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【子供の歯に突起】「中心結節」とは?原因・症状・治療法

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こんにちは北戸田coco歯科です



子供の歯にできる「中心結節(ちゅうしんけっせつ)」をご存じですか?

中心結節は、歯の中心部分にツノのように飛び出た突起がある歯です。

本記事では、中心結節の特徴や原因、治療法、対策について解説します。子供の歯の健康を守るために、ぜひ参考にしてください。

◽️子供の歯にある「中心結節」とは

引用:https://www.semanticscholar.org/reader/5e7c12dfa37ed6f21f3573e412d9653e43d75790


中心結筋は、奥歯が噛み合う面の中心から飛び出る突起のことを言います。これは、歯の形成過程でエナメル質が過剰に作られることにより発生するものです。

小臼歯(前から4番目、5番目の歯)にできやすく、子どもによっては上下複数の小臼歯や、奥の大臼歯に出ることもあります。

左右対称に見られることが多いのが特徴で、出現する確率は1〜4%ほどです。

中心結節の形は、先が尖ったものや丸いしずくのようになっているものなど様々です。あまり突起が目立たないものもあり、一見すると普通の歯と変わらないように見えるものもあります。

◽️子供の歯に中心結節があるリスク


中心結節は突起部分が細いため「折れやすい」ということが一番のリスクです。

突起の中には神経が通っているため、折れてしまうと露髄(神経が出ること)してしまいます。突起は咬合面にあるため、咀嚼や歯ぎしりが原因で折れてしまうことも珍しくありません。



折れたときに激しい痛みを感じて気づくこともあれば、痛みがないため気づかなかったというケースもあります。

そのため、気づかないうちに歯の内部が腐食してしまい、むし歯ではないにもかかわらず神経治療が必要になってしまうことがあります。

また、突起の回りは汚れが溜まりやすくなるため、むし歯のリスクが増加することにも注意が必要です。

◽️中心結節の治療法は?


中心結節の治療法は、現在のところ決まった治療法があるわけではありません。突起が小さく、折れる可能性が少ない形状のものであれば、経過観察で良いでしょう。

突起が尖っていて折れやすい、しみるといった症状があれば、コンポジットレジン充填による予防的な治療が効果的です。

レジン充填は、「コンポジットレジン」という歯科用プラスチックを使用した、歯を修復するための治療法です。突起の周りをレジンで固めることで、折れることを予防できます。

レジンは歯にしっかり接着し、剥がれにくいのが特徴です。麻酔の必要がなく短時間で済むため、負担なく受けられる治療ですが、2〜3年程度で劣化が起こります。

また、成長による噛み合わせの変化で、削れたり亀裂が入ったりする可能性もあるため、再治療の必要がないか定期的なチェックが必要です。

◽️中心結節を削ることはできないの?


中心結節が多くみられるのは11〜12歳の子供ですが、この時期はまだ小臼歯が生え変わって時間が経っていません。

そのような生え変わったばかりの永久歯を「幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)」といいます。

歯の内部には、神経(歯髄)が入っている「歯髄腔」という部屋があり、幼若永久歯の特徴の一つに、歯髄腔が広いことが挙げられます。

歯髄腔は、年齢と共に小さくなっていきます。そのため、突起の中にある神経も、時間が経つにつれて少しずつ小さくなり、最終的に非常に細い状態になったり、なくなることがあります。

そのような状態になれば、レントゲンで神経の状態を確認しながら、削って突起をなくしていくことが可能です。

削る場合、しみたり痛みを感じることもあるため、症状を確認しながら治療を進める必要があります。

◽️突起が折れたら、神経は全て抜かなきゃダメ?


神経の治療は、感染した歯の神経を取り出す治療です。

中心結節の突起が折れて露髄してしまうと、そこから入ってしまった細菌が原因で、神経が感染し「歯髄炎(しずいえん)」を起こしてしまう恐れがあります。

歯髄炎は、激しい痛みを伴い、そのまま進行すると神経が壊死したり、歯の根本に膿が溜まるといった症状が現れます。

そのため、歯の神経が感染してしまった場合は、神経治療でしっかり治さなければいけません。

若年永久歯はまだ歯の根本が未完成であるため、神経を完全に除去すると成長を妨げてしまいます。

そのためできる限り神経を残す必要があり、神経の一部だけを取り除く「生活歯髄切断法」という治療が選ばれるケースが多いです。

神経を全て取り除いた歯は、栄養分や水分が失われてしまうため、もろくなるので割れやすくなってしまいますが、神経を残すことでそういったリスクを避けることができます。

しかし、感染が歯の根本にまで及んでいる場合は、抜髄を選択せざるを得なくなります。

神経の治療は治療完了まで数ヶ月間通院をしなければならないため、負担が大きいため、できる限り神経治療は回避するのが望ましいと言えるでしょう。

そのためには、突起が折れないようにすることや、子供が少しでも痛みやしみるといった症状を訴えた場合、すぐに歯科医院を受診することが重要です。

◽️子供の歯に中心結節がある時の注意点



中心結節は突起の周りに汚れが溜まりやすく、むし歯になりやすいです。

仕上げ磨きを嫌がる子供もいますが、きちんと説明し、しっかりと仕上げ磨きをしてあげてください。また、硬い食べ物を噛むと、その衝撃で折れてしまう可能性があります。

中心結節は折れやすいということを伝えて、食事の際は気をつけるように子供に伝えましょう。

なお、中心結節は病気ではないため、学校で特に制限を設ける必要はありません。しかし、突起にむし歯が出来てしまうと、小さいものであっても神経に届いてしまう恐れがあります。

甘いジュースや飴などはむし歯になりやすいため、気をつける必要があります。食後にきちんと歯磨きをすることも大切です。

◽️子供の中心結節に関するよくある質問


ここでは子供の中心結節についてよくある質問を紹介します。


Q1.中心結節は自然に治る?


中心結節の突起は、自然に治るということはありません。

しかし、突起が小さい場合は、気づかずに過ごしてるうちに、表面が削れて突起がなくなってくるということはありえます。


Q2.いつから治療が必要?


生え変わった歯に中心結節があることがわかったら、早めに受診するのが望ましいです。

子供の生え変わった歯に異常がないか、仕上げ磨きの時などに確認してあげましょう。


Q3.中心結節の予防方法は?


中心結節は、原因がわかっていないため、予防する方法はありません。しかし、早期発見することで、根管治療になるリスクが下がります。

歯が生え変わったら、きちんと定期検診を受けることが大切です。


Q4.中心結節が折れた時の対処法は?



出来るだけ早く歯科にかかりましょう。

すぐに受診できない場合は、特に応急処置などをする必要はありませんが、辛いものや熱いものなど刺激の強い食事は控えた方が良いでしょう。

痛みがあるようなら、必要に応じて痛み止めを飲みます。


Q5.中心結節かどうか、どうやってチェックすればいいの?


肉眼で見える範囲で、歯に尖った部分がないか確認してみてください。


◽️まとめ


中心結節はエナメル質の過剰形成による突起です。

折れると神経が露出し、感染や痛みを引き起こすリスクがあります。治療法は突起の大きさや形状、症状によって異なりますが、折れるリスクが高い場合はレジン充填による予防的治療が効果的です。

また、中心結節は病気ではありませんが、むし歯のリスクを高める要因にもなります。

気づかないうちにリスクを伴うこともあるため、不安がある場合は、歯科医師に相談してください。

当院でもお子さまの歯の異常や問題について、いつでもご相談に乗っております。不安なことがあれば何でもお気軽にお話しください。