こんにちは北戸田coco歯科です!
1歳児のお口のケアは、その後のお口の健康を左右する大切な時期です。
そこで今回は、1歳児のお口はどんな状態なのか、どのようなトラブルが起こりやすいのか、歯磨きのポイントや注意点について解説します。
◽️1歳児のお口ってどんな状態?
1歳頃の赤ちゃんは、上の前歯4本と下の前歯4本の乳歯が生えてきていることが一般的です。
生後6ヶ月頃から下の前歯2本が生え始め、上の前歯2本が順番に生えてきます。それを皮切りに上下の前から2番目の歯が生えます。
引用:日本小児歯科学会
子どもの成長には個人差があるため、多少遅くても心配はありません。ただし、一歳を過ぎても歯が1本も生えてこない場合は、歯科医師に相談しましょう。
この時期の赤ちゃんの歯ぐきは、新しい歯が生えてくることでやや腫れやすく、歯が生える際の違和感や痛みを覚えることもあるため、よく手やおもちゃを口に入れて噛む行動をとることが多くなります。
また、1歳頃になると離乳食が進み、さまざまな食材を摂取するようになり、お口の中の環境も変わり始めます。
食べかすが歯に残りやすくなることもあるため、虫歯や歯肉炎のリスクも高まります。この時期は、お口の中のケアが特に重要となるのです。
参考:日本小児歯科学会
◽️1歳児のお口に起こりやすいトラブル
1歳児のお口は、離乳食の完了期でさまざまな食べ物が摂取できるようになったり、歯が生え始めるなど、さまざまな変化が起こる時期。
そのため、歯ぐきの腫れや赤み、食べ物の詰まりなど以下のようなトラブルが起こりやすくなります。
・歯ぐきの腫れや痛み
新しい歯が生えてくる際、歯ぐきが腫れたり、赤くなったりすることがあります。
これは、歯が生える過程での自然な反応であるため、過度な心配はいりません。しかし、赤ちゃんはムズムズとした違和感を覚えることがあります。それにより、夜泣きが増えたり、急に不機嫌になったりすることも。
このような場合は、歯固めを与えてあげると落ち着くこともあります。
ただ、歯ぐきが腫れている場合は、歯固めを冷やしたり、冷やしたガーゼで拭き取ってあげるなど工夫してあげると良いでしょう。
歯が生えていて歯ぐきが腫れている場合は、歯肉炎の可能性があります。
1歳児でも歯に歯垢が溜まっていれば、歯肉炎を引き起こします。食後や就寝前はしっかりとケアしてあげましょう。
・初期虫歯
1歳児は離乳食の進行に伴い、砂糖を含むお菓子を摂取することが増えます。
これにより、歯に付着した食べかすが原因で虫歯が発生しやすくなります。
歯が濁ったような色をしていたり、黄色味がかかっている場合は、初期虫歯のサインです。乳歯の虫歯の進行は早いので、歯の変色を見つけたらすぐに歯科医師に相談しましょう。
・口内炎
口内炎は、お口の中の粘膜に炎症や潰瘍ができる症状のことです。
1歳児は新しい食材の摂取を口の中に入れる機会が増えるため、物理的な刺激によって微小な傷ができ、口内炎が発生することがあります。
対処法は、まずお口の中を清潔に保つことが大切です。食後は清潔なガーゼで歯を拭き取ったり、歯みがきをして食べかすを取り除いてあげましょう。
また、水を飲ませて口の中の食べかすを洗い流すのも有効です。
ただし、口内炎といっても、ウイルスや細菌感染によって引き起こされることもあります。熱がある、手足にもブツブツができている場合は、小児科へ受診しましょう。
・舌や口の中の発疹
舌や口の中に発疹が出る原因は、食べ物のアレルギー反応、手足口病、はしかなどが考えられます。
まずはお口の中を清潔に保ち、悪化を防ぐことが大切です。原因によって治療方法が異なるため、症状が出たら小児科へ受診しましょう。
・歯に食べ物が詰まる
乳歯がまだ生え揃っていないため、食べ物が歯と歯の間や歯ぐきに詰まりやすくなることがあります。
これが原因で、歯ぐきの炎症や口臭の原因となることも。食後は水を飲ませたり、清潔なガーゼで食べかすを取り除いたりなど、ケアが必要です。
また、歯が生え始めたら、歯医者デビューすることをおすすめします。定期的にチェックを受けることで早期にトラブルを発見し、適切なケアを受けられます。
◽️1歳児の歯磨きのポイント
1歳児の歯磨きは、お口のケアの基礎を築く大切なステップです。ここでは、1歳児の歯磨きのポイントを3つ紹介します。
・歯磨きの習慣をつける
1歳児の歯磨きは、まずは歯磨きの習慣をつけることから始めましょう。
いきなり歯ブラシで磨くと嫌がることもあるので、ガーゼなどで歯に付着した汚れを拭き取ることから始めます。
スキンシップを取り、慣れてきたら柔らかい毛の歯ブラシを使用し、歯の表面を優しくこするように磨きます。
1歳半頃には奥歯が生えてくるので、その頃までに慣れてもらい、1本ずつ磨けるようになるのが理想的です。
・ヘッドが小さくやわらかい歯ブラシを使用する
歯ブラシは、ヘッドが小さくやわらかい毛のものを選びましょう。
最初から磨くのではなく、前歯を毛先で触ることから始め、赤ちゃんの機嫌が良く嫌がらないようであれば1本ずつ磨いていきます。
・歯ブラシは優しく小刻みに動かす
歯ブラシの動かし方も重要なポイントです。汚れが溜まりやすい歯と歯ぐきの境目に毛先を当てて、1本ずつやさしく小刻みに動かしましょう。
歯磨き粉の使用は、ブクブクうがいができるようになってからがおすすめです。
ただ、歯磨き粉の味で機嫌が良くなるようであれば使用しても構いません。その場合は、うがいが不要な製品を選ぶなど工夫しましょう。
◽️1歳児のお口の注意点
1歳頃のお口の中は、虫歯のリスクが高まる時期。
特に、甘いジュースやおやつを頻繁に摂取すると、虫歯のリスクが高まります。また、先天的な欠損や歯ぐきの腫れ、発疹などないかしっかりと見てあげることが大切です。
ここでは、1歳児のお口の注意点を紹介します。
・虫歯の確認
歯の色をチェックしましょう。白い斑点や白濁、黄色味や黒ずみが見られる場合、虫歯の初期症状の可能性があります。
放置するとほかの歯や将来生えてくる永久歯に悪影響を及ぼすため、早めに歯科医院に受診しましょう。
・歯ぐきの腫れや赤みの確認
上記でも解説した通り、新しい歯が生えてくる際は、歯ぐきが腫れたり赤くなることがあります。
ただし、食べ物のアレルギーや物理的な刺激によって腫れや赤みが生じることもあります。
歯が生えている部分だけでなく、お口の中全体を確認することが大切です。また、腫れや赤みに加えて、熱があるような場合は、早めに小児科へ受診しましょう。
・先天的な欠損の確認
1歳半頃までには、前歯の4本と奥歯の1本が生えてきます。
生える時期や順番は個人差がありますが、1歳になっても歯が生えてこない、歯の本数が足りない場合は、生まれつき歯が欠損している可能性があります。
また、2本の歯がくっついていて生えてくることも珍しくありません。噛み合わせや歯並びの問題が生じる可能性があるため、異変に気づいたら歯科医師に相談してみましょう。
◽️まとめ
乳歯が生え始めると、さまざまな食べものが摂取できるようになり、虫歯のリスクや歯ぐきの腫れなどが起こりやすくなります。
1歳の歯磨きのポイントは、ヘッドが小さくやわらかい歯ブラシを使い、スキンシップを取りながら歯磨きの習慣をつけることが大切です。
また、お口の中をよく観察して、異常がないか確認しましょう。
1歳児のお口のケアは、その後のお口の健康を守るための基礎作りとなるため、しっかりとケアしてあげることと、定期的な検診が大切です。
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