こんにちは北戸田coco歯科です
インビザラインは透明なマウスピースを使った、目立たない歯科矯正として若い方や社会人の方を中心に人気のある矯正方法です。
むし歯治療や外傷などで神経を抜いた歯がある場合、インビザライン矯正で歯を動かすことができるのか気になる方もいるでしょう。
今回は、神経をとった歯でもインビザライン矯正はできるのか解説します。
神経をとった歯もインビザラインで動かせる?
結論から言うと、神経をとった歯でもインビザライン矯正で歯を動かせます。
これは歯の根っこに覆われている歯根膜(しこんまく)が健康であるかが関係しており、歯の内部にある神経とは関係ないためです
つまり以下のようなケースで神経を取ってもインビザライン矯正で歯を動かすことができます。
・大きな虫歯
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ただ、以下の点で注意が必要になります。
・被せ物をしている
・過去に外傷した歯や移植した歯がある
・インプラントを入れている
・歯ぎしり・食いしばり
1つずつ詳しく説明していきますね!
□被せ物をしている
神経を抜いた歯は被せ物を装着していることが多いです。
インビザライン矯正ではそのまま治療を行うことができますが、歯を動かすためにアタッチメントと呼ばれる装置を付けることがあります。
このアタッチメントは被せ物に付きにくく、外れてしまうことも多いです。そのため矯正前に被せ物を外し、仮歯に変えることがあります。
また被せ物をしたまま矯正を受けられても、被せ物をしている歯と隣の歯との間に隙間ができることがあり、やりかえることもあるでしょう
なおブリッジを入れている場合は、歯を動かすことが困難になるため、一度外してから治療を開始したり、その歯以外を動かしたりすることが多いです。
□過去に外傷した歯や移植した歯がある
過去に外傷した歯や移植した歯がある場合、アンキローシス(骨性癒着)と呼ばれる現象が生じていると歯が動かないことがあります。
これは外傷や歯の移植によって歯根膜が失われた状態で骨と接した場合、歯の根っこが骨に吸収されて結合してしまう現象のことです。
奥歯に起こりやすく、痛みや違和感などはありません。そのため、矯正治療を始めてから気づくことがあります。
□インプラントを入れている
インプラントの周りには歯根膜が存在しないため、矯正治療で歯を動かすことはできません。
歯が動く仕組みは、歯根膜が健康であることが関係しています。
歯根膜には一定の厚さを保とうとする性質があり、歯に力を加えると、加えられている側の歯根膜は圧迫されて縮まり、反対側では引っ張られて伸びます
圧迫されている側ではその圧力を解放するため、骨の所に骨を溶かす細胞が出て隙間を作り、その分だけ歯が動くのです。
歯根膜がないインプラントでは、歯を動かすことができないため、インプラントとインビザラインを希望する方は、治療前に歯科医師とよく相談する必要があります。
□歯ぎしりや食いしばりの癖がある
普段から歯ぎしりや食いしばりをしている方は、インビザライン矯正ができない場合があります
インビザラインは就寝中もマウスピースを装着する必要があり、歯ぎしりや食いしばりでマウスピースが破損してしまう恐れがあるためです。
軽度の歯ぎしりであれば問題はありませんが、重度の方はインビザラインではなくワイヤー矯正をおすすめすることがあります
インビザラインで神経が死んでしまうリスクがある?
インビザラインを含め矯正治療ではごく稀に歯の神経が死んでしまうことがあります
これは歯の移動量が多い、過去の外傷によって神経が弱っていた歯に起こることが多いです。
細菌感染が原因ではないため痛みや違和感はありませんが、「熱いものがしみる」などの症状がある場合は、回復傾向にあるか経過観察します。
その後、歯茎が腫れてくるような症状がみられた場合は、歯の根っこの治療が必要になります。
神経がない歯に起こりやすいこと
そもそも歯の神経とは、歯の中心にあり専門用語では歯髄(しずい)と呼ばれています。
そこには、血管・神経・リンパ管で構成されており、歯に酸素や栄養を送り、丈夫にする役割があるのです。なお神経がない歯には以下のようなことが起こります。
・虫歯が進行しても気づかない
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1つずつ詳しく説明していきますね!
□虫歯が進行しても気づかない
歯の神経を抜くと痛みを感じることはないため、むし歯が進行しても「痛い」といった症状を感じません
そのため気づかないうちに虫歯が大きくなってしまうことがあります。
神経を抜いた歯は再び神経が入っていた場所で感染を起こしやすいため、歯科検診などで定期的に診察す流ことをおすすめします。
□歯の寿命が短くなる
神経を抜いた歯は、寿命が短くなる傾向にあります。
これは歯の神経を抜くと血管も失ってしまうため、酸素や栄養が行き届かず枯れ木のような状態になり、歯の根っこが割れやすくなるのです。
そのため、神経を抜いた歯はそのままにせず、銀歯などの被せ物の治療をする必要があります。
□歯の色が黒ずんでしまう
神経にある血管には、古い組織を代謝する働きがあります。
神経を抜くとその働きが失われるため、古い組織が歯の象牙質(ぞうげしつ)と呼ばれる組織に沈着します。
この組織には無数の穴が開いており、そこに古い組織が溜まると時間とともに黒く変色していくため、歯の色も黒ずんでしまうのです
インビザライン中に神経を抜くことになったら?
インビザライン矯正中に神経を抜くことになった場合、どうなるのでしょうか。
神経を抜くということは、大きなむし歯であることが考えられます。
初期の虫歯では少し削って詰め物をする治療であることが多いため、歯の形は変わることはありませんが、大きなむし歯で神経を抜かなければならない場合、最終的に被せ物をすることが多いです
このような場合、歯とマウスピースの形態が合わなくなる可能性があり、マウスピースを再度作成しなければなりません
また神経を抜く処置は被せ物が入るまで3~5回ほど治療が必要になります。
そのため治療計画が遅れてしまうことも。インビザライン矯正中はむし歯にならないように丁寧に歯磨きをしたり、クリーニングを受けたりして予防を徹底しましょう。
インビザライン矯正中のむし歯予防法
インビザライン矯正中は、歯にマウスピースが覆われています。
そのため、唾液による洗浄作用・抗菌作用といった自浄作用の効果が得られにくく、歯磨きを怠るとむし歯になりやすいです。
ここではインビザライン矯正中のむし歯予防法について3つ紹介します
・歯間ブラシ・デンタルフロスを使用する
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□歯ブラシのほかに歯間ブラシ・デンタルフロスを使用する
インビザライン矯正中は、ご自身でのケアが非常に重要です。
ただ歯ブラシだけでは約60%しか磨けていないと言われています。特に歯と歯の間は歯ブラシが届きにくいため、歯間ブラシ・デンタルフロスも使用すると良いでしょう。
□歯間ブラシの使い方
歯間ブラシは歯と歯の間が大きい方に向いており、歯と歯の間の根元からゆっくり出し入れして汚れを落とします。
歯間ブラシは洗って何度も使えるので、コスパもよくおすすめの清掃補助具です
□デンタルフロスの使い方
デンタルフロスは歯と歯の間が狭い方に向いており、歯と歯の間からのこぎりをひくようにゆっくり歯ぐきの中まで入れて、歯に沿って汚れをかき出します。
□マウスピースを装着する前は必ず歯を磨いてから装着する
インビザライン矯正では外して飲食ができるため、いつも通り楽しむことができますが、飲食後は、歯磨きをしてから装着します。
これは食べかすや歯垢がむし歯の原因になるからです。
食べかすはうがいで落とすことができますが、歯垢は歯ブラシを使用しなければ取り除くことはできません。
歯磨きをせずマウスピースを装着すると中に汚れが停滞したままになるため、むし歯になるリスクは高くなります。マウスピースを外して飲食をした場合は、必ず歯磨きをしてから装着しましょう。
□定期的にクリーニングを受ける
インビザライン矯正中は定期的にクリーニングを受けることをおすすめします
クリーニングでは歯磨きでは落としきれない汚れを徹底的に落とすことができ、なおかつむし歯になっていないか確認することもできます。
早期発見・早期治療にもつながり、神経を抜く処置を回避できるでしょう。
インビザラインをすることで虫歯が予防できる
歯並びが悪い状態は、歯が重なっていたり、凸凹していたりすることが多く、汚れが溜まりやすく歯磨きが届きにくい状態です。
結果、虫歯のリスクが高くなる傾向にあります。
インビザライン矯正で歯並びが綺麗になると、汚れが溜まりにくく歯ブラシが届きやすくなり、神経を取るような大きな虫歯になるのを防ぐことができます。
当院のインビザライン矯正
当院では、目立たないマウスピース矯正のインビザラインはもちろん、ワイヤー矯正や小児矯正にも力を入れております
ワイヤー矯正では前歯の部分に白い器具を使った目立たない矯正を採用しているため、インビザラインだけでは矯正治療が難しい方でも満足して治療を進めていただけるので安心して下さい
矯正治療を考えている方はお気軽にご相談下さい
まとめ
インビザライン矯正は神経を抜いた歯でも受けられます。
ただ矯正中に大きなむし歯になると神経を抜く処置が必要になることがあり、治療計画が遅れたり、マウスピースの再作成が必要になったりすることがあります。
矯正中はむし歯にならないように心掛けることが非常に大切です。当院では、矯正相談や定期検診などいつでも対応可能ですので、お気軽にご予約ください。
矯正のことだけなくお口の中で気になることがあればいつでも相談にのっています!
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