こんにちは北戸田coco歯科です!
マウスピースをしっかり装着しているのに、「浮いている感じがする」あるいは「フィット感が悪い」といった場合、エアスペースができている可能性があります。
エアスペースとは、マウスピースと歯にすき間ができている状態のことです。
エアスペースがあると治療計画にさまざまな影響を与えてしまうことも。ここでは、エアスペースとはなにか、エアスペースができるとどうなるか、など解説します。インビザライン矯正を計画通りに進めたい人は必見です。
目次
■インビザラインのエアスペースとは?
エアスペースとは、マウスピースと歯にできる「すき間」のことです。
すき間が大きいと歯とマウスピースの間に空気が入っているように見えることから「エアスペース」と呼ばれています。
エアスペースの大きさによって対処法は異なり、マウスピースの作り直しをすることもあれば、そのまま進めることもあります。
エアスペースの許容範囲は1mm程度。特に新しいマウスピースに交換したばかりはエアスペースができやすいですが、1週間程度で馴染んでしっかり入るようになることが多いです。
しかし、エアスペースが1mm以上、あるいは1週間経ってもマウスピースがしっかり入らないようであれば、治療計画にズレが生じている可能性があります。
■エアスペースがあるとどうなる?
エアスペースがあると以下のような影響を与えてしまいます。
- 歯が動かなくなる
- 治療期間が延びてしまう
- 治療計画を立て直す必要がある
・歯が動かなくなる
インビザライン矯正では、歯とマウスピースを密着させることによって歯に矯正力を加えます。エアスペースができてしまうと、その歯に矯正力を加えることができず動かなくなります。
・治療期間が延びてしまう
小さなエアスペースであれば、1つ前のマウスピースを2~3日程度延長することで改善されますが、その分治療期間は延びてしまいます。
また、大きなエアスペースは、マウスピースの作り直しが必要になることが多く、その場合は治療を中断しなければなりません。
マウスピースは海外で作成されるため、新しいものが到着するまでに1か月~2か月程度かかってしまいます。
そのため治療期間が大幅に延びてしまうこともあります。
・治療計画を立て直す必要がある
エアスペースが大きく、マウスピースの作り直しが必要になると、初診時と同じように型取りをしてから治療計画を立て直す必要があります。
インビザライン矯正は、一度でもエアスペースができると治療計画とのズレが生じてしまうため、しっかりとマウスピースを装着しましょう。
■エアスペースができる原因
インビザライン矯正中にエアスペースができる原因は主に以下の3つです。
- マウスピースが歯に密着していない
- マウスピースに問題がある
- 歯の大きさや形態に問題がある
・マウスピースが歯に密着していない
エアスペースができる原因で最も多いのが、マウスピースと歯が密着していないことです。装着する際は、チューイーを使ってしっかり密着させますが、中には「面倒」という理由から手で押し込むだけという人もいます。
マウスピースは現在の歯並びではなく、理想の歯並びに近づける形態をしているため、装着した際にキツさを覚えやすいものです。
それにより、しっかり装着していると感じても、実際は浮いていたということが多くあります。
・マウスピースに問題がある
たとえば、マウスピースの破損や変形など問題があるものを使用するとエアスペースができる原因となります。
マウスピースはプラスチック製でできているため、熱湯で洗浄したり、無理な力を与えたりすると破損や変形してしまうのです。
また、希に作成したマウスピースが合わなくてエアスペースができることもあります。
・歯の大きさや形態に問題がある
デコボコした歯並びや八重歯など、歯の大きさや形態によってマウスピースを密着させるのが難しく、エアスペースができてしまうこともあります。
■エアスペースがあるか確認する方法
エアスペースがあるかどうかは、ご自身で確認することができます。
チューイーを使ってマウスピースをしっかり装着し、エアスペースができていないか鏡を見て確認します。ただ、交換したばかりはエアスペースができやすいです。
エアスペースの大きさが1mm程度であれば許容範囲ですが、馴染ませる必要があるため1週間程度は様子をみます。
1週間以上たっても1mm以上エアスペースがある場合は、すぐに担当の歯科医師に相談しましょう。
また、エアスペースがあるかご自身で確認しにくい場合は、通院時に歯科医師または歯科衛生士によるチェックしてもらうことも可能です。
■エアスペースができたら?
エアスペースができたときの対応は、大きさによって異なります。エアスペースが小さい場合、一つ前のマウスピースに戻して、十分に歯が動いてから次に進むと改善することもあります。
また、現段階では動かす必要のない歯にエアスペースができている場合は、そのまま進めることも。
エアスペースが大きい場合は、マウスピースの作り直しが必要になることもありますが、治療期間が大幅に延びてしまうため、アタッチメントをつけてリカバリーすることも多いです。
ただ、エアスペースができてそのまま放置してしまうと、計画に大きなズレが生じてしまいます。エアスペースができたら、まずは担当の歯科医師に相談しましょう。
■エアスペースを作らないために
最後にエアスペースを作らないためにできることを4つ紹介します。
- マウスピースの装着時間は必ず守る
- チューイーを使う
- 1つ前のマウスピースを使用する
- 担当の歯科医師に相談する
・マウスピースの装着時間は必ず守る
エアスペースを作らないためにも、マウスピースの装着時間は守りましょう。インビザライン矯正では1日20時間以上装着する必要があります。
外している時間が長いと歯を動かすことができなかったり、今まで動かした歯が元の位置に戻ってエアスペースができたりすることもあります。
マウスピースに慣れるまでは違和感を覚えやすいですが、装着時間を守ることはインビザライン矯正を成功に導くために大切なことなのです。
・チューイーを使う
マウスピースの装着は必ずチューイーを使用しましょう。
チューイーの使い方は、1つの歯に5回ほど噛むことです。前歯から奥歯に向かってしっかり噛んでマウスピースを密着させましょう。また、新しいものに交換した際は、長めに噛むのも効果的です。
関連記事:インビザラインで使う「チューイー」とは?使い方やお手入れ方法
・1つ前のマウスピースを使用する
新しいマウスピースに交換した際、いつもより適合が悪い、あるいはエアスペースができていると感じた場合は、1つ前のマウスピースに戻しましょう。
3日ほど延長することでぴったり合うことがあります。ただし、装着期間を延長した際は、担当の歯科医師にその旨を伝えます。
・担当の歯科医師に相談する
マウスピースを装着した際、エアスペースが生じたり違和感や痛みを覚えたりしたら、そのままにせず担当の歯科医師に相談しましょう。
早めに歯科医師に相談することでエアスペースの拡大やインビザラインのトラブルを防ぐことができます。
■まとめ
エアスペースは歯とマウスピースの間にできるすき間のことです。
小さなエアスペースであれば、マウスピースをしっかり密着させることで改善できますが、大きなエアスペースができてしまうと、計画通りに進めることが難しくなります。
エアスペースを作らないためにもマウスピースの装着時間は守り、違和感を覚えたら担当の歯科医師に相談しましょう。
参考:インビザライン公式