こんにちは北戸田coco歯科です!
「子供の歯が茶色っぽくなっている」と気になってしまう方も多いのではないでしょうか。
その汚れは「茶渋」かもしれません。「放っておいて平気?」「茶渋って自分で取れるの?」子供の歯の茶渋に、このような疑問や不安を感じますよね。
この記事では、子供の歯にできる「茶渋」について、その原因や取り方、予防法を解説します。
◽️茶渋って一体何?原因は?
茶渋は、歯の表面に現れる茶色い着色汚れのことです。ここでは、茶渋の正体とその原因について詳しく解説します。
◼️茶渋とは?
茶渋とは、ステインの一種です。
ステインとは、お茶やコーヒーに含まれる「ポリフェノール」という成分が、歯の表面にある「ペリクル」という薄い膜に付着して起こる着色汚れのことをいいます。
ペリクルは歯を保護する役割を持っていますが、この膜に飲み物の成分が結合すると、茶色や黄色の汚れが目立つようになります。
◼️茶渋の原因になりやすい食べ物・飲み物
お茶やコーヒー、チョコレートやブドウなど色が濃いものや渋みがあるものは茶渋の原因になりやすいです。
それだけでなく、大豆やバナナのような白い食べ物にもポリフェノールが含まれており、茶渋がつくことがあります。また、ケチャップやカレーなどの子供が好む食べ物も茶渋がつきやすいです。
ただ、お茶には抗菌作用があり、虫歯予防に役立つ成分も含まれています。
飲む量を極端に減らす必要はありませんが、着色を防ぐためにも、飲んだ後に水で口をすすぐ習慣をつけるとよいでしょう。
◼️口呼吸の癖があると着色しやすい
唾液には、歯に付着した食べ物を洗い流して、茶渋の付着を防ぐ効果があります。
しかし、口を開いて呼吸するとお口の中が乾燥して歯に唾液が行き渡らず、唾液の効果が十分に発揮されません。
また、歯は乾燥すると茶渋が付きやすくなる性質があります。口呼吸は慢性的に歯が乾いた状態になるため、きちんと歯磨きをしても茶渋が残りやすくなります。
◼️プラークの蓄積やエナメル質形成不全
茶渋ではなく、歯垢(プラーク)の蓄積やエナメル質形成不全が原因で歯が茶色くなっている場合もあります。
歯垢は放置すると黄色くなる性質があります。変色した歯垢の下で虫歯が進行していることも少なくありません。
特に、歯と歯ぐきの境目は、歯垢が溜まりやすく、虫歯リスクが高い部分です。
歯垢が長時間放置されると、唾液中のカルシウムやリンと結合して石のように固まり「歯石」へと変化します。歯石は、日常の歯磨きでは取り除くことができません。
歯石になってしまう前に、毎日の歯磨きで丁寧に歯垢を取り除くことが大切です。
エナメル質形成不全は、歯が石灰化する時期に何らかの影響でうまく石灰化できなかったために、歯のエナメル質が生まれつき正常に作られていない状態です
エナメル質形成不全の歯は黄ばんだような色をしており、歯磨きなどでは色が変わることはありません。
また、エナメル質形成不全の歯は非常に弱く虫歯になりやすいために、フッ化物を塗って歯の質を強くしながら再石灰化を期待したり、セメントや樹脂などの素材でで覆う処置をします。
参考:日本小児歯科学会
◽️子供の歯の茶渋は放置しても平気?
子供の歯の茶渋は、放置しても健康に大きな影響は与えません。
しかし、歯が茶色いと友達と話している時に気になったり、笑顔に自信が持てなくなったりする可能性があります。
子供の自信を下げてしまう可能性があるため、体に害が無いからと放置はせずに、小さいうちから「白く清潔な歯を保つ」という習慣を身につけてあげましょう。
◽️子供の歯の茶渋をとる方法
茶渋対策の基本は、毎日のブラッシングを小まめに行うことです。
歯ブラシを細かく動かし、丁寧に行うのがポイントです。また、歯と歯の間も茶渋ができやすいため、デンタルフロスや歯間ブラシも活用してください。
ただし、茶渋を除去しようとして重曹で歯を磨いたり、大人用の研磨剤入りの歯磨き粉を使用するのはNGです。
乳歯や生えたての永久歯はエナメル質が弱いため、研磨剤のたくさん入った歯磨き粉を使うことで歯を傷つけてしまいます。
子供用の歯磨き粉を使用し、歯や歯ぐきを傷つけないように磨きましょう。
茶渋は、1日では汚れを取り除くのは難しいですが、丁寧なブラッシングを続ければ数日で除去できることもあります。
◽定期的な歯科医院でのクリーニングを
茶渋による汚れは非常に頑固なため、歯磨きだけで落とすには限界があります。
毎日のブラッシングで落ちない場合は、歯科医院のクリーニングで茶渋を除去してもらいましょう。
歯科医院で行われるクリーニングは主に以下の3つがあります。
①スケーリング
②ポリッシング
③エアフロー
スケーリングは、「スケーラー」という器具を使って硬くなった歯石を取り除きます。特に、歯と歯の間や歯周ポケットに溜まった歯石はスケーリングによって効果的に除去できます。
ただし、着色や柔らかいプラークは除去できません。
「ポリッシング」は電動歯ブラシのようなもので歯の表面を磨く方法で、プラークやステインを落として歯の表面をツルツルにします。
水流と微粒子のパウダーを使って汚れを落とす「エアフロー」は、歯石を除去することはできませんが、茶渋の除去に最も効果がある方法です。
保険適用外ですが、2歳以上の幼児から行うことができます。金属音がせず、自然な甘味のあるパウダーを使用するので、子供が怖がらずにクリーニングを受けられます。
歯のクリーニングは、歯周病や虫歯の原因であるバイオフィルムを取り除き、口内のトラブルを防ぐ効果があります。
虫歯や茶渋の有無に関係なく、クリーニングで定期的に汚れを落とす習慣をつけましょう。
◽子供の歯の着色を防ぐ方法
茶渋を防ぐには、日々のケアや生活習慣の見直しが大切です。ここでは、子供の歯の茶渋を防ぎ、白い歯を保つための対策を紹介します。
◼️食生活を改善する
ポリフェノールが多く含まれている飲食物や、色素が強い食品を控えることで茶渋ができにくくなります。
着色しやすいものを食べる時は、食事の前に一口水を飲み、歯を濡らしておくと良いでしょう。
また、お茶やコーヒーを飲む時にストローを使うと、歯に飲み物が付着する面積が小さくなります。
◼️食後すぐに歯磨きする
茶渋を防ぐには、食後30分以内に歯磨きをするのが理想的です。歯磨きをするのが難しい場合は、うがいをする、綿棒で歯の表面を擦るなどの方法でも良いでしょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使うと、虫歯を予防し、歯を強くすることが期待できます。
茶渋の予防を通して子供に正しい歯磨き方法を身につけてあげれば、口腔ケアの習慣化につながりますよ。
◼️定期的に歯科医院へ通院する
茶渋を防ぐには、定期的に歯科医院でクリーニングしてもらうことが大切です。
歯の表面はザラザラすると着色しやすくなる性質があります。クリーニングで汚れを落とし、表面をツルツルにすることで茶渋を予防できます。
また、歯に詰め物をした部分は着色しやすくなるため、詰め物が劣化してる場合は取り替えることも検討しましょう。
◼️鼻呼吸を心がける
鼻呼吸を心がけることで唾液で口の中が潤い、歯に付着した汚れを洗い流すことができます。
アレルギーや風邪による鼻詰まりの症状があると口呼吸になってしまうため、しっかり治療することが重要です。
また、歯並びや噛み合わせの異常も口呼吸を引き起こす恐れがあります。
必要に応じて矯正治療を行い、きちんと鼻呼吸ができるように促してあげましょう。
◽️まとめ
子供の歯の茶渋対策は、早めの対応がとても重要です。日々の家庭でのケアと、歯科医院でのケアを組み合わせることで、効果的に予防することができます。
「茶渋だと思ってたら虫歯だった」というケースも珍しくありません。
単なる着色と軽視せず、歯科医院に相談し、適切な対応をしてもらいましょう。
歯科医院でのクリーニングやフッ素の塗布を通し、自分に合ったケアを見つけ、子供の白くて清潔な歯を保ってあげましょう。
こちらの記事もおすすめ:子供の歯磨き粉はいつから?どれを選べばいい?年代別におすすめを紹介