こんにちは北戸田coco歯科です!
子供の歯並びが気になる保護者の方は多いです。口元は特に目立つ部分であるため、歯並びが悪いことで子供がコンプレックスを抱くことも珍しくありません。
そこで本記事では、子供の理想的な歯並びと問題がある歯並び、理想の歯並びに近づけるためにできることを紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
◽️子供の理想の歯並びとは?
子供の歯並びは乳歯から永久歯への生え変わりに伴い、それぞれの段階で理想的な歯並びが異なります。
・乳歯列
個人差がありますが、乳歯列は2歳半頃に完成します。理想的な乳歯列は、適度な隙間がある状態です。
この隙間は永久歯が生えるために重要で、十分な隙間がないと歯がガタガタになったり、出っ歯や八重歯などが生じる可能性があります。
本来、顎の成長に伴い4〜5歳になると歯と歯の間に隙間が生じるはずです。乳歯の段階で歯と歯の間に隙間がない場合、顎の骨のサイズが小さい可能性があります。
・混合歯列
乳歯から永久歯への生え替わりが起こる5歳半頃~12歳までの時期を「混合歯列期」と呼びます。
この期間は下の前歯に続き、上の前歯が生え替わる時期でハの字型に生えてすきっ歯になることがあります。
この状態は「みにくいアヒルの子の時代」とも呼ばれ、顎の骨の成長や犬歯が生えてくるにしたがって、自然と解消されます。
一時的に見た目に影響を与えてしまうこともありますが、過度に心配する必要はありません。
・永久歯列
永久歯列の歯並びや噛み合わせは、歯の大きさや骨格の違いにより個人差が生じますが、以下のような基準があります。
上下の前歯の中心が合致しており、噛み合わせた際に上の前歯が下の前歯よりも2mm~3mm前に出ていることが理想です。
また、犬歯より後ろの歯は、上下の歯が交互に並ぶことがきれいな噛み合わせとされています。
◽️問題がある子供の歯並びとは?
歯並びが悪い状態を「不正咬合(ふせいこうごう)」と言います。出っ歯や受け口、ガタガタの歯並びは不正咬合になります。子供に多い不正咬合の種類は以下の通りです。
・叢生(そうせい)
叢生とは、歯がガタガタに生えている状態のことです。顎の骨の大きさと歯のサイズのバランスが取れていないと歯が生えるためのスペースが不足し、不揃いな歯並びになります。
歯ブラシが届きにくい箇所が生じ、食べかすや汚れが溜まりやすくなり虫歯のリスクが高まります。特に顎の小さい子供は、叢生になりやすいので注意が必要です。
・上顎前突(じょうがくぜんとつ)
いわゆる出っ歯のことで、上顎の前歯が必要以上に前方に突出している状態です。下顎が通常よりも後方に位置していることによっても出っ歯のように見える場合があります。
出っ歯は見た目に影響するだけでなく、咀嚼(そしゃく)や発音にも影響を及ぼす可能性があります。
・下顎前突(かがくぜんとつ)
いわゆる受け口のことで、上の歯よりも下の歯が前に出ている状態です。
下顎前突は、歯の生え方に問題があるケースと顎の骨に問題があるケースに分けられます。上下の歯の噛み合わせが通常よりも反対になっているので、歯に過度な負担がかかりやすいです。
・過蓋咬合(かがいこうごう)
過蓋咬合とは、上の前歯が深く噛み合っており、下の歯がほとんど見えない状態です。上の前歯が下顎の歯茎に触れてしまうと、傷つけてしまう可能性があります。
・開咬(かいこう)
開咬とは、奥歯を噛み合わせても前歯に隙間が生じてしまい、上下の前歯が接触しない状態です。
前歯が食べ物をうまく噛み切ることができず、咀嚼効率が低下することがあります。
また、開咬は発音する際に空気が漏れて、サ行などの発音が困難になることもあります。
参考:日本矯正歯科学会
◽️子供の理想の歯並びに近づけるためにできること
ここでは、子供の歯並びを理想的な状態に近づけるためのポイントを紹介します。
・食事の姿勢に気をつける
子供の食事の姿勢は、歯並びと顎の成長に影響を与えます。
たとえば、前かがみで食べる姿勢は、内臓が圧迫され、頭を支えるために首や背中に負担がかかります。その結果、身体と顎のバランスが崩れ、歯並びが乱れる原因となります。
また、片側だけで噛む習慣も歯並びが悪化するため、注意しましょう。
理想的な食事の姿勢は背筋を伸ばし、顎をリラックスさせた状態で食べ物を両側で均等に噛むことです。また、両足がしっかり床につくように椅子やテーブルの高さを調整しましょう。
・口腔習癖をやめる
口腔習癖(こうくうしゅうへき)とは、唇や舌といったお口周りの悪い癖のことです。口腔習癖には以下のものがあげられます。
◼️指しゃぶり
長期間にわたる指しゃぶりは、前歯に継続的な力が加わるため、出っ歯や開咬を引き起こす可能性があります。
指しゃぶりは安心感を求めたり、ストレスを緩和するために行われます。子供に安心感を与え、指しゃぶりに変わる行動を教えると良いでしょう。
◼️おしゃぶり
おしゃぶりは乳幼児期によく見られる自然な行為です。
赤ちゃんはおしゃぶりを通じて安心感を得たり、落ち着いたりすることがあります。しかし、3歳を過ぎてもおしゃぶりを続けると指が歯を押してしまい開咬を引き起こすことがあります。
また、毛布やタオル、おもちゃなどをしゃぶる習慣も、歯並びに影響を与えるため注意しましょう。
◼️唇を噛む癖・吸う癖
唇を噛む・吸う癖は、前歯の歯並びが悪化する原因となります。
また、唇に物理的にダメージを与え、唇が荒れたり、ひび割れたり、傷がついたりすることも。このような習慣はストレスや不安、単なる癖からくることが多いです。
ストレスや不安が原因の場合、安心感を与える方法を見つけることが効果的です。また、唇を噛む・吸う行動に気付いた際は、やさしく指摘し意識させてあげましょう。
◼️爪を噛む癖
爪を咬む癖は、歯並びを悪化させるだけでなく、歯を傷つけてしまうことがあります。
また、繰り返し爪を噛むことによって歯の表面のエナメル質が削られてしまうため、虫歯のリスクが高まってしまうことも。
また、爪を噛むことによって、手指に傷がつくと細菌やウイルスが体内に侵入し、健康を損ねてしまう可能性もあるため注意が必要です。
これらの口腔習癖は子供の歯並びに大きな影響を及ぼすため、早期に改善することが重要です。
努力をすることで改善が期待できますが、子供の口腔習癖が気になる場合は、歯科医師に相談してみましょう。
・定期検診を受ける
子供の健康な歯を保つためにも、定期的に検診を受けましょう。
定期検診では、クリーニングや虫歯予防だけでなく、歯並びの問題を早期に発見することも可能です。問題を早期に見つけ治療することで、子供のお口の健康を守ることができるでしょう。
その子にあった矯正の治療方法を提案してくれるはずです。
・小児矯正を受ける
子供の歯並びを理想的な状態に近づけるためには、小児矯正が有効です。小児矯正は歯並びの改善と顎の成長を促すことを目的とし、子供の成長段階に合わせて行われます。
子供の頃に矯正治療を受けるメリットは、顎の成長をコントロールできること。顎の発育が終わる15歳以降は、骨格的な問題を改善するのは難しいです。
そのため、骨格が原因で出っ歯や受け口が生じている場合は、子供のうちに矯正治療を受けておくと良いでしょう。
小児矯正で使用する矯正装置には、取り外し可能なタイプ、固定式のタイプ、マウスピース型などがあり、症例や成長段階に応じて適切なものが選択されます。
もし、子供の歯並びが気になる場合は、6歳頃を目安に一度歯科医師に相談することをおすすめします。
◽️まとめ
今回は、子供の理想の歯並びについてお話ししました。
子供の歯は乳歯から永久歯へ変わりますが、その間の歯並びにはいくつかのポイントがあります。
乳歯列は、歯と歯の間に少し隙間があるのが理想的です。永久歯が生える時期には、上下の前歯の中心がしっかり合っていること、奥歯は上下できちんと噛み合っていることです。
理想の歯並びに近づけるためには、子供の食事の姿勢や口周りの癖にも注意して、定期的に検診を受けましょう。必要があれば小児矯正を検討することもできます。
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