こんにちは北戸田coco歯科です
インビザライン矯正中に「歯ぐきから血が出た」という症状が見られた場合、心配になったりそのままにして良いのか気になったりする方もいるでしょう。
歯ぐきからの出血は、体の異変を知らせるサインかもしれません。
ここではインビザライン矯正中に歯ぐきが出血する原因と放置するリスクについて解説します
そもそも健康な歯ぐきとは?
歯ぐきは歯を守ったり、食べかす・細菌などが体内に侵入するのを防いだり、噛んだ時に加わる力を和らげる役割があります。健康な歯ぐきは以下の条件を満たしています。
・淡いピンク色をしている
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□淡いピンク色をしている
メラニン色素がもともと多いなど個人差はありますが、健康な歯ぐきはつやがあり淡いピンク色をしています
一方、歯周病に罹患していると歯ぐきに炎症が起き、赤くなったり黒くなったりします。
特に歯肉炎や歯周病にかかっている人は、歯ぐきが常に赤く腫れており少し触るだけでも出血しやすくなっています
□歯ぐきが引き締まっている
健康な歯ぐきは歯と歯肉の間がシャープな三角形をしており、キュッと引き締まっています。
反対に丸みのある三角形をしていたりブヨブヨしていたりする場合は、歯ぐきに炎症が起きている可能性があります
□スティップリングがある
スティップリングとは、歯ぐきの表面にみかんの皮のような凹凸がある状態で、健康な歯ぐきに見られるものです
これは歯ぐきの組織と歯を支えている骨をつなぐ、「シャーピー繊維」と呼ばれるものが歯ぐきの表面に到達しているために現れます。
なお歯肉炎になったり歯周病になったりするとシャーピー繊維が破壊され、出血を起こすような歯ぐきの状態ですとスティップリングが消失します
インビザライン中に歯ぐきから出血する
インビザライン中に歯ぐきから出血する原因は以下のようなことが挙げられます。ただ、ほとんどの症例で歯肉炎が原因で歯ぐきから出血していることが多いです
・IPRしたばかりである
・歯肉炎になっている
・磨く力が強い
・着脱時に歯ぐきを傷つけてしまった
・強い歯ぎしりをしている
・ホルモンバランスの変化
□IPRしたばかりである
IPRとはディスキングとも呼ばれており、歯並びを整えるために必要なスペースを確保するため、歯をやすりで削って隙間をつくることです
インビザライン矯正では調整日にIPRを行うことが多くあります。
歯ぐきのぎりぎりのところまでヤスリで削る必要があるため、当日は歯ぐきから出血する可能性がありますがすぐに治るので問題はありません。
□歯肉炎になっている
歯肉炎とは、歯に付着したプラーク(歯垢)が原因で歯ぐきに炎症が起きている状態のことを指します
プラークには1gに約100億~1000億の細菌が生息しており、歯ぐきの溝にプラークが溜まると細菌が出す毒素によって歯ぐきに炎症が起き、出血してしまうのです。
インビザライン矯正は食後歯磨きをせず再装着すると、マウスピースの中にプラークを閉じ込めてしまうため細菌が繁殖しやすい環境になります。
歯肉炎を放置してしまうと、歯を支えている骨を溶かしていく歯周病に移行してしまいます
そのためインビザライン矯正中は歯肉炎にならないように日々のケアがとても大切です。
関連記事:インビザライン矯正中に「歯肉炎」になった!その原因や予防法は?
□磨く力が強い
歯肉炎になっていない方でも、歯磨きの際に強い力で磨くと歯ぐきが傷つき出血することがあります。
歯磨きの力加減は、歯ブラシをあてた時に毛先が広がらない程度(150~200gの力)と言われています
これは思っているよりも弱い力で、「磨けている気がしない」と感じる方もいるかもしれません。
しかし強い力で歯ブラシをあてると毛先が開いてしまい、プラークを効率的に落とせないのです。
□着脱時に歯ぐきを傷つけてしまった
インビザライン矯正ではご自身でマウスピースの着脱を行います。
そのため爪が伸びていたり、誤った方法で着脱したりすると粘膜や歯ぐきを傷つけ、出血してしまうことがあります
マウスピースの着脱は少しの慣れが必要になります。
一気に外そうとせず、片側ずつ奥歯の内側から浮かせて、前歯の部分から外しましょう。
なおネイルをしている方、深爪をしている方は、「イージーリフト」と呼ばれる道具を使用すると簡単に取り外しができます。
□強い歯ぎしりをしている
強い歯ぎしりが原因で歯が揺れると歯ぐきが炎症を起こし、出血することがあります
ただインビザライン矯正では強い歯ぎしりをしている方は不向きとされていますので、歯ぐきから出血するような強い歯ぎしりをしている方はワイヤー矯正の適応になります。
歯ぎしりは放置していると歯がすり減って神経が露出してしまうなどの悪影響を起こしますので、早めに対処していきましょう。
□ホルモンバランスの変化
思春期・妊娠中などホルモンバランスが変化する時期は歯ぐきが炎症を起こして出血しやすい傾向にあります
これは女性ホルモンを好む細菌が活発に活動し、歯肉炎を引き起こすためです。
ホルモンバランスの変化しやすい時期にインビザライン矯正を受ける方は、適切なケアが大切になります。
歯ぐきからの出血を放置すると
歯ぐきからの出血をしている歯肉炎の状態を放置すると「歯周病」と呼ばれる病気になります。
歯周病とは、歯ぐきが腫れたり、膿が出たりすることで歯を支えている骨を溶かし、最終的には歯を失ってしまう病気です
また初期の歯周病は自覚症状がほとんどなく、気付いたときには歯を抜かなければならない状態になることも少なくありません。
また歯周病は心筋梗塞・狭心症など全身疾患に影響を及ぼすことがわかっています
これは歯周病菌が出す毒素が歯ぐきの血管に血液に乗って全身を巡ってしまい病気を引き起こしてしまうのです。
歯ぐきからの出血は全身に悪影響を及ぼす可能性があるため、日々の歯磨き・口腔ケアを見直す必要があります。
インビザライン中はケアを丁寧に行うことが重要
インビザライン矯正中はむし歯・歯周病予防のために、丁寧な歯磨きと口腔ケアが重要になります。
・食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着する
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□食後は歯磨きをしてからマウスピースを装着する
インビザライン矯正ではご自身でマウスピースの着脱を行なうため、食事の際は外せるためいつも通りの食事を楽しめるのがメリットです。
ただ食後は歯磨きをしてから再装着する必要があります
食後歯磨きをせずマウスピースを再装着してしまうと、マウスピースの中に汚れを閉じ込めてしまい、細菌が繁殖しやすい環境になります。
□デンタルフロス・歯間・タフトブラシを使用する
日々のケアは歯ブラシだけで済ませている方も多いのではないでしょうか?
実は、歯ブラシだけではプラークは約60%しか落とせないと言われています。むし歯・歯周病のリスクを軽減するためには、最低でも80%のプラークを落とさなければなりません
また歯ブラシだけでは、歯と歯の間・歯と歯ぐきの隙間の汚れを落とすことは難しいです。
そのため歯ブラシに加えて、デンタルフロス・歯間ブラシ・タフトブラシなど補助的清掃用具を併用しましょう
これらの使い方がわからない方は歯科衛生士・歯科医師に相談すると丁寧に教えてくれます。
□定期的にクリーニングを受ける
インビザライン矯正中は歯科医院での定期的なクリーニングを受けることをおすすめします
歯磨きをどんなに頑張って行なっても落としきれない汚れもあります。
歯科医院でのクリーニングでは歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に除去し、なおかつむし歯予防に効果的な「フッ素塗布」も受けられます。
インビザライン矯正中にむし歯・歯周病になると計画通りに治療が進まなくなることもあるため、3~6ヶ月に1回は歯科医院でのクリーニングを受けるようにしましょう。
当院のインビザライン矯正
当院では、豊富な矯正治療メニューと、認定医による治療、そして良心的な価格設定が大きな強みです!
■日本矯正歯科学会の「認定医」が矯正治療を担当
当院では、歯科矯正のプロである日本矯正歯科学会の認定医が、質の高いマウスピースの矯正のインビザラインはもちろん、ワイヤー矯正や小児矯正を行なっております
矯正専門の機関はいくつか存在しますが、日本矯正歯科学会制度は他の専門機関と比べ、最も難易度が高いとされています。
そんな高い技術と豊富な知識を持った歯科医師が治療を担当しますので、安心して治療を受けていただけます
参考:invisaDr.
■白い器具を使った目立たないワイヤー矯正
ワイヤー矯正では前歯の部分に白い器具を使った目立たない矯正を採用しているため、インビザラインだけでは矯正治療が難しい方でも満足して治療を進めていただけるので安心して下さい
また難しい症例の方でも、インビザラインとワイヤー矯正の併用など、患者様のお口にあった矯正方法をご提供させていただきます
■良心的な価格設定
費用に関しましては、治療費の負担を少なくするためにインビザラインの費用を最大825,000円(別途調整量なし)に設定しているところが大きな強みです
他院よりも少しでもリーズナブルに、そしてクオリティの高いインビザラインの治療を受けてもらいたいと丁寧な治療を心がけております。
矯正治療を考えている方はお気軽にご相談下さい
まとめ
インビザライン矯正中に歯ぐきから出血する場合は、歯肉炎・歯周病・ホルモンバランスなどさまざまな原因が考えられます。
ただほとんどの場合、プラークが溜まって歯肉炎になっていることが多いです。
そのまま放置すると歯周病になり、歯を支えている骨が溶けてしまう可能性があります。歯磨きの時に出血がある場合は、放置せず歯科医師に相談しましょう。
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