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【顎顔面矯正】子どもの歯並びを骨格から治す歯科矯正

公開日:


こんにちは。北戸田coco歯科です。

 

「子どもの悪い歯並びには顎顔面矯正がいいって聞いたけど、それって何?」

 

顎顔面矯正…あまり聞いたことがない言葉ですね。

 

顎顔面矯正とは、文字の通りあごや顔を含めた歯列矯正のことです。といっても、あまりピンと来ないですよね。

 

顎顔面矯正は、以下のような症状に効果があります。

 

  • 骨格が原因で歯並びが悪い
  • サ行とタ行をはっきり発音できない
  • 受け口や出っ歯になっている

 

小学校入学前で歯並びが悪いまま成長すると、骨格がそのまま大きくなり歯並びの悪さがもっと強くなってしまいます。

 

でも、ご安心ください。それを改善できるのが顎顔面矯正です。

 

ここでは、北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師が顎顔面矯正について詳しくご紹介しますね。

田口世理奈Dr.

  • 【経歴】
  • ・日本大学歯学部 卒業
  • ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得

 

1. 顎顔面矯正とは?


顎顔面矯正とは、歯並びだけでなく顎の骨格まで考えてする、子どもに特化した矯正治療のことです。

 

大人と違って成長中の子どもの骨格はまだ柔らかいので、成長を正しい方向にコントロールすることでガチャガチャの歯や出っ歯、受け口などを無理なく改善することができます。

 

顎顔面矯正の対応年齢は5〜12歳くらいまでです。特に、6〜8歳は骨格がもっとも成長する時期なのでベストタイミングです。

 

2. 顎顔面矯正のメリット


顎顔面矯正には歯並びの改善はもちろんのこと、その他にもたくさんのメリットがあります。

 

  • ●歯並びに関するメリット
  • ・歯並びや咬み合わせが良くなり、見た目がよくなる
  • ・歯並びや咬み合わせが良くなり、コンプレックスがなくなる
  • ・歯並びがよくなり歯磨きしやすくなるので虫歯予防ができる
  • ・歯並びがよくなり滑舌がよくなる

 

  • ●全身に関するメリット
  • ・口呼吸が改善される
  • ・アレルギー性鼻炎が改善される
  • ・アトピーが改善される
  • ・いびきや睡眠時無呼吸が改善される
  • ・姿勢が良くなる
  • ・落ち着きのなさが改善される
  • ・よく噛めるようになるので消化がよくなる

 

  • ●その他に関するメリット
  • ・運動能力が上がる
  • ・集中力が増す
  • ・肩こりが改善される
  • ・大きくなってからの矯正より安く済む

 

歯は全身に大きな影響を及ぼすため、骨格から歯並びを矯正すると全身の機能や精神面など、様々な部分が改善されます。

 

例えば、あごを正しく矯正すると、鼻が通るようになるので外からの細菌を吸い込まなくなります。すると、鼻詰まりが治るのでぼんやりすることがなくなります。

 

顎顔面矯正をしたら姿勢がよくなり、性格が明るくなって自信が持てるようになったという例もあります。

 

鼻が通れば集中力が上がり、親御さんにとって気がかりなお勉強の成績も上がる可能性が高いですよ。

 

3. 顎顔面矯正のデメリット


顎顔面矯正のデメリットとは、矯正中に起こることです。

 

  • ・一時的な痛みが出ることがある
  • ・一時的にすきっ歯になることがある

 

一時的な痛みは、歯が押される時に出る痛みです。一時的にすきっ歯になるのは、あごを広げることで歯の土台の面積が大きくなるからです。ただし、スペースができれば自然に正しい位置や向きに戻っていきます。

 

それでも隙間が空いている場合は、重なっていた歯をワイヤー矯正で少しずつ動かすと、治療後には隙間がなくなります。

 

4. 顎顔面矯正にはどんな装置を使うの?

顎顔面矯正の治療には、以下のような装置を使います。

 

  • ・急速拡大装置
  • フェイスマスクヘッドギア(ケースによる)

 

それぞれの装置について、詳しく説明しますね。

 

4-1. 【矯正拡大装置】


上あごが小さい場合
は、薄い金属でできた装置を上あごの内側につけ、バネを少しずつ調整してあごを広げていきます(カラフルな部分はプラスチックでできた板です)。

 



上あごの骨は、丸みがかったプレート左右のが真ん中で合わさってできています。それを左右に少しずつ広げていくイメージです。ワイヤー矯正のような装置とは異なるため、歯が動く痛みはありません

 

あごが通常よりも小さいと、歯が重なったり横の側面の歯が引っ込んだりしてしまいますが、矯正拡大装置で上あごを広げると、スペースにゆとりが生まれて歯が正しく並ぶことができるのです。

 

4-2. 【フェイスマスクとヘッドギア】

(イラストはヘッドギア。フェイスマスクはおでことあごを支えにして装置をつけます)


フェイスマスクやヘッドギアは受け口の治療に使われるものです。

 

フェイスマスクは下あごの成長を抑えてゆるやかにする時に使います。ヘッドギアは上あごの成長を抑えてゆるやかにする時に使います。

 

こうすることで、上あごの成長とのバランスを調整します。

 

5. 顎顔面矯正にかかる費用と期間


顎顔面矯正にかかる費用・期間の目安は次のとおりです。

 

費用目安:約20〜50万円
期間目安:約1〜2年

 

詳しく説明しますね。

 

5-1. 顎顔面矯正にかかる費用

顎顔面矯正の費用相場は、

 

20〜50万円

 

です。金額に開きがあるのは、症状の重さや治療期間などが関係するからです。永久歯が生え揃ってから行う矯正治療の約半額以下の費用になります。

 

基本的に矯正治療には保険が使えませんが、1年間で家族全員の10万円以上の医療費がかかった場合は医療費控除が利用できます。

 

医療費控除は、確定申告で申請すると住民税などが控除されるしくみです。

 

詳しくは国税庁のホームページに載っていますので、知りたい方は確認してみてくださいね。

 

国税庁「医療費を支払ったとき(医療費控除)」

 

あわせて読みたい!

保険がきかない子どもの矯正で費用を抑えられるおすすめの方法4選

 

5-2. 顎顔面矯正にかかる期間

顎顔面矯正にかかる期間は、だいたい、

 

1〜2年程度

 

です。永久歯が生え揃う前までに終了すれば、ほとんど後戻りもしません

 

装置をつける時間は1日12時間以上です。家にいる時や寝ている時だけつけていればいいので、学校に行くときは外してかまいません

 

通う頻度は月に1回。毎週のように通わなくていいので思ったよりも楽ですよ。

 

6. 歯並びが悪いままだと起こる悪影響!

【歯並びが悪いままだと起こる悪影響】

  • ・悪い歯並びに沿ってあご(骨格)が成長してしまう
  • ・口呼吸が治らない

 


「乳歯の段階で歯並びが悪くても、あごが成長すれば歯並びも自然によくなるのでは?」と考える方も多いのですが、それは大きな間違いです。

 

乳歯の歯並びが悪いままだと、その歯並びに沿ってあごが成長してしまうからです。つまり、口元が出っ張ったりあごがしゃくれたり…。

 

それに加えて重要なのが、口呼吸が治らないことです。口呼吸をしていると以下のようなリスクがあります。

 

  • ・空気中のホコリや花粉、ウイルスが口から入る
  • ・酸素が脳に行き届きにくくなる
  • ・いびきや睡眠時無呼吸症候群になりやすくなる
  • ・アレルギーを起こしやすい
  • ・扁桃腺が腫れやすい

 

口呼吸のままだと外からのホコリや花粉、ウイルスなどをダイレクトに体内に取り込んでしまいます。これは、ハウスダストや花粉アレルギーなどを引き起こす一因です。

 

しかし、鼻呼吸は鼻毛や鼻水などの粘膜がフィルターの役割をして、ホコリ・花粉・ウイルスをシャットアウトしてくれます。

 

また、鼻呼吸は脳に酸素を送りますが、口呼吸は酸素を肺に送るので脳に行く酸素量が少なくなります。

 

これにより、集中力が散漫になって落ち着きがなくなったり、いつもぼーっとしているようになったりするのです。

 

顎顔面矯正であごを広げると鼻腔(鼻の中の空気の通り道)が広がるため、鼻で呼吸しやすくなります。

 

7. まとめ

顎顔面矯正をすると、あごの成長を利用して歯並びや咬み合わせを矯正できるので、大人になってからのワイヤー矯正などを長期間しなくて済みます。

 

ワイヤー矯正と違って痛くなく、治療費も永久歯治療の半額以下に抑えられるので、歯並びの悪いお子さんは小学校低学年までに顎顔面矯正をするのが断然おすすめです!

 

北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。

 

◆この記事のまとめ
1. 顎顔面矯正はあごと歯の咬み合わせを矯正する子どものための治療
2. 顎顔面矯正には主に急速拡大装置を使う
3. 鼻呼吸になるのでアレルギー体質などを改善できる
4. 鼻呼吸になると脳に酸素が行きやすくなり、落ち着きのなさなども改善できる
5. 治療費用相場は20〜50万円程度
6. 1日12時間以上装着で、期間は1〜2年。月1回の通院