こんにちは。北戸田coco歯科です。
「子どもの歯並びを矯正したいけれど、今はお金がない!」
と悩む親御さんも多いのではないでしょうか。
保険がきかない矯正治療は全額負担ですが、子どもの歯は成長するのでタイミングを逃すのも嫌ですね。
日本にはいろいろな手厚い医療制度があり、それらを使えば子どもの矯正費用の支払いの負担を楽にすることができる場合があります。知らないで損をしている方も多いので、もっと多くの方に知ってほしいです。
ここでは、子どもの矯正治療の支払いを楽にするおすすめの方法を、北戸田coco歯科の小児歯科担当医、田口世理奈医師が詳しく説明します。
- 【経歴】
- ・日本大学歯学部 卒業
- ・日本大学歯学部歯学研究科歯学専攻修了 博士号取得
少しでも支払いの負担を軽くして、今しかできない子どもの歯並び矯正をしてあげましょう。
1. 子どもの歯列矯正の支払いを楽にできる方法
子どもの矯正で支払いを楽にできるのは、次の4つの方法です。
- 1. 医療費控除制度を利用する
- 2. 分割払いを利用する
- 3. トータルフィーシステムを利用する
- 4. 永久歯の矯正費用から差し引く
医療制度はなんとなく難しそうで…というお母さんやお父さんもいるかもしれませんね。
一つずつ、分かりやすく説明していきますね。
1-1. 方法①医療費控除を利用する
医療費控除とは、1年間で支払った医療費の合計が10万円以上または所得の一定金額以上だった場合に、所得税が安くなるという制度です。
1年間の所得が200万円以上の場合 → 10万円
1年間の所得が200万円未満の場合 → 所得の5%
歯列矯正は10万円以上かかることがほとんどなので、医療費控除を利用することができます。
■医療費控除を利用するときの方法
医療費控除は確定申告で申請します。申請は、医療費がかかった翌年の2〜3月の確定申告です。確定申告は給与をもらっているサラリーマンでも行うことができます。
生計を共にする家族みんなの合計分を請求できますよ。
例)家族皆でかかった1年間の医療費は、以下のように合計45万円。1年間の総所得金額は600万円だったとします。すると、
子どもの歯列矯正 :30万円
母親の通院費 :10万円
父親が整形外科に通ったときの治療費:5万円
合計 :45万円
翌年度の住民税の減税額 :35,000円
上記の例では、翌年の住民税は35000円も減税してもらえるのです。これはちょっと嬉しいですね。
計算方法などを詳しく知りたい方は、国税庁のホームページを見てみてくださいね。
※医療費控除は、美容や審美目的の治療には使えないのでご注意ください。
1-2. 方法②分割払いを利用する
矯正治療の費用相場は約30万円〜と高額ですが、分割払いにすれば月々のお支払額が1万円以下〜と楽になります。
歯医者さんでは以下のような様々な分割払いを用意しています。
- 歯医者さん独自の分割払い
- 銀行や信販会社の歯科用ローン
- クレジットカード払い
分割払いはローンによって12回・24回・36回など異なります。各歯医者さんによって取り扱っている方法が異なるので、自分の希望する方法が使えるかどうか事前に聞いてみると良いでしょう。
1-3. 方法③トータルフィーシステムを利用する
トータルフィーシステムとは、パック料金のことです。治療にかかる全費用を最初からパックにしています。
従来では、通院のたびにその都度かかった費用を支払う都度払いが一般的でしたが、現在ではトータルフィーシステムを導入しているところが多くなってきています。
トータルフィーシステムでは、追加治療が必要になっても追加料金が発生しません。通常の都度払いでは、治療が長引くと追加費用が心配ですが、トータルフィーシステムならそんな心配はいりません。もちろん、トータルフィーシステムを分割払いすることも可能です。
子どもの矯正が最終的にいくらかかるか不安という方は、トータルフィーシステムを取り入れている歯医者さんを探してみるのもおすすめです。
ただし、治療後の保定期間の通院は含まれていないこともあるので、事前に内容をよく確認しておきましょう。
【保定期間とは】
矯正治療の後に歯を固定する期間のこと。矯正治療と同じくらいの期間がかかり、期間中は簡易的な装置をつけます。
再治療など大きな変更があった場合や、当日キャンセルした場合は、別途の追加費用やキャンセル料が発生することがあるのでご注意くださいね。
1-4. 方法④永久歯の矯正費用から差し引ける可能性も
子どもの矯正治療には乳歯が残っている状態で行う「第一期治療」と、永久歯が生え揃った後の「第二期治療」があります。
第一期治療は、永久歯が正常な位置に生えてくるための乳歯の矯正治療。第二期治療は、それでも永久歯が正常な位置に生えてこなかった場合の矯正治療です。詳しくは「2-1. 第一期治療と第二期治療の違いとは?」で説明しますね。
状態や歯医者さんにもよりますが、第二期治療が必要になった場合は、第一期治療分の費用を差し引ける場合があります。第二期治療を受ける時に確認しておくのがおすすめですよ。
2. 治療費を安くするにはどの時期で子どもの歯列矯正を行うべき?
子どもの歯は乳歯から永久歯に生え変わるので、どのタイミングで矯正すれば費用が少なくて済むのか知りたいですよね。
結論から言うと、第一期治療で行ったほうが治療費は安くなります。成長を利用した矯正をするため、ワイヤー矯正のような大掛かりな装置を使わずに済む事が多いからです。
ただし、矯正を行うのに良いタイミングは症状によって異なります。
「じゃあ、うちの子の場合はどうなの?」と思いますよね。詳しく説明しますね。
2-1. 第一期治療と第二期治療の費用の違い
子どもの矯正は、以下のように第一期治療と第二期治療に分けられます。
年齢 | 費用目安 | 目的 | |
第一期治療 |
8〜10歳頃まで |
20〜40万円 | これから生える永久歯をきれいに並ばせる |
第二期治療 | 11歳〜成人になるまで | 30〜50万円 | すでに並んだ永久歯の歯並びをきれいにする |
詳しく説明しますね。
■第一期治療にかかる費用
第一期治療の費用は歯医者さんによって異なりますが、大体20〜40万円が目安です。その理由は、第一期治療で使う装置はマウスピースや拡大床が中心で、通院の都度の調整費用がそれほどかからないからです。
1回の通院にかかる費用の目安は1000〜3000円程度です(症状や歯医者さんによって異なります)。
第一期治療の目的は、これから生えてくる永久歯をきれいに並ばせるためのものです。主に、あごの成長と歯並びとのバランスなどを調整します。
■第二期治療にかかる費用
永久歯が生え揃う第二期治療の費用は、大体30〜50万円が目安です。その理由は、第二期治療で使う装置はワイヤーを使った装置のがメインで、通院の都度ワイヤーの調整をする必要があるからです。
1回の通院にかかる費用の目安は3000〜5000円程度です(症状や歯医者さんによって異なります)。この他、治療後の保定期間では装置に5000〜10000円ほどかかります。
第二期治療の大人とほぼ同じ治療内容です。骨格がほぼ出来上がっているので、歯が並ぶスペースを確保するために抜歯してブラケット矯正などをします。
治療期間は第一期、第二期どちらも2〜4年程度です。
よろしければこちらも参考にお読みくださいね。
2-2. 矯正が必要な時期には個人差がある
大人になってから歯並びを矯正するとなると抜歯やワイヤー矯正が必要になるので、一般的には成長を利用できる第一期治療の期間に治療したほうがいいといえます。
しかし、お口の中の状態によっては、第二期治療から矯正を始めたほうがいい場合もあります。それは、第一期であごの成長や咬み合わせが順調な場合です。あごの成長や咬み合わせが順調な場合は様子を見て(経過観察)、必要なら永久歯が生え揃ってからバランスを調整します。
矯正のタイミングは、検査などをしてはじめて分かります。自己判断は難しいので、必ずカウンセリングを受けましょう。
また、費用面で迷っているうちに、矯正に良いタイミングを逃してしまうこともあります。使う矯正装置によっても費用が多少違い、矯正装置を選べる可能性もありますので、ぜひ一度ご相談くださいね。
3. まとめ
子どもの矯正の費用は、保険がきかないため高額になりがちです。ただでさえ教育費などもかかる時期なので、なかなか歯にまで手が回らないということもあるでしょう。
しかし、歯は体全体の健康を左右するとても重要なもの。歯並びが悪いと集中力がなくなり勉強に支障が出たり、背骨が歪んで姿勢の悪さや病気にも発展したりします。
歯並びは、お子さんの将来がかかっているといっても過言ではありません。お子さんの歯並びが気になるようであれば、できるだけ早くご相談ください。
北戸田coco小児歯科では、子どもの歯の専門家が歯の治療や相談に当たっています。困ったこと・気になることがあったらお気軽にご相談くださいね。
- ◆この記事のまとめ
- 1. 1年間に医療費が10万円以上かかったら医療費控除が使える
- 2. 治療費は分割払いできる
- 3. トータルフィーシステムなら追加料金がかからない
- 4. 永久歯の矯正費用から差し引ける可能性がある
- 5. 子どもの矯正のタイミングには個人差がある