こんにちは北戸田coco歯科です!
食事や歯磨きをしているときに、突然歯が「キーン」としみたことはありませんか?
そのような症状がある方はもしかしたら「知覚過敏」かもしれません。
本記事では歯がしみる原因やしみることで起こる問題点、4つの対処法について解説します。
目次
■歯がしみる「知覚過敏」とは?
歯磨き粉のCMなどで、「知覚過敏」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか?
知覚過敏とは、むし歯や神経の炎症がないのに歯がしみる症状が出ることです。
症状が出る期間は一過性で、以下のような場面で生じることがあります。
- 冷たい飲食物を摂取したとき
- 熱い飲食物を摂取したとき
- 歯ブラシの毛先が触れたとき
- 風にあたったとき
- ホワイトニングの施術を受けたとき
■歯がしみるのは象牙質が露出しているから
知覚過敏が起きる原因はさまざまですが、主な原因は象牙質が露出しているためです。
そもそも象牙質とは?
歯は、エナメル質・象牙質・セメント質から構成されています。
さらに歯ぐきから見えている部分を「歯冠(しかん)」と呼び、歯ぐきの下に埋まっている部分を「歯根(しこん)」と呼びます。
歯の歯冠部は、エナメル質と象牙質で構成されており、内部には神経と血管が通っている管(歯髄)があります。歯の歯根部は、象牙質とセメント質で歯髄を覆っています。
エナメル質は人体の中で最も硬い組織で、削っても痛みを覚えることはありません。
しかし、歯冠部のエナメル質がすり減ったりむし歯菌が出す酸によって溶けたりすると、内側にある象牙質が露出することがあります。
象牙質は、歯髄につながる小さな穴が空いており、冷たいものや熱いものに触れるとその刺激が伝わり痛みを感じてしまうのです。
■歯がしみる6つの原因
歯がしみる主な原因は、象牙質の露出にありますがホワイトニングなどで使用する薬剤が原因でしみてしまうこともあります。
ここでは歯がしみる原因を6つ紹介します。
- 歯肉退縮
- 破折
- 摩耗
- 酸蝕歯
- むし歯治療
- ホワイトニング
歯肉退縮
歯肉退縮(しにくたいしゅく)とは、歯ぐきが下がった状態のことを指します。
加齢や歯ブラシのあてすぎ、歯ぎしりや食いしばりなどが原因で歯ぐきが下がってしまうことがあります。
歯ぐきが下がると象牙質がむき出しの状態になるため、温度変化や歯ブラシの刺激でしみてしまうのです。
破折
転倒や打撲など思わぬ事故によって歯が破折し、象牙質が露出してしまうと知覚過敏のようにしみる症状が出てしまうことがあります。
ひどい場合は神経の処置をしないといけないこともありますので、破折に気づいた時点で歯科医院へ相談してください。
摩耗
摩耗(まもう)とは、歯ぎしりや食いしばりなどでエナメル質がすり減った状態のことです。
人体の中で最も硬い組織でも、使っていくうちにすり減ってきます。
ただし、しみる症状が出るかどうかは個人差が大きく、すり減りがわずかでしみる方もいれば、大きくすり減っているのにもかかわらず全くしみない方もいます。
酸蝕歯
酸蝕歯(さんしょくし)とは、酸によって歯が溶けた状態のことです。
エナメル質は酸に弱い性質があり、pH5.5程度で溶け始めると言われています。しかし、私たちが普段摂取する飲食物の多くは酸性です。
そのため、酸性が強い炭酸飲料や酸っぱい飲食物を頻繁に摂取すると歯が溶けて象牙質が露出する可能性があります。
参考:日本補綴歯科学会「酸蝕症の病態と臨床所見」
むし歯治療
むし歯の治療をした後、しみることがあります。これは、歯を削ることによって、歯の神経が敏感になっているためです。
また、噛み合わせが合わない場合に、痛みを覚えることがあります。
数日程度経過をみることで症状がおさまる場合もありますが、痛みが続く場合は再治療や神経を取り除く処置が必要になります。
ホワイトニング
ホワイトニングは、歯の色を明るくするための治療方法です。歯科医院で行うホワイトニングは、過酸化尿素や過酸化水素といった刺激の強い薬剤を使用します。
そのため、むし歯や歯周病があったり、歯に小さな亀裂が入っていたり、先端が削れていたりすると、象牙質にホワイトニング剤が刺激となって伝わりしみてしまうことがあります。
■歯がしみるときの4つの対処法
歯がしみる場合は、以下の対処法を試してみるのも良いでしょう。
- 冷たい飲食物や熱い飲食物を避ける
- フッ素入り・知覚過敏用の歯磨き粉を使う
- 噛み合わせを調整する
- 歯科医師に相談する
冷たい飲食物や熱い飲食物を避ける
歯がしみる場合は、冷たい飲食物や熱い飲食物を避けるようにしましょう。
熱いものは歯の神経を刺激し、冷たいものは歯の表面を収縮させるため、どちらも歯がしみる原因になります。
フッ素入り・知覚過敏用の歯磨き粉を使う
歯がしみる場合は、フッ素入りの歯磨き粉を使うことをおすすめします。フッ素はエナメル質を強くし、象牙質を保護する作用があります。
また、知覚過敏用の歯磨き粉を使用するのも良いでしょう。これには、知覚過敏の刺激を抑える「硝酸カリウム」が含まれています。
ただし、歯がしみる原因が虫歯や歯周病の場合はこれらの歯磨き粉の効果が感じられないこともあるため歯科医師に相談してから使用するようにしましょう。
噛み合わせを調整する
噛み合わせの問題によって歯がしみている場合は、調整することで症状の進行をおさえられます。
また、歯ぎしりや食いしばりをしている方は、ナイトガードを就寝時に装着し、歯を守ることも有効です。
歯科医師に相談する
歯がしみる場合は、歯科医師に相談することが大切です。
歯科医院での治療としては、知覚過敏制御材を塗布することで症状をおさえることができます。また、原因を見つけて適切な治療方法を提案してくれます。
また、知覚過敏がひどい場合はコンポジットレジンを用いてカバーすることで改善されることもあるため、状況を見て最適な治療方法を決めてくれます。
■歯がしみることで起こる弊害
歯がしみるのは、ほとんどが一過性のものですが、毎回の食事や歯磨きでしみてしまうと、以下のように生活に支障をきたしてしまうことがあります。
- 食べ物の選択肢が狭くなる
- 歯磨きが嫌になる
- ストレスが溜まりやすくなる
食べ物の選択肢が狭くなる
たとえば、アイスクリームや熱いスープなどは食べたり飲んだりすると歯がしみてしまうことも。
歯がしみると、冷たいものや熱いものが食べられなくなり選択肢が狭くなってしまうことで食事が楽しめなくなってしまうかもしれません。
歯磨きが嫌になる
歯ブラシの毛先があたって歯がしみる場合、歯磨きをするのが嫌になってしまうことがあります。
しかし、歯磨きを怠ってしまうと、虫歯や歯周病が進行する可能性があるため、知覚過敏用の歯磨き粉など使って欠かさずに行うことが大切です。
ストレスが溜まりやすくなる
歯がしみると、食事や歯磨きが億劫になることから、日常生活に支障をきたしストレスが溜まってしまうことも。
また、痛みが強い場合は、集中力が低下したり、イライラしたりすることもあります。
■歯がしみたら早めに歯科医院へ
歯がしみるのを放置しても症状は改善されません。それどころか、放置すると悪化する可能性があります。
たとえば、歯ぎしりや食いしばりで、歯肉退縮が起きている場合、進行するとさらに歯ぐきが下がってしまう可能性があります。
歯がしみる場合は、早めに歯科医院へ受診して原因を正確に把握し、適切な治療を受けることが大切です。
また、歯科医院での定期的な検診を受けることで、歯がしみている原因を早期に発見・予防することができます。
■まとめ
歯がしみる原因には、歯肉退縮・破折・摩耗・酸蝕歯・むし歯治療・ホワイトニングがあります。
ほとんどの場合、一過性のものなので1分もすれば症状はおさまりますが、毎回の食事や歯磨きでしみてしまうと日常生活に支障をきたすことがあります。
自己判断で症状を放置せず早めに歯科医院を受診することが大切です。
当院では、歯がしみるなど些細なことでも大丈夫ですので気になることがあればご連絡ください。
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