こんにちは北戸田coco歯科です!
「子供の歯が隙間だらけで心配…。」このような悩みを持つ保護者の方は少なくありません。
永久歯には隙間が少ないため、乳歯に隙間が見られると不安に感じるものです。しかし、乳歯に隙間がないと永久歯の歯並びに影響を及ぼすことがあります。
そこで今回は、子供の歯に隙間が多くなる原因と、歯並びに与える影響などについて詳しく解説します。
乳歯から永久歯に生え変わる時期のお子様を持つ保護者の方は必見です。
◽️子供の歯が隙間だらけ!その理由は?
乳歯が生え揃った時期になると隙間がだんだん目立ってくることがあります。
これらの隙間は、「霊長空隙(れいちょうくうげき)」や「発育空隙」と呼ばれており、乳歯から永久歯への生え変わりをスムーズにするための重要な役割があります。
乳歯が20本生えるのに対し、永久歯は親知らずを含めて32本生えるため、生え変りをスムーズに行うためには十分なスペースが必要なのです。
霊長空隙は主に上顎の犬歯の前後と下顎の後方に現れ、前歯や奥歯の生え変わりを助けます。発育空隙は上顎の前歯に生じ、前歯の生え変わりをスムーズにします。
子供の歯が隙間だらけになるため心配する保護者の方も多いですが、逆に、乳歯に隙間がない場合、顎の発達が十分でない可能性があります。
また、永久歯が生えるためのスペース不足が生じ、歯並びが乱れるリスクが高まります。
また先述した2つの隙間以外にも、乳歯と永久歯の大きさの差によって生まれる「リーウェイスペース」と呼ばれる状態もあります。
引用:テーマパーク8020
これは、虫歯や外傷などで乳歯を早期喪失し、スペースが失われた状態で、歯並びに影響します。
スペースが狭くなれば、歯と歯の隙間に食べかすや汚れが溜まりやすくなるため、虫歯に注意しなければなりません。
◽️子供の歯に隙間ができる原因
霊長空隙や成長空隙以外にも、以下のことが原因で乳歯に隙間ができることがあります。
・歯の本数が少ない
生まれつき永久歯の本数が足りない場合、歯が並ぶスペースに余裕が生じ、隙間が生じやすくなります。場合によっては歯列矯正が必要になることもあります。
・歯の本数が多い
正常な本数よりも歯が多く、歯茎の中に埋まったままの場合は、永久歯が生えるのを妨げ隙間が生じる原因となります。特に上顎の前歯に生じやすく前歯に隙間(正中離開)が生じることもあります。
・歯が小さい
歯のサイズが平均よりも小さい状態を「矮小歯(わいしょうし)」と言います。前から2番目の歯に出現することが多く、歯が小さいため隙間が生じる原因となります。
・この上唇小帯の異常
上唇小帯とは、上唇と歯茎をつなぐヒダのことです。上唇小帯が大きいといった異常も隙間ができる原因となります。
子供の上唇小帯は大きい傾向にあり、成長に伴い小さくなりますが、正常に退縮しないと永久歯の生え方に影響を及ぼし、隙間が生じることも。手術による小帯切除を行うこともあります。
関連記事:【上唇小帯】が長いと子供の歯並びに影響する?異常がある場合
◽️隙間が多いと歯並びに影響する?
前歯が隙間だらけになるのは、永久歯の生え替わりに必要な現象のため影響はありません。
ただし、隙間がない、または不十分な場合は永久歯の歯並びに影響を及ぼす可能性が高まります。
ただ、乳歯が生え始める頃には隙間が見られたのに、奥歯が生えるにつれて隙間が埋まることもあるため、特に4歳を過ぎても隙間がない状態には注意が必要です。
定期検診を通じて、隙間の状態をチェックしてもらうと良いでしょう。
隙間がない状態は、永久歯の歯並びが悪化する原因となるため、小児矯正で顎の成長をコントロールして、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保する必要があります。
◽️永久歯になっても歯に隙間がある場合
乳歯の頃に見られた隙間は、永久歯が生え変わるとほとんど消失します。しかし、永久歯が全て生えた後も隙間が残っている場合は、以下のような原因が考えられます。
- 歯が小さい
- 永久歯の本数が少ない
- 歯の大きさに比べて顎が大きい
- 舌で前歯を押し出す癖がある など
このような場合は、歯列矯正で改善が期待できます。永久歯に生え変わってからの歯列矯正にはワイヤー矯正とマウスピース矯正があり、歯並びの状態やライフスタイルに応じて選択されます。
・ワイヤー矯正
ワイヤー矯正とは、「ブラケット」と呼ばれる小さな装置を歯につけて、ワイヤーを通して正しい位置に歯を動かす矯正方法です。
歯の表側に装置をつける表側矯正と歯の裏側に装置をつける舌側矯正があります。
ワイヤー矯正は、重度の症例や複雑な噛み合わせの問題に対応しており、細やかな調整が可能です。しかし、装置が目立ちやすいデメリットがあります。
・マウスピース矯正
マウスピース矯正とは、取り外し可能なプラスチック製のマウスピースを用いる矯正方法です。
マウスピースは1~2週間ごとに新しいものに交換し、少しずつ歯を動かしていきます。透明な装置のため目立ちにくく、周囲から矯正を行っていることに気づかれにくいのが特徴です。
また、食事や歯磨きの際に取り外しができるので、日常生活への影響が少ないのがメリットです。
しかし、適応範囲が軽度~中度の範囲に限定されており、重度の症例には適さないことがあります。
その他にも、隙間がある部分をプラスチックで埋める「ダイレクトボンディング」や、歯の表面を一層けずりネイルチップのようなセラミックを貼り付けて歯の形態を整える「ラミネートベニア」などがあります。
永久歯の隙間を改善する方法は、さまざまな選択肢があるため、歯科医師とよく相談し、適した治療方法を選択することが大切です。
◽️隙間があるお子さんの矯正方法
子供の歯に隙間がある場合は、まずはお口の中を検査し、レントゲン撮影して原因を特定することから始まります。成長空隙や霊長空隙で隙間が生じている場合は、経過観察を行います。
歯の本数が少なかったり多かったり、幼少期の長期間にわたる指しゃぶりや舌で前歯を押す癖などで隙間が生じている場合は小児矯正を検討しましょう。
小児矯正は乳歯と永久歯が混在している時期に行う「Ⅰ期治療」と、永久歯が生え揃った時期に行う「Ⅱ期治療」にわけられます。
Ⅰ期治療では固定式または取り外し式の矯正装置を使用して、顎の成長をコントロールし、永久歯が正しい位置に並ぶようにすることが可能です。
Ⅰ期治療で歯並びが整えば、Ⅱ期治療の必要がなくなります。
小児矯正を開始するタイミングは、子供の成長によって異なります。よく「子供の矯正治療は早い方が良い」と思われがちですが、早期治療が常に最適とは限りません。
永久歯と乳歯の生え変りは個人差や性別の違いはありますが、5・6歳頃に始まり、12歳頃まで続きます。そのため、定期検診を通じて一人ひとりに合ったベストなタイミングで開始することが重要です。
もし子供の歯並びに心配がある方は、6歳頃までに一度小児矯正を行う歯科医院に相談してみましょう。
◽️まとめ
子供の歯が隙間だらけになるのは、永久歯への生え変りをスムーズにするための生理現象です。
しかし、永久歯が生え揃ったあとも隙間が残る場合は、歯のサイズ、本数、顎の大きさ、舌の癖などが原因であり、歯列矯正を検討することをおすすめします。
歯の生え変りや顎の成長は個人差があるため、歯科検診をかねて歯並びのチェックをしてもらいましょう。
もし、子供の歯が隙間だらけで心配であれば、一人で悩まず歯科医師に相談することが大切です。
当院でもお子さんの矯正治療に力を入れておりますので、歯並びで何か気になることがあればお気軽に無料相談にいらしてください。
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