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【子供のいびき】いびきをかくと歯並びに影響する?

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こんにちは北戸田coco歯科です!

「うちの子、最近いびきをかくようになったけど、大丈夫かな?」

「口呼吸の癖があるけど、歯並びに影響するって本当?」

このような悩みをお持ちの親御さんは多いのではないでしょうか?

子供がいびきをかくことは珍しくありませんが、頻繁にいびきをかいたり、大きないびきをかいたりする場合は注意が必要です。

いびきは、睡眠時の呼吸が妨げられているサインで、原因の一つに「口呼吸」が挙げられます。実は、子供のいびきや口呼吸は、歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。

本記事では、子供のいびきと歯並びへの影響、子供が口呼吸をしていると起こる悪影響について解説します。

◽️子供がいびきをかく原因


いびきは、空気の通り道である気道が狭くなることで発生しやすくなります。子供がいびきをかく主な原因は、以下の通りです。

◼️口呼吸


口呼吸をすると舌の位置が下がり、気道が狭くなります。

鼻炎やアレルギー性鼻炎で鼻づまりがある場合や、無意識のうちに口を開けている癖があると口呼吸になりがちです。

口呼吸はいびきの原因だけでなく、歯並びの乱れを引き起こすこともあります。

◼️肥満


肥満により首周りの脂肪がつくと気道を圧迫し、いびきの原因となります。また、肥満は睡眠時無呼吸症候群のリスクも高めるため注意が必要です。

◼️アデノイド肥大


アデノイドは鼻の奥にあるリンパ組織で、ウイルスや細菌から体を守る役割を担っています。

しかし、何らかの原因でアデノイドが肥大すると、鼻の通り道が狭くなり、いびきの原因となります。

アデノイド肥大は3歳から大きくなり始め、6歳頃にピークを迎えることが多いです。

自然に小さくなるため経過観察が一般的ですが、合併症を引き起こしている場合は切除手術を行うことがあります。

◼️アレルギー性鼻炎


アレルギー性鼻炎は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによって鼻の粘膜が炎症を起こし、鼻づまりや鼻水を引き起こす病気です。

鼻が詰まることで口呼吸になり、いびきの原因となります。

◽️子供のいびきで起こる悪影響

子供のいびきは、以下のようにさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。

◼️集中力の低下


いびきによって睡眠が浅くなると十分な休息が取れなくなり、日中の眠気や集中力の低下を引き起こすことがあります。

授業中や遊びの際に集中できなくなれば、学力の低下や友人関係にも支障が出てしまうことも。

さらに睡眠不足が長期化すると成長ホルモンの分泌が阻害され、免疫力が低下して病気にかかりやすくなったり、身体的な成長にまで影響する恐れがあります。

◼️イライラ感


いびきによって睡眠不足が引き起こされると、イライラ感や感情のコントロールが難しくなり、情緒が不安定になりがちです。

ストレスホルモンの分泌が高まると、イライラ感がさらに増幅されてしまう悪循環に陥る恐れがあります。

こうした状態が長引けば、子供の心身の発達にも支障をきたし、家庭内のトラブルや友人関係の悪化を招いてしまう可能性があります。

◼️睡眠の質の低下


いびきは、睡眠を浅くし、深い睡眠であるノンレム睡眠を妨げます。

ノンレム睡眠は脳や身体の休息、成長ホルモンの分泌など、さまざまな役割があります。

深い睡眠が妨げられると疲れが取れにくく、日中の集中力や学習意欲の低下を招いてしまうのです。

◼️成長ホルモンの分泌不足


成長ホルモンは睡眠中に分泌される、子供の成長に欠かせないホルモンです。

いびきによって睡眠が浅くなると成長ホルモンの分泌が不足し、身長や体の発育に影響が出る可能性があります。

◼️睡眠時無呼吸症候群


いびきがひどい場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。

これは、睡眠中に呼吸が止まる病気です。大人の場合は完全に呼吸が止まってしまうことがありますが、子供の場合は低呼吸状態になることが多いです。


◽️子供のいびきの治療方法


基本的にいびきの治療として最初に提案されるのは、専用のマウスピースを装着して寝る方法です。

スリープスプリントと呼ばれるマウスピースを作成し、それを装着することで気道を確保し、いびきを改善する効果があります。

アデノイド肥大で睡眠時無呼吸症候群を引き起こしている場合は、3~6歳ごろに手術を行うことがあります。

一方、アレルギー性鼻炎がいびきの原因となっている場合は、抗ヒスタミン薬などの投薬治療が行われます。重症のいびきでは鼻にマスクを装着して空気を送り込む「CPAP」を行うことも。

子供のいびきは、成長に影響を与える可能性があります。たかが、いびきと軽く考えずに、早めに耳鼻咽喉科に受診することをおすすめします。

◽️子供のいびきと歯並びの関係


いびきをかく子供は、口呼吸になりやすい傾向があります。

本来、口を閉じる筋肉と開く筋肉はバランスを取り合っていますが、口呼吸が習慣化すると舌の位置が下がり、上あごの発達が阻害され、お口周りの筋肉が緩んでしまうのです。

それにより、歯やあごに余計な力が加わり、受け口や出っ歯などの歯並びの乱れを引き起こす恐れがあります。

また、口呼吸はあごの骨の成長を妨げてしまうので、顎関節症や顔の歪みを引き起こす原因にもなりかねません。

子供のいびきは歯並びやあごの成長、全身の健康にも関わる問題です。気になる症状があれば、早めに耳鼻咽喉科医や歯科医師に相談し、診断と治療を受けましょう。

◽️子供が口呼吸をしていると起こる悪影響


子供の口呼吸は、いびきの原因となるだけでなく、成長期の子供のお口や全身の健康に以下のような悪影響を及ぼす可能性があります。

◼️歯並び・噛み合わせの悪化


本来、舌は上あごにぴったりとついているべきですが、口呼吸によって舌の位置が下がると、歯やあごの骨に適切な圧力がかからず、成長が妨げられます。

その結果、出っ歯や受け口、前歯が噛み合わない開咬などの歯並びの乱れが起こりやすくなります。

噛み合わせが悪くなると、顎関節に負担がかかり、顎関節症を引き起こすリスクも高まります。顎関節症とは、口を開閉する際のあごの痛みや音が鳴るなどの症状のことです。

重症化すると日常生活に支障をきたすこともあります。

また、噛み合わせが悪いと食べ物をうまく噛み砕くことができず、消化不良や胃腸への負担増加につながる可能性もあります。

◼️虫歯・歯肉炎のリスクが高まる


口呼吸はお口の中を乾燥し、唾液の分泌を減少させるため、虫歯や歯周病のリスクを高めてしまう可能性があります。

唾液には口の中の細菌を洗い流し、歯の表面のエナメル質を保護する働きがありますが、口呼吸によって唾液が減るとこれらの機能が低下し、口腔内の環境が悪化してしまうのです。


◼️顔つきの変化


口呼吸を続けていると、お口周りの筋肉がうまく使われず、口角が下がり、頬がたるむなど、顔の下半分が間延びしたような印象を与えることがあります。

また、口呼吸によって舌の位置が低くなることで、上あごの成長が妨げられ、歯並びだけでなく、顔の幅が狭くなる、鼻が低くなるなど、顔の骨格にも影響が出ることも。

特に成長期の子供は、これらの影響が顕著に現れることも多いです。

◼️免疫力の低下


通常、鼻呼吸は鼻毛や粘膜が空気中のホコリやウイルス、細菌をキャッチし、体内への侵入を防いでいます。

しかし、口呼吸ではこれらのフィルター機能がせず、有害物質が直接体内に侵入してしまう結果に。

その結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、アレルギーの症状が悪化したりすることがあります。

◽️まとめ


子供のいびきや口呼吸は、歯並びや顎関節、顔の成長、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

特に、口呼吸は歯並びの乱れや噛み合わせの悪化を引き起こしやすく、放置すると将来的にさまざまな問題が起こるリスクが高まります。

日頃から鼻呼吸を意識したり、口呼吸の原因となる疾患を治療したりすることで、口呼吸を改善することが大切です。

「子供のいびきが気になる」「口呼吸になっているけど大丈夫かな?」といった不安や症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科や歯科医院を受診し、適切な治療を受けましょう。

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