こんにちは北戸田coco歯科です!
子供の歯をじっくり見てみると、ところどころ白っぽいまだら模様になっていることはありませんか?
「これって何かの病気?」「放っておいて大丈夫?」このような不安を持つでしょう。
この記事では、子供の歯がまだらに白くなる原因や改善策、日常でできる予防方法について解説します。
◽️子供の歯がまだらに白くなる原因
歯の表面にできる白色をしたまだら模様を「ホワイトスポット」といいます。ホワイトスポットが現れる原因として、以下の3つが考えられます。
◼️脱灰(初期虫歯)
虫歯菌が作り出す酸によって歯のエナメル質が溶け始める症状を「脱灰」といいます。脱灰を起こすと歯は光沢を失い、白く濁り始めます。
そのため、ホワイトスポットが現れるのは、虫歯のでき始めのサインかもしれません。
脱灰が進行すると、歯の質が弱くなり、虫歯が進行しやすくなるため、早期の対策が必要になります。
また、子供が矯正治療をしている場合も、ホワイトスポットが現れやすくなります。
矯正治療中は、ブラケットやワイヤーなどの装置が歯の表面に接触するため、磨き残しが多くなり、歯の表面が脱灰を起こしやすくなるのです。
矯正治療中のホワイトスポットを防ぐためには、矯正装置の隙間や歯と歯の間を丁寧に磨くことが重要です。
◼️フッ素症
フッ素症になると「フルオローシス」という白い斑点が歯に現れます。
フッ素は虫歯予防に効果がありますが、過剰に摂取するとフッ素症を引き起こすことがあります。フッ素症による症状は主に永久歯で見られますが、乳歯で見られることはほとんどありません。
過剰摂取を避けるためにも、フッ素使用量には注意が必要です。
参考:テーマパーク8020
◼️エナメル質形成不全
エナメル質形成不全とは、歯の表面を覆うエナメル質が正常に形成されない状態をいいます。
これにより、ホワイトスポットが現れることがあります。原因は妊娠中や乳児期の栄養不足・病気・遺伝などさまざまです。
エナメル質形成不全になると、歯が弱くなり、虫歯を引き起こしやすくなります。
このように、子供の歯がまだらに白くなる原因はさまざまで、それぞれの特徴を知ることで適切な対処や予防につなげることができます。
◽️子供の歯がまだらに白くなったらどうするべき?
子供の歯にまだらな白さが目立つ場合は、一度歯科医院を受診することをおすすめします。歯科医院では、以下のような治療を受けられます。
◼️フッ素塗布
フッ素塗布は特に脱灰やエナメル質形成不全による虫歯予防に効果的です。
フッ素には、歯の再石灰化を促進したり、虫歯の原因になる酸の量を減らす効果があります。
適切な濃度のフッ素を使用することで、歯を虫歯にさせにくくすることができます。早期に行うことで歯を強化し、ホワイトスポットを防ぐことができます。
◼️シーラント
シーラントは、あらかじめプラスチック樹脂で奥歯の溝を埋める処置です。
奥歯の溝は汚れが溜まりやすく虫歯ができやすいため、物理的に溝を無くすことで虫歯の発生を防ぐことができます。
また、シーラント材にはフッ素が配合されているため、歯を強くする効果も期待できます。
◼️レジン充填
脱灰が少し深いところまで進んだ場合は、歯の表面を少し削り、白い樹脂(レジン)を詰めて修復するレジン充填が有効です。
レジンは歯にしっかり接着し、自然な色合いに仕上げることができます。レジン充填はエナメル質形成不全やフッ素症によるホワイトスポットの修復に適用されます。
◽️子供の歯を守るために
日々のケアで、子供の歯がまだらに白くなることを防ぐことができます。以下のポイントを意識しながらケアをしていきましょう。
◼️定期的に歯科で検診やクリーニングをする
3~6ヶ月に一度、歯科医院で検診とクリーニングを受けましょう。
歯石の除去やホームケアのチェック、フッ素の塗布で歯がまだらに白くなるのを防ぐことができます。
特に、エナメル質形成不全の歯は虫歯になりやすいため、定期的な歯科検診で早期発見と適切なケアを行い進行を抑えましょう。
◼️仕上げ磨きを毎日行う
子供が自分で歯磨きできるようになるまでは、しっかり仕上げ磨きをしてあげてください。
フロスや歯間ブラシも使用し、奥歯や歯と歯の間など磨き残しやすい部分に注意しながら磨きます。
仕上げ磨きは、虫歯や歯のトラブルを未然に防ぐためにも10〜12歳くらいまで続けることが理想です。
◼️フッ素の濃度に気をつける
フッ素入り歯磨き粉は、子どもの年齢に合わせて量を調節します。
歯磨き粉の量は、2歳までは米粒大、3〜6歳まではえんどう豆1粒大が目安です。
仕上げ磨きでフッ素を歯全体に行き渡らせることで、歯がまだらに白くなるのを防ぐことができます。
フッ素は適切な使用で虫歯予防に効果がありますが、過剰摂取はフッ素症の原因にもなるため、使用量や頻度に注意しましょう。
◼️バランスの取れた食事
牛乳・チーズ・小魚・卵などは歯の健康に必要なカルシウムやビタミンDが多く含まれています。バランスよく食事に取り入れて、健康的な口内環境を作りましょう。
また、間食は控えめにし、甘いものを食べた後は歯を磨く習慣をつけることも大切です。
特に、甘いおやつやジュースは酸によって歯を弱くするため、食後のケアを習慣化することが大切です。
◼️口呼吸を防ぐ
口呼吸は口の中を乾燥させ、ホワイトスポットの原因となる歯の表面のミネラル不足(脱灰)を招くこともあります。
アレルギーなどで鼻詰まりがあると口呼吸をしやすくなるため、きちんと治療することが大切です。
また、顎の筋力の低下も口呼吸を引き起こす原因になります。積極的に硬いものを食べるなどして、顎を鍛えるようにしましょう。
◽️子供のホワイトスポットでよくある質問
ここでは、ホワイトスポットでよくある質問を紹介します。
◼️ホワイトスポットの原因は自分でわかるの?
自己診断するのは難しいですが、いくつかのポイントを観察することで、原因を推測することはできます。
たとえば、歯の表面が白く濁っていて、光沢が失われ、ザラザラとした感触がある場合は、脱灰の可能性があります。
また、表面がツルツルしているにもかかわらず白い斑点がある場合は、生まれつきエナメル質がうまく作られなかった「エナメル質形成不全」や、フッ素の過剰摂取による「フッ素症」の可能性が考えられます。
これらは自然に治ることはありませんので、歯科医院で治療を受ける必要があります。
どのケースでも歯磨きの時に、お子さんの歯をよく観察し、変化に早く気づくことが大切です。
◼️ホワイトスポットは、自然に治ることはあるの?
脱灰によるものであれば、歯の再石灰化を促すケアで改善することがあります。
エナメル質形成不全やフッ素症の場合は自然には治りません。早めに歯科医院を受診し、適切な治療を受ける必要があります。
子供の歯が白くまだらになっていることに気づいたら、早めに歯科医師に相談することが大切です。
「自分のせいで子供の歯が、まだらに白くなってしまったのではないか」と思う方もいますが、歯の発育には遺伝や環境要因も関係しています。
親が自分を責める必要はありません。
早めに歯科医院に相談することで適切なアドバイスが受けられます。歯に少しでも気になる症状があればすぐに相談しましょう。
◽️まとめ
歯の白いまだら模様は、放置しておくと虫歯に進行する可能性があります。
また、エナメル質形成不全やフッ素症の可能性もあるので、早めに専門家に相談し、適切な対策を取ることが大切です。
定期的な歯科検診・丁寧な歯磨き・健康な生活習慣で、白く健康な歯を維持できます。親子で協力して正しいケアを習慣化させ、子供の健康的な歯を守っていきたいですね。
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