こんにちは北戸田coco歯科です
インビザライン矯正とは透明なマウスピースを装着して、歯並びを整える治療方法です。
目立たずに歯並びを整えられるため選ばれることが多く、またワイヤー矯正とは異なり、少しずつ歯を動かすため痛みが少ないといわれています。
しかしインビザライン矯正中では冷たいもので歯がしみてしまう「知覚過敏」を生じることも。今回はインビザライン矯正中に知覚過敏になる原因と対処法法を紹介します
インビザライン中に知覚過敏になった
どの矯正方法も歯に力をかけて動かします。インビザライン矯正では弱い力で歯並びを整えるため、歯を移動するときの痛みや知覚過敏にないにくいのがメリットです
ただまれにインビザライン矯正中でも知覚過敏が生じることがあります。まずは知覚過敏とその原因について解説します。
□知覚過敏とは?
「冷たいものがしみる」「歯ブラシがあたるとしみる」「風にあたるとしみる」このように歯の表面に刺激が加わったときに、しみる症状があることを知覚過敏と言います。
むし歯でも同じような痛みを生じることもありますが、知覚過敏では一時的に痛むことが多く、歯を叩いても痛みがないのが特徴です。
□知覚過敏の原因
歯ぐきから見えている部分は「エナメル質」と呼ばれている硬い組織に覆われています。
その下には「象牙質(そうげしつ)」と呼ばれている組織があり、さらにその下には神経があります。
なお歯ぐきの下には「セメント質」と呼ばれている薄い組織があり、その下に象牙質があります。
象牙質には神経に向かって無数に穴が空いており、これを「象牙細管(そうげさいかん)」と言います。
知覚過敏はエナメル質が削られたり、歯ぐきが下がったりすると象牙質が露出した状態になり、冷たいものなどの刺激物が象牙細管を通って神経の方まで到達し、痛みを引き起こすのです
ではインビザライン矯正中に歯がしみるのはなぜでしょう。原因は以下のことが挙げられます。
・歯の移動
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それぞれ詳しく解説します。
□歯の移動
インビザライン矯正では歯が整い始めた頃に知覚過敏を生じる方が多いです
これは凸凹していたり、重なっていたりしていた歯が並び、初めて外部に触れるために知覚過敏を引き起こすことがあります。
また、歯が移動すると歯と歯ぐきの間にすき間ができることがあり、そのすき間に刺激が加わると知覚過敏を引き起こします。
どちらも一時的な症状になり、矯正が終了するまでに落ち着くことが多いので m心配入りません。
□ディスキング後の神経過敏
IRPとも呼ばれており、歯を並べるスペースを確保するために、歯と歯が接する面をヤスリで削る処置のことです
歯の表面のエナメル質を削りますが、中にはその刺激によって神経が過敏に反応してしまい知覚過敏を生じる可能性があります。この場合も一時的なものになります。
□歯ブラシの力加減
インビザライン矯正中はむし歯や歯周病になりやすいため、歯磨きを丁寧に行う必要があります。ただ歯ブラシの力加減が強いと歯ぐきまで傷つけてしまい、結果歯ぐきが下がってしまうことも
そのような場合、歯ぐきの下の象牙質が露出して知覚過敏を引き起こすことがあります。
知覚過敏になってしまった時の対処法
インビザライン矯正中に知覚過敏になってしまった場合、しみる症状を抑える対症療法を行うことが一般的です。
知覚過敏の対処法には自宅で行える方法と、歯科医院で行う方法があります。
□自宅で行う対処法
自宅でできる対処法には以下のような製品を使用することが挙げられます。
・知覚過敏用の歯磨き粉の使用
・牛乳由来成分のペーストの使用
それぞれの特徴を解説します。
□知覚過敏用の歯磨き粉の使用
参考:https://www.hagashimiru.jp/
知覚過敏用の歯磨き粉には「シュミテクト」や「Systemaセンシティブ」などがあります。
これらの歯磨き粉には「硝酸カリウム」が配合されており、象牙細管をカバーして刺激を神経に伝わりにくくする働きがあります
これらの歯磨き粉は市販でも売られており、ドラッグストアでも入手することが可能です。
□牛乳由来成分のペーストの使用
参考:
歯科医院やネットで販売されている「MIペースト」は牛乳由来成分であり、歯と同じ成分の「カルシウム」「ミネラル」「リン」が含まれています。
これらの成分はエナメル質の強化をする働きや、しみる症状を抑える効果が期待できます。
□歯科医院で行う対処法
歯科医院で行う対処法には主に2つの方法があります。
・象牙質のコーティング
・詰め物で保護する
こちらもそれぞれの特徴を見ていきましょう。
□象牙質のコーティング
知覚過敏の対処法として第一選択肢に挙げられるのは、象牙質のコーティングです
これは露出した象牙質にコーティング剤を塗布して症状を抑えます。ただ効果は一時的なものとなり、定期的に塗布する必要があります。
なおインビザライン矯正中の知覚過敏では矯正終了後には症状が治まることがほとんどです。
□詰め物で保護する
露出した象牙質を削り、レジンで詰め物をする治療方法です
歯ぐきが下がって象牙質が露出している状態で、なおかつ象牙質のコーティングを繰り返し行っても改善されないときに行うことが多いです。
ただインビザライン矯正中ではマウスピースが合わなくなる可能性や、処置した箇所がむし歯になりやすいリスクがあるため、まずは知覚過敏の歯磨き粉の使用や象牙質のコーティングをして様子を見ます
インビザライン矯正で起きやすい他のトラブル
インビザライン矯正では知覚過敏のほかに、マウスピースが歯ぐきに当たって痛みを伴ったり、アタッチメントが外れたりなど起きやすいトラブルがあります。以下は起きやすいトラブルです。
・マウスピースが歯ぐきに当たって痛い
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このようなトラブルが発生した場合、次の予約までそのままにすると口内炎ができたり、治療計画が遅れる原因となります。
トラブルが起きた際はすぐに担当の歯科医師に相談しましょう。ではそれぞれのトラブルについて解説します。
□マウスピースが歯ぐきに当たって痛い
マウスピースの縁が歯ぐきに当たっている場合、擦れて口内炎ができやすくなります
この場合は歯科医院でマウスピース調整することが可能です。ただマウスピース装着時に強い痛みや違和感がある場合は、マウスピースの型が歯と合っていない可能性があります。
そのような場合はマウスピースの作り直しが必要になります。
□アタッチメントが外れてしまった
インビザライン矯正では歯を動かすために、「アタッチメント」と呼ばれている装置を歯の表面につけることがあります。
この装置は天然の歯であれば外れることはほとんどありませんが、被せ物の場合外れやすい傾向にあります
外れたままにすると計画通りに治療が進まなくなるため、すぐに歯科医院で付け直す必要があります。
関連記事:アタッチメントについて【インビザライン矯正の処置】
□マウスピースが変形してしまった
インビザライン矯正で使用するマウスピースには弾力があるため着脱時に変形することはほとんどありません。
ただプラスチック素材を使用しているため、お湯などで洗ってしまうと変形することがあります。このような場合はマウスピースの作り直しが必要になります
マウスピースの洗浄は専用の洗浄剤や柔らかい歯ブラシで汚れをやさしく落とすようにしましょう。
当院のインビザライン矯正
当院では、豊富な知識と経験のある日本矯正歯科学会認定医が在籍しています
さらに総合歯科医院のため、当院で矯正治療からむし歯の治療や親知らずの抜歯などの一般歯科治療も全て対応可能ですのでお口の悩みがある方は何でもご相談ください
まとめ
インビザライン矯正中でもまれに知覚過敏になる方はいます。これは歯が動くときに生じるすき間や、今まで重なっていた歯が整うことで初めて外部に露出する状態になるためです。
矯正中の知覚過敏は一時的なもので矯正終了時には症状が落ち着いていることがほとんどです。
ただ日常生活や食事中にしみる症状が出ると、非常につらいものとなります。知覚過敏の症状を少しでも抑えるためには自宅でのケアや歯科医院で処置をすると良いでしょう。