口の中で、いつも同じところが腫れたり、痛くなります。
何が原因なのでしょうか?
“お口の中でいつもここが痛くなるんだけどなー・・・。”ということはありますか?
たとえば、試験前や何か重要な仕事の最中、季節の変わり目、日々の疲れがたまって体がだるい、そんな時に、奥歯が痛くなった経験のある方も多いと思います。
今回は、考えられる原因について書いていきたいと思います。
1. 部分的に特に歯周病が進んでいる
全体的には歯周病になっていなくても、部分的に歯周病が進んでしまっていることがあります。右のレントゲン写真では、お口の中の他の部分は歯周病にはなっていないのに、一部分だけ歯周病が進んでいます。片方の歯根の周りだけ黒い影で囲まれているのがわかるとおもます。この原因には、歯のヒビ(割れ目)、悪い噛み合わせ、生まれつきの歯の形によるもの、歯根の虫歯などが挙げられます。
2. 歯ブラシでどうしても磨きにくいところがある
一番奥が時々痛いという方は、親知らずの部分に歯ブラシが届いていない可能性があります。親知らずは、歯の真ん中から数えて、8番目の歯です。試しに、自分の指で親知らずを歯ブラシするイメージで触ってみてください。前歯よりも、入りにくくないですか?歯ブラシが入りにくいところなので、親知らずの汚れをきちんと落とすのは難しいのです。親知らずの周りが痛くなるときは、磨き残しが残ってしまい、歯肉が腫れることで痛みが出ます。積もりに積もった汚れに耐えられずに、親知らずが悲鳴をあげている状態です。痛みは、体のSOSのサイン。ときにこの痛みはとても強烈なことがありますので、磨き残しには注意が必要です。また、親知らずのはえている方向によっては、どう頑張っても磨けないこともあります。この場合は、親知らずを抜かないと、解決にはなりません。
親知らずは磨きにくいので、通常の歯ブラシとは違って、親知らず専用歯ブラシもあります。タフトブラシと言われるものが親知らずようです。小さいサイズになっているので、奥まで歯ブラシが入りやすくなっています。
3. 歯の根の先に病気がある
歯の根の先に病気ができることがあります。歯の根っこの病気は普段わ悪いことはしませんが、時々腫れたり、痛みが出たりします。いわゆる慢性の病気です。歯の根っこの病気がある場合は、歯医者さんで治療しない限り治りません。しかも治療しないと、症状はないのに、少しづつ進行してしまいます。歯の根っこの病気はレントゲン写真を取らないと診断ができません。ときどき、でる痛みは体が出すSOSのサイン。痛みが出たら歯医者さんでみてもらましょう。
4. お口の中に部分的に悪い噛み合わせがある
お口の中で、悪い噛み合わせがある場合も、痛みが出ることがあります。最近の報告では、食事時間10分程度の間に噛む回数はだいたい600回ほどと言われています。10分間でこんなに噛むのですから、その度に悪い噛み合わせがあったら、歯も疲れてしまいますね。悪い噛み合わせを取り除く方法は、マウスピースを入れて力を逃がしてあげたり、噛み合わせの調整や矯正治療があります。
まとめると、口の中で、いつも同じところが腫れたり痛くなるのには、
1. 部分的に特に歯周病が進んでいる
2.歯ブラシでどうしても磨きにくいところがある
3.歯根の先に病気がある
4.お口の中に、部分的に悪い噛み合わせがある
とくに体や疲れているときは、歯が腫れたりしやすいです。痛みは体が異変を知らせてくれている合図です。体のSOSのサイン。いったん痛みが治まっても根本的な治療をしないと、病気は少しづつ進んでしまいます。痛みが出たけど、症状が治まったからこのままでいいいかな・・・、ではなく、おかしいな?痛いなぁと思ったらまずは歯医者さんを受診してみてください。