埼玉県戸田市大字新曽2002-1 プルメリア北戸田1階

子どもの歯の「フッ素塗布」はいつから始めるべき?歯医者さんが解説!|戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科

子どもの歯の「フッ素塗布」はいつから始めるべき?歯医者さんが解説!|戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科

ブログ BLOG

子どもの歯の「フッ素塗布」はいつから始めるべき?歯医者さんが解説!

 

こんにちは。北戸田coco歯科です。

 

「子どもの歯のフッ素塗布は、何歳ころから始めればいいんですか?」

 

度々、小さなお子さんをお持ちのママやパパから、このような質問を受けます。

 

フッ素は歯を強くするので、虫歯予防に効果がありますが、反面小さな子どもにフッ素を塗っていいのかと不安になる方もいらっしゃるようです。

 

しかし、子どもの歯に塗るフッ素の濃度はとても低くて安全なので、ご安心くださいね。

 

ここでは、北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師が、子どもの歯へのフッ素塗布のタイミング自宅でのやり方のコツなど、フッ素塗布について詳しく解説します。

田口世理奈Dr.

  • 【経歴】
  • ・日本大学歯学部 卒業
  • ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得


フッ素塗布はいつごろから始めればいいか悩んでいる方は、ぜひお読みくださいね。

 

1. 子どもの歯へのフッ素塗布のタイミング


子どもの歯のフッ素塗布は、奥歯が生え始めてくる頃(1歳半前後)からが最適です。奥歯は一般的には、前歯上下4本と横の歯(乳側切歯)4本が生えた後に生えてきます。

 

「フッ素塗布は1本でも生えたらすぐに始めた方がいいのでは?」

 

と心配するかもしれませんね。しかし、赤ちゃんのお口の中はそもそも唾液によって守られているので、それほど神経質にならなくても大丈夫です。

 

唾液には抗菌作用のある物質が含まれています。

 

赤ちゃんの唾液量が多いのは、赤ちゃんのお口の中を色々な菌やウイルスなどが入るのをガードしているからです。大人よりもお口の中をきれいにする作用が強いということですね。

 

ですので、時期としては、歯が徐々に生え始める1歳半前後頃にフッ素塗布を始めるのがおすすめです。

 

※フッ素塗布の開始が遅れても、遅すぎるということはありません。フッ素塗布はできれば永久歯が生え揃った14、15歳くらいまでは続けるのがおすすめなので、気づいたときから始めましょう。

 

2. フッ素塗布の頻度

 

フッ素塗布は、年に2〜3回程度受けると効果を持続できます。なぜなら、フッ素の効果がもつのはだいたい4〜6ヶ月程度だからです。

 

自治体によっては年に1回フッ素塗布を行っているところもありますが、その後は自費で受けに行くのがおすすめです(フッ素塗布は1回500円程度です)。

 

定期検診を上手に利用しながら、年に3回程度、最低でも年に2回は行うと良いでしょう。

 

3. フッ素塗布の方法

フッ素塗布の方法には、歯医者さんで行うものと、自宅でママやパパが行ってあげる方法があります。

それぞれの方法について、詳しく説明しますね。

 

3-1. 歯医者さんでのフッ素塗布


歯医者さんでフッ素塗布を行う時の方法には、以下のようなものがあります。

 

  • ◎歯面塗布
  • 綿棒などで歯の1本1本に直接塗布する
  • ◎マウスピース法
  • フッ素を入れたトレー状のマウスピースを5分ほど口に入れる
  • ◎イオン導入法   
  • フッ素を含んだコットンやトレーを口に入れ、弱い電流を流しイオンの力で浸透させる

 

どの方法を選択するかは、お子さんの年齢や状態によって判断します。

 

フッ素塗布をした後は、フッ素を定着させるために30分くらいは食べたり飲んだりしないようにしてくださいね。

 

歯医者さんで行うフッ素塗布のフッ素は高濃度です。先ほどお伝えしたフッ素塗布の頻度は、歯医者さんで行う場合です。家庭では扱えない高濃度のフッ素なので、年に数回でも効果が持続するのです。

 

といっても、子どもの体に害はないので、安心してくださいね。

 

「幼児がひとりで磨く場合のフッ化物配合歯磨剤使用後の口腔内フッ化物残留量(率)は、3~5歳児の調査では0.06mg(15.3%)[4]であり、1日に3回使用したとしても0.18mgで有害な影響はありません。」(厚生労働省ホームページより)

 

3-2. 自宅で行うフッ素塗布


自宅でフッ素塗布を行う場合は、市販のフッ素塗布剤フッ素入りのハミガキ粉を使います。

 

フッ素塗布剤は安全なフッ素濃度に設計されていますが、ハミガキ粉の場合は使う年令によって濃度が区別されています。

以下は、厚生労働省が推奨する年齢別のフッ素濃度と使用量です。

年齢 使用量 フッ素濃度
歯の萠出〜2歳

切った爪程度の
少量

500ppm
(泡状歯磨剤ならば1,000ppm)
3〜5歳 5mm以下 500ppm
(泡状またはMFP歯磨剤ならば1,000ppm)
6〜14歳 1cm程度 1,000ppm
15歳以上 2cm程度 1,000ppm~1,500ppm

参考:厚生労働省ホームページより)

 

小さい頃からフッ素濃度の高いハミガキ粉を使っていると、「フッ素症」を発症する可能性があります。

フッ素症とは、歯の表面の色がまだらになったり、白く濁ってしまったりするものです。

 

子どもの年齢に合ったフッ素入りハミガキ粉やフッ素塗布剤であれば、毎日使っても問題ありません。

 

現在の日本ではフッ素症になる子どもはほとんどなく、主に水道水に含まれるフッ素濃度が高いインドなどの熱帯地方の国などが多いとされています。

 

ただし、誤ってフッ素塗布剤を飲んでしまったり、毎日年齢に適した濃度より高濃度のフッ素を使ったりした場合、フッ素症になる可能性があるので注意しましょう。

 

4. 自宅で行う場合におすすめのフッ素

まだうがいができない小さなお子さんには、スプレータイプのフッ素塗布剤がおすすめです。うがいしなくても良いジェルタイプのハミガキ粉なども良いですよ。

 

▶歯医者さんがおすすめするうがい不要の子ども用歯磨き粉6選

 

柔らかい子どもの歯には、研磨剤入りはNG。歯の表面をガードするエナメル質が削れてしまうからです。「研磨剤フリー」「研磨剤なし」と書かれたハミガキ粉を使いましょう。

 

どうしても気になる場合は、15歳以上になってから研磨剤入りを使い、歯磨き後はよくうがいをしてください。

 

5. フッ素塗布の効果のおさらい


ところで、なぜフッ素は歯にいいのかご存知ですか?

 

フッ素の働きを知っておくとモチベーションを保つことができ、より意識的にフッ素塗布をすることができますよ。ここで、あらためておさらいしましょう。

 

  • 【フッ素塗布3つのメリット】
  • ①歯の再石灰化を促す
  • ②歯を強化する
  • ③虫歯菌の活動を抑制する

 

1つずつ詳しく説明しますね。

 

5-1. 歯の再石灰化を促す

食べ物を食べるとお口の中にが作られます。この酸によって、歯の表面にあるエナメル質が溶け出します。これを「歯の脱灰(だっかい)」といいます。

 

脱灰は誰にでも起きることで、自然な現象です。しかし、歯の表面が溶けたままでは虫歯菌に侵されてしまいます。

 

溶け出した歯の表面を修復してくれるのが、「歯の再石灰化(さいせっかいか)」。

 

唾液に含まれる修復成分が、溶けて失われたミネラル分を再び作り出す手伝いをしているのです。

 

フッ素には、この歯の再石灰化を助ける働きがあります。

 

5-2. 歯を強化する

フッ素は歯を強くする働きもあります。

 

フッ素で歯の表面をコーティングすることで、溶けにくい歯にしてくれるのです。

 

5-3. 虫歯菌の活動を抑制する

フッ素は、虫歯の原因となる虫歯菌の活動を鈍くする働きがあります。

 

つまり、フッ素を塗布することで虫歯が作られるのを抑えられるというわけです。

 

6. まとめ

フッ素塗布は、虫歯予防にとても効果的。歯が生え始めたらフッ素塗布をするタイミングです。

 

フッ素塗布は濃度をきちんと守れば、その効果を発揮してくれます。年齢別の使っていい濃度に注意しながら上手に利用しましょう。

 

北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。

 

◆この記事のまとめ
1. フッ素塗布は1歳半前後が始めるタイミング
2. フッ素塗布の頻度は年に2〜3回(歯医者で行う場合)
3. 歯医者で行うフッ素塗布には歯面塗布、マウスピース法、イオン導入法がある
4. 自宅でフッ素塗布を行うなら、フッ素塗布剤やフッ素入りハミガキ粉がおすすめ
5. うがいができない小さなお子さんにはスプレータイプやジェルタイプがおすすめ
6.フッ素は歯の再石灰化を助け、歯を強化し、虫歯菌を抑制する働きがある!