も比較」で詳しく紹介しているので合わせてご覧ください。
では次に、インプラントがオススメな40代の方の特徴についてご紹介していきます。
インプラント治療がオススメできる40代の方の特徴
インプラント治療がオススメできる40代の方は、
☑他の健康な歯の寿命を縮めたくない方
☑老け顔予防をしたい方
☑食事やおしゃべりを楽しみたい方
といった特徴を持っています。
一つひとつ、詳しくご説明していきますね。
他の健康な歯の寿命を縮めたくない方
インプラント治療の最たるメリットだといえるのが、ブリッジや入れ歯とは違い、他の健康な歯に負担をかけずに済む点です。
というのも、ブリッジや入れ歯は歯がない部分にかかる噛む力を補うために、両隣の歯を支えにしています。
つまり、今まで3本で支えていた噛む力を2本で支えることになってしまうのです。
支える歯が3本から2本に減れば、残りの歯にかかる負担が増えてしまいます。
すると、健康だったはずの残りの歯も早い段階でどんどん弱り、寿命が短くなってしまうのです。
これがインプラントと他の治療法の大きな違いになります。
老け顔予防をしたい方
お顔の印象を若々しく保ちたい方にも、インプラント治療はオススメです。
なぜなら、ブリッジや入れ歯は残った歯に負荷をかけてしまうので
● 歯の寿命を短くしたり
● あご骨の量を減らしたり
します。
その影響で、噛み合わせが悪くなったりよく噛むことができなくなったりしてしまうと
→ 頬がこけたり
→ 歯ぐきが退縮したり
→ シワやたるみが増えたり
して、徐々に老け顔になってしまうリスクがあるのです。
そのため、見た目の美しさを気にされる40代の方には、インプラントはオススメできる治療になっています。
食事やおしゃべりを楽しみたい方
食事やおしゃべりを今までのように楽しみたい方にも、インプラント治療はオススメです。
なぜなら、入れ歯とは違い固定式になっている影響で、天然歯(自分の歯)と変わらない噛みごこちを感じやすいからです。
さらに、入れ歯のように
● 厚みが出たり
● 歯と歯ぐきの間にすき間ができたりしない
ので、発音もしやすく治療前と変わらない形でおしゃべりが楽しめます。
ブリッジも固定式なので、支えになる歯に問題がなければ、噛みごこちへの違和感はほとんどありません。
ただし、材質によっては強度がないので、硬いものを噛むと被せものが割れてしまうことがあります。
どんな材質を選べば良いか迷ったら、担当医とよく相談しましょう!
では次に、インプラント治療がオススメできない人の特徴についてお話していきます。
インプラント治療がオススメできない40代の方の特徴
以下のような40代の方は、インプラント治療がオススメできない可能性があるといえます。
☑メンテナンスに通うのが難しい方
☑禁煙・節煙が難しい方
☑長期的なコスパよりも目の前の治療費を優先したい方
どういうことか、詳しくご説明しますね!
メンテナンスに通うのが難しい方
メンテナンス(歯医者の定期検診)に通うのが難しい方は、インプラント治療をオススメしません。
なぜなら、インプラントを長持ちさせるためには、入れた後にしっかりお手入れする必要があるからです。
具体的には、
● プロによる歯医者でのクリーニング
● 自宅でのセルフケア
を徹底していただくことで、インプラント周囲炎(歯周病のような病気)を防げます。
もちろんブリッジや入れ歯は、メンテナンスが必要ないという意味ではありません。
すべての治療にメンテナンスは必要ですが、インプラントはよりメンテナンスの必要性が高い治療であるというのが1つのポイントになっています。
禁煙や節煙が難しい方
● ヘビースモーカーの方
● 今後、禁煙や節煙を考えていない方
には、インプラント治療をオススメしにくいです。
なぜなら、喫煙者がインプラント治療をすると、
→ あご骨とインプラントが定着しにくくなる
→ 手術後の傷の治りが悪くなる
→ インプラント周囲炎になりやすくなる
といった問題が発生するからです。
また、こちらも同様にインプラント以外の治療を選んでも、喫煙は歯周病を悪化させます。
お口の健康を考えるのであれば、どの治療法であっても禁煙・節煙をされるのが理想的でしょう。
長期的なコスパよりも目の前の治療費を優先したい方
長期的なコスパよりも目の前の治療費を優先したい方には、インプラント治療はオススメできません。
なぜなら、インプラントは長期的なコスパは良い一方で、保険適応の治療に比べて治療費が高くなりやすいからです。
●安いけど短期間でダメになる確率が高い治療
→保険適応のブリッジや入れ歯
● 材質や治療法によっては、長く持つ可能性がある治療
→自費治療のブリッジや入れ歯
● 高いけど長期間持つ確率が高い治療
→インプラント(約9割の人が10~15年以上は持つ)
また、
● デンタルローンで分割払いにしたり
● 医療費控除を活用したり
することで、経済的な負担は緩和できるケースもあります。
「金銭的な理由でインプラントをあきらめよう」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
▶当院の治療費
インプラント治療の体験談(40代限定)
ここからは、「データからみるインプラント | 公益社団法人日本口腔インプラント学会」の内容を元に、40代のインプラント治療前後のイメージの変化をご紹介していきます。
上記の表をみると、治療後にインプラントに対して思った以上に
①違和感がない
②噛みごこちが良い
③他の天然歯と見た目が変わらない(同率)
④インプラントを入れる怖さがなかった(同率)
と感じている方が多いようでした。
ぜひインプラント治療を検討される際は、参考にしてください!
40代からのインプラント治療の結論
それでは最後に、40代のインプラント治療についておさらいしていきます。
40代で歯を失ったときの治療の選択肢は、
☑ブリッジ
☑入れ歯
☑インプラント
の3つでした。
インプラント治療がオススメな40代の特徴は、
☑他の健康な歯の寿命を縮めたくない方
☑老け顔予防をしたい方
☑食事やおしゃべりを楽しみたい方
になります。
一方でインプラント治療がオススメできない40代の特徴は、
☑メンテンスに通うのが難しい方
☑禁煙・節煙が難しい方
☑長期的なコスパよりも目の前の治療費を優先したい方
の3つです。
インプラント治療をした40代の方(21人)は、
☑違和感がない
☑噛みごこちが良い
☑他の天然歯と見た目が変わらない
☑インプラントを入れる怖さがなかった
といった点が思った以上に良かったと感じている人が多いようです。
以上、インプラント治療が気になっている40代の方向けのお話でした。
患者さまのライフスタイルや考え方によって、ベストな治療法は異なります。
個々の状態によってお伝えできる内容も変わるので、疑問点があれば遠慮なく当院までお問い合わせください