「子供の歯並び、将来のためにも矯正してあげたいけど、費用が気になる…」「治療期間や費用はどれくらいかかるの?」「費用を抑える方法はあるの?」
子供の歯並びは、将来の健康と笑顔に大きく影響します。
しかし、歯科矯正は高額な治療費がかかるため、費用面が気になる方も多いのではないでしょうか?
本記事では、子供の歯科矯正費用について、治療法別の費用相場、費用を抑える方法を解説します。
子供の歯科矯正にかかる費用は?
お子さまの歯並びが気になり始めたら、歯科矯正を考える保護者も多いのではないでしょうか。しかし、気になるのはやはり費用ですよね。
歯科矯正にかかる費用は、歯並びの状態、治療期間、使用する装置によって変動しますが、平均的な相場は50万~100万円程度です。
これはあくまでも目安であり、実際の費用は歯科医院での診察やカウンセリングを通して確認する必要があります。
ここでは、代表的な矯正方法とその特徴、費用相場についてご紹介します。
◼️ワイヤー矯正:50万~80万円
歯の表面にブラケットと呼ばれる小さな装置を付け、そこにワイヤーを通して歯を動かしていく、最も一般的な矯正方法です。
重度の歯並びの不正にも対応できる高い矯正力を持っています。
歯列全体を効率的に動かすことが可能ですが、装置が目立ちやすく、痛みや違和感、口内炎などが起こる可能性も。
また、食事や歯磨きがしづらくなるため丁寧なケアが必要です。
◼️マウスピース矯正:70万~120万円
透明なマウスピースを装着することで、少しずつ歯を動かしていく方法です。透明で目立ちにくいため、見た目を気にせず矯正できるのがメリット。
取り外し可能なので食事や歯磨き、特別なイベントの時などは外すことができ、ワイヤー矯正に比べて痛みや違和感が少ない傾向にあります。
軽度から中等度の歯並びの乱れに適しており、歯を大きく動かすような重度の症例には不向きな場合もあります。
1日20時間以上の装着が必要で、装着時間を守らないと効果が得られない点やマウスピースの紛失や破損のリスクにも注意が必要です。
◼️拡大床:10万~30万円
上顎または下顎の歯列弓を広げるための、取り外し式の装置です。主に顎の成長を促進し、永久歯が生えるスペースを確保するために使用されます。
顎の成長を促すことで歯を抜かずに矯正できる可能性があります。また、比較的安価で始められるのも魅力です。取り外し可能なので、清掃や食事もいつもどおり行えます。
しかし、1日10時間以上の装着時間が必要で、装置による発音への影響や、慣れるまで違和感を感じることも。
また、顎の成長が終了している場合は効果が期待できない点に注意が必要です。
子供の歯科矯正は第1期と第2期にわけられる
いつから矯正治療を始めればいいのか悩んでいる方もいるでしょう。小児矯正は顎の成長に合わせて、第1期治療と第2期治療の二段階に分けて行うのが一般的です。
◼️第1期治療(混合歯列期)
第1期治療は、乳歯と永久歯が混ざっている混合歯列期(6~12歳頃)に行います。
この時期は顎の骨がまだ成長過程にあるため、顎の骨格を整え、永久歯が正しく生えるためのスペースを確保することを目的としています。
拡大床や床矯正装置、ヘッドギアなどを使用することで顎の成長をコントロールして将来的な歯並びの乱れを予防します。
また、将来矯正治療が必要なったとしても、抜歯が必要な大掛かりな矯正治療を回避できる可能性が高まります。
◼️第2期治療(永久歯列期)
第2期治療は、永久歯が生え揃った永久歯列期(12歳頃~)に行います。
第1期治療で作った土台の上にワイヤー矯正やマウスピース矯正、裏側矯正などを用いて歯並びを細かく調整し、理想的な歯並びを目指します。
永久歯の歯並びを調整することで噛み合わせを改善し、虫歯や歯周病の予防につなげていくことが可能です。
子供の歯科矯正は早く始めた方が費用がかからないことも
子供の顎の骨がまだ柔らかく、成長過程にある時期に矯正治療を行うことで、以下のメリットが期待できます。
- 抜歯の可能性を減らせる
- 治療期間の短縮で費用を抑えられる
- 将来的な大掛かりな矯正を回避できる可能性もある
大人の矯正治療では、歯を動かすスペースを作るために、健康な歯を抜歯しなければならないケースがあります。
しかし、早期治療では、顎の成長を利用してスペースを確保できるため、抜歯を回避できる可能性が高まります。
顎の成長を利用することで歯の移動がスムーズになり、治療期間が短縮されることがあるのです。結果として、全体的な矯正費用を抑えられる可能性も出てきます。
ただし、早期治療だからといって必ずしも費用が安くなるとは限らないため、注意が必要です。費用面は歯科医師としっかり相談しましょう。
子供の歯科矯正の費用を抑える方法
高額になりがちな歯科矯正費用ですが、実は賢く費用を抑える方法があります。
◼️早めに矯正治療を開始する
顎の骨が成長するタイミングで治療を始めることで、多くの場合、治療期間を短縮できます。
治療期間が短くなれば、通院回数も減り、結果的に費用を抑えられる可能性も。
ただし、矯正治療を始める適切な時期は、お子さんによって異なります。歯や顎の発育状況には個人差があるため、一概に「何歳までに始めなければならない」という決まりはありません。
◼️部分矯正を行う
前歯など、特定の部分の歯並びだけが気になる場合は、部分矯正を検討してみましょう。
全体矯正に比べて費用を抑えられるだけでなく、治療期間も短くて済む場合が多いです。ただし、部分矯正で対応できる症例は限られています。
◼️保険適用で費用負担を軽減する
一部の症例では、健康保険が適用される場合があります。
代表的な例としては、「顎変形症」など、顎の骨格に問題があり、外科手術を併用する必要がある場合です。保険適用となるかどうかは、歯科医師の診断が必要です。
◼️医療費控除で税金還付を受ける
歯科矯正治療は医療費控除の対象となるため、確定申告を行うことで一定額の税金が還付されます。
申請には矯正治療にかかった費用はもちろん、通院のための交通費も含まれる場合があるので、領収書は必ず保管しておきましょう。
ちなみに、医療費控除の対象となるのは、基本的には「噛み合わせの改善が必要だと診断された場合」です。美容目的の矯正治療は対象外になるので注意が必要です。
◼️複数の歯科医院をを比較検討する
矯正治療を提供している歯科医院では、無料相談を実施しています。
複数のクリニックで相談を受けることで、治療方針や費用を比較検討し、納得のいく選択ができます。
◼️デンタルローンで月々の負担を軽減する
高額な矯正費用を一度に支払うのが難しい場合は、デンタルローンを利用する方法もあります。
月々の支払額を抑えることができるため、家計への負担を軽減できます。ただし、金利や手数料などがかかる場合があるので、事前にしっかりと確認しましょう。
◽️まとめ
子供の歯科矯正の平均的な費用相場は50万円~100万円程度となりますが、ワイヤー矯正、マウスピース矯正、拡大床など、使用する装置やお子さまの歯並びの状態によって費用は大きく異なります。
また、治療には費用だけでなく、時間もかかり、お子さまの協力も不可欠です。費用を抑える方法もさまざまありますので、諦めずにお子さまに合った治療法を見つけていきましょう。
まずは、お気軽に歯科医院へ相談してみてください。
こちらの記事もおすすめ:子供の噛み合わせが深いとどうなるの?予防と治療法