こんにちは北戸田coco歯科です
インビザラインは透明なマウスピースを装着して、目立たずに行える矯正治療として、人気のある矯正治療方法です。
ただインビザライン矯正は歯磨きをする度に外す必要があり、学校や仕事中では食後の歯磨きができないこともあります。そのような場合は汚れが蓄積し、歯石がつきやすい状態になります
インビザライン矯正中に歯石がついてしまうと歯の移動を妨げることがあり、治療期間にも影響を与える可能性も。
今回は歯石がついているとインビザライン矯正中にどのような影響を与えるか解説します。
歯石がついているとインビザライン矯正に影響が?
インビザライン矯正中に歯石がつくとどのような影響があるのでしょうか。はじめに歯垢と歯石について理解しておきましょう。
■歯石とは
まずは歯垢と歯石の両者の違いについて理解しておきましょう。
歯垢は歯の表面につく細菌のかたまりで、プラークとも呼ばれています。歯垢は食後4~8時間ほどで作られ、1gの歯垢の中には1000億以上の細菌が生息していると言われています。
歯垢がついたままにすると、糖分を原料にして酸を出し歯の表面のエナメル質が溶け出して虫歯になるのです。
歯石は歯垢が唾液の中にあるカルシウムとリンが結びついて石灰化したものを指します
分りやすくいうと歯石は歯垢が石化したものといえるでしょう。歯石の表面はザラザラしているためその上に歯垢がつきやすい状態になります。
歯石がついているとどうなるか
歯石になると歯垢に含まれていた細菌は死滅しているため、歯石自体は虫歯や歯周病の原因になることはありません。
ただ歯石の表面を顕微鏡で見ると、凸凹していたり、無数に穴が空いていたりします。そのため、歯石の表面には歯垢がつきやすく、さらに歯石になるといった悪循環になります
つまり歯石は歯垢のすみかとなるのです。そのまま放置すると蓄積した歯垢によって虫歯や歯周病になる可能性があります。
歯石がついている場合インビザライン矯正にどんな影響があるか
ではインビザライン矯正中に歯石がついているとどのような影響を与えるのでしょうか。歯石が溜まると以下のようなことが考えられます。
●計画通りに治療が進まなくなる ●虫歯や歯周病になるリスクが高くなる |
それぞれ詳しく解説します。
計画通りに矯正が進まなくなる
インビザライン矯正中に歯石がついてしまうと、マウスピースが浮いてしまったり、歯の移動を妨げたりすることがあります。
その結果、計画とおりに治療が進まず、治療期間にも影響を与える可能性があります
むし歯や歯周病になるリスクが高くなる
上述で歯石がついていると歯垢が蓄積しやすい環境になると解説しました。
歯石自体は悪さはしませんが、歯石についた歯垢によってむし歯や歯周病のリスクが高くなります。
インビザライン矯正中は歯石がつかないように定期的なクリーニングを行うことと、自宅でのセルフケアを行うようにしましょう。
歯石がつきやすい人
体質によって歯石がつきやすい人とそうでない人がいます。歯石がつきやすい人の特徴は以下のとおりです。
唾液がアルカリ性
唾液の量が多い
唾液の質がさらさらしている
唾液がアルカリ性
むし歯の原因は歯についた食べかすを虫歯菌が原料にして酸を出し、歯の表面のカルシウムやリンが溶け出すことによってできるものです。
ただアルカリ性の唾液では酸を中和して歯の表面のカルシウムやリンを歯の表面に戻す働きがあります。このことを再石灰化と言います。
一方で歯垢が歯石になる原因には、唾液の中に含まれているカルシウムやリンが歯垢と結びついて歯石になります。
つまり唾液がアルカリ性であるとむし歯になりにくいですが、歯石がつきやすい傾向にあるのです。
唾液の量が多い
唾液の分泌量が多いと、歯の再石灰化を促す作用が増えるため歯石がつきやすい傾向にあります。
唾液の質がさらさらしている
唾液の質がさらさらしている人の方が、歯垢を再石灰化しやすい特徴があるため歯石がつきやすい傾向にあります。
歯石がつきやすい場所
参考:https://clinica.lion.co.jp/oralcare/plague.htm
よく下の歯の裏側に歯石がつきやすいといわれていますが、歯石がつきやすい場所は唾液が分泌される「唾液腺」の近くにできることが多いです。
あらかじめ歯石がつきやすい場所を知っておくと歯垢から歯石になること予防することができます。歯石がつきやすい場所は以下のとおりです。
・下の前歯の裏側
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それぞれ詳しく解説していきますね。
下の前歯の裏側
下顎の前歯の裏側には唾液を分泌する場所があります。そこには「舌下腺」と「顎下腺」と呼ばれており、唾液の約80%がそこから分泌します。
そのため、下の前歯の裏側は歯石がつきやすい場所となります。
上の奥歯の表側
上の前歯の表側には「耳下腺」と呼ばれている唾液を分泌する場所があります。そこも歯石がよくつく場所となります。「舌下腺」「顎下腺」「耳下腺」は「三大唾液腺」と呼ばれています。
歯並びが悪いところ
歯並びが悪いところは歯石がつきやすい傾向にあります。たとえば、歯と歯が重なっている部分には歯石がつきやすい場所といえるでしょう。
これは歯並びが悪いことで歯ブラシが届きにくく、歯垢が残りがちになるからです。
歯肉から出血しているところ
血液にも石灰化の作用があり、歯周病などで出血している歯肉の周辺にも歯石がつくことがあります。
ただこの場合の歯石は歯の表面よりも歯肉の中にできることが多いです。
なお歯肉の下につく歯石は「縁下歯石」と呼ばれており、歯の表面につく歯石と比較すると、黒くて硬い特徴があります。
歯石除去のタイミング
では歯石除去はいつ行えばよいのでしょうか。一般的にインビザライン矯正では治療開始前と矯正中、治療終了後のタイミングで行うことが多いです。それぞれのタイミングについて解説します。
インビザライン矯正前
インビザライン矯正治療ではシミュレーション前や、マウスピースの型取り前に歯石除去を行うことが一般的です
歯石がついたままでは、シミュレーションの結果や治療計画にズレが生じることがあります。
ただ矯正専門医院ではクリーニングを行わない歯科医院もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
インビザライン矯正中
矯正中はむし歯や歯周病になりやすいことから、歯石除去やクリーニングは必須です。
矯正治療ではほとんどの歯科医院で通院の際に歯石除去やクリーニングを行います。なお矯正専門医に通院していても一般歯科でのクリーニングを受けることも可能です。
インビザライン矯正後
矯正終了後は定期的に歯石除去することをおすすめします。
インビザライン矯正終了後は歯並びが整い、治療が終わった開放感から、定期検診へ行かなくなる方も少なくありません。むし歯や歯周病予防のためにも、半年に1度はクリーニングを受けましょう。
歯石がつくのを予防をする方法
歯石がつく原因は歯垢と解説しました。歯石がつくのを予防するためには歯垢が歯石にならないように日頃のセルフケアが非常に大切です
セルフケアでは歯ブラシのほかに、デンタルフロスや歯間ブラシなど使用してしっかりと歯垢を除去しましょう。
とくに下の前歯の裏側や上の奥歯の表側は唾液の分泌量が多いため、歯石がつきやすい場所になります。
また、定期的に歯科医院でスケーリングと言って歯石を除去するクリーニングを受けるようにしましょう。歯科医院では超音波を使って歯石を砕きながら除去していきます
どんなに歯磨きを頑張っていても、歯石はついてしまうものですので3ヶ月に1度は歯科医院に足を運びましょうね!
歯磨きをする際はこれらの場所を念入りに磨くことで歯石がつくのを予防することができます。
当院のインビザライン矯正
当院では、目立たないマウスピース矯正のインビザラインはもちろん、ワイヤー矯正や小児矯正も取り扱っております
ワイヤー矯正では前歯の部分に白い器具を使った目立たない矯正を採用しているため、インビザラインだけでは矯正治療が難しい方でも満足して治療を進めていただけるので安心して下さい
また、歯石のクリーニングなどもいつでもお待ちしておりますので、お気軽にご予約くださいね
当院の矯正治療については以下のリンクからチェックしてみてください
まとめ
歯石は歯垢が石灰化したものとなり、ついた歯垢をしっかり落とすことで歯石になるのを予防することが可能です。
インビザライン矯正中に歯石がついてしまうと、マウスピースが合わなくなったり、むし歯や歯周病になったりする可能性があります。
そのような場合、治療に影響を与える可能性があるため、矯正を始める前に歯石除去を行うのはもちろん、矯正中や終了後も定期的に歯石除去を行うようにしましょう。
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