こんにちは北戸田coco歯科です!
子供の歯ぐきが腫れていると、親としては心配ですよね。歯ぐきが腫れる原因はさまざまで、子供にとって不快感を覚えることもあります。
放置すると悪化するため適切に対処しなければなりません。そこで本記事では、子供の歯ぐきの腫れる主な原因や弊害、対処法について解説します。
目次
■子供の歯ぐきが腫れた理由は?
子供の歯ぐきが腫れる理由は以下の通りです。
- 歯肉炎
- ストレス
- 根尖性歯周炎
- ヘルペス性口内炎
- 萌出膿疱
・歯肉炎
歯肉炎とは歯ぐきに歯垢が溜まり、炎症を引き起こした状態です。
ほとんどのケースで痛みを伴うことはありませんが、歯ぐきが腫れたり歯磨きの際に出血したりすることがあります。
悪化すると歯を支えている骨にまで炎症が広がり「歯周炎」を引き起こしてしまうことも。悪化する前に早めに対処する必要があります。なお、歯肉炎には以下の種類があります。
- 萌出性歯肉炎:永久歯が生えてくる際に、歯茎が炎症を起こす状態。永久歯が生え揃うとともに自然に治ります。
- 不潔性歯肉炎:歯磨き不足や口腔内の環境の悪化により、歯垢が溜まり歯茎に炎症が起きた状態。丁寧な歯磨きや歯科医院でのクリーニングで改善します。
- 思春期性歯肉炎:ホルモンバランスの変化により、歯茎が炎症を起こした状態。お口の中の衛生管理が重要になります。
- 侵襲性歯肉炎:若年性歯肉炎や早期発症型歯周病とも呼ばれ、若いうちから歯周病が発症し、急速に進行する病気。早期発見・早期治療が必要になります。
参考:テーマパーク8020
・ストレス
子供でも学校や家庭でストレスや不安を感じるものです。ストレスが溜まると、免疫力が低下し歯ぐきが腫れてしまうことがあります。
また、ストレスからくる習慣として歯ぎしりや食いしばりが起きることも。これらは歯や歯茎に負担をかけ、歯がすり減ったり欠けたり、歯肉炎の症状を引き起こす可能性があります。
・根尖性歯周炎
根尖性歯周炎とは、歯の根の先が炎症を起こし膿ができた状態です。
歯ぐきにニキビのようなできもの(フィステル)ができることがあります。これは、虫歯が神経まで進行した歯や、歯の根っこを治療した歯に起こるものです。
特に乳歯の虫歯治療では、神経に炎症が出やすい傾向にあります。後に続く永久歯にも影響が出る可能性があるため、早めに歯科医院に受診しましょう。
・ヘルペス性口内炎
ヘルペス性口内炎とは、単純ヘルペスウイルスの感染によって生じる口内炎のことです。
0~3歳の子供に好発しやすく、発熱やのどの痛みが出た後に、歯周炎が発症することがあります。
出典:町医者の家庭の医学
症状がおさまるまで1~2週間程度かかることが多く、痛みによって食欲が軽減することも少なくありません。高熱がある場合は、すぐに小児科を受診しましょう。
参考:口腔外科相談室
・萌出膿疱
永久歯が生えてくる時期に、歯茎に水ぶくれのようなものが現れることがあります。
歯の生え変わりの過程で起こる一時的な症状で、永久歯が生えれば自然に治るものなので過度な心配はいりません。
ただし、腫れや痛みが続く場合や長期間治らない場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。
■歯ぐきが腫れたことで起こる弊害
子供の歯茎が腫れると、以下のような弊害が生じる可能性があります。
- 歯周病の進行
- 痛みや違和感
- 口臭
・歯周病の進行
歯茎の腫れは、歯周病の初期症状です。子供の歯肉炎を放置すると大人になってから歯周病に悩まされる可能性があります。
歯周病が進行すると歯茎が下がり、歯と歯茎の間に深い歯周ポケットができます。
そこに歯垢が溜まると、歯を支える骨にまで炎症が広がり、歯がグラグラすることも。最悪のケースでは歯が抜け落ちる可能性があります。
・痛みや違和感
歯茎の腫れによって痛みや違和感が生じることがあります。
それにより、歯磨きがうまくできなくなり、お口の中の環境が悪化する可能性があります。
・口臭
歯茎の腫れがあると細菌が繁殖しやすくなり、口臭につながることがあります。口臭はコミュニケーションに影響を与えてしまうことも少なくありません。
■歯茎が腫れた時の対処法
歯肉炎は痛みといった自覚症状がないため、保護者の方が子供のお口の中をチェックしてあげることが重要です。
子供の歯茎が腫れた場合は、まず歯磨きを徹底しましょう。
正しい歯磨きの方法を子供に教え、仕上げ磨きを丁寧に行います。歯と歯茎の境目が腫れていないか、歯磨きの際に出血していないか確認しましょう。
仕上げ磨きのポイントは、以下の通りです。
- 毛先を歯と歯茎の境目、歯と歯の間に当てる
- 軽い力で1本ずつ小刻みに動かして磨く
子供の歯並びが隙間なく並んでいる場合は、子供用のフロスを使うのも良いでしょう。
食べかすや歯垢を除去することで炎症を抑えることができます。保護者による仕上げ磨きは、小学校4年生くらいまでは必要です。
なお、腫れがひどく痛みを伴っている場合は、小児用の痛み止めが有効。また、冷やしたタオルや冷却シートで頬の外から当てると痛みが軽減します。
症状が改善しない場合や、歯茎の腫れが根尖性歯周炎によるものの場合は、歯科医院に受診しましょう。
■早めに歯科医院へ受診した方がいいケース
以下のようなケースは早めに歯科医院に受診しましょう。
・1週間経っても改善しない場合
歯茎の腫れは歯垢を取り除くことで改善に向かうことが多いです。しかし、1週間経っても腫れが引かない場合は早めに歯科医院に受診しましょう。
・炎症が強くなる場合
免疫力の低下や思春期性歯肉炎は一時的に炎症が強くなることがありますが、継続的にケアすることで腫れは治まります。
しかし、侵襲性歯肉炎や根尖性歯周炎の場合は、丁寧にケアをしても自然に治ることはありません。
放置するとさらに悪化させてしまう可能性もあるため、炎症が強くなる場合は歯科医院に受診しましょう。
・痛みや膿が出ている場合
歯周炎は痛みを伴うことはほどんどありませんが、進行すると痛みが出るケースもあります。
また、歯茎のできものが急にできた場合、痛みや膿が出ることも少なくありません。痛みや膿が出ている場合は、早めに受診することをおすすめします。
■歯医者ではどんな処置をする?
歯医者での処置は、原因によって異なります。ここでは、歯科医院で行う一般的な処置を紹介します。
・検査
まず、歯茎が腫れている原因を特定するために検査を行います。視診や触診など行い、必要に応じてレントゲン写真を撮影します。
・歯磨き指導
口内環境の改善が必要な場合は、正しい歯磨きの方法や仕上げ磨きの仕方などを指導します。
・歯垢・歯石の除去
歯垢が硬化すると歯石になります。歯石自体は歯茎の炎症を起こすものではありませんが、歯垢が溜まりやすくなるため、歯茎の腫れる原因に。
歯石は歯ブラシで落とせないため、専用の器具を使用して歯石を丁寧に除去します。歯科医院でのクリーニングは、3ヶ月に1回を目安に定期的に受けることが大切です。
・根管治療・抜歯
歯茎にできものができる根尖性歯周炎は、自然に治ることはありません。
歯科医院で根管治療(歯の根っこの治療)が必要になります。
ただ、永久歯が生えかわる時期は、乳歯の歯の根っこが短くなっているため、根管治療ではなく乳歯を抜歯するケースもあります。
■まとめ
子供の歯茎の腫れは歯磨き不足や根尖性歯周炎、ヘルペスなど原因はさまざまです。
歯磨き不足による歯茎の腫れの場合は、丁寧な歯磨きと仕上げ磨きで改善しますが、中には治療が必要になるケースもあります。
原因に応じて治療方法が異なるため、子供の歯茎が腫れた場合は歯科医師に相談しましょう。
当院でもお子様の歯肉炎や歯ぐきの腫れなど様々なご相談にのっていますのでお気軽にご連絡ください。
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