こんにちは北戸田coco歯科です!
赤ちゃんの歯が生える際、お口の中がむず痒くなるのをご存じですか?状況を言葉で伝えられない赤ちゃんにとって、歯のかゆみはストレスになることも。
保護者としては子供の不快感をやわらげてあげたいものです。本記事では、子供の歯がかゆくなる原因やタイミング、子供の反応などについて詳しく解説します。
◽️子供の頃に歯がかゆくなる原因
歯がかゆくなる原因は、新しい歯が生える過程です。
乳歯が初めて生える時期は、歯が歯ぐきを押し上げて頭を出そうとします。その部分がくすぐったくなったり腫れを引き起こしたりします。
赤ちゃんにとっては不快に感じられ、不機嫌になったりぐずりやすくなるのです。
また、歯が生え変わる時期は、乳歯の下にある永久歯が成長し、上の乳歯を押し上げます。その際に歯ぐきにかゆみを感じることも多いです。
◽️子供の歯がかゆくなるタイミング
歯がかゆくなるタイミングは、乳歯が生える時期と永久歯に生え替わる時期です。ここでは、歯がかゆくなりやすい時期を具体的に紹介します。
・6ヶ月~1歳2ヶ月頃
生後6カ月頃から下の前歯2本が生え始め、その後、1歳半頃までに上の前歯2本が生え揃います。特に下の前歯が生え始める6ヶ月ごろに、かゆみを感じることが多いです。
・1歳2ヶ月~2歳頃
この時期には乳犬歯と奥歯が生え始め、1歳半を過ぎると計16本の歯が生えてきます。この時期に生える新しい歯もかゆみを感じることがあります。
・2~3歳頃
この時期には最後の乳歯、第二乳臼歯が生え始め、2歳半頃までに乳歯20本がすべて生え揃います。生え揃う過程でもかゆみや不快感を覚えることがあります。
・5歳半~6歳頃
乳歯から永久歯の生え変わりは、下の真ん中の前歯から始まります。
その後、下上の前歯4本が抜けて生えかわり、同時に「6歳臼歯」と呼ばれる歯が生えてきます。
乳歯から永久歯に生え変わる過程でかゆみや違和感を覚えることも少なくありません。
・9歳頃
9歳頃になると、乳犬歯から犬歯への生え変わります。犬歯は食べ物を噛み切きったり、すり潰す際に奥歯への負担を軽減する重要な歯です。
犬歯の生え替わりは歯並びや噛み合わせに影響を及ぼす可能性があるため、定期的にチェックしてもらうことが大切になります。
・12~14歳頃
12~14歳頃までに「12歳臼歯」と呼ばれる歯が生え、上下28本の永久歯が生え揃います。
その後、人によっては「親知らず」が生えてくることがあります。
親知らずは、一番後ろに生えてくる歯です。顎が小さかったり生えるスペースが不足していると、斜めに生えたりすることがあります。
かゆみや違和感を覚えることもあり、場合によっては抜歯が必要になることもあります。
◽️歯がかゆい時の子供の反応
乳歯から永久歯に生え変わる時期は、十分なコミュニケーションが取れる年齢であるため、お口の中がかゆいと言葉で伝えられます。
しかし、言葉を話せない幼い赤ちゃんは、かゆみを訴えることができないため、以下のような行動に出ることがあります。
・歯ぐずり
歯が生えてくることにより不快感やかゆみを感じると、普段よりもぐずりやすくなったり、泣きやすくなることがあります。
この状況のことを「歯ぐずり」と言い、医学用語ではありませんが、一般的に用いられている言葉です。
特に、歯が歯茎から顔を出す直前や生え始めの頃に、痛みや違和感、むずむずとした感覚がストレスになりぐずることがあります。
歯ぐずりは生後6ヶ月頃から始まるとされていますが、個人差があります。
まだ歯が見えない段階であっても、赤ちゃんの変わった行動や夜泣きをしたら、歯ぐずりのサインとして捉えることが大切です。
また、歯ぐきの腫れや赤み、出血などのサインを見逃さないように注意しましょう。
・おもちゃや指を噛む
歯がかゆいときは、おもちゃや自分の指を噛む行動を取ることもあります。これは、何かを噛んで不快感をやわらげようとするための行動です。
また、歯が生えてくる部分を舌で触れたり、歯ぐきを手や物で擦ったりすることもあります。
しかし、これらの行動は小さな物を誤って飲み込んだり、窒息するリスクがあるため、注意する必要があります。
・よだれが多くなる
歯が生える時期になると、よだれの量が増加することがあります。これは、歯が生えてくることにより、お口が刺激されて自然に分泌するものです。
よだれが多くなると服や噛むおもちゃや物が濡れてしまうことがあります。
よだれで濡れた服は肌荒れの原因となることがあるため、定期的に着替えさせたり、よだれかけを使用するなどして、肌を清潔に保つことが大切です。
また、赤ちゃんが噛んでいる物を常に清潔にしておくことも重要です。
・食欲が落ちる
歯ぐずりが始まると食欲が落ちることがあります。
これは新しい歯が生え始める際に歯ぐきが敏感になっており、母乳やミルクを飲む際に違和感や痛みを感じるためです。
固形食を始めている場合も同様に、食べ物を噛むことによる不快感から食欲が落ちることがあります。
赤ちゃんにとって飲食が苦痛になることがありますが、この段階が過ぎれば通常の食欲に戻ることが一般的です。
ただ、食事の摂取量が極端に少なくなったり、排泄のパターンに大きな変化があったりする場合には、医師の診察を受けましょう。
◽️萌出性歯肉炎について
萌出性歯肉炎とは、新しく生えてくる歯が歯ぐきを通過する際に生じる一時的な炎症です。腫れや発赤、かゆみといった症状が現れることがあります。
乳歯が生え始めるときや永久歯に生え変わるときによく見られる現象で、一時的なものであることが多いです。
この際にプラーク(歯垢)や食べかすなどが溜まりお口が不衛生な状態ですと炎症がひどくなったり、痛みが強くなったりしますので丁寧にお口のケアをするようにしましょう。
症状が長引くか強い場合は、歯科医院に受診してください。
◽️子供が歯をかゆがる時に親御さんができること
子供が歯がかゆいと感じる時は、以下の対策を参考にし、快適に過ごせるようサポートしてあげましょう。
・歯固めを使用する
歯固めとは、噛む練習や歯ぐずりを解消するための道具です。清潔で冷たい歯固めを与えてあげると、歯ぐきのかゆみをやわらげられます。
・清潔なガーゼでマッサージする
清潔なガーゼを指に巻きつけ、優しく歯ぐきをマッサージすることで不快感を軽減できます。
・お口の中を清潔に保つ
歯が生えてくる間もお口の中を清潔に保ちましょう。細菌の増殖を防ぎ、炎症のリスクを低減します。
特に歯の生え始めは、清潔なガーゼを使って歯ぐきと歯をやさしく拭いて清潔に保つことが重要です。
・冷たいものでやわらげる
冷水で湿らせた布を使用して軽く歯ぐきをマッサージすると、かゆみや腫れをやわらげることができます。
・安心させる
子供が不快感を訴える時は、優しく対応して安心させてあげましょう。
たとえば、スキンシップをとる、抱きしめる、ゆっくりとしたリズムで背中をさするなど、愛情をもって接することで子供の不安をやわらげられます。
・歯科医師に相談する
症状が強い、歯ぐきに炎症が起きている、出血があるなど、気になる症状があれば歯科医院を受診してください。
◽️まとめ
乳歯が生える時期や永久歯の生え変わりは、歯が歯ぐきを押し上げて頭を出そうとし、その部分がかゆくなることがあります。
赤ちゃんにとっては不快に感じられ、ぐずりやすくなることも多いです。ただ、子供の歯がかゆくなる時期は一時的なもので、適切なサポートとケアによって乗り越えられます。気になる点や不安が生じた場合は、歯科医師に相談しましょう。
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