こんにちは北戸田coco歯科です
奥歯で噛み合わせたときに、上の前歯と下の前歯の間に隙間ができていませんか?
その隙間があると「開咬」かもしれません。開咬になると歯や身体にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
ここではインビザライン矯正で開咬は治せるのか、開咬をそのままにするリスクなどについてご紹介します。
そもそも開咬(オープンバイト)とは?
開咬とは、奥歯は噛んでいても上下の前歯に隙間ができ、噛み合わずに開いてしまう状態のことです。
これは悪い歯並びのことを指す「不正咬合(ふせいこうごう)」の一種で、軽度な症状であれば見た目もほとんど気になることはありません。
しかし、重度になると前歯で食べ物が噛み切れず消化不良を起こしやすくなる、発音する際に空気が漏れてはっきりしないなど、さまざまな問題があります。
インビザラインで開咬(オープンバイト)は治療できる?
結論から言うと、軽度の開咬であれば治療することができます。
インビザライン矯正は奥歯を沈み込ませる動きが得意です。
また、マウスピースを使用する際は歯全体を覆うため、舌の癖による影響を抑えることができるという点からインビザライン矯正は開咬の治療に向いています。
なお重度の開咬では上下の顎の骨に問題があることが多く、その場合は矯正治療と手術を行う必要があります。
インビザライン矯正で開咬を治療する際は、以下のような流れで行うことが一般的です。
- カウンセリング
- 精密検査
- 診断・治療計画の確認
- 矯正スタート
1.カウンセリング
まずは矯正治療を始める前にカウンセリングを受けます。
ここではインビザライン矯正の治療方法の説明を受けたり、矯正治療に関する不安や疑問を相談したりすることが可能です。
矯正治療を行なっている歯科医院は、無料~5,000円程度でカウンセリングを設けています。
信頼できる歯科医院を選ぶためにも、できれば2~3つの歯科医院でカウンセリングを受けると良いでしょう。
2.精密検査
さらに詳しい治療計画や費用、期間などを知るために、レントゲン撮影・歯型の採得・顔の写真撮影など精密検査を行います。
精密検査では10,000~65,000円ほどかかることが多く、所要時間は45~60分ほど必要になります。
3.診断・治療計画の確認
精密検査の結果をもとに、「クリンチェック」と呼ばれるシミュレーションソフトを使用して治療計画を立てます。
診断では治療計画の確認・治療費・治療期間などを説明します。所要時間は60分ほどかかることが多く、納得したうえで同意書にサインをします。
4.矯正スタート
インビザライン矯正のマウスピースはアメリカのアライン社で作成されるため、届くまでに約1ヶ月かかります。
それまでにむし歯・歯周病治療・抜歯・クリーニングなど行い、インビザライン矯正を始める準備をします。マウスピースが到着したら治療スタートです。
開咬(オープンバイト)で起こる悪影響
開咬は見た目だけの問題でなく、以下のように歯や身体にさまざまな悪影響を及ぼします。
- 消化不良を起こしやすい
- カ行・サ行・タ行の発音に影響がある
- 口呼吸になりやすい
- 将来奥歯を失うリスクが高くなる
これらのことにより開咬は矯正治療の必要性が高く、早めに歯科医師に相談する必要があります。
消化不良を起こしやすい
前歯には食べ物を噛み切るという大切な役割があります。
噛み切られた食べ物は奥歯で細かくされ、消化器官に運ばれるのです。
最初に噛み切ることができないと奥歯への負担が増え、なおかつ消化器官にも負担がかかり、消化不良を起こしやすくなります。
カ行・サ行・タ行の発音に影響がある
発音する際に空気が漏れたり上下の前歯の隙間から舌が出てしまったりすることから、カ行・サ行・タ行の発音が舌足らずになることがあります。
口呼吸になりやすい
開咬の方はお口が常に開いている状態になるため、口呼吸になりやすい傾向にあります。
口呼吸はお口の中が乾燥し、細菌の繁殖が促進されてむし歯・歯周病・口臭など引き起こしてしまう可能性があります。
将来奥歯を失うリスクが高くなる
開咬は前歯が当たっていない分、奥歯に大きな負担がかかります。
その負担が長期間にわたってかかり続けると、将来歯が欠けたり割れたりする可能性があります。
開咬になってしまう原因
開咬になる原因は、以下のように分けることができます。
- 骨格性の問題(遺伝要因)
- 後天的な問題(環境要因)
なおこれらの問題が複合的に起こる場合もあります。
骨格性の問題(遺伝要因)
骨格性の問題には、上下の顎の位置・大きさに問題があり、特に下顎の成長が不十分な人が開咬になりやすい傾向にあります。
なお顎の骨は遺伝が大きく関係しており、祖父母・両親が開咬であれば遺伝する可能性があります。
後天的な問題(環境要因)
後天的な問題には、以下のような日常の癖によるものが多いです。
- 幼少期の指しゃぶりによるもの
- 舌の癖によるもの
- 口呼吸によるもの
これらのことが原因で唇やお口周りの筋肉のバランスが崩れると、開咬になってしまうことがあります。
幼少期の指しゃぶりによるもの
幼少期に指しゃぶりのクセがあると、開咬の原因となります。指を前歯に押し当てていると指の力で上下の歯が動いてしまい、徐々に開咬になっていきます。
舌の癖によるもの
舌で前歯を押し当てたり、舌を出したりする癖も開咬の原因となります。
これらの癖を「舌癖(ぜつへき)」と言い、この癖がある方は無意識のうちに舌で歯を押し出しているのです。舌の力でも長期間にわたって歯に力が加わり続けると歯が動いてしまいます。
口呼吸によるもの
本来呼吸は鼻で行われます。ただ鼻炎などで鼻がつまりやすい方は口呼吸になりがちです。
口呼吸を続けていると舌の位置が下がり、頬の筋肉の力で上の歯列が狭くなったり、開咬の原因になったりする可能性があります。
インビザラインをはじめ、開咬は治療が難しい
開咬の治療は、奥歯を沈み込ませたり(圧下)前歯を伸ばしたり(挺出)しなければなりません。
また、舌癖がある方は同時に改善しないと治療が進まなかったり、矯正終了後に後戻りしたりする可能性が大いにあります。
それにより開咬の治療は、不正咬合の中でも難しいと言われていました。
しかし、近年では「歯科矯正用アンカースクリュー」や「インビザライン矯正」で開咬の治療が比較的簡単に行えるようになっています。
前者は矯正用の小さなネジを顎の骨に埋めることで、奥歯を沈み込ませることができます。
後者のインビザライン矯正は奥歯を沈み込ませる動きが得意で、マウスピースによって舌癖の影響を軽減させることも可能です。
インビザラインとMFT(口腔筋機能療法)の併用で開咬を治す
開咬の治療を終えても、舌の癖を改善しないと「後戻り」してしまう可能性があります。そのためインビザライン矯正では、「MFT(口腔筋機能療法)」と併用して治療を行います。
MFTとは、Myo Functional Therapyの略で、舌・唇・お口周りの筋肉のトレーニングを行いバランスを整え、正しく使えるようにすることです。
例えば、正しい位置に舌を置けるように覚えたり、呼吸の仕方をトレーニングしたりすることが挙げられます。
当院のインビザライン矯正
まとめ
開咬は、奥歯で噛んでも上下の前歯は噛み合わずに開いてしまう状態のことです。
その原因は骨格性の問題(遺伝要因)と後天的な問題(環境要因)があり、特に舌癖があると開咬になりやすいです。
なお開咬の治療は難しいと言われていましたが、近年では「歯科矯正用アンカースクリュー」「インビザライン矯正」「MFT(口腔筋機能療法)」など併用して治療が比較的簡単に行えるようになりました。
なお開咬は歯や身体にさまざまな悪影響を与えてしまうため、早めに歯科医師に相談することをおすすめします。
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