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エナメル質形成不全とは?育児中や妊娠中のママが気をつけること|戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科

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エナメル質形成不全とは?育児中や妊娠中のママが気をつけること

 


「歯医者さんから子どもの歯がエナメル質形成不全と言われたけど、それって何?」

 

歯医者さんでは時々、子どもの歯に対して「エナメル質形成不全」と診断することがあります。「エナメル質形成不全」はあまり聞いたことがない言葉なので、戸惑う親御さんもいるでしょう。

 

そこで、ここでは歯のエナメル質形成不全について詳しく解説します。

育児中のママのほか、これから妊娠する予定のある方、現在妊娠中の方も必読ですよ。

 

1. エナメル質形成不全とは?


歯のエナメル質形成不全とは、歯の表面にあるエナメル質の形成がうまくいかず、通常より薄くなっている状態です。

 

歯は層になっていて、表面がエナメル質、その内側は象牙質という骨になっています。

エナメル質形成不全の歯は、部分的に薄くなって中の象牙質が透けて見えてしまうので、歯が変色しているように見えるのです。

 

エナメル質形成不全は生まれつきものもが場合が多く、前歯や奥歯(6歳臼歯)に現れやすいと言われています。

 

軽度のエナメル質形成不全では、部分的な変色(白色や乳白色)になるだけです。しかし、重度になるとくぼみや凸凹、欠けができてしまいます。

 

こういうとなにか重大な病気のように感じるかもしれませんが、実は小学生の5人に1人がエナメル質形成不全といわれています。

 

しかし、エナメル質形成不全をそのままにしておくと、以下のようなリスクがあります。

  • ・見た目に問題がある
  • ・知覚過敏になりやすい
  • ・虫歯になりやすい
  • ・虫歯になると進行が早い

 

2. エナメル質形成不全の原因とは?


エナメル質形成不全の原因は大きく3つ考えられます。

  • ・全身疾患など病気が関係するもの
  • ・部分的な外傷が関係するもの
  • ・妊娠中の栄養状態などが関係するもの

 

ひとつずつ説明していきますね。

 

2-1. 全身疾患など病気が関係するもの

内分泌異常やなんらかの感染など、全身の病気が原因で起こる場合です。全身の病気によって歯(特に乳歯)の形成が一時的に阻害されることが原因とされています。

 

全身疾患などの病気が原因でエナメル質形成不全が起こる場合は、左右対称の歯に現れやすいといわれています。

 

2-2. 部分的な外傷が関係するもの

部分的な外傷とは、以下のようなものが当てはまります。

  • ・乳歯に外傷を受けた場合
  • ・乳歯が大きな虫歯に侵され化膿していた場合

 

これは生まれつきのものとは違い、後天的なものです。乳歯に何かがぶつかってくぼみや凸凹ができた、虫歯が悪化して化膿するまで放置してしまった等の場合に起こります。

 

乳歯が上記のような外傷を受けていた場合は、後から生えてくる永久歯にも影響が出て、永久歯がエナメル質形成不全になることがあります。

 

2-3. 妊娠中の栄養状態などが関係するもの

妊娠中の母体の影響で、生まれてくる子どもがエナメル質形成不全になる場合もあります。それは、以下のような場合です。

  • ・母体の栄養不全
  • ・母体の代謝異常
  • ・母体のホルモン異常
  • ・母体のビタミン不足
  • ・母体がなんらかの全身疾患にかかっている
  • ・母体がなんらかの感染症にかかっている
  • ・特定の薬を投与し続けている

 

特に、ビタミン不足でよくいわれているのがビタミンD不足です。ビタミンDは歯の形成に欠かせない、カルシウムやリンの吸収を促進します。3章の治療法では、ビタミンDの摂り方についても触れますので、参考にしてくださいね。

 

3. エナメル質形成不全の予防法・治療法

冒頭でもお話したように、エナメル質形成不全を放置しておくと虫歯になりやすい・見た目が悪いなどの問題があります。そのため、予防や治療法が必要です。

ここでは、予防法と治療法についてお伝えしていきますね。

 

3-1. 予防法

まずは予防法からお伝えします。エナメル質形成不全にならないためには、

  • ・毎日の正しいブラッシング
  • ・定期的なフッ素塗布
  • ・妊娠中はまんべんなく栄養を摂る

 

この3つがおすすめです。ひとつずつ説明していきますね。

 

●毎日の正しいブラッシング


毎日の歯磨きは、ただ歯に挟まったものを取り除くだけではありません。歯の表面についた汚れやプラーク(歯垢)などを取り除き、フッ素を与えて虫歯になりにくい強い歯にするという役割があります。

 

歯を強くすれば、エナメル質形成不全の原因の1つである「外傷」を予防することができますよ。

 

子どもの正しいブラッシングの方法については、以下の記事で知ることができます。

▶【正しい歯磨きのやり方】子どもが自分で歯磨きを始めたら

 

●定期的なフッ素塗布


フッ素塗布は、歯医者さんで行なえます。市販でもフッ素塗布剤が売っていますが、歯医者さんで扱うフッ素は市販のものより高濃度なので効果が高いです。

 

歯医者さんで行うフッ素塗布の効果は約3ヶ月3ヶ月ごとに定期的にフッ素塗布を行えば、虫歯になりやすくなるだけでなく強い歯にすることができ、エナメル質形成不全が起こりにくくなる可能性が高くなります。

 

こちらもおすすめ!

▶知ってる?フッ素の重要性|虫歯予防におけるフッ素の効果を解説!

 

●妊娠中はまんべんなく栄養を摂る


最後に妊娠中の話ですが、妊娠中はできるだけまんべんなく栄養を摂ることに気をつけましょう。

 

ビタミンDは、先ほどもお伝えしたように歯を形成するカルシウムやリンの吸収を促進する働きがあります。ですので、ビタミンDを意識しながら食事をするのがおすすめです。

 

ビタミンDは、魚やきのこ類、肉類、乳製品などから摂ることができます。

 

体重を気にして野菜ばかり食べているとビタミンD不足になってしまうので、できればまんべんなく食べましょう。ただ、嫌いなものを無理に食べる必要はありません。嫌いなものを無理に食べるのはストレスの原因となります。できる範囲で無理なく美味しく食べるのがポイントです。

 

ビタミンDが多く含まれるのは、以下の食品です。

  • ・しらす干し
  • ・紅鮭
  • ・イワシ
  • ・アジ
  • ・卵
  • ・豚レバー
  • ・干し椎茸
  • ・舞茸
  • ・エリンギ
  • ・えのき

 

3-2. 治療法


次に、治療法についてお伝えします。

 

エナメル質形成不全で治療が必要なのは、変色だけでなく歯の欠けなどがある場合です。

 

歯が欠けている場合は、以下のような治療を行います。

  • ・奥歯 → 歯科用プラスチックなどの詰め物をする
  • ・前歯 → 歯科用プラスチックの薄い板を貼る

 

歯科用プラスチックは白い素材なので、他の歯と大きく見た目が変わることはありません

 

プラスチックというと「強度や耐久性はどうなの?」と思う方もいるかもしれませんね。

 

しかし、最近は技術の発達によりかなり硬いものとなっているので心配いりません。ただし、大きな衝撃が加わると、天然の歯と同じようにヒビが入ったり欠けたりすることがあるので注意が必要です。

 

※クリニックによって、見えない奥歯には金属の詰め物をするところもあります

 

4. まとめ

乳歯は本来薄く透けているような色ですが、歯が部分的に白色や乳白色で透けていない場合はエナメル質形成不全の可能性が高いです。

 

エナメル質形成不全は重度になると歯が欠けることもあります。

歯が欠けているとそこから虫歯になりやすく、歯にかかる力が不安定になってあごの形成などにも影響します。その結果、歯並びが悪くなる・左右のバランスが悪くなり背骨がゆがむなどのリスクも高まります。

 

歯医者さんからエナメル質形成不全と言われた場合は、治療が必要かどうかよく説明を聞きましょう。また、日頃から正しい歯磨きやフッ素塗布などをして歯を強くしておくことも重要です。

◆この記事のまとめ
1. エナメル質形成不全は見た目や虫歯になりやすいと言う問題がある
2. エナメル質形成不全の原因は、全身の病気・部分的外傷・妊娠中の3つ
3. 予防するには毎日の正しい歯磨きやフッ素塗布がおすすめ
4. 歯に欠けがある場合は詰め物などの治療を行う