こんにちは北戸田coco歯科です!
インビザライン矯正では、IPRという処置を行なってから歯を動かすことがあります。IPRは歯を動かすスペースを作るために歯の側面をほんの少し削る処置のことです。
インビザライン矯正で「歯を削る」と聞くと不安になる方もいるでしょう。
そこで本記事では、インビザラインで行なわれるIPRとはどのような処置なのか、IPRを行う目的、安全性や注意点などについて紹介します。
目次
インビザラインのIPRとは?
IPRとは、InterProximal Reduction(インタープロキシマル リダクション)の略で、歯と側面(隣接面)を削る処置のことです。
インビザライン矯正ではよく行われる処置の一つで、歯を動かすためのスペース作り、歯の形や大きさを変えるために行われます。
歯を削ると聞くと心配や不安になる方もいますが、削る量は約0.1~0.25mmで、歯の表面のエナメル質をほんの少しヤスリがけする程度です。
そのため、IPRを行なったからといって歯の健康に影響を与えることはありません。知覚過敏や痛みの心配もありませんので、安心してください。
インビザラインでIPRを行う目的
インビザライン矯正中のIPRは以下の目的で行われます。
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■歯を動かすためのスペースをつくる
たとえば、ガタガタの歯並びは歯列に歯が収まりきれず生じていることが多く、きれいに並べるためには歯を動かせるスペースをつくらなければなりません。
IPRでは複数の歯の両側面を0.1~0.25mm程度削ることで、歯を並べるためのスペースをつくることができます。
矯正治療では歯を抜いてスペースをつくることもありますが、IPRを行うことで抜歯しなくても歯を並べることができるのです。
■歯の形や大きさを変える
IPRは、歯の形や大きさを変えることができます。たとえば、前歯が周囲の歯よりも大きかったり一部の歯だけ長かったりすると、いくら歯並びが良くても見た目が悪くなります。
また、人それぞれ口元が美しく見えるバランスがあり、矯正治療では歯並びと噛み合わせはもちろん、口周りと顔のバランスも重要視されることも少なくありません。
そのため、IPRで歯の形や大きさを変えて、きれいに見える歯の形に整えることもあります。
■歯間乳頭をつくる
歯間乳頭とは、歯と歯の間にある三角形の歯ぐきのことです。
インビザライン矯正で歯並びが整うと歯間乳頭が消失し、歯と歯ぐきの間に三角形のすき間ができることがあります。すき間が黒く見えることから、これを「ブラックトライアングル」と言います。
ブラックトライアングルができると、歯が長くなったように感じ、見た目に悪影響を与えてしまうことも。
IPRを行い歯を動かすと、歯と歯の間のすき間が閉じ、歯間乳頭が作られてブラックトライアングルが改善することがあります。
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■並べた歯を固定する
IPRを行うと歯の側面と側面でしっかり密着するようになり、並べた歯を固定できます。加えて、矯正後の後戻りが起きにくくなるメリットもあります。
IPRではどんな方法で歯を削るの?
IPRでは以下の道具を用いて歯を削ります。
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虫歯治療では、エアタービンとダイヤモンドバーという機械を使って歯を削りますが、IPRではダイヤモンドバーよりも細いバーを用いて歯を削ります。
そのため、削る必要のない歯まで削れてしまうことはありません。また、小さなのこぎり状のヤスリ、円盤状のディスク、テープ状のヤスリなどを用いることもあります。
IPRで使用する道具にはそれぞれ特徴があり、目的に応じて適切な道具を使いわけて慎重に削ります。
削る量は0.1~0.25mm程度で、左右で同じ量を削るのが一般的です。専用のゲージを使い削った量を確認しながら削るので、削る量が不足したり、削り過ぎたりすることはありません。
インビザラインのIPRはいつ行う?
インビザライン矯正のIPRは、治療計画をもとに治療中適切な量を削る場合と、矯正治療の仕上がりを向上させるために終盤に必要に応じて削る場合があります。
治療中適切な量を削る場合は、歯を並べるためのスペースを確保したり、歯の大きさのバランスを整えるために行われます。
シミュレーションの段階でどの歯をどれくらい削るかがわかるので、削り過ぎたり、削る必要のない歯を削ったりすることはありません。
終盤に必要に応じて削る場合は、歯並びが整った後にできたブラックトライアングルや、大きく開いた歯と歯のすき間を閉じるために行われます。
矯正治療の仕上がりを向上させるために行われるため、最初の治療計画ではIPRを予定していない場合でも必要になることがあります。
インビザラインのIPRは安全?
歯のエナメル質の厚みは2~3mm程度で、IPRで歯を安全に削れる量は最大0.5mmと決められています。
IPRは歯の表面のエナメル質をほんのわずかに削り、エナメル質の内側にある象牙質に影響を与えることがなく、IPRを行なったからといって虫歯になりやすくなったり知覚過敏になったりすることはありません。
虫歯になりやすいのではと心配な方は、IPR後にフッ化物を行うことで虫歯になるリスクを軽減できます。
また、インビザライン矯正では治療計画を立てた段階で削る量が決まるため、ワイヤー矯正のように進み具合でIPRを行うことはありません。
計画的に効率良く矯正が行えるため、治療期間の短縮につながります。
インビザラインでIPRを行なった後の注意点
IPR後は以下の点に注意する必要があります。
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■丁寧なケアが必要になる
IPR後は、歯と歯の間にすき間ができた状態になります。そのため、食事の際は食べ物が挟まりやすくなり、歯磨きの際は磨き残しやすくなるため、いつもよりも丁寧なケアが必要になります。
歯ブラシだけでなく、フロスや歯間ブラシを用いて、歯と歯の間の汚れを取り除きましょう。
ただし、すき間の大きさによって適切な道具が異なるので、歯科医師または歯科衛生士のアドバイスをもらうことが大切です。
■出血する可能性がある
歯ぐきに近いところまで削るため、歯肉炎などで歯ぐきが腫れていると痛みがでたり出血したりすることがあります。
通常は数時間~1日程度でおさまりますが、出血が続くようであれば歯科医師に相談しましょう。また、歯肉炎にならないためにも、日頃のケアは大切になります。
普段から歯ブラシの他にフロスや歯間ブラシを使ってお口の中にプラークが残らないようにしておきましょう。
■IPRはインビザラインにおいて大切な処置
歯を削ると聞くと、怖くなったり不安になったりする方もいるでしょう。しかし、IPRは麻酔を必要とせず、歯を抜かずに矯正治療ができるメリットがあります。
また、IPRを行うことで、歯の形や大きさも整えられ、矯正治療の仕上がりは高いものになります。
それでも削った歯は元には戻らないため、IPRを行いたくないという方や不安や疑問が残る方は、担当の歯科医師とよく相談し、適切な治療方法の選択をすることが大切です。
北戸田coco歯科のインビザライン
当院のインビザラインは、経験豊富な歯科医師が日本歯科矯正学会の認定医とタッグを組んで質の高い治療をご提供しています。
インビザライン矯正の他にも、目立ちにくいワイヤー矯正や裏側矯正、そしてインビザラインとワイヤー矯正を併用したハイブリッド矯正など豊富なメニューをご用意しております。
丁寧なカウンセリングでその人にあった矯正方法をご提案させていただきますので、まずは無料相談へいらしてください。
まとめ
歯を抜かずに矯正治療を行うケースでは、IPRは非常に大切な処置です。
インビザライン矯正では、IPRで歯を並べるスペースを確保するために行われることが多く、適切に処置すれば治療期間の短縮にもつながります。
インビザライン矯正ではIPRを行わない場合の治療計画と比較することも可能なので、疑問や不安がある方は歯科医師とよく相談して適切な治療方法の選択をしましょう。
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