北戸田coco歯科です!
「うちの子、最近口が臭う気がする」しっかり歯磨きをしているのに、チーズのような臭いや魚を食べた後のような生臭さが取れないと心配になりますよね。
しかし、口臭は思春期前の子供にも起こることがあり、決して珍しいことではありません。
そこで本記事では、子供の口臭の原因や治療方法などについて紹介します。解決方法がきっと見つかりますので、ぜひ参考にしてください。
◽️子供の口が臭い原因は?
子供の口臭の原因について解説していきます。口腔ケアや生活習慣の見直しによって改善できるケースが多いので、正しい知識を身につけていきましょう。
◾️生理的な口臭
朝起きたときやお腹がすいたときに独特な臭いがすることがありますが、それは生理的な口臭です。
生理的な口臭は、特に病気や異常がない状態で一時的に発生する口臭を指します。朝食や水分補給、口をゆすぐなどの簡単な対策で改善することがほとんどです。
◾️食べ物による口臭
ニンニクやニラなどの臭いが強い食べ物は、消化する過程で臭いのもととなる成分が血液中に移ります。
この成分が血液を通して肺に運ばれ、息として排出されるため口臭が発生するのです。子供が好きな甘いものやスナックも口臭の原因になることがあります。
◾️虫歯や歯肉炎
子供の虫歯や歯肉炎は、口臭の原因となることがあります。
虫歯や歯肉炎があると、歯の隙間や歯周ポケットに食べかすが溜まりやすくなり、その食べかすが細菌のエサとなってしまいます。
こうして増殖した細菌が口臭の原因となるガスを発生させるため、強い臭いを放つようになります。
◾️舌の汚れ
舌の上の白い苔状のものを「舌苔(ぜったい)」といいます。
舌苔は、食べかすや口腔内の細菌が溜まりやすく、口臭の原因の約6割を占めるとも言われています。口臭予防に舌のケアも欠かせません。
◾️便秘や消化不良
便秘や消化不良なども口臭の原因になります。
便秘が続くと口臭が便臭に似たものになることがあります。苦い臭いを感じることがある場合は、消化不良を起こしているかもしれません。
また、すっぱい臭いがする場合は胃酸が逆流している可能性があります。これらの症状がある場合、口臭対策だけでなくお腹の状態にも気を配ってみましょう。
◾️鼻やのどの病気
ひどい鼻炎や扁桃炎などの鼻やのどの病気があると、鼻呼吸が難しくなり無意識に口呼吸することが増えてしまいますが、これも口臭の原因になります。
口呼吸している時の口腔内は乾燥によって唾液の分泌が減少し、細菌が繁殖しやすい状態になっているので、口臭が発生しやすくなります。
◾️全身疾患によるもの
全身疾患によって口臭が起こることがあり、疾患によっても口臭の匂いが変わることがわかっています。
咽頭、気管支、肺のカンジタ感染:甘いにおい
糖尿病:アセトン臭
肝硬変、肝臓癌:アンモニア臭
トリメチルアミン尿症:魚臭
参考:日本臨床歯周病学会
◽️子供の口の臭いは放置しても大丈夫?
子供の口臭を放置することはおすすめできません。
口臭は口腔内や全身の健康状態を映し出す鏡のようなもの。放置すると、将来的に以下のような問題が起きる可能性があります。
◾️虫歯・歯周病の悪化
口臭の原因の一つが虫歯や歯周病です。放置すると、歯を失ったり、全身の健康にも影響する可能性があります。
◾️口の中の細菌が全身へ
口の中のバイ菌が血液に乗って全身に広がり、心臓病や肺炎などの病気を引き起こすこともあります。
◾️人間関係の悪化
口臭が原因でからかわれたり、仲間はずれにされたりすると、学校生活が楽しくなくなってしまうことも。
◾️顔つきの変化
口臭が気になり口呼吸が習慣化すると、あごの発達が妨げられたり、顔が長くなることもあります。
◾️自分に自信が持てなくなる
周りの目が気になって、消極的になったり、自分に自信が持てなくなってしまうこともあります。
◾️集中力の低下
口臭が気になって集中力が低下し、勉強やスポーツに悪影響が出ることも少なくありません。
◽️子供の口が臭う場合の治療法
口臭の原因に病気が関与している場合は、適切な医療機関で治療を受ける必要があります。考えられる原因をもとに受診する科を選びましょう。
◾️鼻やのどの病気が原因の場合は耳鼻科へ
鼻が詰まって鼻呼吸ができずに口呼吸になっている場合や、のどに膿や粘液がたまる場合、口臭が発生しやすくなります。こうしたケースでは、まず耳鼻科で鼻やのどの治療を受けましょう。
◾️虫歯や歯肉炎が原因の場合は歯科医院へ
虫歯や歯肉炎が原因の口臭は、歯科での治療が必要です。
歯科医院では、虫歯治療や予防、クリーニングなどが行われ、口腔内を清潔な状態に戻せます。
また、歯磨きや仕上げ磨きのアドバイスも受けられるので、積極的に受診しましょう。
虫歯や歯肉炎は、放っておくと悪化して口臭だけでなく、痛みや歯を失うことにもつながることがあります。
気になる口臭がある場合は、早めに歯科医院を受診しましょう。
◾️原因がわからない場合はまず歯科医院へ
どの科に受診すればよいかわからない場合は、まず歯科医院へ行きましょう。
口臭の原因が虫歯や歯周病にあるのか、ほかの原因があるのかを確認してもらい、治療法などについて相談できます。
◽️子供の口が臭うと感じた時の改善方法
子供の口臭が気になるときは、以下の方法を試してみましょう。
◾️丁寧に仕上げ磨きをする
小学校低学年までは、保護者の方が仕上げ磨きをしてあげましょう。
年齢に合った歯ブラシ、デンタルフロス、フッ素配合歯磨き粉を使用することをおすすめします。
特に磨き残しやすい歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目、噛む面の溝を丁寧に磨きます。
お子さんが好きなキャラクターの歯ブラシを使うなど、子供が楽しく歯磨きを続けられる工夫をしてあげると良いでしょう。
◾️呼吸を改善する
口呼吸が習慣化している場合は、鼻呼吸を促すように意識させましょう。
鼻詰まりがある場合は、耳鼻科で診察を受けて、アレルギーや風邪などの原因を調べてもらう必要があるかもしれません。
◾️規則正しい生活習慣を心がける
よく噛んで食べることで唾液の分泌が促進され、口臭予防につながります。好き嫌いせずに野菜、果物、タンパク質、炭水化物をバランスよく摂取することも良いですね。
また、成長ホルモンの分泌を促し、免疫力を高めるためにも十分な睡眠をとるように心がけましょう。
◾️こまめに水分補給する
こまめな水分補給は、口の中の乾燥を防ぎ、口臭予防につながります。
子供は遊びに夢中になると、長時間水分を取らないまま過ごしがちです。喉が渇く前に水やお茶で水分補給するように促してあげましょう。
◽️場合によっては矯正治療も検討
歯並びが悪いと、歯磨きがしづらく汚れが溜まりやすい状態に。その結果、口臭の原因となる食べかすや細菌が繁殖しやすくなってしまいます。
矯正治療で歯並びが整うと、口臭予防だけでなく、他にも以下のようなメリットがあります。
- 正しい噛み合わせになることで、消化を助け、胃腸への負担を軽減できる
- 滑舌が良くなり、発音が明瞭になる
- 顔全体のバランスが整う
「矯正治療は高い…」と心配される方もいるかもしれません。しかし、歯並びが整うことで得られるメリットは、費用以上の価値があると言えるでしょう。
特に、成長過程にある子供の場合は、比較的安価で始められます。早期に治療を開始することで、より効果的な改善も期待できます。
◽️まとめ
子供の口臭は、生理的なものから病気のサインまで様々な原因が考えられます。
放置せず、まずは歯磨きや食生活の見直し、規則正しい生活など、できることからはじめてみましょう。それでも改善しない場合は、放置せずに早めに歯科医師に相談してください。
こちらの記事もおすすめ:【子供のいびき】いびきをかくと歯並びに影響する?