こんにちは北戸田coco歯科です!
食べ物が歯並びに与える影響は意外と大きいものです。食べ物の選び方によっては、歯並びを悪化させてしまうことがあります。
本記事では、子供の歯並びに良い食べ物と悪い食べ物について解説します。
食べ物は子供の歯並びに影響する?
現代の日本における食生活は、西洋化によって噛む回数が減少していることが問題となっています。
パンやハンバーグなど噛む回数が少なくても食べられるメニューは、あごを使う機会が減り、発達に影響を及ぼすことがあります。
あごの骨の成長が不十分な状態になると歯列に収まりきれない歯が出てきて、出っ歯やガタガタの歯並び、八重歯など歯並びの悪化を引き起こす可能性があるのです。
そのため、成長過程にある子供は、しっかりと噛んで食べて、あごの成長を促し、歯並びの悪化を予防することが重要になります。
また、しっかりと噛んで食べることは、消化吸収を助け、肥満防止や脳の発達にも良い影響を与えます。野菜や果物、ナッツ類など、噛み応えのある食材をバランス良く取り入れると良いでしょう。
一方で、甘いお菓子やソフトドリンクの過剰な摂取はむし歯のリスクを高めるので注意が必要です。乳歯がむし歯になってしまうと、永久歯の歯並びにも悪影響を及ぼすことがあります。
スナックや食間のおやつを控えめにすることも、健康な歯並びを維持する上で欠かせません。食べ物は子供の歯並びに影響するため、食生活全体に気を配ることが大切です。
食べ物をよく噛むことのメリット
よく噛んで食べることは、あごの成長を促し歯並びの悪化を予防するだけではありません。以下のように体の健康や発達にも良い影響を与えます。
味覚の発達
よく噛んで食べることにより食べ物が細かく砕かれると、味を感じられる味蕾(みらい)に触れる面積が増えます。
それにより、味覚が発達し食べ物の本来の味を認識できるようになるのです。
また、食感、温度、香りなども味覚の発達に影響します。よく噛むことでこれらの感覚が高まり、食べ物の味わいをしっかりと感じ取ることができます。
消化吸収の効率アップ
よく噛んで食べることは食べ物を細かくするだけでなく、唾液の分泌量を増やせます。
唾液には、食べ物を分解する酵素が含まれており、食べ物としっかりと混ざることで消化吸収が効率よく進みます。
その結果、子供の成長に必要な栄養素をしっかりと吸収できるのです。また、唾液には抗菌作用があり、むし歯や歯周病予防も期待できます。
肥満の予防
ゆっくりと時間をかけて食べ物を噛むことで、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防げます。
噛む回数が多い食べ物は、食事時間が自然に長くなり、少ない量でも満足感を得られやすいです。無意識のうちに摂取カロリーを抑えられ、肥満予防につながります。
脳の発達
よく噛んで食べる動作は、脳の発達にも良い影響を与えます。
噛むことによって脳への血流が良くなり、記憶や学習能力に関連する前頭葉の活動を促進できます。
よく噛む習慣を身につけることは成長過程にある子供にとって、その後の学習や思考能力に影響するため、噛む回数が増える食材を意識的に選択しましょう。
子供の歯並びに良い食べ物とは?
歯並びに良い食べ物を選ぶ際は、噛み応えがあることに加えて、栄養価も高い食材を選ぶことが重要です。
また、カルシウムが含まれている食べ物は、歯や骨を丈夫にしてくれるので、栄養面も考慮すると良いでしょう。以下は歯並びに良い食べ物の例です。
【歯並びに良い食べ物の例】
穀類:全粒穀物のパンやご飯
肉類:焼き鳥・豚肉の生姜焼き
魚介・藻類:さきいか・茹でたこ・焼き鮭・小魚
卵・乳類:プロセスチーズ
豆・いも類:干し芋・こんにゃく・大豆の水煮
野菜類:たくあん・にんじんスティック
果実・種実類:アーモンド・ピーナッツ・りんご
菓子類:せんべい・かりんとう など
和食中心メニューにするだけでも噛む回数を増やせますよ。また、食事の際はゆっくりと時間をかけて、一口30回を目安に噛むことを心掛けましょう。
調理法も工夫しよう
調理法を工夫することで、噛む力を鍛えられます。
たとえば、子供が好んで食べるハンバーグやミートボールに、にんじんやごぼうなどの根菜を細かく切って混ぜ込むと、食感と栄養面でプラスとなります。
また、噛む力がまだ弱い小さな子供には、食材を煮て少しやわらかくしたり、食べやすいスティック状に切ったりと調理法を工夫すると良いでしょう。
スープや味噌汁は水分が多いと、具を流し込んで飲むのが癖になりやすいので、具材を大きめに切ったり、食感を残すように調理しましょう。
ナッツ類はしっかりと噛めるのでおすすめしていますが、小さな子供は窒息のリスクがあるため、年齢に合わせて形状やサイズを選択しましょう。
あまりに硬すぎるものや小さな子供には危険な大きさの食べ物は避け、常に安全に留意してください。
歯並びが悪くなる食べ物はある?
食べ物が直接歯並びを悪くするわけではありませんが、食習慣が間接的に影響を与えることはあります。
たとえば、インスタント食品やスナック菓子、ハンバーガーといったファーストフードなどは、やわらかく噛む回数が少ない食品です。
あごの筋肉や骨の発達が十分に促されず、永久歯を並べるスペースが不足する原因になります。
また、糖分が多いソフトドリンクやキャラメルなど粘着性のあるお菓子は、むし歯のリスクを高めてしまいます。以下の食事は特に注意が必要です。
【歯並びに影響する食べ物の例】
やわらかすぎる食品:プリン、ゼリー、ポテトマッシュ、豆腐 など
糖分の多い食品:キャンディー、チョコレート、ジュース など
簡単に噛み砕ける食品:ポテトチップス など
やわらかく加工された食品:ハンバーガー、フライドポテト など
食べ方や姿勢にも注意
しっかりと噛んで食べることも大切ですが、正しい食べ方や姿勢にも注意しなければなりません。
急いで食べると咀嚼回数が減るため、意識してゆっくり食べることが重要です。
また、前かがみや床に足がつかないような不安定な姿勢は、食べにくく、消化不良や誤嚥(ごえん)のリスクを高める可能性があります。
机と椅子の高さが合っているか、足が床にしっかりとついているか、背筋が伸びているかを確認しましょう。
関連記事:子供の食べる姿勢は大丈夫ですか?姿勢とお口の健康について
食育は子供の健康にとっても大事!
ここまでしっかり噛んで食べることについて紹介してきましたが、食べ物に対する興味や知識を深めることも食育の一部です。
バランスの良い食事を摂取することはもちろんのこと、食事の時間を家族で過ごしたり、簡単な料理を一緒に作ったり、食事のマナーを身につけることも含まれます。
子供が食べ物に興味を持ち、さまざまな食材に触れることで、食事に対する意識の向上や健康な心と体の発達につながります。
子供に食材の選び方、料理の方法、食べ方など食に関する知識を教えることで、健康的な生活習慣を身につけさせて健全な成長をサポートしましょう。
参考:「食育とは」農林水産省
まとめ
小さい頃からの食育は将来の健康に大きく影響するため、早い段階からさまざまな食材に触れさせ、偏食にならないように意識することも重要です。
しっかり噛むことであごの骨が成長し、歯並びの悪化を予防できます。
しかし、すでに歯並びが悪くなっている場合は、矯正治療が必要になるため、早めに歯科医院に受診することをおすすめします。
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