こんにちは北戸田coco歯科です!
虫歯治療や乳歯の抜歯が必要な場合は麻酔が必要になることがあります。しかし、麻酔を使用することに対して心配を抱く保護者の方も少なくありません。
そこで本記事では、歯医者の麻酔は子供に使用しても大丈夫なのか、リスクやメリットについて解説します。麻酔をした後の注意点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
◽️子供の歯医者ではどんな麻酔を使用する?
子供の歯医者で使用する麻酔は、以下の種類があります。
- 局所麻酔
- 表面麻酔
- 笑気麻酔
- 静脈内鎮静法
- 全身麻酔
・局所麻酔
局所麻酔は、治療する部位の周辺に麻酔薬を注射する方法です。
治療する部位の感覚が一時的に鈍くなり痛みを感じにくくなります。安全性が高く、大人と同様に子供の虫歯治療でよく用いられている麻酔です。
・表面麻酔
表面麻酔は、軟膏やゼリー状の麻酔薬を歯ぐきやお口の中の粘膜に塗布することで、感覚を鈍らせる麻酔方法です。
局所麻酔の前処置として用いられることが多く、針を刺す痛みをやわらげます。また、ぐらぐらした乳歯の抜歯に用いられることもあります。
・笑気麻酔
笑気麻酔とは、笑気ガス(亜酸化窒素と酸素を混合したもの)を使用する麻酔方法です。
吸入することにより不安や恐怖心を無くすことができ、リラックスした状態で治療を受けられます。笑気麻酔には痛みを軽減する効果がないため、局所麻酔を併用するのが一般的です。
緊張しやすい子供に用いられることがあります。しかし、すべての歯科医院で笑気麻酔を利用できるわけではないため、事前に確認が必要です。
・静脈内鎮静法
静脈内鎮静法は、鎮静剤を点滴を通じて静脈内に投与する方法です。笑気麻酔よりもリラックスした状態になり、半分眠っているような感覚で治療を受けられます。
静脈内鎮静法を使用する際は、バイタルサインのモニタリングが必要になります。そのため、特別な施設と訓練を受けた歯科医師によって行われるため、一般の小児歯科ではほとんど行っていません。
・全身麻酔
全身麻酔は手術で行われる麻酔と聞くとイメージがつきやすいでしょう。歯科治療でも特定の状況下で用いられることがあります。全身麻酔は意識がないため、治療中の不快感や痛みを感じることはありません。
全身麻酔は、通常、障がいを持つ子供や治療が困難な場合に限り使用されます。全身麻酔は設備と訓練を受けた歯科医師が必要になるため、一般の小児歯科では用いられることはありません。
◽️子供の歯医者で麻酔を使用するタイミングは?
子供の歯医者では、以下のタイミングで麻酔を使用します。
・虫歯が神経の近くまで進行しているとき
小さな虫歯の場合は痛みを感じることはないため、基本的に麻酔を使用することはありません。
しかし、虫歯が神経の近くまで進行していると、歯を削る際に痛みが生じるため麻酔が必要になります。局所麻酔を使用して治療部位の感覚を一時的に麻痺させ、痛みを感じさせないようにします。
・抜歯が必要なとき
乳歯は自然に抜けるのを待つのが一般的です。しかし、なかなか抜けない場合は歯並びに悪影響を及ぼすことがあるため抜歯することがあります。その際、痛みを感じないようにするために、局所麻酔を使用することも多いです。
ただ、乳歯の根っこが短く、ぐらぐらしている場合は、痛みを感じることはほとんどないため、局所麻酔の代わりに表面麻酔を使用して、抜歯部位の感覚を麻痺させることもあります。
◽️子供の歯の治療で麻酔を使っても大丈夫?
子供の虫歯治療で使用する麻酔は、安全性が高いため0歳から使用できると言われています。
ただ、注射に対する恐怖心を持つ子供は多いため、麻酔が使える年齢(6歳頃)までは虫歯の進行を抑える薬を塗布して様子をみることが多いです。
虫歯治療で麻酔を使用するかどうかは、虫歯の進行度や治療の必要性、子供の状態を考慮した上で決定されます。
もし、子供の歯の治療で麻酔が必要となった場合は、保護者が子供の健康状態や気持ちを十分に理解し、歯科医師とよく相談して行うか決めましょう。
◽️子供が麻酔を使うリスクについて
子供の虫歯治療で局所麻酔はよく用いられています。使用する際は、年齢や安全性を考慮して注入量に十分注意していますが、以下のようなリスクを伴うことがあるので理解しておきましょう。
・針を刺す痛みを伴う
局所麻酔は歯ぐきに針を刺すため、チクッとした痛みを感じることがあります。痛みは一時的なものですが、子供にとっては恐怖を覚えてしまうことがあります。
そのため、子供に局所麻酔を行う際は針を刺す痛みを軽減する表面麻酔を使用することが多いです。バナナやチェリーといった香りがついているものもあるため、子供も安心して利用できます。
もし、麻酔が必要な治療を受ける場合は、表面麻酔を使用している歯医者を選ぶと良いでしょう。
・1~2時間は効果が続く
局所麻酔の効果は1~2時間程度続くことが多いです。麻酔が効いている間は、お口の中での温度感覚が鈍くなったり、噛み合わせが難しくなるため、食事に支障をきたす可能性があります。
局所麻酔後は、しびれが完全に消えるまで食事を控えることをおすすめします。
・アレルギーが発症する可能性がある
局所麻酔によるアナフィラキシーショックは非常に稀ですが、起こる可能性はゼロではありません。発生頻度は約0.00007%程度と報告されており、反応すると発疹、かゆみ、腫れ、呼吸困難、血圧の低下などが起こります。
子供が虫歯治療を受ける際は、保護者がアレルギーに関する情報を歯科医師に伝えておくことが大切です。
・心拍数の上昇
局所麻酔には、出血を減らし、麻酔の効果を長持ちさせるためにアドレナリンが含まれているものもあります。アドレナリンが含まれている局所麻酔を使用すると、心拍数が上がることがあります。
時間が経過するにつれて症状は自然に落ち着いてきますので、過度な心配はいりません。ただ、このようなリスクもあるということも理解しておきましょう。
◽️歯医者の麻酔を怖がる子供
子供が歯医者の麻酔を怖がるのは珍しいことではありません。子供が麻酔を怖がる場合は、安心感を与えると不安を減少できます。
たとえば、これからどのような治療を行うのか、何が起こるかを理解してもらうなどです。
ただ、そうならないためにも虫歯予防が重要になります。子供のお口の健康を維持するためには、毎日の歯磨きが重要です。フッ素入りの歯磨き粉を使って正しくブラッシングしましょう。
また、定期的な歯科検診や予防処置を受けることも虫歯のリスクを減らすことができ、早期に問題を発見し、対処することで麻酔の使用を避けることが可能になります。
定期検診は子供が歯医者に慣れる良い機会です。歯医者に慣れている子供は、将来的に麻酔を必要とする治療も怖がらずにできる可能性が高くなります。
◽️歯医者で麻酔を使うメリット
歯医者で麻酔を使う主なメリットは、痛みの軽減や治療に対する不安の減少などがあります。
・痛みの軽減
深い虫歯や抜歯などは麻酔なしでは処置ができません。麻酔を使用すると痛みを感じることなく治療を受けられます。
・不安の減少
治療中の痛みを心配する必要がなくなるため、不安が軽減されます。治療の中断をすることが少なくなり、スムーズに治療を進められます。
◽️歯医者で麻酔を使用した後の注意点
麻酔が切れるまでの1~2時間程度は、以下の点に注意しましょう。
・麻酔が切れるまで食事は控える
麻酔が効いている間は、お口の中の感覚が鈍っているため、うまく噛んだり飲み込んだりすることができません。
また、温度の感覚もないため、熱い食べ物や飲み物で火傷するリスクが高まります。麻酔が完全に切れて感覚が戻るまでは、食事を控えるようにしましょう。
・指や舌で触らない
麻酔が効いている間は、治療部位を舌や指で触らないようにしましょう。感覚が鈍っているため、無意識に傷つけてしまう可能性があります。
特に小さな子供の場合は、知らず知らずのうちに指や舌で触ってしまいがちです。そのため、保護者の方は子供が無意識に治療部位を触らないように注意深く見てあげてくださいね。
◽️まとめ
大きな虫歯や乳歯の抜歯は、局所麻酔が必要になります。麻酔を必要とする治療を受けなくて済むように、定期検診や予防処置で虫歯を防ぐことが重要です。
歯医者は虫歯がなくても来院できます。子供が歯医者に慣れることで、将来的に麻酔が必要な治療にも抵抗が少なくなります。1~3ヶ月に1回を目安に定期的に通院しましょう。
こちらの記事もおすすめ:乳歯が生えたらすぐ虫歯予防すべき3つの理由とは?歯医者さんが解説