こんにちは北戸田coco歯科です!
お子さんの歯がギザギザしているのを見て、「これって大丈夫なの?」と心配になっていませんか?
特に前歯の先端に見られるギザギザは、「切縁結節(せつえんけっせつ)」と呼ばれるもので、決して珍しいことではありません。
本記事では、子供の歯に見られるギザギザの正体である切縁結節について、原因や治療の必要性について解説します。
切縁結節だけでなく、他の歯の形態異常についても触れていますので、子供の歯の形態が気になる保護者の方は必見です。
◽️子供の歯がギザギザしてる!これって異常?

切縁結節とは、前歯の先端にできる小さな丸い突起のことです。ギザギザと並んでいるかのように見えることもあります。
これは、歯が作られる過程で一時的にできるもので、特に異常というわけではありません。
歯は、何層にも重なって作られていきます。切縁結節は、その層が重なる際にできる小さな隆起が表面に現れたものと考えられています。
乳歯の場合は、生えてきた時から見られることが多いですが、永久歯の場合は、生え始めの頃に目立つことが多いです。
そして、食事や歯磨きによって自然にすり減って目立たなくなっていきます。
◽️ギザギザが残っている場合は治療が必要?

乳歯の段階では、歯の先端のギザギザが目立つことがあります。
成長とともに自然にすり減り、周囲の歯と馴染んでいつの間にか気にならなくなることがほとんどです。そのため、特に治療の必要はありません。
しかし、永久歯に生え変わった後もギザギザが大きく残っている場合には、注意が必要です。
特に、ギザギザが唇に触れて傷つけてしまう場合や、お子様自身がその見た目を気にしている場合は治療を検討しても良いでしょう。
治療法としては、ギザギザしている部分を滑らかにする研磨や、歯科用プラスチックであるコンポジットレジンで形を整える方法があります。
これらの治療は比較的簡単で、お子様の負担も少ないため、安心して受けることができます。
◽️ギザギザ以外の子供の歯の形態について

歯の形は個性であり、必ずしも治療が必要なわけではありません。しかし、中には発音や噛み合わせに影響を与える可能性のあるものも存在します。
ここでは、ギザギザ(切縁結節)以外に、お子さんの歯に見られる形態について紹介します。
◼️問題のない歯の形態
まず、特に問題がないとされる歯の形態について見ていきましょう。
・矮小歯(わいしょうし)
矮小歯とは、通常よりも小さい歯のことで、特に、上の前歯(中切歯や側切歯)によく見られます。
矮小歯は、その小ささから「可愛らしい」と感じる方もいるかもしれません。見た目に特徴がありますが、機能的に問題がない場合は特に治療の必要はありません。
・円錐歯(えんすいし)
円錐歯とは円錐のような形をした歯のことで、犬歯によく見られます。
シャープな印象を与えるかもしれませんが、こちらも機能的に問題がなければ経過観察で大丈夫です。
これらの歯は、見た目が気になるという理由で治療を希望される場合もありますが、基本的には、お子さんの成長を見守りながら定期的な歯科検診で経過観察していくことが大切です。
◼️治療が必要な歯の形態
次に、治療が必要となる可能性のある歯の形態について見ていきましょう。
・癒合歯(ゆごうし)

引用:Upstate Pediatric Dentistry
これは、本来別々に生えるべき歯が、何らかの原因でくっついてしまっている状態です。乳歯によく見られます。
癒合歯があると、永久歯の歯並びに影響が出たり、むし歯のリスクが高まったりする可能性があります。
癒合歯は、むし歯予防が重要です。フッ素塗布やシーラント処置を行い、歯質の強化と細菌の侵入を防ぐことで、むし歯のリスクを軽減します。
・先天性欠如歯(せんていせいけつじょし)
先天性欠如歯とは、生まれつき歯が足りない状態です。
永久歯によく見られます。先天性欠如歯があると噛み合わせが悪くなったり、見た目が気になったりすることがあります。
治療法としては、矯正治療で歯並びを整えたり、永久歯の場合はブリッジやインプラントで歯を補ったりするのが一般的です。
・エナメル質形成不全(エナメルしつけいせいふぜん)

エナメル質形成不全とは、歯の表面を覆うエナメル質の形成が不完全な状態です。
エナメル質は、歯を保護する役割を果たしているため、エナメル質形成不全があると、むし歯になりやすかったり、歯がしみやすかったりします。
治療法は、フッ素塗布やシーラントで歯を強化したり、コンポジットレジン修復やクラウンで歯を保護したりすることがあります。
・象牙質形成不全(ぞうげしつけいせいふぜん)
象牙質形成不全とは、エナメル質の内側にある象牙質の形成が不完全な状態です。
象牙質は、歯の大部分を占めており、エナメル質を支える役割を果たしています。象牙質形成不全があると歯が弱くなり、欠けやすかったり変色したりすることも。
治療法としては、クラウンで歯全体を保護することがあります。
・過剰歯(かじょうし)
過剰歯とは、本来あるべき歯よりも余分な歯が生えてくる状態です。乳歯にも永久歯にも見られることがあり、特に上の前歯や奥歯の周辺に発生することが多いです。
過剰歯の原因は、はっきりとは解明されていませんが、遺伝的な要因や歯の成長過程における異常などが考えられています。
過剰歯には様々な形や大きさがあり、中には通常の歯とほとんど変わらないものもあります。
過剰歯があると永久歯の生えてくる道を塞いでしまったり、歯ぐきや周囲の組織を圧迫して痛みが生じたりすることも。
過剰歯の治療法は、抜歯が一般的です。位置や状態によっては他の歯に影響を与えない場合は、経過観察になることもあります。
◽️歯の形態異常の原因と予防法

子供の歯の形態異常の原因は、完全に解明されているわけではありません。
しかし、歯の数や形、大きさなど、歯の形態に関する情報は遺伝子によって受け継がれます。
そのため、両親や祖父母に歯の形態異常が見られる場合、子供にも現れる可能性が高いです。
また、妊娠中の母親の健康状態も歯の形成に影響を与える可能性があります。
たとえば、妊娠中に風疹などの感染症にかかったり、栄養が不足したりすると、お子さんの歯にエナメル質形成不全などの異常が現れることがあります。
また、歯に直接的な力が加わったり、有害な化学物質にさらされたりすることも歯の形態異常の原因となります。
歯の形態異常を完全に防ぐことは難しいかもしれません。
しかし、妊娠中に適切な栄養を摂取することや、小さなお子さんが転倒しにくい安全な環境を整えることで、リスクを減らすことは可能です。
また、お子さんの歯が生え始めたら、定期的に歯科検診を受けるようにしましょう。早期発見と早期対応が将来のお子さんの歯の健康を守る上で重要になります。
◽️まとめ
切縁結節は、歯が作られる過程でできるもので、生えたての永久歯によく見られます。歯の成長過程において自然な現象であり、決して異常ではありません。
通常、切縁結節は成長とともに自然に摩耗し、目立たなくなります。そのため、基本的に治療の必要はありません。
しかし、その形状や大きさによっては、噛み合わせに影響を与えたり、見た目が気になる方もいるでしょう。
もし、お子様の歯のギザギザが気になったり、歯の形態について気になることがあれば、気軽に歯科医師へ相談することをおすすめします。
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