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ストローを使うと子供の歯並びが悪くなる?【子供のストロー飲み】

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こんにちは北戸田coco歯科です!

近年はストローマグやスパウトといったさまざまな商品があり、外出先などでは活躍する場面も多いです。

しかし、子供がストローを使うことが歯並びに影響するという話をよく耳にしますが、実際のところはどうなのでしょうか?

そこで本記事では、子供がストローを使うと歯並びに問題が出るのか、ストロー飲みの適切な時期について解説します。


◽️子供がストローを使っていて歯並びに問題はある?

 

 

ストローを使うこと自体が直接的に歯並びの問題を引き起こすわけではありません。

しかし、お口周りの筋肉や顎の成長の発達途中にストローを頻繁に使うと、歯並びに影響を与える可能性があります。


特に、吸い込む力がない赤ちゃんがストローを使うとお口の周りの筋肉が十分に発達しない恐れがあり、舌の位置が下がって口呼吸を引き起こし、歯並びに影響を及ぼすことがあります。


◽️早い段階でストロー飲みをする弊害

 

 

乳幼児期にストローを使用すると、お口の周りの筋肉が十分に発達しない恐れがあります。


吸う力を必要としない生後5~6ヶ月の赤ちゃんを対象にしたスパウトや、生後8ヶ月から使用できるストローマグは飲み物をこぼさずに摂取できるため、外出先などに便利です。

その利便性から、ストローの使用を好まれる保護者の方も多いのではないでしょうか。


しかし、上唇や舌が適切に使えない状態でストローを使用すると、赤ちゃんのお口の筋肉の発達に悪影響を及ぼす可能性があります。


特に、0歳からのストローマグやスパウトの使用は、唇と舌をうまく動かせない赤ちゃんには適していません。不適切に使用すると唇と舌の筋肉が十分に鍛えられず、口呼吸になり低位舌(ていいぜつ)を引き起こしやすくなります。


低位舌は下顎に不要な圧力をかけ、上顎に適切な圧力がかかりません。上顎の成長を抑制し、最終的には歯並びの悪化を招くことがあります。


そのため、ストローの使用は子供の発達を考慮し、使用を限定するか適切な時期まで待ちましょう。


◽️子供のストロー飲みはいつからOK?


 

ストローを使うこと自体は悪いことではありませんが、使用を始める時期や頻度には注意が必要です。使い始める適切な時期は一概には言えませんが、3歳頃です。

この年齢になると哺乳瓶からスプーン飲みやコップ飲みに移行し、上手く行えるようになっています。この段階でストロー飲みを導入しましょう。


また、ストローの使用を始めた後も咀嚼(そしゃく)を促す食事を取り入れ、お口の筋肉の発達を促進することが大切です。ここでは、ストロー飲みに至るまでの順番を紹介します。


・生後0~7ヶ月頃はスプーン飲み

 

赤ちゃんのお口の機能が発展途上にあるため、スプーン飲みがおすすめです。

この時期にスプーン飲みを行うことで、赤ちゃんの上唇や舌の筋肉が鍛えられ、正しいお口の機能の発達が促されます。


スプーンを使用して少量の水をすするように飲む練習をしましょう。この飲み方は、赤ちゃんが液体の流れを意識し、喉に送る方法を学べます。通常、1ヶ月程度でスプーン飲みに慣れ、上手になります。

また、スプーンから直接飲むことで、液体を口の中でコントロールする感覚を養えるでしょう。ストロー飲みに比べ、お口の筋肉をよりバランス良く使用できます。


・生後7~8ヶ月頃はコップを使って飲む練習

 

コップ飲みの難しさからストロー飲みを先に導入することがありますが、生後7~8ヶ月頃は、赤ちゃんの飲み方の練習としてコップ飲みを導入する時期です。


コップ飲みは赤ちゃんにとっては難しいですが、この時期に練習することでお口周りの筋肉を鍛える良い機会になります。唇の筋肉が鍛えられることで、後の咀嚼や発声に必要なお口の筋肉の発達を促進します。


最初は赤ちゃんがコップから飲む際にこぼすことがありますが、毎日練習を続けることで、通常1~2ヶ月程度で上手に飲めるようになります。保護者が安全な環境を整え、コップ飲みの練習をサポートしましょう。


・3歳以降にストロー飲み

 

3歳以降の子供はお口の筋肉が十分に発達しているため、ストローを使った飲み方も可能です。ストロー飲みは吸引力を使用して飲む技術を学べます。


ただし、ストロー飲みを導入する際には、適切なストローの種類を選ぶことも重要です。柔らかい素材のストローや適切な長さのストローを選び、子供が安全に飲めるようにしましょう。


◽️乳児嚥下と成人嚥下

 

 

飲食物を飲み込む行為のことを「嚥下(えんげ)」と言い、大きく分けて「乳児嚥下」と「成人嚥下」があります。


・乳児嚥下

 

乳児嚥下は、赤ちゃんが母乳やミルクを飲む際の嚥下パターンです。赤ちゃんは口を開けた状態で上唇と舌を使って飲みます。舌は前後に動き母乳やミルクが喉に送られ嚥下できます。


しかし、赤ちゃんが成長し離乳食を始める段階では、乳児嚥下から成人嚥下への移行が必要になります。離乳食は成人嚥下への移行を促す重要な練習期間です。


この段階でストローマグなどを頻繁に使用すると、乳児嚥下が継続されるリスクがあります。

それにより、奥歯は噛んでいても前歯が閉じない「開咬(かいこう)」と呼ばれる歯並びになる可能性があるため注意しましょう。

乳児嚥下から成人嚥下に移行する1歳頃までには、離乳食で嚥下する方法をしっかりと学ばせることが大切です。


・成人嚥下

 

成人嚥下は食べ物や飲み物を摂取する際の嚥下パターンです。

成人嚥下では咀嚼によって食物が適切な大きさに砕かれ、舌の上下運動と舌の上側部分を使うことで液体だけでなく固形物も効率的に食道へと移動させることができます。


◽️子供の歯並びが悪くなったときの改善法は?


 

子供の歯並びが悪くなる原因はさまざまですが、悪くなった場合の改善方法には、お口の筋肉の発達を促す以下のようなトレーニングが行われます。


・あいうべ体操

口や舌を使った運動で発音の練習やお口周りの筋肉を鍛えられます。子供が楽しみながら行えるため、日常的に取り入れやすいトレーニングです。




【あいうべ体操のやり方】

  1. 「あ」を大きく口を開けて発音します。
  2. 「い」と発音する際は、口を横に大きく広げます。
  3. 「う」を発音する際は口を前に突き出し、唇をしっかり閉じます。
  4. 「べ」と発音しながら、舌を下に出します。


 


・ガムトレーニング

 

ガムを両側で均等に噛むことで顎の筋肉を鍛えます。しかし、ガムは窒息のリスクがあるため、子供に与える際は年齢や安全性を考慮する必要があります。


・風船膨らましトレーニング

 

風船を膨らませる行為はお口周りの筋肉が鍛えられ、肺機能も向上します。

子供が膨らませやすい小さい風船を用意し、ゆっくりと風船を膨らませるように指導します。この時、鼻呼吸を続けることが重要です。


これらのトレーニングを行う前に、小児歯科医に相談し、子供に適しているかどうかを確認することをおすすめします。必要に応じて矯正治療を勧めることもあります。

また、歯並びに影響を与える可能性のある悪い口癖(指しゃぶり、舌の癖など)に対しても適切なアドバイスをもらえるので、子供の歯並びが気になったら気軽に相談してみましょう。


◽️まとめ

 

ストローを使用することが直接歯並びの問題を引き起こすわけではありません。

ただし、乳幼児期の発育途中で頻繁に使用すると、お口の筋肉や顎の骨の発達に影響を及ぼし歯並びを悪化させる可能性があります。


乳児嚥下から成人嚥下への移行時はストローマグの頻繁な使用は避け、離乳食を通じて成人嚥下の練習を行いましょう。ストロー飲みに不安がある場合は、歯科医師に相談することをおすすめします。

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