こんにちは。北戸田coco歯科です。
「子どもの歯を治す時、大学病院と街の歯医者さんどっちにかかるのがいい?」
「大学病院の歯医者さんと普通の歯医者さんでは何が違うの?」
大学病院の歯科と普通の街の歯医者さんとの違いが一番わかるのは、その目的です。
大学病院の歯科の目的 | 普通の歯科の目的 |
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大学病院の歯科がおすすめな人 | 普通の歯科がおすすめな人 |
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ただ、どちらにもメリットとデメリットがあるので、どちらを受診するか迷ってしまうかもしれませんね。
そこで、ここでは大学病院の歯科と街の一般歯科の違いを北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師が分かりやすく解説します。
- 【経歴】
- ・日本大学歯学部 卒業
- ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得
最後まで読めば、状況に応じてどちらを受診すればいいのか判断できるようになりますよ。
1. 大学病院の歯科と一般歯科の違いは目的の違い
大学病院の歯医者さんと一般の歯医者さんの違いは、一言でいうと目的の違いです。
大学病院の歯科の目的 | 普通の歯科の目的 |
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治療する内容は似ていても目的が違うため、担う役割も異なります。
詳しく説明しますね。
1-1. 大学病院の歯科の目的
大学病院の歯科では、以下のようなことを目的としています。
大学病院の歯科の目的 |
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ひとつずつ説明しますね。
1-1-1. 最先端の歯科医療を研究する
大学病院は、歯科大学や医科歯科大学に付属する病院で、最先端の歯科医療を研究するのが目的です。
その理由は、大学病院は歯科医療の発展に貢献するという役割があるからです。
大学で教えている教授や研修医は、大学病院でも歯科医療の研究をしています。
研究で得た新しい情報や技術は大学病院の治療にも反映されて、今後の研究の参考にもします。
1-1-2. 高度な臨床を行う
大学病院では高度な臨床を行うのが目的です。なぜなら、医学の世界では研究と臨床はほぼセットだからです。
臨床とは、患者さんにとって治療のことです。
大学と大学病院はつながっており、大学の教授や研修医が行ったり来たりして研究と治療にあたっています。
そのため大学病院では、一般歯科では治療することが難しい難病などに対する高度な治療も行っています。
1-1-3. 歯科医師を教育し養成する
大学病院では、歯科医師を教育し養成するという目的もあります。なぜなら、大学は学ぶところだからです。
そのため、大学病院には研修生などがたくさんいます。
研修医は教授などについて学びながら、患者さんを実際に診る臨床で実践的な勉強をしています。
1-2. 一般歯科の目的
一方、一般歯科の目的は以下のようなものです。
普通の歯科の目的 |
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こちらも1つずつ説明しますね。
1-2-1. かかりつけ医としての役割
一般歯科はかかりつけ医としての役割を果たすという目的があります。
なぜなら、生活していて歯やお口に関して困ったときに相談できるお医者さんが必要だからです。
街には多くの歯医者さんがあり、そのひとつをかかりつけ医として決めておけば、虫歯やお口の成長などなんでも相談できますね。
1-2-2. 緊急時にすぐに対応する
一般歯科は、急に歯が痛くなった、血が出た、歯が折れたなどの緊急時にもすぐに対応することも大事な目的です。
なぜなら、大学病院では基本的に予約制で、救急患者を受け付けていない場合があるからです。
しかし、ほとんどの一般歯科は予約なしでも電話すればすぐに緊急時扱いで受診することが可能です。
1-2-3. 定期検診を行い健康を守る
一般歯科では定期検診を行い、その人の健康を守るという目的も持っています。
なぜなら、日頃から定期検診を受ければ、虫歯や歯周病などを早期発見することができるからです。
近年は、歯の健康が一生の健康寿命を大きく左右するとして注目を集めていますね。
定期検診は全身の健康を維持するために重要なもので、街の歯医者さんで気軽に受けられます。
2. 大学病院の歯科を受診するメリット・デメリット
最先端の歯科医療を行う大学院の歯科ですが、受診するにはメリットと同時にデメリットもあります。
メリット |
手術などの最先端の設備が整っている |
最先端の治療を受けられる |
難病などの難しい治療にも対応してもらえる |
デメリット |
気軽に行ける環境にない |
ほとんどが予約制 |
研修医や若い医師が担当することがある |
待ち時間が長い |
2-1. メリット
メリットは、設備と技術が整っているので比較的最先端の治療を受けられるということです。
一般歯科では治療が難しい難病なども、研究の対象となるため積極的に受け入れていています。
2-2. デメリット
デメリットは、気軽に行けないということです。
大学病院はいくつもあるわけではなく、地域に1つか2つしかないので電車やバスに乗って移動しなければならないことも多いでしょう。しかも、ほとんどが予約制です。
大学病院は未来の医師を育てる役割もあるため、経験豊富なベテラン医師に診てもらいたくても研修医や若い医師が担当することもあります。
加えて、色々な科が入っている大学病院では会計などの待ち時間が長いのが一般的です。
3. 一般歯科を受診するメリット・デメリット
一般歯科を受診するメリットとデメリットは、以下のようなものです。
メリット |
気軽に相談できる |
緊急時に対応してもらえる |
一般歯科でも最先端の治療が受けられる |
デメリット |
大規模手術が必要な治療は行えない |
たくさんありすぎて迷う |
3-1. メリット
メリットは、気軽に相談できるということです。
かかりつけ医は幼い頃から成長してもずっと通えるため、顔なじみにもなります。顔なじみの先生ならちょっとした不安や気になることでも気軽に相談できるのが、一般歯科のいいところです。
一般歯科は緊急時であれば予約なしでも対応できます。子どもが小さいうちは、転んで歯を折ったり出血したりということが割とひんぱんに起こりますが、そうした時にすぐ近くに駆け込めるのが、一般歯科です。
さらに、最近では一般歯科でも大学病院のようなCT機器やマイクロスコープ(顕微鏡)などを導入して高度で最先端の治療を行えるところも多くなってきました。
3-2. デメリット
一方で、デメリットは大規模な手術を必要とするような治療は行えないということです。大規模手術には専用の設備が必要だからです。
また、歯医者はコンビニより数が多いと言われるように、街にはたくさんの歯医者さんがありますね。そのため、どこに行けば良いか迷ってしまうというのもデメリットのひとつです。
お子さんの場合は、小児歯科を選ぶのがおすすめです。 小児歯科は子どものお口の成長や歯のことに詳しい専門医がいるからです。 |
4. 大学病院を歯科するのがおすすめな人
大学病院の歯科と一般歯科の違いから、大学病院の歯科を受診するのがおすすめなのは以下のようなお子さんです。
- ・生まれつきあごの骨などが欠けているような難病を抱えるお子さん
- ・重度の全身疾患などを抱えていて通常の歯の治療が難しいお子さん
5. 一般歯科を受診するのがおすすめな人
一方、一般歯科を受診するのがおすすめなのは、以下のような日常的な治療を必要とするお子さんです。
- ・虫歯を治したい
- ・歯が折れた、欠けた
- ・歯から出血した
- ・歯並びをきれいにしたい(矯正)
- ・就学前のお子さんで、歯並びや咬み合わせを改善したい(MFT)
▶MFT(口腔筋機能療法)とは?効果やトレーニング方法を詳しく解説!
6. まとめ
結論として、大学病院の歯科と街の一般歯科との違いは「目的」と「用途」です。
これさえ押さえておけば、症状ごとにどちらに受診すべきか判断できますね。
それでもわからない場合は、一旦街の歯医者さんに相談してみましょう。必要なら大学病院を紹介してくれますよ。
北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。
- ◆この記事のまとめ
- 1. 大学病院の歯科は研究や医師の教育・養成が目的
- 2. そのため大学病院の歯科では高度な臨床や難病の対応などを行う
- 3. 一般歯科はかかりつけ医の性質がある
- 4. そのため緊急時の対応に応じ、気軽な相談などもしやすい
- 5. 大学病院の歯科がおすすめなのは、難病などを抱えている子ども
- 6. 一般歯科がおすすめなのは、日常的な歯の治療をしたい子ども