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乳歯が生えたらすぐ虫歯予防すべき3つの理由とは?歯医者さんが解説|戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科

乳歯が生えたらすぐ虫歯予防すべき3つの理由とは?歯医者さんが解説|戸田市の小児歯科|北戸田COCO歯科

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乳歯が生えたらすぐ虫歯予防すべき3つの理由とは?歯医者さんが解説


「乳歯が生えたらすぐに虫歯予防って言うけど、それって本当?」

 

はい、本当です。

 

乳歯が生えたらすぐに虫歯予防を開始したほうがいい理由は、以下の3つです。

①3歳までに虫歯ができなければその後も虫歯になりにくくなるから
②ミュータンス菌は歯を寝床にするから
③乳歯の虫歯は永久歯にも影響するから


虫歯予防は早ければ早いほどよく、将来の永久歯の歯並びにも影響するので大切なことです。

 

今回は乳歯の虫歯予防について、北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師が詳しく解説します。


田口世理奈Dr.

 

  • 【経歴】
  • ・日本大学歯学部 卒業
  • ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得

 

赤ちゃんができたら知っておくべき大切なことなので、ぜひ読んでくださいね。

 

1. 乳歯が生え始めたら虫歯予防したほうがいい3つの理由


冒頭でもお伝えしたように、乳歯が生え始めたら虫歯予防をしたほうがいい理由は以下の3つです。

 

①3歳までに虫歯ができなければその後も虫歯になりにくくなるから
②ミュータンス菌は歯を寝床にするから
③乳歯の虫歯は永久歯にも影響するから

 

ひとつずつ詳しく説明していきますね。

 

2. 【理由①】3歳までに虫歯ができなければその後も虫歯になりにくくなるから


乳歯が生え始めてから3歳までに虫歯ができなければ、その後の人生においても虫歯になりにくくなります。

 

なぜなら、虫歯は口内にいるミュータンス菌という細菌の数によって決まるからです。

 

ミュータンス菌が少なければ虫歯になりにくく、多ければ虫歯になりやすいという事実は、科学的に証明されています。

 

Caufieldらの論文によると、虫歯は歯が生えてから1年半〜2年半後くらいまでに感染するということが分かっています。これを「感染の窓」といいます。(Caufield P.W.,Cutter G.R.,Dasanayake A.P.lni-tial acquisition of mutans streptococci by infants : vidence for a discrete window of infectivity.JDent Res 1993;72(1):37-45.)

 

この論文では、46組の母子を対象に調査を行った結果、3歳くらいを境に感染しやすいか否かが決まるということが分かりました。

 

つまり、3歳までにしっかり虫歯予防をしていれば、その後の長い人生でも比較的虫歯になりにくい口内環境になるというわけです。

 

乳歯が生え始めたらすぐに虫歯に気をつけていれば、自然とミュータンス菌の少ないお口になりますよ。

 

3. 【理由②】ミュータンス菌は歯を寝床にするから


虫歯の原因であるミュータンス菌は、凸凹したところを寝床にして住み着きます。なぜなら、ミュータンス菌は凸凹したところに付着するからです。

 

生まれたばかりで歯が生えていない時は、ミュータンス菌が外から入って来てもくっつくところがないので唾液と一緒に流されてしまいます。

 

しかし、歯が生えた途端、「つかまるところができた!」とばかりに付着しはじまるのです

【ミュータンス菌は大人から感染する!】

ミュータンス菌は外から入ってくると言いましたが、これは同居している大人から感染することを指します。

 

生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、ミュータンス菌は存在しません。しかし、身近にいる人が虫歯の場合、唾液などからミュータンス菌が感染ってしまうことがあります。

 

いくら食事で箸や食器を分けていても、遊んでいる時に赤ちゃんの手が大人の口に入り、その手をまた赤ちゃんが自分の口に戻すことなどもありますよね。

 

こういったことから、乳歯が生え始めたら、すぐに虫歯予防するのがおすすめです。

 

4. 【理由③】乳歯の虫歯は永久歯にも影響するから


乳歯が虫歯になると、将来の永久歯の歯並びにも影響します。なぜなら、虫歯の歯ではきちんと噛むことができなくなるからです。

 

乳歯が虫歯になると、以下のような悪影響が出る可能性があります。

あごの発達への悪影響
発音への悪影響
永久歯の歯並びへの悪影響


1つずつ説明しますね。

 

4-1. あごの発達への悪影響

乳歯が虫歯になると顎の発達にも悪影響が出ます。なぜなら、虫歯で歯が欠けたり穴が空いたりすると歯が変形し、あごの成長が妨げられるからです。

 

あごの骨は、歯や舌・口内の頬の筋肉などとお互いに圧力をかけながら成長します。しかし、これらのどれかが欠けてしまうと成長が偏ってしまい、うまく成長できなくなるのです。

 

4-2. 発音への悪影響

乳歯が虫歯になると発音への悪影響が出る恐れがあります。

 

なぜなら、あごがうまく発達できずに口元が出っ張ってしまったり、受け口になったりして滑舌が悪くなる可能性があるからです。

 

4-3. 永久歯の歯並びへの悪影響

乳歯が虫歯になると、永久歯の歯並びへの悪影響が心配されます。

 

なぜなら、あごが未発達だと永久歯が並ぶスペースが足りなくなり、乳歯の後から生えてくる永久歯が重なったり斜めに生えてきてしまったりするからです。

 

5. 虫歯予防の具体的な方法

このように、乳歯が生え始めたらすぐに虫歯予防をすることはとても大切です。ここでは虫歯予防の具体的な方法として、「おうちでできるケア」と「歯医者さんでできる虫歯予防の方法」をご紹介しますね。

お家でできる方法 1日1回の歯磨きを行う
歯医者さんでできる方法 定期的にフッ素塗布を行う


詳しく説明しますね。

 

5-1. 【お家で】1日1回の歯磨きを行う


おうちでできるケアは、なんと言っても「歯磨き」。赤ちゃんの歯磨きはまだ1日1回で十分です。入浴の時についでにするのがおすすめですよ。

 

上唇と歯ぐきの境目にあるヒダを傷つけないように気をつけながら、歯の表面や裏側を優しく磨きましょう。

 

ただし、いきなり硬い歯ブラシをお口に入れると赤ちゃんは驚いてしまいます。

 

人差し指をぬるま湯で濡らしたガーゼなどの柔らかい布で包み、まずは歯の表面を拭いましょう。

 

▶赤ちゃんの歯が生え始める時期や歯みがき開始時期について徹底解説!

 

お口に触られることに慣れてきたら、徐々に歯ブラシでの歯磨きに移行します。

 

磨き方が分からなければ歯医者さんで指導していますので、お気軽にご相談くださいね。

 

[合わせて読みたい]

▶子どもの歯磨き粉はいつから使えばいいの?安全な歯磨き粉の選び方

 

5-2. 【歯医者さんで】定期的にフッ素塗布を行う


歯医者さんでできる方法
は、定期的にフッ素塗布を行うことです。なぜなら、歯磨きが苦手なお子さんでも受けられるからです。

 

歯医者さんで行うフッ素塗布は、歯の表面に綿棒や刷毛のようなものでフッ素を塗るだけなので、歯磨きを嫌がるお子さんに向いています。

 

フッ素塗布は虫歯予防にとても効果がありますよ。詳しくは以下の記事で説明していますので、もっと知りたい方はこちらも合わせてお読みくださいね。

 

[合わせて読みたい]

▶子どもの虫歯予防にフッ素塗布がいい理由3つを分かりやすく解説!

 

6. 虫歯予防は食事やおやつにも注意!


虫歯予防は毎日の食事やおやつにも注意が必要です。なぜなら、離乳食が始まると砂糖が入ったものを口にするようになるからです。

 

ミュータンス菌は砂糖が大好き。砂糖をエサにしてどんどん増えていってしまいます

 

離乳食のはじめはあまり味を濃くしないのが一般的なのであまり砂糖は使わないかもしれません。

 

しかし、飲料として飲ませるスポーツドリンクやジュースなどにも砂糖が使われているため注意しましょう。

 

おやつも素材そのものの自然な甘さが一番です。バナナやリンゴのすりおろし、サツマイモなどは整腸作用もあるのでおすすめですよ。

 

[合わせて読みたい!]

▶子どもの歯を強くする食べ物を歯医者さんが徹底解説!ごはん・おやつ

 

7. まとめ

どうして乳歯が生えはじめたらすぐに虫歯予防すべきか、おわかりいただけましたか?

 

子どもの将来の歯並びや滑舌は、乳児期の虫歯予防にかかっていると言っても過言ではありません。

 

歯並びやあごの発達は咬み合わせや全身の健康にも影響するため、歯が生え始めたら虫歯予防をスタートしましょう。

 

北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。

 

◆この記事のまとめ
1. 3歳までに虫歯ができなければその後も虫歯になりにくくなる
2. ミュータンス菌は歯に付着する
3. 乳歯の虫歯は永久歯の歯並びにも影響する
4. お家での虫歯予防は「歯磨き」、歯医者さんでは「フッ素塗布」がおすすめ
5. 食事やおやつは砂糖の代わりに自然な甘さのものを選ぶ