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【子供の歯が小さい】矮小歯について!治療法やホームケアで気をつけること

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お子さんの歯を見て「なんだか、他の歯より小さい気がする」と感じたことはありませんか? もしかしたらその歯は「矮小歯(わいしょうし)」かもしれません。

矮小歯は、見た目だけでなく、歯並びや噛み合わせに影響を与えることがあります。本記事では、矮小歯の原因や治療法、ホームケアのポイントについて解説します。

◽️子供の歯が小さい!?「矮小歯」について


矮小歯とは、大きさが通常の歯よりも小さい歯のことをいいます。

上の前歯に見られることが多く、特に2番目の側切歯(そくせっし)や、上下の親知らずに見られることが特徴です。

また、本来は生えてくる必要のない「過剰歯」も、矮小歯である可能性が高くなります。

矮小歯は大きさだけでなく、形も通常の歯と異なることが多いです。円錐形のものを「円錐歯」、つぼみのような形をしているものを「蕾状(らいじょう)歯」と呼びます。

矮小歯の多くは1〜2本の発症で、左右両方に矮小歯が生えることもあれば、片方だけの場合もあります。



◽️どうして矮小歯が生えるの?


矮小歯ができる原因は、明確にはわかっていませんが主に以下の原因があると考えられます。

①遺伝的な要因


骨格や歯の大きさ、形、数などは遺伝的な要因が深く関係するため、両親に矮小歯があると子供にも受け継がれることがあります。

②栄養不足


ビタミンDは、歯や骨の形成に欠かせない栄養素です。不足すると歯の形態異常のリスクが高まるため、ビタミンD不足が矮小歯ができる原因の一つであると考えられています。

③退化現象


歯の退化により、歯が小さくなったり、なくなったりする現象が見られることがあります。矮小歯も退化が原因という説があります。


◽️矮小歯があるとどんな弊害がある?


矮小歯は病気ではありませんが、通常の歯よりも小さく、形も異なるため様々な影響を与えることがあります。ここでは、矮小歯がもたらす影響について見ていきましょう。

◼️見た目が気になってしまう


矮小歯があると、すきっ歯になりやすくなります。すきっ歯が目立つことで人の視線が気になり、笑顔に自信が持てなくなる恐れも。

また、口元がコンプレックスになってしまうと、学校や遊びの場でも積極的になれず、子供の自己肯定感に影響を与える可能性があります。

◼️歯並びや噛み合わせに影響する


矮小歯は、高さや幅が他の歯よりも小さいため、歯並びや噛み合わせが左右非対称になります。

噛む力に偏りがあると、顎の筋肉のバランスが崩れ、噛み合わせを悪くさせてしまうことがあります。

また、歯と歯の間に隙間ができると、隣の歯が倒れてしまい、歯並びにも影響を与えてしまうので注意が必要です。

◼️むし歯や歯周病のリスクが高まる


歯と歯の間に隙間があると、食べ物のカスなどが挟まりやすくなるため、汚れがつきやすくなり、むし歯や歯周病のリスクが高まります。

加えて、矮小歯は大きさが他の歯に比べて小さく歯の根っこも短いため、通常の歯よりも抜けやすく、寿命も短くなってしまう恐れが。

矮小歯は、見た目だけでなく歯の機能面にも様々な影響を与えることがあります。

子供に矮小歯がある場合は、定期的に歯科検診を受け、状態を確認しながら適切な対策を考えていくことが大切です。

◽️矮小歯の治療法は?


矮小歯の治療法は、症状によって異なります。ここでは、矮小歯の治療方法についてくわしく解説します。

◼️経過観察


見た目や噛み合わせなどに問題がなければ、特に治療する必要はありません。定期的に歯科健診を受けて、経過観察をしましょう。

◼️審美治療


審美治療で歯と歯の間の隙間を埋めることができます。

審美治療には、主に以下のようなものがありますが、お子様の歯に対してこれらの治療を行うことはほとんどありません。

成長してからこのような治療を行うことがあります。

① ダイレクトボンディング


ダイレクトボンディングは、歯の表面に「ハイブリッドセラミック」と呼ばれる白いペースト状の材料を歯に塗り、そこに光を当てて硬化させ、隙間を埋める治療方法です。

前歯の欠けや隙間を補うのに適していて、1日で治療を終えることができます。

② クラウン治療


「かぶせもの」と呼ばれる治療です。クラウンは、セラミックやジルコニア製のものがあります。素材により、仕上がりの自然さ、保険適用の有無、強度などに違いがあります。

歯を削る必要があり、型取りなどのために2〜3回の通院が必要です。

③ ラミネートべニア


ラミネートべニアは、セラミックの薄い付け爪のような板を歯の表面に貼り付ける治療です。主に、歯の形や色を改善したい場合や、すきっ歯を目立たなくしたい場合に適用されます。

クラウン同様、歯を削る必要があり、ジルコニアやセラミック製など様々な素材があります。治療が終わるまで、3〜4回の通院が必要です。

◼️矯正治療


矮小歯があることで、噛み合わせや歯並びに問題が生じた場合は、矯正治療で改善することができます。

矯正治療では、ワイヤーや床装置などで歯並びや噛み合わせを改善させていきます。子供の歯の健康のためにも、骨が柔らかく動かしやすい成長期のうちに治療を開始するのが良いでしょう。

矮小歯があっても、すべての場合で治療が必要とは限りません。見た目や噛み合わせに影響がある場合は、適切な対応を考えることが大切です。

矮小歯があると診断されたら、歯科医院に相談し、早めの対応を心がけましょう。

◽️ホームケアで気をつけること


矮小歯があるお子さんの歯を健康に保つためには、日々のケアがとても重要です。ここでは、矮小歯のある子供のホームケアのポイントについて解説します。

◼️丁寧な歯磨きを心がける


矮小歯の周りの隙間は、食べ物のカスなどの汚れが付着しやすいため、歯ブラシをしっかり当てることが重要です。

隙間は、フロスや歯間ブラシを使ってしっかり汚れを落としましょう。

歯間ブラシは子供の歯の大きさに合ったものを選ぶことが大切です。小さい隙間は、先が細い「タフトブラシ」を使うと磨きやすいですよ。

また、フッ素には、歯を強くさせ、むし歯を防ぐ効果があります。フッ素入りの歯磨き粉を使い、むし歯の発生や進行を抑えましょう。

◼️食生活に気をつける


チョコレートやジュースなどの糖分が多く歯につきやすい飲食物は、むし歯のリスクを高めます。おやつは、キシリトール配合のものを活用するなどひと工夫を。

また、歯の健康のためにはダラダラ食べもNGです。

食事やおやつの時間を決める、食べた後の歯磨きを習慣にするなど、歯のケアを意識した生活習慣を身につけてむし歯を予防しましょう。

◼️定期的に歯科健診を受ける


むし歯や歯並びの状態を定期的に歯科医院でチェックしてもらいましょう。

フッ素塗布クリーニングを受けることで歯を健康に保ち、問題があれば早期に発見・予防することができます。

お子さんの歯を守るために、3〜6ヶ月に一度は検診を受けましょう。

矮小歯がある歯は、毎日の丁寧な歯磨きと適切なケアを続けることが大切です。歯科医院での定期検診を受けながら、口の中を清潔に保ち、トラブルを予防しましょう。

◽️まとめ


矮小歯は、特に上の前歯や親知らずにできやすい小さな歯で、遺伝や発育の影響によって起こることがあります。

見た目が気になる場合や、歯並びに影響がある場合は、歯科医院で相談しながら適切な治療を検討することが大切です。

また、矮小歯はむし歯になりやすいこともあるため、丁寧な歯磨きやフッ素の活用、食生活の工夫など、していきましょう。

矮小歯に気がついたら早めに歯科医師に相談することをおすすめします。当院でもお子様の歯の形についての不安など、どんなお話でもお聞きしています。ぜひお気軽にご相談ください。