こんにちは北戸田coco歯科です
近年人気のあるインビザライン矯正は透明なマウスピースを使って歯を移動させる歯科矯正のひとつです。
目立つことなく治療することができますが、1日のほとんどの時間マウスピースを装着している必要があります。
患者さまご本人も無意識のうちに歯をくいしばったり、歯ぎしりをする癖がある場合にはマウスピースはどうなってしまうのかお話させていただきますね。
インビザライン矯正と歯ぎしりについて
インビザライン矯正は上下のマウスピースをはめているときに一時的に少しだけ歯ぎしりする程度では簡単には壊れません。
しかしながら、歯ぎしりをすることが癖になってしまっている場合は別です。
歯を食いしばる力(咬合圧)はとても強いため、マウスピースが耐えきれずに破損してしまう可能性があります。
➖歯を食いしばる力(咬合圧)はどれくらいあるの?
人間が思い切り歯を食いしばったときの咬合圧の平均は70kg程度と言われています。
人一人分の体重程度のパワーがあると言えるでしょう。
また、睡眠中の歯ぎしりにいたっては顎の骨に500kg以上の負荷がかかっているといわれています。
歯ぎしりが癖になっている患者さまですと、咬合圧がマウスピースへ伝わってしまうのです。
このように歯を食いしばったときのちからはとても強く、マウスピースが破損する原因になってきてしまいます。
➖歯ぎしりの種類
・グラインディング(歯ぎしり)
グラインディングとはギリギリと音が聞こえるような上下の歯をこすり合わせる歯ぎしりです。よく一般的に「歯ぎしり」と呼ばれるものがグラインディングとなります。
・クレンチング(食いしばり)
クレンチングとはグッと力強く噛みしめるイメージです。グラインディングとの違いは歯をこすり合わせないため音がしないところでしょう。大きなストレスがかかったとき等に起こります。
・タッピング
タッピングとは上下の歯を開閉させてカチカチと音がなるタイプの歯ぎしりとなります。
一概に歯ぎしりといっても上記のように実はいくつかの種類があります。いずれにせよマウスピースに良い影響を与えるものではありません。
歯ぎしりが及ぼす悪影響
・歯の上下で噛む部分がすり減ってしまう
・歯が欠けやすくなる
・歯が割れやすくなる
・歯周病が悪化しやすい
・知覚過敏が起きやすくなる
・治療した歯(差し歯など)が取れやすくなる
歯ぎしりをおこなうと、噛み合わせる部分がすり減ってしまって歯の表面のエナメル質が薄くなり知覚過敏が起きやすくなります。
また、気づかない間に定期的に力がかかってしまっていると患者さまご自身の歯が欠けたり割れたりするだけではなく、治療した差し歯や詰め物が取れやすくなってしまうでしょう。
このように歯ぎしりで悪影響がでてくるのは歯自体だけではありません。歯茎や歯を支えている骨(歯槽骨)にも影響が出てきてしまいます。
歯ぎしりでインビザラインのマウスピースが破損してしまったら?
インビザライン矯正中にマウスピースが破損してしまうと、歯を思うように動かしていくことができません
破損に気がついたらすぐに歯科医院ご連絡のうえ、マウスピースをご持参ください。少々のひび割れ程度でしたらすぐに修理することができるでしょう。
しかし、大きく割れてしまった場合には修理できないこともあります
そのような場合には、また新たにマウスピースを作り直すことになりますがインビザラインのマウスピースは海外で製作しているためすぐに新しいマウスピースを受け取ることは難しいでしょう。
インビザライン矯正をスムーズに進めるためにマウスピースを破損させないように大切に扱うことを心がけてくださいね
破損したマウスピースにしてはいけないこととは?
破損したマウスピースはただ単にくっつければ大丈夫なのではと感じてしまうこともあるかもしれません。
しかしながら、ご自宅で市販の接着剤などを使って修理を試みることは絶対にしないようにしましょう。
インビザラインのマウスピースはとても精密にできています。ご自身で修理しても、わずかなズレから計画通り歯が動かなくなってしまうことがあります
医療用の接着剤を使用しても修理が難しい場合もありますし、マウスピースの破損はやはり歯科医院でみてもらうことが一番良いでしょう。
歯科医院によっては修理の料金がかからないケースもありますが、有償無償に関わらず修理や作り直しにはお時間がかかってしまうことをご留意ください。
マウスピースを噛み締めてしまう癖にも注意!
歯ぎしりの癖があるとマウスピースへ悪影響があることをおわかりいただけたのではないでしょうか。
インビザライン矯正に使用しているマウスピースは薄くフィット感がある素材を使用しており、噛み締めて使うことを想定しているものではありません。
歯ぎしりをすることと同じようにマウスピースを噛み締めてしまう癖にも注意が必要です
マウスピースを噛み締めていると起こる悪影響とは?
インビザライン矯正のマウスピースを奥歯で噛み締めて使っていると破損しやすいだけではなく、上下の奥歯が噛み合わなくなる可能性があります。
マウスピースは薄い素材とはいえ、0.75mmほどの厚さがあり上下合わせると1.5mm程度になります。
噛み締め続けているとマウスピースの厚み分奥歯が噛み合わなくなってしまうことがあるのです。
このような悪影響を防ぐためにもインビザライン矯正のマウスピースは噛み締めずに使うようにしましょう。
奥歯が噛み合わなくなってしまったらどうするの?
奥歯が噛み合わなくなってしまってもマウスピースの厚み分の1.5mm程度でしたら、歯科医師の判断で装着時間を調整するといった対処で改善できるでしょう。
インビザライン矯正は患者さまご自身でマウスピースの着け外しが可能ですので、歯科医師からどれくらいの装着時間に変更するかどうかをよくご確認のうえ実行してくださいね
歯ぎしりを改善するための治療方法
歯科医院で歯ぎしりを改善するための治療方法といえば、歯ぎしり治療用のマウスピースを装着することです
しかしながら、インビザライン矯正のマウスピースと歯ぎしり治療用のマウスピースは違うものです。
そこで、インビザライン矯正をしながら歯ぎしりの改善するための治療のひとつにマッサージがあります。
お口の周りの筋肉が緊張状態ですと歯ぎしりが起きやすくなりますので、頬や顎まわりの筋肉を優しくマッサージしてみましょう。詳しいやり方は歯科医院でご相談くださいね。
歯ぎしりの原因として挙げられるストレスそのものを緩和させることも歯ぎしりの改善になるでしょう。
当院のインビザライン矯正について
当院では、目立たないマウスピース矯正のインビザラインはもちろん、ワイヤー矯正や小児矯正も取り扱っております
ワイヤー矯正の併用が必要な方は費用が変更することがあります。お支払いについては、自費診療の場合クレジットカードも使用できますので、お気軽にご相談下さい
当院の矯正治療については以下のリンクからチェックしてみてください
まとめ
歯ぎしりが癖になってしまっていると、日常的に力がかかってしまい歯が欠けやすくなったり噛み締める面が薄くなってしまい歯や歯茎に悪影響があります。
インビザライン矯正の治療中に歯ぎしりをしてしまうと歯や歯茎への悪影響だけではなく、マウスピースが破損してする可能性が高くなってしまうでしょう。
歯ぎしりを改善するには歯ぎしりを治療するためのマウスピースを使うことが多いのですが、インビザライン矯正治療中のときは頬や顎まわりの筋肉をマッサージすることが効果的です。
インビザライン矯正の治療をスムーズに進めるためにも歯ぎしりの癖を改善していくことをオススメします。
マウスピースを噛み締めて破損しないように注意しながら理想的な歯並びを目指しましょう。