こんにちは北戸田coco歯科です!
マウスピースをつけたときに奥歯が浮いてうまくはめられなかったり、外したときに上下の奥歯同士で噛み合わなくなったりすることがあります。
いずれも治療計画とズレが生じてしまうため、できれば奥歯に関するトラブルは避けたいものです。ここでは、奥歯でトラブルが起きてしまう原因とその対処法についてご紹介します。
目次
■インビザラインで奥歯が浮く状態とは?
マウスピースをつけたときに、前歯はしっかり入っているのに奥歯だけ浮いてしまうことがあります。
そもそもマウスピースは、理想の歯並びに近づけるため、現在の歯並びと違った形で作製します。
そのため、新しいものに交換した直後はまだ歯が動いていないため、ほんの少し浮いた状態になるのです。
また、奥歯が周囲の歯よりも低かったりアタッチメントをつけていなかったりすると、入りにくくなることもあります。
いずれもチューイーを噛んで歯とマウスピースを密着させていれば、歯が動くにつれてぴったり合うようになるため心配はありません。
ただ、奥歯で浮いた状態が続くとトラブルが生じている可能性があるため、1週間経っても改善されない場合は、歯科医師に相談しましょう。
関連記事:インビザラインで使う「チューイー」とは?使い方やお手入れ方法
■インビザラインが奥歯で浮く原因
マウスピースが奥歯で浮く原因は、以下のようなことが挙げられます。
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・マウスピースの装着時間が短かった
マウスピースが奥歯で浮いたときにまず考えられるのは、マウスピースの装着時間です。
インビザライン矯正は、1日20~22時間以上装着する必要があります。外している時間が長くなれば長くなるほど歯が動きにくくなり、治療計画とのズレが生じて浮いてしまうのです。
・マウスピースが変形していた
マウスピースは弾性のあるプラスチック素材でできていますが、取り外し回数が多くなったり無理な力を加えたりすると変形してしまうことがあります。
変形したものは、奥歯で浮いてしまう原因になります。
・マウスピースの枚数が多い
実際の歯はシミュレーション通りに動くとは限りません。特に歯を動かす量が多いとマウスピースの枚数は増えて、交換が進むごとにズレが大きくなるため、浮きやすくなります。
・チューイーを使用していなかった
チューイーとは、マウスピースと歯をしっかり密着させるために使用する道具です。マウスピースはチューイーを使用せず指で押し込むだけでは、浮きやすくなります。
■インビザラインで奥歯が浮いてしまったときの対処法
合わないマウスピースを使い続けると治療計画に大きなズレが生じて、インビザライン矯正のみでは改善が困難になることがあります。
浮きが大きくなる前にできる対処法についてご紹介します。
- 装着時間を守る
- チューイーを使用する
- 一つ前のマウスピースに戻す
・装着時間を守る
奥歯のマウスピースが浮いていると感じたら、まずは1日20~22時間以上装着しているか見直してみましょう。
する必要があります。それよりも短くなってしまうと、浮いてしまう可能性は大いにあるため、装着時間を守るようにしましょう。
・チューイーを使用する
マウスピースを装着する際、チューイーを噛み込んでしっかり入れる必要があります。
チューイーを使用せず、指だけで装着すると浮いたままの状態になりがちです。ほんの少しの浮きであれば、浮いた部分を重点的に噛み込むことによって解消されることもあります。
・一つ前のマウスピースに戻す
装着時間が足りない場合、次のマウスピースに交換した際に浮きが出ることがあります。
このような場合、一つ前のものに戻して装着期間を2~3日延長すると、解消されることがあります。ただ、期間を延長しても浮きが出る場合は、歯科医師に相談しましょう。
■奥歯が噛み合わない状態とは?
そもそも奥歯の正しい噛み合わせは、上下の歯が山と谷で交互に噛み合っている状態です。
インビザライン矯正では、マウスピースの厚みによって奥歯に矯正力が加わって、奥歯が噛み合わなくなることがあります。
マウスピースの厚みは1枚0.5mm程ですが、上下装着すると1mm程になります。やや厚みが出るため、噛み合わせたときに上下の奥歯に大きな力がかかって歯ぐきの方向に沈み込んでしまうのです。
このような状態になると浮きやすいだけでなく、もともと噛んでいた奥歯があたらなくなってしまいます。
特に、日中や就寝中に歯ぎしり、食いしばりの癖がある方は奥歯が沈み込みやすい傾向にあります。
■奥歯が噛み合わないままにするリスク
奥歯が噛み合わない状態を放置すると、歯や身体に以下のような悪影響を与えてしまいます。
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・食べ物が噛みにくくなる
食べ物を噛み切るのは前歯の役目ですが、その後、飲み込みやすくするためには奥歯ですりつぶす必要があります。
奥歯で噛み合っていないと、食べ物が噛みにくくなり、食べ物をすりつぶすことができません。
細かくできないまま胃腸に運ばれてしまい、消化不良の原因となってしまうのです。
・顎関節症のリスクが高まる
奥歯が噛み合っていない状態で、無理に噛もうとすると不自然な力が加わってしまいます。
結果、顎の筋肉のバランスが崩れてしまい、顎関節症になるリスクが高まります。
・肩こりの原因になる
肩こりは肩の筋肉が緊張することで起こりますが、肩や首は顎の筋肉と関連しています。
奥歯が噛み合わなくなると、顎関節だけでなく周囲の筋肉のバランスが崩れて肩こりを起こす可能性があります。
■インビザラインで奥歯が噛み合わなくなったときの対処法
マウスピースによって奥歯が歯ぐきの方向に沈んで噛み合わなくなった場合、症状の度合いによって処置内容は異なります。ここでは、歯科医院で行われる対処法についていくつかご紹介します。
- マウスピースの調整をする
- 顎間ゴムを使用する
- リファインメントを行う
- 部分的にワイヤー矯正を行う
・マウスピースの調整をする
マウスピースの厚みによって奥歯が沈み込んでいる場合、奥歯の部分をカットしたり、装着時間を短くしたりすることで噛み合わせが戻ることがあります。
・顎間ゴムを使用する
顎間ゴムとは、歯や小さな突起状のボタンをつけて歯とマウスピースにゴムをかける処置の事です。
引っ張られたゴムがもとに戻ろうとする力を利用して歯を動かします。
噛み合わせのバランスを整えるため用いられることが多く、奥歯があたらなくなった場合も顎間ゴムを使用することがあります。
・リファインメントを行う
リファインメントとは、初回に作製したマウスピースでは計画通りに進まなかった際に、再度歯型をとって追加のマウスピースを作製する工程のことです。
奥歯の噛み合わせを調整するために、追加のマウスピースを作製することがあります。
関連記事:インビザライン矯正の精度をあげる「リファインメント」について
・部分的にワイヤー矯正を行う
上記で紹介した方法でも改善しないときは、奥歯にワイヤー矯正装置をつけてリカバリーする必要があります。
特に歯ぐきの方向に沈んで噛み合わなくなった場合に行われ、「挺出(ていしゅつ)」という歯を引っ張り出す動きで奥歯を噛み合うように調整します。
■まとめ
インビザライン矯正で奥歯のトラブルが発生すると、治療計画にズレが生じてしまうことがあります。
奥歯でマウスピースがパカパカ浮いている、外したときに奥歯が噛合わないといった場合は、何かしらの原因があるはずです。
そのままにせず、担当の歯科医師に相談して原因にあった処置をしてもらいましょう。